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ハロー!Steam広場 第96回:天国へようこそ! スライムを育成する牧場経営シミュレーション「Slime Rancher」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Skype越しに聞こえる銃声で,友達が何のFPSをやっているか分かってしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第96回は,Monomi Parkが手掛ける「Slime Rancher」をメインに紹介しよう。本作は,特殊な装置でスライム達をとっ捕まえて,自分の牧場で飼育する牧場経営シミュレーションだ。無邪気に跳ねまわるスライム達を見ているだけでも楽しめるので,可愛いもの好きなゲーマーにオススメ。このほか,タクティカルRPGとボードゲームを融合させた「Children of Zodiarcs」もあるので,お見逃しなく。
無邪気なスライム達と牧場生活を満喫するシミュレーション「Slime Rancher」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くインディーズ系デベロッパMonomi Parkが手掛ける「Slime Rancher」を紹介しよう。
本作は,vacpackと呼ばれるランチャーを使ってスライムを捕獲し,自分の牧場で彼らを飼育していく,牧場経営シミュレーションだ。ゲームに登場するスライムといえば,ドラクエに登場するような可愛い系か,ウィザードリィに登場するようなドロドロ系かの2つに別れると思うが,本作のスライムは前者だ。ビジュアル的にいうと,ラグナロクオンラインのポリンが一番イメージに近い,可愛らしい奴らなので安心してほしい。
スライムを捕獲するためのランチャーには,遠くのものを吸い寄せる「Vac-ing」モードと,ランチャーのタンクに入ったスライムなどを発射する「Shooting」モードの2つが搭載されている。基本的な使い方としては,Vac-ingで野良スライムを吸い込んで牧場へ持ち帰り,彼らの飼育スペースに向かって発射するといった感じだ。
ランチャーはスライムのほかにも,彼らの餌となる野菜や果物を吸い取ることができる。スライムに餌を与える時,彼らの口に向かって発射すればそのまま食べてくれるので,ちゃんと自分の手で与えている感覚があって面白い。ただし,餌は放置しておくと腐ってしまうので,必要以上に出し過ぎないようにしよう。
スライムは,餌を食べるとPlortと呼ばれる素材を落としてくれる。流れ的に見ればどう考えても糞なわけだが,この世界ではどうやらこれに希少価値があるらしく,手に入れたPlortを牧場にあるトレーダーマシーンに納品することで,お金が手に入るという仕組みだ。
手に入れたお金は,飼育スペースのアップグレードに使えるだけでなく,プレイヤーの移動などを補助する便利アイテムの購入にも使用できる。Plortをたくさん手に入れて,身の回りをどんどん豪勢にしていこう。
Plortには他にも使い道が用意されている。それは,野良スライムを観察していると分かることなのだが,どうやらスライムは別種のPlortを食べることで,ミックス犬ならぬミックススライムに進化するようだ。進化したスライムは,食後に2種類のPlortを落とすようになるので,飼育できれば牧場経営が捗ること間違いなし。ただ,進化したスライムはサイズが大きすぎてランチャーのタンクに入りきらないので,牧場にいるスライムに他種のPlortを与えて,ミックススライムを作っていこう。
Plortでスライムを進化させるときに注意したいのは,2種類以上のPlortを与えると「The Tarr」と呼ばれるおぞましいスライムになってしまうという点だ。The Tarrは,“スライムが好物”なので,飼育スペース内でこいつが誕生してしまうと,悲惨な光景を目撃することになるだろう。
2種類以上のPlortを与えないように気を使えば問題なさそうにも思えるが,たとえば,ピンクスライムと岩スライムをミックスしたピンク岩スライムと,同じく猫スライムをミックスしたピンク猫スライムを同じ飼育スペースで育てていたら,ピンク岩スライムが排出した岩Plortをピンク猫スライムが食べてしまい,The Tarrになるというケースもある。
万が一The Tarrが誕生してしまったら,彼らを吸い寄せて山の向こう側に飛ばしてしまおう。放置しておくとスライムだけでなく,育てていた作物なども食い荒らされてしまうので,最優先で対処したい。
こういった殺伐とする瞬間も時として起こる本作だが,全体的にはほのぼのとした雰囲気のほうが強く,ゲームに癒やしを求める人にオススメしたい作品といえるだろう。The Tarrを除けばどのスライムも友好的で,野良のスライムを観察しているだけでも,くつろげるはずだ。まだ開発途中のゲームなので,スライムの種類や探索できるエリアは少ないものの,今後のアップデートにも期待できそうなので,興味のある人はぜひスライム育成と牧場経営に勤しんでみてほしい。
「Slime Rancher」Steamページ(1980円)
ボードゲームの面白さを組み入れたタクティカルRPG「Children of Zodiarcs」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,カナダのインディーズ系デベロッパであるCardboard Utopiaの「Children of Zodiarcs」を紹介しよう。
本作は,カードやダイスを使うボードゲームの要素を落とし込んだタクティカルRPGだ。開発者は日本のRPGをこよなく愛しているようで,本作においては「シャイニング・フォース」と「ファイナルファンタジータクティクス」に大きな影響を受けていると,公式サイトで語られている。
ちなみに本作は,スクウェア・エニックスが海外で展開するインディーズゲームの支援プロジェクト「Square Enix Collective」に,War of Zodiarcs(関連ページ)というタイトルで登録された作品でもあり,コミュニティから高い評価を得るという実績も残している。
そんな本作の戦いの舞台となるなるフィールドでは,従来のタクティカルRPGと同じく隣接したユニット同士で争うことになるのだが,JRPGに多く見られるコマンド選択式のバトルではなく,カードとダイスを使った運要素の強いバトルが展開されるというのが,本作独自のフィーチャーとなっている。
カードには,相手に与えるダメージのほかに追加効果が記載されており,カード使用後に行うダイスロールによって,さらにダメージを与えたり,相手のダイスを奪ったりできるようだ。また,バトルに使用するダイスはカスタマイズ可能で,各面に好きなアイコンを配置できるとのこと。この辺りの詳細は不明だが,プレイムービーを見る限り,攻撃特化のデッキならば剣のアイコンをたくさん配置するといった感じになるのだろう。
GREENLIGHTはすでに通過しており,リリースは2016年第4四半期を予定しているとのこと。ただ,現在実施中のKickstarterキャンペーンの結果次第でこの辺りは変わりそうなので,興味のある人は今後の動向に注目しておこう。
「Children of Zodiarcs」GREENLIGHTページ
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