― レビュー ―
大戦略シリーズがまたしてもパワーアップ
大戦略パーフェクト2.0DX
Text by 松本隆一
2005年04月06日

 

※「大戦略パーフェクト2.0」のレビュー記事は「こちら」


■まだまだ発展途上! 大戦略シリーズの最新作登場

 

このところコンスタントに新作が登場する大戦略シリーズ。とはいえ,基本的なスタンスはほとんど変わっておらず,最初に登場したときのゲームシステムがいかに面白くて柔軟だったかがよく分かる。「大戦略パーフェクト2.0 DX」は,そんなシリーズの最新作だ。十数年前の私がこの画面を見ても「あっ,大戦略」と分かりそうだ
 本作は「大戦略生誕20周年記念作品第3弾」だそうだ。20年前といえば,筆者はとっくのとうに社会人なのだが,まだ生まれていない読者も多いだろうと思う。つくづく大戦略は日本のPCゲームの歴史とともにあるのだなあ,と感心する。

 コンシューマ機にも移植され,数え切れないほどのバリエーションが派生し,また時代に応じたさまざまな試行錯誤もなされてきたが,現在,PCにおける展開は,このパーフェクトシリーズ(自由な設定で遊べる)と現代シリーズ(シナリオに特化)の二本柱で行われているようだ。昨年10月に発売された「現代大戦略2004 〜日中国境紛争勃発〜」は,その前作である「大戦略パーフェクト2.0」をベースに,「国境線の概念」「地雷,機雷の追加」「自爆兵器」などを追加した作品である。今回の「大戦略パーフェクト2.0 DX」は,それらの新要素を採用しつつ,さらに「マイ部隊」,思考ルーチンの強化,「3D兵器図鑑」といった新機能を加えたものだ。

 というわけで,それぞれ面白そうな機能ではあるものの,本作にはシステム面でそれほどドラスティックな変化はなく,そのため「3.0」ではなく「DX(デラックス)」としたのだろう。ちなみに「大戦略パーフェクト2.0」以前の所有者には,いつものようにアップグレート版も用意されている。

 本作以外にも,今年1月には太平洋戦争を舞台とした「大戦略 大東亜興亡史 〜ニイタカヤマノボレ一二〇八〜」(ぜひ数字は「ヒトフタマルハチ」と読んでいただきたい)が発売されているし,システムに大きな変化がある場合の,いわゆる「ナンバー付き」大戦略として「大戦略VIII」の近日登場が予定されている。こちらはターン制ではなくリアルタイムだそうで,20年を過ぎてまだ変化を続ける大戦略シリーズ,「こうなりゃギネスブックに載るぐらい作り続けてほしい」と思うのは私だけじゃあるまい。

 

戦闘シーンは,2Dアニメーションで表現される。攻撃したときは見入るが,やられているときは見たくない 歩兵で都市を占領して資金と工業力を稼ぎ,工場や空港で兵器を生産し前線に送る,伝統と格式のシステム 戦闘前に戦闘結果の予想が出る。まったくダメージを与えられないようなら,武器選択が間違っているのだ

 

高性能の潜水艦は非常に高価だ。高価な兵器ほど強力だが,安物を並べて特攻に次ぐ特攻という作戦もある ゲームは非常に軽いが,さすがに8か国戦ともなると敵の思考時間は長い。お茶でも飲みながらじっくり構えよう 筆者の得意技,「燃料切れで墜落」である。いろんな数値の変化に常に注意していないと,こういうことになるぞ

 

 

■さらに"パーフェクト度"を向上させる新機能の数々


これが新機軸の一つ「3D兵器図鑑」だ。約300種類の兵器一つ一つに解説とグラフィックスがあるのだから,それだけでも大変な作業。ゲーム上のパラメータはともかく,解説部分だけでも資料価値が高い
 それではシステムの追加点について少々。まず「マイ部隊」だが,これは一つのマップで勝利を収めると,残ったユニットをマイ部隊として登録でき,次のマップでプレイヤーの好きなときにマイ部隊を生産できるというものだ。マイ部隊には小さなMのマークが付き,苦楽を共にしてきた歴戦の勇者だけに,戦闘力も高いようだ。その代わり,生産価格がいくらか高価だったり,ほかの部隊と合流ができなかったりとデメリットもあり,ちょっと考えどころである。

 「3D兵器図鑑」は,「兵器エディタ」「マップエディタ」と同様,別プロセスのプログラムであり,各種パラメータとともにその兵器の3D画像が見られる,というもの。各々のグラフィックスは,まあそれなりだが,なにより種類の多さに圧倒される。その数,約300種類と,登場する1200超の全兵器の4分の1程度だが,それでもたいしたものだ。兵器の知識と,使い方の妙を発揮するのが大戦略における勝利の要諦なのだから,ぜひ,パラメータを暗記するまで眺め回してほしい。無理にとは言わないが。

 思考ルーチンの強化だが,「移動,攻撃,輸送,補給,占領などについて,効率的,かつ,合理的な行動を取るように改良」という点については,個人的にはなんともいえない。なにせ私は16ビット機全盛のころ,CPUに負けてメーカーの人にビックリされた過去があるくらいだからだ。
 なんて話はさておき,確かに個々の戦闘には強くなっているようだが,大局的な戦略眼となると「私のほうがまだちょっと上かな」という気がしないでもない。発表会では「孤島やマップの端など,離れた場所にもきちんと部隊を展開/進攻するようになるはず」とコメントしていたようだが,ううむ言われるまで気づかなかった。とはいえ,それなりに強くなっているようなので,大戦略初心者の人は,嘗めてかかると10数年前の筆者のようになってしまうかもしれないのである。
 一方,分かりやすいのは「コンピュータの生産において,陸・海・空の比率を設定可能」になった点。一番最初のマップ設定画面で,生産割合を百分率で設定できる。たとえば広大な海を含むマップで,これまでCPUがなかなか艦船ユニットを生産してくれないのが不満だった人には,大変使いでのある機能となるだろう。
 それ以外の機能は,現代大戦略2004で追加されたものにほぼ準じているようだ。

 例によって細かいルール設定が可能で,過去の素朴な大戦略から最近のマニアックなものまですべて再現できる,このパーフェクトシリーズ。かつて"ダイセンリャカー"だった人も,名前だけ聞いたことがあるって人も,興味があるならぜひ。あたふたすることなくプレイできるターン制だし,低スペックのPCでもサクサク動いてくれる軽さも魅力。「なんか暇だなあ」というときふと立ち上げ,ついつい熱中して時間が過ぎる,というのが,20年の歴史を誇り「いつもそこにある」大戦略の楽しみ方なのだと思う。

 

マップに勝利すると,残存部隊を登録できる「マイ部隊」。レベルの高い部隊を序盤から使えるのが嬉しい おなじみのマップエディタを使って,戦いたい戦場を自分で作れる。完成させるにはちょっと根気が必要だが 兵器エディタで,ゲームに収録されていない兵器の自作も可能。だが未収録兵器なんか存在するんだろうか

 

シナリオは一連の「現代大戦略」に比べて非常におとなしめ。マップ,シナリオ,キャンペーンを多数収録する キャンペーンには一連のチュートリアルもあるし,こうしたヒントも出るので,初心者の人でもたぶんすぐ遊べる 戦争に勝利すると,このように総合評価が出る。とはいえ,名刺の肩書きに「旅団長」なんて書いてはいけない

タイトル 大戦略パーフェクト2.0DX
開発元 システムソフト・アルファー 発売元 システムソフト・アルファー
発売日 2005/03/31 価格 1万1340円(from1.0は7140円,from2.0は3990円)
 
動作環境 Windows 98/Me/2000/XP,PentiumII/400MHz以上(1GHz以上推奨),メモリ 128MB(256MB以上推奨),HDD空き容量 1GB以上,1024×768ドット 16ビットHigh Color以上のカラー表示が可能な環境,DirectX9.0以降

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