
アズランのテレポーターでアズランフィールドに出て,二つの城方面へ向かうと,フィールドが壁で仕切られている。そこを越えるとPK容認エリアになっている。ダンジョン同様,こういったPK行為が容認された場所が点在しているのだ
この連載で紹介した狩り場やTipsを参考にしてきた人の多くは,すでにレベル100以上になっていることだろう。この,レベル100という大きな節目を越えると,舞台は徐々にPK容認エリアへと移行することになる。その後の舞台となる暗黒ダンジョンのクエストエリアや,フィールドにあるクエストエリアなどは,すべてPK容認エリアに存在するのだ。
ただし,これらのPK容認エリアならばなんのペナルティもなくPKを行えるかというと,そうではない。ほかのプレイヤーキャラクターに攻撃して,その相手が反撃しないうちに倒してしまうと,“カオスポイント”を失うのだ。このカオスポイントの状況に応じてペナルティを負うというのが,“カオスシステム”である。

キーボードのKキーなどでON/OFFできるPKモード。PK容認エリアでは,このモードにすることでほかのプレイヤーキャラクターを攻撃できる。もちろん,普段はOFFにしておくこと
通常の状態では,ほかのプレイヤーキャラクターには攻撃できない。Kキーを押すなどしてPKモードに入って,始めてPKが行えるのだ。このとき,画面上には「PK MODE」と表示され,PK容認エリアでほかのプレイヤーキャラクターを左クリックすると,攻撃する。
さて,このとき相手が反撃してくれば,これはPK行為とはみなされず,PvP扱いとなる。この場合は一時的に両者の名前が赤く点滅してカオス状態となるが,1分程度で元に戻り,カオスポイントは変動しない。
しかし,相手が反撃してこないまま倒してしまった場合,攻撃した側はPK行為をしたとみなされてカオスポイントが減少し,名前の色も白(75〜51点)から青(50〜26点),緑(25〜1点),黄色(0〜−24点),オレンジ(−25〜−39点),赤(−50〜−64点),そして黒(−65点以下)へと変化していくことになる。
なお,減少するカオスポイント量は,相手のカオスポイントの状況に応じて4段階に分かれている。
これを見れば分かるように,相手がカオスであるほど(頻繁にPK行為をしている場合ほど),ポイント減少量は少なくなる。

暗黒ダンジョンやアズランフィールドの先は,PK行為が容認されている。そのエリアに入る場合には画面上に音と共にそこがPK容認エリアであることが表示されるようになっている
さて,では具体的なペナルティについて見ていこう。
カオスポイント−24点以上ではペナルティは無いが,−25〜−45点ではステータスが−20%に,−46〜59点では−30%に,−60〜−75点では半分になってしまう。
また,取得できる経験値にもペナルティが生じ,カオスポイントが−50〜−59点では取得経験値が3分の1に,−60〜−75点ではなんと5分の1に減らされてしまう。
そのほか,カオスポイントが−65ポイント以下で“カオス状態”(名前が黒色)となり,同じカオス状態の相手にしかPKできなくなる。前述のように,このカオス状態のキャラクターをPKしてもカオスポイントに変動がないため,むやみにカオス状態になるとほかのプレイヤーから襲われる可能性が高くなるので,注意が必要だ。
では,減少したカオスポイントは元に戻せないかというと,そうではない。険しい道のりではあるが,戻すことも可能なのだ。
まず,自分のカオスポイントの状況に関係なく,レベルアップするごとに5点が加算される。またカオスポイントが−1点以下のキャラクターの場合は,連続して1時間接続することで,自動的に1点が加算される。
なお,自分のカオスポイントは,チャット入力エリアに /cp と入力して決定すると,表示される。PKを行ったときなどには確認を忘れないようにしよう。
ちなみ,宣戦布告とその承諾によって行われる敵対ギルド員との戦闘の場合には,カオスシステムは適用されない。キッチリと定められたルール上で,ペナルティなしにPvPを行いたいなら,ギルドを作ったり,ほかのギルドに入ったりして敵対ギルドのプレイヤーと戦闘するといいだろう。

草むらの中に落ちているアイテムも,色でどのランクのものなのか分かる。Ctrlキーを押して名前を表示しながら,そのランクを確認することで,拾わずして良いアイテムを選別できる
店で売っている装備は,レベル80台のものまで。そのため,キャラクターがこのくらいのレベルになるまでは,さほどドロップアイテムのお世話にならずとも,やっていけるだろう。しかしレベル100以上では,そうはいかない。アイテムの見分け方については公式サイトでも詳しく解説されていないので,その基本をここで紹介しておこう。
装備は,付与されているオプションの良し悪しで,大きく4種類(4色)に分かれている。
例えば,NPCが販売している装備に関しては,特別な付与効果オプションが何もないので,名前は基本である青色となり,モンスターが同様のアイテムをドロップしても,青くしか光らない。
弱いながらも何かしらの付与効果オプションがある場合には,緑色の名前となり,落ちているものは緑色の光を放つ。さらにこれより良くなるとクリーム色に,そして最も良い付与効果がある場合には,オレンジ色になるのだ。
この
オレンジ > クリーム > 緑 > 青
の等級を知っていると,狩り場で無駄なアイテムを抱えて,何度も街へ戻ることが減るだろう。
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| 同じアイテムでも,追加効果の有無やその効果の良し悪しで,4色に色分けされている。ノーマル品は青,効果は低いが付与されているものは緑,中程度の効果が付与されている場合はクリーム色,大きな効果が付与されている場合にはオレンジとなる。それぞれの段階で,さらに効果の良し悪しなども存在する |
またアイテムには,名前の後ろにNやM,Aなどが付いていることがある。これは防具にのみ付く記号で,その防御力の高さを示しているものだ。
最も弱いのがNで,ノーマルという意味。もちろんこのNのランク内でも,防御力に差がある場合もある。中間ランクのMはミスティック,最上級のものはAでアーケンを意味する。なおこの記号は,拾ってから確認するしかない。
オレンジ色で,かつ名前の最後にAと入っているものがその防具の中では最上級となるので,もしまだ装備できないレベルのものであっても,のちのちのために取っておくといいだろう。

アズランのNPCのうち,街の奥にいる雑貨商は,リプルション用の石を売っている。+3以下の防具に使用することで,アイテムのオプションを変更できる便利アイテムだ。なお,ランクによって値段が異なる
WYD2には,アイテムに付与されている効果を変更するためのシステムが用意されている。これが,リプルションシステムだ。
アズランの雑貨商から,防具の等級にあったリプルション石を購入して,該当防具に使えばリプルションを行える。このときの条件は,まず精錬値として+3以下の防具であるということだ。なお精錬不可なアイテムでも,リプルションは可能である。
リプルション石は,対応する等級によって,値段が異なる4種類が用意されている。等級はA級からD級までの4種類で,A級が一番安く,D級が一番高い。またA級からD級へと等級が上がっていくほど,精錬が難しくなっていく(成功確率が下がっていく)。
この等級は,防具の等級(アイテムの名前の後ろにつく,括弧の中の等級)に対応している。店売りの装備ではB級が最高なので,そのあたりまでなら比較的安価に,そして高確率で精錬できる。また,+3になったり壊れたりしない限りは何度でも精錬できるので,自分の好みの効果が付与されるまでチャレンジ可能だ。
オリハルコン粉やラクトレリウム粉などで精錬するのは,より高レベルになってからがいいだろう。レベル100前後ならば,リプルションによって効果的な精錬をするのがお得なので,ぜひお試しあれ。
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| リプルション石のA〜Dの等級は,アイテムの名前の横にある括弧付きのアルファベットに対応している |
リプルション石を使用すると,防具に付与されている効果が変更される。店売りの防具にも適用されるので,試してみよう |
WYD2では,精錬を行うことで,装備を強化できる。これは,防具ならば防御力が上がるなど,文字どおりより良いアイテムにグレードアップできるのだが,精錬するには希少なオリハルコン粉などが必要で,レベル100前後ではおいそれとは試せない。
その代用となるのがリプルションシステムだが,こちらもCランク以上では1回あたりの成功率が下がり,リスクを伴うようになる。またリプルション石も高額になっていくので,徐々にトライしにくくなるのが現実だ。
しかし,レベル100を超えるころになると,精錬済みの装備にも負けないような,通常の状態でも強化された装備が登場し始める。それがレジェンダリーアイテムだ。
レジェンダリーアイテムとは,一般アイテムよりも優れている代わりに,装備可能となるレベルが若干高く設定された装備だ。基本的な性能が高くなるので,精錬していない一般アイテムに比べると,圧倒的に装備としての価値が高くなる。
精錬を行った一般アイテムは,通常色から徐々に明るい金色へと見た目上も変化していく。これがレジェンダリーアイテムでは,最初が濃く暗い感じの金色がベースカラーになる。アイテムのアイコンも金色に光る感じでほかとは異なる雰囲気を醸し出すなど,一般アイテムとは違うものであることが分かる。
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| 写真は同じコンバットアーマーの胴パーツだが,一般アイテムのほうは+4,レジェンダリアイテムのほうは精錬されていないものだ。防御力を見ると,+4で103なのに対して,レジェンダリアイテムでは±0でも95と,高い値だ。限界まで精錬することを考えると,その効果の高さは見逃せない |
さて,このレジェンダリーアイテムは,レベル100以降に訪れる暗黒ダンジョンのクエストエリアなどで手に入る。同じ暗黒ダンジョンでも,出るエリアは限られているようで,通常モンスターがドロップすることはなかった。さらに高レベルなレジェンダリーアイテムは,アンダーワールドなどで見つけられるので,よりレベルが上がったら挑戦してみよう。
また,一般アイテムをレジェンダリーアイテムに作り変える方法も存在する。ただし専用の原石を入手する必要があり,この原石はオリハルコン粉などと同じく非常にレアなドロップアイテムとなっている。また原石によって対応した防具が決まっているなど,組み合わせどおりの原石を入手するのは非常に困難だ。
なお,レジェンダリーアイテム化を行うと,装備するのに必要なレベルが高くなる点と,同アイテムはリプルションができない可能性があるという点には注意しておこう。
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| 暗黒ダンジョンで,レベル100から入れるクエストエリア。クエストではカイゼンナイトを倒すことになるが,ここで骸骨騎士を倒すことで,レジェンダリアイテムが手に入る可能性がある |
原石は,スペネルの原石,ベリル原石,テクタイト原石,アダマンタイト原石の4種類。フィールドやダンジョンの一般モンスターがマレに落とすようだが,その確率は非常に低い。パーティを組んでモンスターを狩りまくって手に入れよう |
レベルが上がるにつれて,WYD2の魅力の一つであるPvPの要素が,徐々に増してくる。また,冒頭で述べたように,レベル100を超える頃にはPK容認エリアばかりになってくるので,PKの被害に遭う確率も上がってくるわけだ。
まだまだ先のことと思わず,今のうちからカオスシステムについてしっかりと覚えておくといいだろう。
そしてより高レベルとなり,ギルドなどに所属してPvPに挑むとき,最終的に頼りになるのは腕と装備品である(レベルはいずれ頭打ちになる)。装備に関するさまざまなシステムも,早めに理解しておき,効率良く優れたアイテムを入手する方法を身につけておこう。
さて,以上で当連載は終了となる。キャラクターメインキングからレベル100超えあたりまでをフォローしたつもりなので,この後の道は,ぜひ自ら切り開いてほしい。もちろんゲーム内にはほかにも多くのプレイヤーがいるので,困ったときには遠慮せずに助けてもらおう。もちろん,逆に困っている人を見れば,助けてあげるのをお忘れなく。
この連載の読者から,国王が誕生することを祈っている。