4Gamer:
RYLPart2で日本独自仕様の導入が可能という話ですが,その独自仕様はどのようなものになりそうです?
小池氏:

現状ではさまざまなアイデアが出ています。RYLPart2オリジナル要素に加えてそういったアイデアをGAMA Softと協議し,技術的に可能なものならば実装していきたいと考えています。当社としては,"日本のRYLPart2"を作りたいと思っています。そういった要素をプレイヤーからの意見をもとに作り上げていくことで,自己満足で終わらないものができると思っています。
4Gamer:
プレイヤーの意見がどんどん取り入れられる感じになるんですね。そういった意見をオープンβ期間中に集めるための準備は行っていますか?
小池氏:
何かしらの形でアンケートは実施していきたいと思ってます。クローズドβでは選択式のアンケートという形で行いました。それ以外にも自由に書ける項目なども用意したいと考えています。その中のたった一言が大きく影響することもあるので,本音をどんどん聞かせてほしいと思います。要望次第では,エンターテイメント性の高いイベントなども行っていきますよ。
4Gamer:
アンケートだけではなく,例えばオフラインイベントやチャットイベントという形で,開発陣と直接話し合える場があると,意見のある熱心なプレイヤー達も喜びそうですね。
そういえば,MMORPGのサービス運営というのは御社としてもまだあまり経験がない部分かと思いますが,具体的な目標はありますか?
小池氏:
個人的に,初めてMMORPGをプレイしたときに感じたのが,"キャストのいないディズニーランドだなぁ"という印象でした。アトラクションがあって好きに遊べるのだけど,その世界の象徴となるキャストがいないという。
それはそれで自由でいいんですけど,それだけじゃなくて,世界に入ったときにプレイヤーが楽しめるような導線をある程度用意して提案していきたいと思っています。これは,ビジネスライクにイベントを実施したり,プレイヤーを扇動していくというものではなく,プレイヤーに近い位置で話ができるサービスを用意したいということです。最初の出会いが大事なMMORPGなので,そのへんをサポートしていきたいですね。
4Gamer:
「ウルティマ オンライン」のカウンセラー的な立場の人を用意するといったような?
小池氏:
はい。さらにそこで,例えば何か不具合が起こった場合などにも,なるべく包み隠さずプレイヤーに情報を提供し説明していき,よりプレイヤーとの距離を縮めていきたいと思っています。後発のサービスなので,ほかのゲームの良いところはどんどん採用していきたいと思います。GAMA Softは,「顧客満足ではなく顧客感動を目指していく」という理想を持っています。そういったところも,見習っていきたいですね。
4Gamer:
それは確かに理想的な距離感覚だと思いますが,実現するのはなかなか大変だと思うので,ぜひがんばってください。
次に,これは私がプレイヤーとして感じたことなのですが,本作をプレイしてみて,ずいぶんとプレイヤースキルが大きく影響するゲームだなぁという感想を持ちました。イメージイラストやゲーム内グラフィックスから受けるイメージもかなりハードで,ライトユーザーにはちょっとハードルが高いかなぁ,とも思えたのですが,ライトユーザーにも触ってもらえる形にする手段やプロモーションとしては,なにか予定がありますか?
小池氏:
GAMA Softからも,それぞれのお国柄に合わせたサービス/プロモーション展開を期待されているので,このような(下のイラスト参照),そのほかのMMORPGなどに埋もれないようなデザインを意識して採用しました。そうすることで,ビジュアル面に敏感なライトユーザーにも,RYLPart2に興味を持ってもらえればなと期待しています。
4Gamer:
このイメージイラストは確かにインパクトがありますよね。パッと見て「お?」と思わせるものになっていると思います。
小池氏:
イメージイラストに関しては,社内でもかなり検討しました。MMORPGの主要なプレイヤー層は20代前半から30代半ばあたりとなっているので,あえて'90年代のアニメのテイストを意識して,イメージイラストを作成しました。このイメージイラストを見て,RYLという言葉を知ってもらおう。そして興味を持ってもらえたらと思っています。とにかくプレイにつながれば嬉しいですね。そういったプレイヤーをサポートしていくことの重要性も,もちろん認識しています。
4Gamer:
とはいえ,FPSと同じようなW/A/S/Dキーを使ったキーボード操作は,ライトユーザーにはちょっと馴染み難いとは思いませんか?
小池氏:
プレイステーションなどでもゲームパッドには多くのボタンが付いていますが,複雑な操作もみんな巧みに使いこなしていますよね。本作でも使うのは一部のキーだけですし,もちろん慣れてもらう必要はありますが,あまり心配はしていません。
4Gamer:
キーボードモードで頻繁に使用するキーは……,ザッと思い出してみても10前後くらいですね。
小池氏:
実際に社内でプレイしても,9割くらいの人がキーボードモードでプレイしています。それにPvPではキーボードモードでプレイしている人のほうが有利に動けていますので,それを見て,マウスモードでプレイしていた人もキーボードモードに切り替えて練習していたりしますよ。
RYLPart2はそれほど高いスペックを要求するわけではないので,幅広いユーザーにプレイしてもらえると思います。韓国では,70%ものプレイヤーがキーボードモードでプレイしているという結果も出ています。
4Gamer:
なるほど。確かに使用するキーはそれほど多くないし,意外とすんなり入れるのかもしれませんね。
しかしそうやってライトユーザーがすんなり参入してきた場合,ゲーム内コミュニティだけではなく,ゲーム外のコミュニティも活発になりそうですが,ユーザー間のコミュニケーションをサポートするための具体的な策は用意されていますか?
小池氏:
どうしていこうかという方向性は,常に考えている段階です。ファンサイトキットなどは今のところ決まっていませんが,要望は出ているのでいずれ用意していこうと思っています。
4Gamer:
コミュニティやファンサイトなどができれば,さらに多くの人に知ってもらえますよね。
では次は,少しゲーム内容に関わる話を。本作には,ゲームのストーリー的な流れとして,1本の大きなメインクエストと,その枝となるサブクエストがありますが,一般的なMMORPGと比較すると,ややクエストが少ないような気がしました。プレイヤーとして長く遊ぶなら,例えば倒したモンスターの数によって褒賞が得られる反復性クエストや,パズル的な要素の盛り込まれたクエストなど,規模は小さくてもバラエティに富んだクエストを楽しみたいと思うのですが,その点はいかがでしょうか?
小池氏:
まず,RYLPart2をプレイするにあたって,RYLPart2のバックストーリーを考えながら種族を選択し,プレイする中でどういったことをしていけばいいのか,目的は何かというのを探していってもらえたらいいのかなと思っています。
4Gamer:
ある意味,自分の選んだ種族の立場を考えながらプレイしていれば,自然と"やるべきこと"が見えてくるというわけですね。
小池氏:
例えばまずはギルド要塞を作るとか仲間を作っていくといったようなことを目標として,プレイしてもいいでしょうし。そうやってプレイしていく中でプレイヤーから意見が出てくるのであれば,耳を傾けていきたいと思います。
4Gamer:
実際に,何かサブクエストを追加してもらおうと思った場合に,追加というのは簡単に行えるものなんですか?
小池氏:
簡単なものならば即座に取りかかれます。やはりその内容次第にはなりますが。
4Gamer:
イベント用のアイテムを追加してくれとか,そういった要望ならば比較的通りやすい形になっているということですか。
小池氏:
はい。NPCの追加などはやや複雑ですが,アイテムであれば比較的簡単に追加できます。
実は同僚達の多くもRYLPart2をプレイしてくれていて,グラフィックスにしても,操作系統やシステム面にしても,プロ視点による"指摘"や"要望"が多く寄せられている状況です。とはいえ,やはり実際にプレイする一般プレイヤーの意見が最も重要であることには変わりがありません。
9月13日からオープンβテストが始まるので,テスターの人には本当に忌憚のない意見をお願いしたいところです。こちらも期待に応えられるよう,全力で対応していきたいと考えています。
4Gamer:
オープンβのタイミングですが,9月13日からですよね。先ほど見せてもらったパッケージはオープンβパッケージとなっていましたが,どこかで販売か配布という形になるのですか?
小池氏:
あれは販売用ではなく,東京ゲームショウ2005で実際にプレイしてもらった人に配るためのパッケージです。会場では,タッチアンドトライという形で多くの人に触って知ってもらいたいと思っています。気になった人はTGSのアトラスブースやオンラインゲームビレッジなどを回ってみてください。数がなくなり次第終了となるので,ぜひお早めに……と書いておいてください(笑)。
4Gamer:
つまり先ほどのパッケージは,TGSで触って手に入れてくださいということですね。
さてこれは多くの人が気になっていることだと思うのですが,実際にサービスを開始するに当たっての課金形態やパッケージ販売などはどういった予定になっていますか?
小池氏:
まず,パッケージ販売に関しては検討していますが,まだ決定はしていません。また課金形態ですが,アンケートでは月額払いを求める人が多いという結果になっています。ほかにも色々と意見をもらっているので,慎重に協議して決めていきたいと思っています。
4Gamer:
なるほど。現時点では月額課金が濃厚そうですね。
それでは,そろそろ時間もなくなってきましたので,最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
小池氏:

今も,テスト中にメールで届いたご意見などを毎日読んでいるところです。我々としては,RYLPart2というタイトルは非常に良いタイトルだと自負していますし,自分自身RYLPart2に惚れています。ですので,プレイしたことがないという人は,とにかく触れてみてほしいと思っていますし,プレイしたことのある人は,知らない人に教えてあげてほしいと思います。すべての意見に対応するのは難しいとは思いますが,応援と共に厳しい本音の意見をもらえると,我々としても非常にありがたいですね。
4Gamer:
分かりました。本日はどうもありがとうございました。
小池氏:
こちらこそ,ありがとうございました。