壊れるほど「Steam」を愛してる良い子のみんな集まれー!「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,Steamストアという名のダンジョンに潜り続けて戻ってこない上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第63回は,SFの世界を舞台にしたダンジョン探索RPG
「StarCrawlers」をメインに紹介しよう。本作にはさまざまな架空の企業が存在し,諜報活動やハッキングなど,ダンジョンRPGとは思えないミッションが登場する。うさぎを追いかけて,恐ろしい幻覚に襲われる世界に迷いこむホラーゲーム
「Morphine」もあるので,お見逃しなく。
宇宙を舞台に未来企業からの要請を達成していく一人称視点のダンジョン探索RPG「StarCrawlers」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,サンディエゴに拠点を置くインディーズ系デベロッパ Juggernaut Gamesの
「StarCrawlers」を紹介しよう。
本作は,大企業が政治的影響力を持つ未来の宇宙を舞台にした
一人称視点のダンジョン探索RPGだ。プレイヤーは1人の冒険者となり,さまざまな企業からミッションを受け,これを達成することでクレジット(お金)を稼いでいくことになる。
Wizardry系のゲームと同じく,一人称視点のまま1歩ずつダンジョンを進んでいく
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ゲームは,プレイヤーの分身となるキャラクターを作るところからスタートする。ここで選択できるクラスは現時点で8種類用意されており,それぞれに特徴があるので簡単紹介していこう。
強化外骨格とエネルギーソードで武装した攻撃特化型のクラス。攻撃した相手にコンボマークを刻印し,それを消費することでマークの数に比例したダメージを与えることができる
| Cyberninja |
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Junkerと呼ばれるロボットを召喚して戦うクラス。Junkerは,戦場を駆け回ってEngineerを強化するためのスクラップを回収したり,敵を挑発して攻撃を自身に向けさせたりできる
| Engineer |
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フォースと呼ばれるエネルギーを具現化して敵を攻撃するアタッカー。魔法使い的なポジションかと思いきや,複数の敵にマークされても耐えられるほど耐久力が高い
| Force Psyker |
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ダンジョン内に設置されたトラップを無効化したり,セキュリティを解除したりできる探索支援型のクラス。戦闘では敵を弱体化させるデバッファーとなり,パーティを支援する
| Hacker |
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戦闘支援を得意とするロボット。行動順序を無視して敵の攻撃にカウンターを入れるAegis Modeが特徴の1つ。また,ロボットゆえ,毒ガスなどのトラップでダメージを受けることもない
| Prototype |
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高い敏捷性を活かして戦うガンマン兼ギャンブラー。コイントスを使った攻撃が特徴的で,表か裏かによって与えるダメージが変化する
| Smuggler |
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戦闘能力に長けた兵士。Meat Sieldを展開することで,敵の攻撃をすべて引き受けることができる
| Soldier |
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Void Psykerだけが操れるVoid Enelgryを使って敵を攻撃するメイジ。集団戦を得意としており,溜まったVoid Enelgryを放出して敵に大ダメージを与えることもできる
| Void Psyker |
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また,各クラスにはそれぞれ
3つのスキルツリーが用意されており,どのツリーを進めるかによって戦闘スタイルが変わってくる。例えば,Soldierには「Tactician」「Demolition」「Specialistという3つのスキルツリーがあり,Tacticianを進めると敵の攻撃を自身に惹きつけるタンク型に,Demolitionを進めると全体攻撃に特化したアタッカー型に,Specialistを進めると戦況を有利にするサポート型に成長するといった感じだ。
どれかに特化させるか,複数のツリーを進めてハイブリッドにするかはプレイヤー次第。このように多様性のある成長要素は本作における魅力の1つ
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クラスと性別と名前を決めてキャラクターを作り終えると,プレイヤーの拠点となる宇宙ステーションに到着する。ここには
「DOC SAM'S」「STORE」「MEDICAL BAY」という3つの施設が存在し,DOC SAM'Sではミッションの受注やチームメイトの雇用を,STOREではアイテムの売買や装備のアップグレードを行なえる。MEDICAL BAYでは死亡したメンバーの蘇生やスキルツリーのリセットが可能だ。
ダンジョンへ行くための窓口となるDOC SAM'Sでは,さまざまな企業から発注されたミッションリストを確認できる
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本作ではチームメイトを雇うのにもお金がかかるため,最初は1人だけでミッションを進めることになる。企業から発注されるミッションには,要人の護衛や遭難者の救出,ターゲットの始末といったものが存在するのだが,いずれにしても1人で進めるには限界があるため,序盤は簡単なミッションでクレジットを稼ぎつつ,チームメイトの雇用を優先しよう。
パーティは最大4人まで。フルパーティになってからが本番だ
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ミッションの舞台となる
ダンジョンは自動生成となっており,入るたびに構造が変化する仕組みだ。とはいえ,破棄された宇宙船やステーションがテーマになっているので,ビジュアル的は変化はあまり見られないのが残念なところ。
企業スパイとして雇われるミッションでは,ライバル企業のオフィスがダンジョンとなる
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ダンジョン内では敵のシンボルが徘徊しており,これに接触すると戦闘が始まる。本作の戦闘はターン制となり,行動順序は画面上部で確認可能だ。キャラクターのスキルにはそれぞれ実行後の
待機時間が設定されており,強力なスキルほど待機時間が長くなる傾向になっている。
画面上部にあるのが各キャクターの行動する順番だ。ポートレートに書かれている数字が待機時間を表している
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例えば,待機時間500の大技を使ったにも関わらず敵を仕留め切れなかった場合,次のターンが来るまでにその敵は,待機時間50の攻撃ならば10回,100ならば5回攻撃できるというわけだ。このように敵味方ともに行動順序の関係が数値化されているおかげで,行動に対するリスク管理がしやすく,戦略も立てやすいのが本作の面白いところ。
戦闘中は行動順序が頻繁に入れ替わる。敵の待機時間を見つつ,使うコマンドを選んでいこう
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ダンジョン内のアイテムボックスやロッカーには,強力なレア装備が入っていることがある。手に入る装備の能力値はランダムに決定されるので,能力値の高い装備を求めてダンジョンに潜るといったハック&スラッシュRPGのような醍醐味も本作には見られる。
手に入れた装備の能力次第では戦闘がグッと楽に。アップグレード枠に空きのある装備は,STOREに持ち込んで強化することもできる
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ミッションのクリア条件を達成してダンジョンから脱出すると,発注した企業から報酬が支払われる。本作には
28社以上の企業が存在し,それぞれが個別にプレイヤーを評価して,支払う報酬額を決めているのだ。
ある企業のミッションを受けると,そのライバル企業からの評価が下がるといったように,プレイヤーに対する各企業の評価は刻一刻と変化するので,こういった評価の管理も,本作を進めていくうえで重要な要素となるだろう。
1つの企業に肩入れするのもいいが,その企業からミッションの発注がなければ意味がないので,安定した収入を得たいなら八方美人になろう
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現時点ではストーリーミッションが未実装だが,戦略性の高い戦闘システムや,多様性のあるキャラクタービルド,アイテムボックスの中身に一喜一憂するトレジャーハント要素など,アーリーアクセス版とは思えないほどゲームの内容は充実している。Wizardry系のダンジョン探索RPGが好きな人に刺さるはずなので,興味が湧いたならばぜひ遊んでみてほしい。
(C)2012 - 2015 Juggernaut Games
こんな不思議の国は嫌だ。うさぎを追いかけて恐ろしい幻覚の世界に迷い込むホラーゲーム「Morphine」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は個人開発者のKerim Kumbasar氏が手掛ける
「Morphine」を紹介しよう。
本作は学校を舞台にしたホラーゲームとなっており,
うさぎを追いかけて不思議な世界へと迷いこんでしまった少年の物語が展開されていく。なんだかしゃべる猫やトランプがいる童話の世界を連想させる設定だが,本作のタイトルからある程度想像がつくように,この作品で少年が迷いこんでしまうのは,次々と恐ろしい幻覚に襲われる世界だ。
そもそもこんなビジュアルのうさぎを追いかける方もどうかと思うが……
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ゲームについての詳細はほとんど書かれていないが,GREENLIGHTの紹介文やゲームタイトルから察するに,プレイヤーは,麻薬中毒になった人の目に映る光景をイメージした世界を進んでいくことになるようだ。公開されているムービーを見ると,地面を這う大量の虫が見えたり,謎の映像がフラッシュバックしたりと,不安に駆られるゲームシーンが確認できる。
もう少しゲームの情報が欲しいところだが,興味をそそられる世界観だけに今後の動向が気になるところだ。本作が気になる人は“
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