Xenepic大陸には，モンスターが巣喰う危険な炭鉱や，海賊船などといった，ハイレベル向けの興味深い別マップが数か所ある。どこのマップも薄暗いグラフィックスと狭い通路で雰囲気たっぷり，おまけにモンスターは高レベルキャラクター向けの強敵揃いだ。

 

ブリンヒルドの町から直接テレポートできる，海賊船マップ。高レベル向けだが，実装されたばかりのため，人気スポットだ

いつでも鬱蒼と暗い「カバルツ洞窟」入り口前。このあたりは転職済みのキャラクターでなければ，たどり着くことすら難しい

 

　初心者が楽しみながらレベルを上げられるダンジョンは二つ。ブリンヒルドの街でいうならば，西ブリンヒルドにある「地下水路」と「迷路」だ。とくにお勧めなのは迷路で，これはクエストも兼ねているため，クリアすればクエストボーナスまでもらえてしまう。
　迷路には，エスネとブリンヒルドのどちらにもいる「迷路案内人」に話しかけるだけで入れる。中央で出会うボスを倒し，無事に出口に到達できればクエスト完了だ。
　レベル1〜19では，行き先を初心者用迷路と上級者用迷路から選べるものの，レベル20以上だと自動的に上級者用迷路に転送される。できればレベル19までに一度は挑戦しておくことをお勧めしたい。レベル20からの挑戦は，出現モンスターの強さが高レベルキャラクターに合わせてあるのか，ゴールどころかボスに出会うことなく散るハメになることがしばしばだ。

 

町の中央マップに立つ迷路案内員は，戦闘不能に陥ったときの復活ポイントにも指定できる便利なNPCだ

上級者向け迷路に出現するモンスターの多くはアクティブタイプ。襲いかかってくるため，ゆっくり休んで回復もできない

　11月の時点で2005年内のアップデートの予定に組み込まれていた“精錬”システムが，12月14日にいよいよ実装される。Xenepic Onlineでは，NPCから買える装備品に違いはないが，精錬システムをうまく使えば，誰よりも強い装備が手に入る。また，成功するかどうかというギャンブル要素も面白みの一つ。プレイヤーにとっては待望のシステムといえよう。

 

　アイテムの精錬を行えるのは，一次職以上に転職済みのキャラクターだけ。各街に配置される精錬用NPCに話しかけ，メニュー画面から精錬したい装備品と消費アイテムを選べばよい。
　ただし，精錬できるのは一次職用のレベル31以上装備品に限定されている。1回精錬に成功すれば＋1の防御力/攻撃力が加わる。精錬は最大＋10まで可能で，＋4までは無条件で成功し，＋5から＋7までは失敗してもそれまでの精錬値が0に戻って材料が消費されるだけで，アイテムそのものは壊れない。これに対して，＋8以上の精錬にチャレンジして失敗すると，材料も武器も消えてしまう。
　＋7までとはいえ，低いリスクで挑戦できるのは，プレイヤーにとって嬉しい。1度でも失敗すれば即アイテム消滅，というシステムの作品も多いだけに，ビギナーに優しい設計といえよう。

 

 

　新システムの導入はこれだけではない。素材から付加効果の付いたアイテムを作る「製造システム」も実装される。これは製造職人NPCに，決まった素材を用意して話しかけると，力・魔力・素早さ・器用さ・体力・精神力というメインステータスのどれかにボーナスが付く装備が作れるというもの。
　どのステータス値にボーナスが付くかは，製造するアイテムによって必要と思われるステータス3種類に絞られ，その中からランダムで1種類が付与される。組み合わせるアイテムのレア度でボーナスポイントも変わるため，場合によっては一攫千金を狙える装備品が出来るかもしれない。

　ゼネピックポイントで購入できるアイテムには，季節限定だったり，強力なパワーを持っていたりする便利な装備品も多いが，可愛いアイテム達は必ずしもお金を払わなければ手に入らないわけではない。材料を集めてNPCのところに持っていけば，ふさふさのキツネのしっぽを付けることだってできてしまう。
　ゲーム序盤で誰でも簡単に作れるのが，「ピエロ鼻」と「ピノキオ鼻」。レベル15〜25ぐらいで作れるのが「キツネの尻尾」と「ダンボールヘッド」だ。どれも身に着ければ外見に反映され，とくにキツネの尻尾をつけた後姿は，ユラユラ，フサフサと実に可愛らしい。いかにも，可愛いキャラを謳い文句にしている「Xenepic Online」ならではのアイテムだ。

 

　これらアイテムは，見た目が楽しそうなだけではなく，きちんと役立つ能力を持っている。ピノキオ鼻はHP回復量＋15，キツネの尻尾なら移動速度＋1というのが，その効果だ。とくにキツネの尻尾はマップ間移動に適しており，装着している人をよく見かける。露店で販売しているケースもあるが，材料集めが難しいアイテムではないので，なるべく早めに自分で作ろう。

　ソロプレイが中心でちょっと寂しいといった場合，ペットを飼ってみることをお勧めしたい。ペットはクエストで手に入る。露店でペットを扱う人も多く，7000〜10000kronで売られていることが多い。プレイヤーの後ろを必死に追いかけるその姿は，ちょっとけなげだし，何より，楽しい。
　大人数でのパーティプレイなどでペットが邪魔になりそうなときは，右クリックでいつでもアイテム欄に戻せる。今はまだペットの種類は豊富ではないが，今後増えるだろうし，もしかしたらアイテム課金でしか手に入らない可愛いペットが登場するかもしれない。

 

モンスター「ポコポコ」を飼い馴らしてペットにしたもの。ダブルクリックでアイテム欄から出てくる

支援や荷物持ちなどにはいっさい役に立たないが，一度飼ったら手放せないのが，愛らしいペット

 

 

　さて，前編，後編を通して，Xenepic Onlineの序盤の展開を見てきたが，いかがだったろうか。近々に実装されるアイテム精錬システムを含めて，ビギナーに対する配慮がさまざまになされたタイトルであることが，最大の特徴だ。
　記事で紹介した地域やクエストの情報を参考にして，ゲーム上で知り合う人達と協力しつつ，自分なりの冒険を繰り広げてもらえれば，筆者としては嬉しい限りである。