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CEO&平田氏&ハッキュ氏を直撃 HUE開所式[インタビュー編]
2005/02/16 23:57
キム ヨンマン氏
 ようやく事務所が開設され,これから本格的に始動を始めるハンビットユビキタスエンターテインメント。開所式の大まかな様子は先ほどの記事(「こちら」)で紹介したので,ここでは,その場でじかに聞いてきた話を紹介しよう。

 まずは,同社の代表取締役CEOキム ヨンマン氏に,日本のゲーマーのイメージについて聞いてみた。
 キム氏の印象としては,日本にはコンシューマゲーム文化が根付いており,ゲームを遊ぶ年齢層も幅広いという。また経営者らしく,「オンラインゲームが有料化しても,韓国と比べて,プレイヤーが残りやすい」なんてコメントも。実際のところ,具体的にどれくらい違うのかは不明だが,少なくともキム氏は,韓国ではβテストにばかり人が集まるイメージがあると言うのだ。
 この違いに関して,キム氏は,日本人のほうが,ゲームの1本1本に対する思い入れが深いと分析する。残念ながら具体的な方法こそ聞けなかったが,日本でのマーケティングには,キムさんなりの日本人観を反映させた展開を考えているそうだ。



平田雅一氏
 続いて,「NeoSteam」の開発者を見つけて話を聞こうと思ったのだが,……残念ながら本日は不参加とのこと。そこで,代わりに同社事業推進部 部長の平田雅一氏に話を聞いた。
 先ほどの記事でも書いたが,NeoSteamについては,スチームパンクの世界観を採用したMMORPGということばかりが伝わってきていて,それ以外のことは,ほとんど分かっていない。そこでまずは,端的に特徴について聞いてみた。
 平田氏によれば,確かに細かい部分ではいくつか特徴と呼べるものもあるそうだが,"スチームパンク"というただそれだけでも,いろんな特徴的な要素が挙げられるという。例えば町と町との間は,地下鉄(蒸気機関車!?)がつないでいるといった具合だ。
 またキャラクターには,ヒットポイント,マジックポイントというお馴染みのパラメータ以外に,スチームポイントが用意されているという。これは文字どおり蒸気の力を表したパラメータで,これを溜めて発動するスキルが用意されているのだとか。蒸気の力というからには,さまざまな機械を使用できるのだろう。平田氏の話では,(今回のデモンストレーションでは出なかったけど)銃器も存在するようだ。
 三つの国家が存在するのは既報のとおりだが,それぞれ4種類ずつ,計12種類のキャラクターが存在するとのこと。通常のMMORPGにあるような,肉弾戦に長けたキャラクター,魔法攻撃に長けたキャラクターに混じって,蒸気力の扱いに長けたキャラクターが存在するようだ。……"ようだ"と曖昧な表現になっているのは,平田氏も,まだ一度しかプレイしていないため,うろ覚えであるところが多いとか。まぁ詳細はいずれ開発者から伺うとして,平田氏はさらに驚くことを口にした。「Granado Espada」も,すでにプレイしたというのだ。
 詳細は教えてもらえなかったが,「確かにあれは面白い」というひと言には安心させられた。また"MCCシステム"について触れてみたところ,「実に日本人好みのシステムだろう」という返事が返ってきた。日本人は戦略を練るのが好きだから,というのがその理由である。コーエーやシステムソフト・アルファーの作品に代表されるターン制ストラテジーゲームの文化が根付いている日本では,戦闘時に細かく,多くの指示を出せるこのシステムは,受け入れられるというわけだ。
 一般的なMMORPGでは,戦闘には個々の戦略もなにもない……場合が多い。しかし,一度に三人のキャラクターを操るGranado Espadaの場合は,相手に合わせてあらかじめ細かい作戦を練ることができ,また戦闘中でも,細かくさまざまな指示を出せる。
 では戦闘が忙しくなるかというと,面倒な場合はAIに任せられるので問題ないというお返事。三人ともAIに任せてもいいし,一人のキャラクターだけ自分で操作してもいい。相手次第では,全員を同時に操作してもいい(ファンクションキーで操るキャラクターを切り替えられるのだとか)。
 ……こういった話を聞いてワクワクしてくるのは,筆者だけではないだろう。

NeoSteamの画面


キム・ハッキュ氏
 最後に,このGranado Espadaの開発者,キム・ハッキュ氏にお話を伺った。とはいえ,"ラグナロクオンラインの父"として世界的に有名な氏には当サイトでも何度も話を聞いており(Granado Espadaに関係するものだけでも,「こちら」「こちら」「こちら」と3回もある),また今回は氏の体調が著しく悪く,しかも立食パーティ中ということもあり,あまりじっくりと話を聞けないため,簡単な質問に留めることにした。氏の体調が戻り次第,またいろいろと詳しい話を聞くつもりだが,まずは本日聞いた話を紹介しておこう。
 まずは,……とりあえず心配なので体調を聞いてみると,「ちょっと風邪気味」という控えめな返事。しかし,この日の開所式のために,氏がかなり無理をしてきただろうことは想像に難くない。実際かなりつらそうで,もともと17日に個別インタビューが予定されていたのだが,すべてキャンセルしてしまったという。「あまりお話ができなくて4Gamerの読者のみなさん,すみません」とのことだが,そんなときに話を聞いているこちらこそすみません,である。すみません。
 というわけで以下は駆け足で,一問一答形式でお伝えする。

・自由度の高さ
Q:最近のMMORPGは,クエストの数をできる限り増やすことで,システム側で"遊び方"を充実させていく傾向がありますが,本作の場合も同様でしょうか?
A:クエストをいくらたくさん用意したところで,やはり限界があります。本作の場合は,クエストに頼らずとも,システム的にさまざまなことができるように作っています。以前日本に来たときの講演(記事は「こちら」)でも話しましたが,すべて用意するのではなく,"ブランク"を残すことで,そこをプレイヤー達に埋めてもらうようにしています。
Q:いろいろなことができる"場"を与えているということですか?
A:単なる"場"だけではダメで,目的性を与えていく必要があると考えています。
Q:その目的というのが,政治システムなどになるのでしょうか。
A:政治システムも,そうですが,あくまでもたくさんあるうちの一つです。今後βテストを通じて,いろいろと明らかにしていくので,お楽しみに。

・選挙システム
Q:選挙に関してですが,何かしらシステム的なパラメータ,例えばファクションとかカリスマといったものが用意されているのでしょうか? それとも,例えば"信頼関係"や"プレイヤーの感情"など,"見えない何か"が作用するような仕組みになるのでしょうか?
A:数値的なものは,何も用意していません。あくまで,人間同士の信頼関係だけが影響しますよ。

・動くもの見せて
Q:なんとか動くものを見せてもらえませんか?
A:じゃあ,韓国に来れば見せますよ。
Q:え,行きます行きます。それは撮影はできますよね?
A:それはどうかなぁ(笑)
Q:うう,撮影できないのに韓国に行くのはツラいですね……。
A:まぁ日本でももうすぐ見せられると思うので,しばらくは,今日更新した韓国の公式サイト「こちら」で我慢してください。

Granado Espadaのコンセプトアート


 本来,"開所式"にメディアが来ること自体が異例のことであり,スーツ姿の人々がビール片手に談笑する中(4Gamerスタッフを含め,メディア陣はたいてい私服である),無理矢理関係者を見つけて話を聞くというのは,実に心苦しいものがあったのは事実。Granado Espadaの動いているところが見られなかったりと,いろんな意味で心残りがある取材だったので,近々リベンジ(?)しようと企んでいる。それほど遠くない将来に何かしら記事化するつもりなので,ぜひご期待あれ。(Iwahama / Photo by kiki)

ハンビットユビキタスエンターテインメント
 →公式サイトは「こちら」

「Granado Espada」
 →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」

「Neo Steam」
 →公式サイトは「こちら」
 →紹介ページは「こちら」

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