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プレイヤーが“バーチャルアクター”に。セリフをしゃべってストーリーを進めるVRアドベンチャー「Portico」が発表
現時点でメディア向けの資料などが一切公開されておらず,デモをプレイできたのも5分ほどだったが,ユニークなシステムが目を引いたので紹介しよう。
「Portico」の舞台となるのは,大富豪ポール・キングが近未来のサンフランシスコに建設した高層ビル“King Tower”で,デモでは,ビルの上層階に住んでいると思われる女性と会話するシーンをプレイできた。
この女性は何かの理由でキングを恨んでおり,プレイヤーである主人公もキングのことは快く思っていない様子。女性はキングに復讐しようとしているらしいが,そこにドローンが飛来して2人のことをうかがうなど,かなり不穏な雰囲気だ。デモの後半では,その女性が血まみれになって帰ってくるというシーンが展開された。
本作最大の特徴となるのが,Unityエンジンの音声認識モジュールを改良してゲームシステムの中核に据えている点。画面上に表示される3つのセリフ(選択肢)のうち1つを,プレイヤーが声を出して読み上げることによって,ゲームを進めていく。
アメリカ在住期間が長い割に日本風のアクセントが抜けない筆者の発音でもしっかりと認識してくれて,まるで舞台に立つ役者になったかのような気分になり,セリフを読む声にも力が入った。
デモの間には女性が抱きついてくるシーンもあったのだが,筆者はどう対応していいのか判断できないままにハグし返してしまった。Portico StudiosのチーフテクノロジーオフィサーであるJeff Meador(ジェフ・ミードー)氏によると,デモ体験者の10人に8〜9人は筆者のようにハグし返すそうだ。キャラクターは決してリアルには表現されていないのだが,かなりの表現力に感嘆させられた。
本作は2017年内にOculus VRの「Rift」とHTCの「Vive」向けにリリースされる予定。6つのエピソードが用意され,単体のほか,まとめての購入も可能とのこと。
現段階では日本語に対応しておらず,英語の発音を特訓するつもりでもない限り,多くの日本人にとってはハードルが高そうだ。ミードー氏は,「音声以外で選択肢を選ぶオプションも取り入れる」と語っていたので,それが実現すれば多少プレイしやすくなるかもしれない。
何にせよ,感情移入という点では非常に優れているだけに,完成が楽しみなタイトルだ。
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Portico
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