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ハロー!Steam広場 第46回:政略結婚を重ねて最強の血を作るストラテジーゲーム「MASSIVE CHALICE」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,気になったタイトルをその場で買う癖がついてしまい,ウィッシュリストを活用する機会がない上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第46回は,英雄同士の政略結婚を繰り返して,強い子孫を作り上げていくストラテジーゲーム「MASSIVE CHALICE」をメインに紹介しよう。プレイヤーは,英雄の血を引くいくつかの家系を管理して,その血脈をつないでいくのだ。このほか,自分で描いた絵が動き出すサンドボックス型アクションRPG「SKETCH TALES」もあるので,お見逃しなく。
英雄の血を引く家系を管理して最強の子孫を作り上げるストラテジーゲーム「MASSIVE CHALICE」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,「Brutal Legend」でおなじみのDouble Fine Productionsが手掛ける「MASSIVE CHALICE」を紹介しよう。本作は,“血統”テーマにしたターン制ストラテジーゲームだ。
プレイヤーは,英雄の血脈を受け継ぐいくつかの家系を管理して,より良い血統を持った人間を作り,優秀な戦士に育て上げて,エイリアンと戦っていくことになる。……という,なんだか競馬ゲームのような醍醐味を持った作品だ。
家系の管理とは,すなわち政略結婚のことを指しているのだが,なにも本人達の意思を無視して無理やり結婚させようという話ではなく,「2人で住む城を用意するから勝手に仲良くなってね,あと子供もよろしく!」といった感じだ。うん,身も蓋もない。
政略結婚はタイミングが重要となる。結婚した英雄は第一線から身を引いてしまうので,まだまだ現役の英雄を結婚させてしまうと,未知なる敵が襲撃してきた時に,戦場へ送り出すことができなくなるのだ。かといって年老いてから結婚させたのでは,子供が生まれる確率がぐっと下がってしまう。このあたりの駆け引きは悩ましい。
もちろん,より良い子孫を残すためには,親の能力値が重要となってくる。能力値を上げるには,エイリアンとの戦いに参加させれば良いのだが,一度に戦場へ送り込める数が5人までと決められているので,特定のキャラクターを集中して育てる必要が生じる。
また,レベルアップ時における能力値の上昇率は,キャラクターごとに異なるため,いざ育ててみたら使えないヤツだった! なんてことにもなりかねない。ある程度育ててみて,「こいつはダメだ」と思ったら早めに前線から退いてもらい,各施設の管理職にでも就いてもらおう。
ゲームはターン制となっており,一度ターンを進めると何かしらのイベントが起きるまで時間が流れ続ける仕組みだ。イベントは,プレイヤーに判断を委ねるテキストベースのミニクエストや,未知なる敵とのバトルなど種類はさまざまで,発生するタイミングもランダムとなる。
ストラテジーゲームの醍醐味ともいえる戦闘では,あらかじめ決めた5人の英雄を指揮して,エイリアンと戦うことになる。最近の同ジャンルに見られるカバー要素が本作にはないため,英雄達は常に身を晒した状態で戦うことになるのだが,それはエイリアンも同じことだ。
戦闘では,できるだけ飛び道具を活用しよう。英雄はそれほど打たれ強いわけではないので,敵の接近を許してしまうとあっという間に死んでしまう。戦場で死亡した英雄は,そのまま戦死扱いとなり蘇ることはないので,戦場では慎重に行動したい。
戦場にいるエイリアンをすべて駆逐すればステージクリアだ。無事に生還した英雄には経験値が与えられ,これによってレベルが上がるとスキルポイントが手に入る。英雄のスキルはツリー状になっており,どのように育てていくかはプレイヤー次第だ。
こうしてお気に入りの英雄に経験を積ませて強くしていき,タイミングを見計らって結婚,そしてその英雄の血を引いた子どもをさらに強くして――といった具合に,より強力な“血”を作り上げていくのだ。
本作はまだアルファテストの段階であり,登場する家系やアクセスできるコンテンツが少ないものの,ゲームのコンセプト自体はしっかりとしており,これからが楽しみな作品だ。ストラテジーゲームが好きな人はもちろんだが,競馬ゲームを遊んでいる人にも意外とマッチしそうなので,興味が湧いたならばぜひ遊んでみてほしい。
「MASSIVE CHALICE」Steamページ(2980円)[税込]
スケッチボードに描いた世界が動き出すサンドボックス型アクションRPG「SKETCH TALES」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,まさに絵に描いたような世界が広がるサンドボックス型アクションゲーム「Sketch Tales」を紹介しよう。
本作を開発するウクライナの8D Studioは,名作FPS「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」でゲームデザイナーを務めたAlexey Sityanov氏が設立したインディーズスタジオだ。同氏は本作の開発資金を得るために,自身の住まいを売り払ったとのことで,氏にとっては一世一代のプロジェクトと言えるだろう。
そんなSityanov氏が熱意を注ぐ本作は,スケッチボードに描いたものがそのままゲーム内に登場するというシステムが最大の魅力となっている。
自分で描いた木が生い茂り,自分で描いたキャラクターが生活し,跋扈する自分で描いたモンスターを,自分で描いた武器で倒す,といった感じで,本作ではあらゆるものを自分でデザインできるというわけだ。
描いた絵に動きを付ける際は,いくつものレイヤーを重ねることになるが,その仕組み自体はシンプルになっているとのことで,初心者でも簡単にアニメーションを楽しめそうな雰囲気だ。
ちなみに,本作はKickStarterで開発資金の募集が行われている。目標金額は5万ドルとなっており,2015年1月17日まで出資を受け付けるようだ。コンセプトが非常に面白く,これから注目を集めそうなタイトルなので,今のうちにチェックしておき,興味があれば“いいね”を押しておこう。
「SKETCH TALES」GREENLIGHTページ
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