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ウワサのMMOコミュニティゲームの実態が明らかに! 「ときめきメモリアルONLINE」制作者インタビュー

Text by MIDIはらふじ / Photo by 小林秀銀
 

 

4Gamer
 過去のときめきシリーズのキャラは登場するのでしょうか?

メタル:
 うーん,これはね,登場させないほうがいいと思ってるんだよ。ときめきのファンの人って,各キャラにすごく愛着を持って接してくれているじゃない。そんな彼らにしてみれば,詩織ちゃんは"きらめき高校"に,光ちゃんは"ひびきの高校"に通っている,それは譲れないところだろうと思うんだよ。そういう熱い気持ちを壊したくないんだよね。だから,こちら側から藤崎詩織をNPCとして用意するようなことはないと思う。

4Gamer
 なるほど。

メタル:
 ただ,藤崎詩織を演じたいという人もいるだろうから,そういう人に向けてはなりきれる環境やキャラのパーツは用意しますよ,と。でも,ほかの人が作った藤崎詩織って名前のキャラクターが,校内で大暴れしてたらファンの人は「そんなの詩織ちゃんじゃない!」ってなるから,そのあたりの対策は現在調整中って感じかな。

三野:
 僕の描くキャラと小倉さん(小倉雅史氏。ときめき1のキャラデザイナー)や大塚さん(大塚あきら氏。ときめき2のキャラデザイナー)のキャラは違いますから,どれだけ詩織ちゃんに近いキャラを作ったとしても,それはきっと本当の詩織ちゃんじゃないんです。

4Gamer
 うんうん,そういう解釈で似ているキャラを作る分には問題ないってことですね。あと,キャラ以外の部分で気になっているのはコミュニティ機能の部分なんですが。例えば,ほかのゲームだとギルドを設立するシステムがあったり,メッセンジャー機能があったりしますよね。そういうのは取り入れる予定ですか?

メタル:
 うん,ときめきONLINEにも入れるつもりだよ。それにプラスして,三野のアイディアが具現化したツーショットチャット。これが大きいんじゃないかな。

4Gamer
 会話しながら表情が変えられるというのが,すごく面白いですよね。

三野:
 ありがとうございます。あれはですね,プレイヤーに「ゲームの中だけどちゃんとほかの人と会話している」という雰囲気を伝えたかったんです。そのためには,やっぱり表情って重要で。

メタル:
 言葉だけだとうまく伝わらないこともあるしね。逆に,怒った口調でしゃべっていても顔が笑っていたりすると,照れて怒ってるようにも思えるじゃない。

三野:
 そのへんの微妙な感情もチャットで伝えられるようにしたかったんで,表情変更も10種類ぐらい用意しました。

メタル:
 ほかにも基本的なチャット機能もあるし。ギルドはきっと,同好会とか仲良しグループみたいな形で取り入れると思うよ。その名前のほうがときめきっぽいからね。

 

 

4Gamer
 ここからはサービス自体の話になるんですが,正式サービスの開始はいつ頃を予定しているんですか?

メタル:
 いま社内でテストをしていて,βテストに向けて内容を詰めたりバランスを取ったりと検証作業を行っているところで……。これからオープンβテストを行って,今年中には正式サービスを始めたいなと思っているよ。

4Gamer
 段取りとしてはβテストがあって,正式サービスという流れで?

メタル:
 うん,多分ね。

4Gamer
 ちょっと気の早い話だとは思うんですが,正式サービス時の課金形態はどのようなものを予定していますか?

メタル:
 まだ正式に発表できる段階じゃないんだけど,遊びたいと思ってる人が手軽に遊べるように,いろんな方法の課金方式を用意したいなとは思ってる。

4Gamer
 一般的なMMORPGを見ると,だいたい1500円/月ぐらいが多い価格帯かなと思うんですが。

メタル:
 そうだね,そこから大きくずれることはないと思う。ただ,お客さんにはそれぞれのプレイスタイル,生活スタイルがあるじゃない。一週間に一度しか参加できない人もいれば,一週間ベッタリ参加できる人もいるし。そういったさまざまなスタイルの人達がそれぞれ納得できるサービスを提供するために,いろいろ策を練っているよ。

4Gamer
 では最後の質問なんですが,目標とする会員数はどれくらいでしょう?

メタル:
 うーん,どうだろうね?(笑)。今回はときめきをプレイしたことのない人達でも遊べるような新しい作品だから,なかなか読みにくいし,たとえ予想していても言えない部分ではあるんだけど……。でも,目標は大きく持ちたいんだよ。コナミが初めて提供するMMO型ゲームだからね。

4Gamer
 じゃあ,目標としては「ラグナロクオンライン」の100万IDを抜くぞ! ぐらいの勢いで……。

メタル:
 そうだね。もちろんそれ以上も目指したいし。

4Gamer
 海外展開は考えていたりするんですか?

メタル:
 もちろん。文化風土の問題はあるんだけど,韓国や中国でのサービスを目指して,マーケティングリサーチもしていこうかと思ってる。あとはちょっと話が違うかもしれないけど,とりあえずはPCからスタートさせるものの,これから新しく出てくる新型のコンシューマ機に対応させることも考えなきゃなって思っているよ。

4Gamer
 おお,すでに新ハードまで見越してますか。

メタル:
 まだまだビジネス展望として,だけどね。多くの人達に楽しんでもらうためには,プラットフォームは多いほうがいいじゃない。だから,そういうことも考えているよ。といっても,いまのオンラインゲーム市場はPCのほうが普及率が高いから,まずはPCでしっかり頑張るところからスタートさせなきゃいけないんだけどね。今回は,とにかくときめきONLINEという作品をメジャーにしていきたいという思いがあるんだよ。多くの人がゲームに集まれば,そこで何かをアピールしたり,PRしたり,CMしたりということが可能になってくる。そうなれば,ときめきONLINEがメディアの情報の伝達基地になっていくこともありうるじゃない。そうなればいいなって思ってるんだよね。

4Gamer
 ネットゲーム内での広告収入みたいなものがビジネスモデルとして確立すれば面白いですよね。

メタル:
 うん。ま,お金の話だけじゃないんだけどね(笑)。例えば,ゲームの中で実在のアイドルが生徒としてプレイしていて,そのアイドルがブレイクしてビッグになったら「俺達が育てたアイドルだよ」って言えるじゃない。「あいつ,俺と同じクラスだったんだぜ」とかさ(笑)。楽しいじゃん,そういうのって。なかなか体験できるもんじゃないし。

4Gamer
 ああ,それはいいかも! ゲーム内だとしても,アイドルの彼氏とかにはなりたいですもん。

メタル:
 夢は広がるでしょ?

4Gamer
 ええ,めちゃくちゃ広がってきました(笑)。それではもうそろそろ終わりということで,最後に一言ずつメッセージをお願いします。

秋風:
 コナミが発売する,また,ときめきメモリアルとタイトルに付いている以上,面白くないものは作っていないつもりです。いまはまだ,βテストの時期や詳細など発表できないことが多いんですが,スタッフ一同頑張って制作していますので,楽しみにしていてください。

三野:
 シリーズとして,ときめき1,2,3とヒットした作品ですから,その魅力をキャラクターを含めて引き継いでいきたいなって思っています。まだまだ未熟なんですが,魂込めて描いたキャラクター達なので,ぜひ愛してやってください。

メタル:
 「安全,安心に,居心地のいい空間をみんなで作って育てていこう!」って感じかな。それがみんなの努力で実れば,最初は学校の中だけだけど,学校周辺の施設が増設工事で導入されたりするかもしれないし(笑)。そしたらさ,学校帰りに商店街で買い食いしたり,ゲームセンターで面白いゲームができるようになったりとかね。そういう楽しい広がりに向かって,スタッフ,プレイヤーみんなで学校を育てていけるような作品になればいいなと思ってる。だからよろしくね,と。そんな感じかな。

4Gamer
 ありがとうございました。

 

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