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リネージュ エピソードIII

Text by キーオ林


 新エピソードが始まってから約1か月が経過した。そろそろ新仕様に慣れ始めたプレイヤーが多くなってきており,以前とのプレイスタイルの細かな違いというのがじわりじわりと見えてきたところだ。それについての議論も多くなされているが,逆に考えるとそれだけ「生と死」は影響力の大きいアップデートだったともいえる。
 現在,本作ではゲーム内イベント「慈愛と試練」の開催などで,ワールド全体がホットな雰囲気に満ちあふれている。アップデート内容についての話題もホットさに影響を与えているだろう。そこで後編となる今回は,クエストと新魔法について,筆者が重要だと感じた部分を中心にレポートしていくこととしよう。


 

水晶の洞窟の3FにいるNPC,カリフは,2種類のクエストでキーとなるキャラクター。会うこと自体は容易だが……
 思えば,リネージュが正式サービス開始されてからしばらくの間は,レベル15クエストやレベル30クエスト(そのレベルに達してから受けられるクエスト)も存在しなかった。アップデートによって次々と追加され,現在ではクエストの数は非常に多くなり充実しているといえる。
 その流れは健在で,今回のアップデートでも複数のクエストが追加された。最近のMMORPGを見てみると,全体的にクエストを重視しているタイトルが多く,プレイヤーを飽きさせないように工夫しているようだ。リネージュも,そうした流れに抗わず進化してきているということなのだろう。

 しかし,エピソード3で追加された新クエストは,いささかハードルが高いものが多い印象だ。とくにディアド要塞の城主となったクランに大きなアドバンテージをもたらす"ブラックミスリルクエスト"や,ドラゴンスケイルメイルをドラゴンマジックアーマーに変化させられる"クプの製作アイテムクエスト"は顕著である。これらのクエストは,開始条件だけでなくアイテムを揃えるのにも非常な困難が伴う。
 また,4月20日現在でディアド要塞が陥落していない「ベガ」サーバーなどでは,要塞で開始するブラックミスリルクエストには誰もチャレンジできない。
 つまり,1日に2〜3時間しかゲームに接続しない/できないプレイヤーにとっては,よほどの僥倖(ぎょうこう)に見舞われない限り,入手できない。これらクエストを全プレイヤーの中の何割がクリアできるかという話題は,あちらこちらで起こっているようだ。筆者もこの仕様については疑問を抱かざるを得ない。

 だが,これらのクエストをクリアすることによって得られるアイテムは,いずれも強力なものばかり。リネージュはもともと"やり込み系"のプレイヤーが多いので,敷居が高い方が"クリアを目指して"燃える"人も多いのかもしれない。

以前は入手が容易だった宝石類は,新クエストで必要なアイテムとなったのに,モンスターからのドロップ率が激減 新魔法入手のためのクエストでは,話せる島にいるNPC,ラビエンヌに会う必要がある。このクエストも高難易度だ




 さて前編で,今回のアップデートで本当の肝となる部分は新マップや個人商店ではなく,ほかにあると書いたのだが,いよいよその"肝"の部分の紹介である。各プレイヤーのレベルやプレイスタイルによって,重要視する部分が異なるのは当たり前だが,それでも今回のアップデートでの魔法や戦闘の新仕様については,ほとんどのプレイヤーにとって見過ごせない重要事項のはずだ。

新魔法は高レベルかつ入手困難なものが多い。身につけられさえすれば,威力はバツグンなのだが……。これから先,どこまで普及するであろうか?
 まずは既存の魔法に関しての変更部分。ここで全部を書き出すスペースはないので,エピソード3になって仕様変更された魔法をかいつまんで紹介していこう。
 魔法を使うキャラクターにとって最も重要なのは,エルフのクリアマインドや,ダークエルフのアーマーブレイクなどの魔法詠唱に,"精霊の玉"や"ダークストーン"といった触媒アイテムが必要になったことだ。このような触媒として使われるようになったアイテムは,以前より軽くなっている。これによって重量制限はほぼ考えなくていいものの,魔法を使うためのコストは増したこととなる。なお,ほとんどのエルフが必携となるアローの重量も軽くなっているのもうれしい変更だ。

 また,魔法効果にも追加や修正が行われている。たとえばエルフの水属性魔法"ネイチャーズブレッシング"は効力が下方修正されたため,価値が大幅に下がった。逆に,エピソード3まで実装されていなかったダークエルフの"バーニングスピリッツ"は,きちんと効果が出るようになり,ダークエルフの特徴である"攻撃力"がより増しているという感じだ。
 個々の魔法の有用性の変化はあるものの,全体的に魔法詠唱に必要なMPは増加傾向にあり,今までよりも残MP管理など,高度な戦略を練らなければならなくなる。パーティハントや戦争では,それぞれのプレイヤーがしっかりと役割分担して,力を合わせて戦うようになったともいえるだろう。

威力のみならず,エフェクトもハデなのが新魔法の特徴か。高レベルのものは当然,消費MPが多めとなっている
 一方,新魔法に関しては,効果や入手の難易度の差もあって一概にはいえないが,かなり"使える"ものが多い。たとえばクエストで入手できる君主の新魔法は,パーティメンバーのステータスを上昇させる効果があるので,パーティハントや戦争時にかなり役立つものとなっている。
 また,ウィザードや君主の新魔法などには,レア度が高いものも存在する。高額で取引されているようだが,時間が経過し,魔法を身につけたプレイヤーキャラが増えていくにつれて価格も下がっていくだろう。

 しかし,まだアップデートから間もないこともあり,新魔法の効果がどれほどなのかが,つかみ切れていないプレイヤーも多いのが実際のところ。そこで入手が容易なダークエルフの"ドレスイベイジョン"(遠距離攻撃の回避率を上昇させる効果)を修得し,実験してみた。
 このドレスイベイジョンは,詠唱に必要なMPが15で触媒も必要ないという,比較的手軽な魔法である。

 実験は,レベル49のダークエルフが,フルエンチャントしたレベル55のエルフの弓攻撃をどのくらい回避できるかという内容(もちろんコンバットゾーン)で行ってみた。
 結果は,通常時は7割ほどヒットしていた弓攻撃が,ドレスイベイジョンの効果で3割ほどしかヒットしなくなったのだ。かなりの効果といえよう。ドロップ率の高さの割に10K(1K=1000アデナ)付近という安価で取引されているので,ダークエルフキャラクターならば必ず手に入れておくのがいいだろう。

エルフにとって必須の魔法ブラッディソウルはディレイは少なくなったが,回復できるMPが減った。これはかなり痛い ダークエルフの新魔法,ドレスイベイジョンは驚くほどの効果。新魔法によって戦争なども戦略の見直しが必要そうだ



 魔法以外でも,多くの部分で仕様の変更が行われている。とくに重要なのは,"ダメージディレイ"の採用と,戦闘モーション変更による攻撃速度の変化だ。

 今までは敵からの攻撃でダメージを受けたときでも,自分側は一定の速度で直接攻撃を続けることができた。だが,ダメージディレイの採用によって,ダメージを受けたときに攻撃速度に変化が生じるようになったのだ。そのため,直接攻撃による戦闘は,先制することが重要となり,PvPでもその重要度は非常に高くなっているようだ。

 戦闘モーションの変化は,全般的に直接攻撃の速度低下と思って間違いはない。とくにダークナイト(レベル55以上のキャラが変身できるモンスター。攻撃の速さが特徴)に変身して戦うナイトを持つプレイヤーは,アップデート前との比較で「ラグで攻撃が止まる時と同様な感覚」というほどだ。

コカトリスなどの攻撃速度の速いモンスターと戦うときにはダメージディレイに注意を払わなければならないだろう 新要素のひとつ,ソーシャルアクション。「挨拶」「歓呼」「挑発」「待機」の感情表現が可能となったのだ


 全体的にエピソード3の変更点を見てみると,クラス間の強さの差を縮めるという方向での調整が行われたように感じた。実際に,ゲーム内の知り合いに聞いてみたところでも君主,ウィザード,風属性のエルフ,ダークエルフに関しては上方修正され,逆にナイトと水属性のエルフに関しては弱体化されたと感じるプレイヤーが多いようである。
 また,エピソード3のアップデートでゲームの難易度が上がったと感じるプレイヤーもいるようだ。だが,ソロプレイがしにくくなり,パーティの需要が増したことで,MMORPGの基本ともいえる"プレイヤーの結束"が強くなっていくのではないだろうか。
 そして,プレイヤー個々のプレイスタイルも,時間の経過と共に新しい形へと変化していくはずだ。それがどのような形になるのか,これから先,注目していきたいと思う。





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