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新社長就任で日本のXbox事業はどう変わる? 日本マイクロソフトの平野拓也氏が社長就任と新年度経営方針を説明
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印刷2015/07/02 17:41

業界動向

新社長就任で日本のXbox事業はどう変わる? 日本マイクロソフトの平野拓也氏が社長就任と新年度経営方針を説明

平野拓也氏(代表執行役社長,日本マイクロソフト)
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 2015年7月2日,Microsoftの日本法人である日本マイクロソフト(以下,Microsoft)は都内にて記者説明会を開催し,7月1日付けで同社代表執行役社長に就任した平野拓也氏による,社長就任並びに新年度経営方針の説明を行った。Microsoftの会計年度は,毎年7月に始まり6月に終わるため,7月冒頭に新年度の方針を示すのが恒例になっており,今回はそれに,平野氏の就任会見が合わさったという形だ。
 本稿ではこの会見から,とくにゲーマーにとっても重要なWindows 10とXbox Oneに関する話題の概要をレポートしたい。


Nadella体制で変革したMicrosoft


 入社10年目という平野氏が冒頭で語ったのは,米国本社CEOにSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏が就任してから,1年あまりの間に起きた変革についてだ(関連記事)。Xbox関連の話題では,同部門を担当する「Head of Xbox」ことPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏がスポークスパーソンを務めることもあって,ゲーマーにはあまり影響のある人事ではないように思えるかもしれない。

2014年2月にMicrosoftのCEOとなったSatya Nadella氏(左)。矢継ぎ早にさまざまな改革を行っており,その成果も出始めている。Head of XboxことXbox部門のトップにPhil Spencer氏(右)を据えたのもNadella氏だ
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 しかし,たとえばMicrosoftの大きな収益源であった「Microsoft Office」の主要アプリケーションをiOSデバイスやAndroidデバイス向けに無料で提供したり,Windows 8.1/7のユーザーであれば,リリース後1年間限定とはいえ無償でOSをアップグレードできるようにしたりといった,かつてのMicrosoftでは考えられないような施策は,いずれもNadella体制下で実現されたものだ。
 こうした変革は,パートナー企業からの反応にも表れているようで,平野氏は「パートナーから変革への期待,関心をヒシヒシと強く感じる」という。その期待を踏まえたうえで,「日本でどのように変革を進めていくのか」が自らの使命,テーマであると述べている。

 そうした変革の中で,平野氏が2016年度におけるMicrosoftの重点分野として掲げているのは,「PC中心から人を中心に移行していく」ことだという。Windowsを搭載するPCを拡販するだけでなく,「大きいスクリーン,小さいスクリーンを問わず,Windowsでなくてもベストな体験をできるように」(平野氏)と,新しいエコシステムの構築を目指すとのことだった。

 そうはいっても,優れたWindowsプラットフォームを提供することが,Microsoftの重要なビジネスであることに変わりはなく,その筆頭にあるのが,7月29日に正式リリースされるWindows 10であることに,疑問の余地はない。掲げた重点分野にも「Windows 10+デバイス」が掲げられており,「夏から年末にかけて非常にエキサイティングなデバイスが出てくると聞いている。非常に楽しみ」と,平野氏は期待を込めてアピールしていた。

2016年度におけるMicrosoftの重点分野(左)。Windows以外にもエコシステムを広げていくだけでなく,Windows 10と搭載PCやデバイスの拡大も大きな取り組みとされている
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 ただ,Windows 10は従来のWindowsとは異なり,発売日に合わせて一斉にパッケージ製品や搭載PCが店頭に並ぶといった形にはならないそうだ。搭載PCは7月29日以降,準備ができたメーカーから順次出荷されるという形になりそうで,その意味では,新OS登場によってPC市場が一気に盛り上がる,ということにはならないかもしれない。PCメーカー各社のWindows 10搭載PCが出そろうのはまだ先で,おそらく年末商戦の時期になりそうだ。


存在感に欠けるXbox Oneの立て直しはどうする?


 Windows 10も気になるところではあるが,やはりゲーマーにとっての関心は,「日本市場におけるXbox Oneをこの先どうするのか」だろう。
 景気のいい数字が聞こえてくる欧米市場とは異なり,競合であるPlayStation 4も,日本市場ではまだ大きなシェアを取れてはいない。とはいえ,2015年以降は,日本のゲーマーに期待されそうなタイトルも多数登場する予定であり(関連記事),シェアの拡大が期待できる状況にある。だが,日本におけるXbox Oneには,現状そういったポジティブな要素があまりない。

 平野体制下でXbox事業をどう立て直すのか,それとも現状のように,撤退はしないが,コストのかかるてこ入れもしない状況が続くのか。質疑応答で筆者は率直に聞いてみた。

 平野氏は当然ながら,「撤退という言葉はぜんぜんありません。しっかり進めていく」としたうえで,「Windows 10が出てくることで,これまでと違うユーザーシナリオが訴求できる。ゲーマーにとっても楽しめるところかなと思っている」と述べた。また,Xbox One向けタイトルについても,「今年は,今まで以上に質の高いタイトルがそろっているので,そこでぜひ,期待していただきたい」とのことだ。

 日本でXbox事業を担当するコンシューマー&パートナーグループ リテールビジネス統括本部長の横井伸好氏もまた,E3 2015におけるラインナップの充実ぶりに触れて,「Halo 5:Guardians」や「Forza Motorsport 6」,「Rise of the Tomb Raider」,そして稲船敬二氏らが開発を進めている「ReCore」といった,独占タイトルを2016年度に国内市場にも投入していくとアピールしていた。
 また,Xbox 360用ゲームの互換機能を提供するといった施策により,既存のXbox 360ユーザーからの移行を促進するという取り組みも示されている。

 それに加えて,横井氏が質疑応答やその後の懇談会で強調していたのは,Microsoftがゲーム事業をXboxプラットフォームに限ったものではなく,Windows搭載PCを含めた全体に拡大していこうと考えているということだった。
 Windows 10には,「Xbox App」と称するゲーム関連機能が搭載される予定で(関連記事),Windows 10とXbox Oneの両方で動作するゲーム――「Fable Legends」がその恒例だろう――も開発が進められている。Microsoft製品に限らず,PCとXbox One(およびPlayStation 4)に対応するマルチプラットフォームのゲームも多い。こうした状況を生かして,Xbox Oneに限らずゲームを盛り上げていくのが,現在の同社が取っている戦略なのだ,と横井氏は述べていた。
 Windowsに限らず,エコシステムを構築していくというMicrosoftの戦略からすれば,納得のいく話ではある。

Fable LegendsはWindows 10とXbox Oneの両プラットフォームに対応する
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 今回の会見は,2016年度に向けたMicrosoftの取り組みを語る場であるため,Xbox Oneのてこ入れに向けた具体的な施策が披露される場ではない。しかし,平野氏や横井氏の回答には,考えながら話しているようなためらいやよどみがなかった。Xbox Oneの質問が出ることを予想して,事前に回答を用意していたのだろう。それはつまり,平野氏らも国内市場におけるXbox Oneのてこ入れが必要であると理解していることを示しており,近年における同社トップがゲーム事業に対して関心が低いように見えていたことに比べれば,状況は改善されているのかな,と思えなくもない。

 Windows 10のリリース,そしてそう遠くないであろう「Xbox One版Windows 10」へのアップグレード(関連記事)に合わせて,Microsoftはどんなプロモーション施策を打ってくるのだろうか。今後の展開に注目しておく価値はありそうだと思える記者会見であった。

Microsoft 公式Webサイト


  • 関連タイトル:

    Xbox One本体

  • 関連タイトル:

    Windows 10

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