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ゲーマーのためのWindows 10「Creators Update」変更点レポート。大型アップデートでゲーム関連機能はどう変わった?
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印刷2017/04/12 17:28

テストレポート

ゲーマーのためのWindows 10「Creators Update」変更点レポート。大型アップデートでゲーム関連機能はどう変わった?

まっさらなPCにインストールしたCreators Updateの画面。スタートメニューに「Fallout Shelter」のアイコンがあるが,これは「ストア」アプリへのリンクである
Windows 10
 2017年4月11日,予告通り,Windows 10の通算2回めとなる大型アップデート「Creators Update」(開発コードネーム Redstone2)の配信が始まった。それに先立つ4月5日には,手動でアップデートを行うインストーラの公開も始まっており,すでに導入してみたという人もいるかもしれない。大型アップデートの配信は,ある程度時間差を付けて行われるため,まだ来ていないPCにも遠からず配信が行われるはずだ。

 4Gamerでも何度か記事にしているが,Creators Updateでは,ゲーム関連の機能強化が大きな特徴となっている(関連記事)。DirectX関連を除けば,ゲームに特化したWindowsの機能強化が行われるというのは,筆者の記憶が確かなら,今回が初めてのはずだ。
 また,“Creators”と呼ばれる由縁である3Dモデル関連の機能や,仮想現実(以下,VR)および拡張現実(Augmented Reality)向け技術「Windows Mixed Reality」(旧称:Windows Holographic)の実装,新しいハードウェアに合わせた改良も行われた。Creators UpdateをプリインストールしたPCが出荷となる頃には,Windows MR対応のヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)や,汎用ドッキングステーションなどが登場し始める予定だ。

 ユーザーの目に触れる要素だけでも,Creators Updateには以下のような追加機能や変更点が盛り込まれている。

  • ゲーム関連の新機能(ゲームモード,ゲーム実況配信)
  • 3Dモデル対応
  • 高DPI環境における表示の改善
  • 「Windowsの設定」の改良
  • プリインストールアプリの改良

 このほかにも,ファイル操作に使用するコモンダイアログに変更が加えられたり,音声入力対応アシスタント機能「Cortana」が,インストール時の初期設定をサポートするようになったりといった修正点も含まれているなど,すべてを取り上げようとすると切りがないほどだ。
 そこで本稿では,ゲーム関連機能を中心に,エンドユーザーに関係あるCreators Updateの主な追加機能や変更点について,まとめて説明したい。


Windowsをゲーム向けに最適化する機能「ゲームモード」


Windows 10
 何度も述べているとおり,Creators Updateで導入されたゲーム関連機能では,「Game Mode」(ゲームモード)とゲーム実況機能「ブロードキャスト」の導入が大きなトピックとなっている。

 まずはゲームモードから説明していこう。
 当たり前の話だが,Windows 10はゲーム専用のOSではないので,ゲームをプレイ中にも,バックグラウンドではさまざまなアプリケーションやサービスといった「プロセス」が動作している。その中には,ゲームの動作に必要だったり,OSの中枢機能を担ったりするような重要度の高いものもあるが,ゲーム中に動作する必要がないものも多くあるのが実情だ。それらがCPUの処理時間を消費すると,その分だけゲームのフレームレートが低下したり,操作に対する遅延が生じたりといった具合に,ゲームの快適さを損なうことがある。
 PCでゲームをプレイ中に,必要のないアプリケーションやサービスを終了させたり,セキュリティソフトの動作を一時停止したりといった対策を取っているという人は少なくないだろう。

 ゲームモードは,こうした問題にメスを入れる最適化機能だ。ゲームに対してGPUやCPUを優先的に割り当てて処理効率を上げることで,フレームレートが向上するとMicrosoftは主張している。ただ,ゲームモードの詳しい仕組みについて,Microsoftは説明していないので,額面どおりに効果を発揮するかどうかは,なんとも言えない。
 Windows 10には,どうしても動作させなくてはならないプロセスがあるので,GPUやCPUをゲーム“専用”にするのは不可能だ。しかし,OSのスケジューラに対してゲームの優先度を高めるように調整したり,CPUコアの割り当て(アフィニティ)を調整して,ゲームのプロセスが特定の物理CPUコアに割り当てられるようにしたりすることで,プロセスの切り替え(コンテキストスイッチ)を抑制してゲームの動作効率を高めることは,ある程度なら可能だろう。
 過度な期待は禁物だが,ゲームモードを有効にすることで若干でもゲームの実効性能が良くなるのであれば,ゲーマーにとって損にはならないといったところか。

 さて,このゲームモードだが,実際にゲームで利用するには,2段階の設定が必要だ。
 Creators Updateでは,Windows 10標準の設定メニューに「ゲーム」という項目が加わった。この設定項目内に「ゲームモード」というサブメニューがあり,そのPCでゲームモードを使用する(オン)かしないか(オフ)を切り替えられるようになっている。これは,PC全体でゲームモードの有効/無効を切り替える,いわばマスタースイッチ的なものだ。なお,筆者と編集部で確認した限りでは,このスイッチは初期状態でオンになっていた。

Windows 10の設定メニュー。赤丸で囲んだ部分が,新設の「ゲーム」項目だ。なお,ゲーム項目の詳細は後段で説明する
Windows 10

ゲームの項目内には4つのサブメニューがあり,その4番目にゲームモードの設定がある。なお,「ゲームモードの詳細」をクリックすると,Webブラウザで「Xbox on Windows 10のサポート」というページが開くのだが,本稿執筆時点では,ゲームモードの話は書かれていない
Windows 10

ゲームを実行中に[Windows]+[G]キーでゲームバーを表示する
Windows 10
 次は,ゲーム側での設定だ。
 Windows10では以前から,[Windows][G]キーの同時押しで,「ゲームバー」というゲーム用インタフェースをオーバーレイ表示する仕組みがある。そこで,ゲームモードを有効にしたいゲームを実行中の状態でゲームバーを表示し,ゲームバー右側にある歯車型アイコンをクリックすると,表示が設定メニューに切り替わるはずだ。
 その設定メニューの「一般」タブに,「このゲームでゲームモードを使用する」という項目があるので,そこにチェックを入れると,実行中のゲームでゲームモードが有効になる。

一般タブの一番上に,ゲームモードの設定があるので,チェックを入れればそのゲームでゲームモードを使うようになる
Windows 10

 なお,ゲームモードを使用するように設定したゲームは,自分でオフにしない限り,以後も自動でゲームモードが使われるようになるので,ゲームを起動するたびに,この設定を繰り返す必要はない。
 ゲームモードの有効/無効で,どの程度ゲームのフレームレートが変わるのかは検証してみる必要があるものの,試してみる価値はありそうな仕組みではないだろうか。


手軽に使えるOS標準のゲーム実況配信機能

「ブロードキャスト」


Windows 10およびXbox One標準の実況配信サービスとなった「Beam」
Windows 10
 次はゲームのブロードキャスト機能を見てみよう。
 Creators Updateで加わったブロードキャスト機能は,Microsoftが2016年8月に買収したゲーマー向け実況配信サービス「Beam」(関連リンク)を使って,ゲーム映像の実況配信を行うものだ。大雑把にいえば,Xbox OneやPlayStation 4が標準搭載しているゲーム実況配信機能と同じようなものを,Windows 10標準機能として導入したと考えればいい。
 ゲームの映像や音声だけでなく,ウェブカメラやマイクを利用して実況者の姿や声を重ねて配信することも可能だ。

ブロードキャスト機能を使うには,先にXboxアプリでXbox Liveにサインインしておく
Windows 10
 ブロードキャスト機能を使う前には,Windows 10標準の「Xbox」アプリを使い,MicrosoftアカウントでXbox Liveにサインインしておく必要がある。1度サインインしておけば,明示的にサインアウトしない限り,Windows 10の使用中は常にログオンした状態になっているので,手間はかからない。

 ブロードキャスト機能を使用するのは簡単で,まずはゲームを実行中にゲームバーを表示して,右から2つめにある「配信」アイコンをクリックする。すると,配信設定のダイアログが開くので,下にある「配信を開始」をクリックすれば配信が始まる。Xbox Liveにサインインした状態なら,Beamの配信サービスには自動的につながるようで,別途配信サービスにログインする必要はなかった。
 なお,実況配信のURLは,配信設定ダイアログにある「自分のチャンネル」をクリックすると,WebブラウザでそのURLのWebページが表示されるので,そこで把握するという仕組みになっている。いちいちWebブラウザを開かずに,URLを共有する仕組みが欲しいところだ。

ゲームバーで配信ボタンを押すと,配信設定ダイアログが表示される。左下にある「配信ウィンドウ」の項目は,ゲーム画面だけを配信するか,デスクトップ全体を配信するかの設定。「カメラ位置」は,ウェブカメラで撮影中の映像を配信映像のどこに重ねるかの設定だ
Windows 10

 配信中は,配信操作や実況映像のプレビューを行う小さなダイアログが,画面上にオーバーレイ表示される。このダイアログには小さなツールバーがあり,配信の経過時間や視聴者数の表示,配信の一時停止や終了,マイクやカメラのオン/オフといった操作が可能だ。
 なお,ダイアログは位置を動かしたり,ツールバーだけのサイズに縮小表示したりできるので,プレイの邪魔になりにくいところに置いておけばいいだろう。

ブロードキャスト機能でゲーム実況を配信中の様子。画面右側に見えるゲーム画面のサムネイルが,実況状況の確認と操作を行うダイアログだ
Windows 10

ダイアログを拡大してみた(左)。ダイアログ上にツールバーがあり,右端の[=]ボタンをクリックしながらマウスポインターを動かすと,ダイアログの位置を移動できる。[=]ボタンの左隣にあるボタンは,ダイアログの表示モードを変えるもので,視聴者からのテキストメッセージを表示したり,ダイアログを畳んでツールバーだけの状態に変えたりできる。ちなみに,配信を一時停止すると,ちょっとコミカルな画像が表示される(右)
Windows 10

こちらは配信映像をWebブラウザで視聴中の様子。Beamへのサインインには,Microsoftアカウントを使えるので,Windows 10やXbox Liveのユーザーなら,別途アカウントを作成する必要がないのは利点だ
Windows 10

 なお,配信映像の品質設定は,先述したWindows 10の標準設定メニューにある「ゲーム」設定を開き,そこにあるサブメニュー「ブロードキャスト」で行う。ただ,ブロードキャストには音声のビットレートを選ぶドロップダウンリストはあるものの,映像品質を選ぶ設定が見当たらない。実況者側のPC性能や通信回線に応じて,自動で調整するということなのだろうか。
 また,ゲームバー側の配信設定には,マイクやカメラを使うか否かの設定しかないのも気になった。あくまでもゲームバーから行う設定は,ゲーム個別の設定であり,設定メニュー側は,Windows 10全体にまたがる設定であるということなのだろうが,ちょっと分かりにくい気はする。

ブロードキャストの設定。音声関係の設定がほとんどで,映像品質を選ぶような項目はない
Windows 10

こちらはゲームバーの配信設定。マイクとカメラのオン/オフしかない
Windows 10

 Microsoftは,ブロードキャスト機能の利点として,新たなストリーミングプロトコル「FTL」による低遅延での実況配信が可能であることを挙げていた。筆者はゲーム実況者ではないので,ブロードキャスト機能とほかのPC用実況ソフト――たとえば「XSplit Broadcaster」や「GeForce Experience」の「Share」機能――とを比較して,優劣を付けるだけの情報を持たない。ただ,とりあえず配信を始めるまでの手軽さという点では,優れた点があるのではないかと思う。
 問題は,Beamという実況配信サービスが,国内ではほとんど無名に近いところではないか。どうやって視聴者にBeamを見てもらうかという点には,大きな課題がある。Twitchやニコニコ生放送といった実況配信サービスにも対応してほしいところだが,それらのサービスでは,FTLプロトコルを利用できないだろうから,そこをどうするかも問題だろう。
 実況配信機能自体の素性は悪くないと思うので,広く活用される機能に育つことを期待したい。


設定メニューが大きく変わったCreators Update


 ゲームの設定についてはすでに述べてしまったが,Creators Updateで目に見えて大きく変わったのが,Windows 10標準の「設定」メニューだ。
 Windows 8が登場した頃から,Windowsにおける設定は,従来からある「コントロールパネル」と,タッチ操作を想定した設定メニュー(※Windows 8では「PC設定」と呼ばれていた)で行うようになった。コントロールパネルは,過去との互換性維持のために残っているものだが,設定メニューはタッチ操作を前提としたデザインのUIを導入しているのが特徴だ。

従来のWindows 10における設定メニュー。アイコンの数は9つだった
Windows 10
 では,Creators Updateで設定メニューはどう変わったのかというと,トップ画面に並ぶアイコンが2つ増えたうえ,項目のカテゴリ分けが一部変更された。各設定アイコンの中身は,今までも細かく変わっていたのだが,今回はアイコンそのものが増えたわけで,比較的大規模な変更といえよう。
 追加となったアイコンの1つは,先述したゲームで,もう1つは「アプリ」というアイコンだ。

これがCreators Updateの設定メニュー。トップページに「アプリ」と「ゲーム」のアイコンが加わり,計11カテゴリとなった
Windows 10

 アプリの項目は,今までは「システム」の項目にあった「アプリと機能」「既定のアプリ」「オフラインマップ」といったアプリケーション関連の設定をまとめたものである。

アプリケーション関連の設定をまとめた「アプリ」の項目。「Webサイト用のアプリ」は,特定のURLをWebブラウザではなく,アプリケーションで開くための設定を行うものだ
Windows 10

 一方のゲームは,今までWindows 10にプリインストールされた「Xbox」アプリで行っていた設定の一部,具体的にはゲームバー関連のショートカットキー操作設定や,ゲーム録画機能「ゲームDVR」,そして先述したブロードキャストやゲームモードの設定を行うものだ。
 なお,Xboxアプリにも既存の設定は残っている。Xbox Liveへのサインインや通知設定,LAN内にあるXbox Oneの画面やサウンドをWindows 10搭載PCに送り,PCに接続したゲームパッドでプレイする「ゲームストリーミング」といった機能は,Creators Update後もXboxアプリで行うことに変更はない。

ゲームの項目にある「ゲームバー」サブメニューは,ゲーム関連の設定を行うキーボードショートカットを定義する項目だ
Windows 10

同じく「ゲームDVR」サブメニュー。設定内容はXboxアプリ側と変わらないが,録画ビデオのフレームレートを設定する項目が加わっている。余談だが,ゲームDVRのサブメニューとXboxアプリのゲームDVR設定で,同じ設定であるにも関わらず日本語の表記が異なっているものがあり,しかもサブメニュー側のほうが日本語として分かりにくいのは,雑な仕事で感心しない
Windows 10

 そのほかの項目についても,簡単に説明しておこう。
 「更新とセキュリティ」は,Windows UpdateやWindows Defender,バックアップ機能の設定をまとめた項目だが,ここに「トラブルシューティング」というサブメニューが追加された。これは,コントロールパネルにあった「トラブルシューティング」を機能強化したうえで,設定メニュー側に移行したものだ。
 ただ,互換性維持のためか,コントロールパネル側のトラブルシューティングも残っている。

「更新とセキュリティ」に追加された「トラブルシューティング」。とりあえずWindows 10で何か問題が起きたら,ここをチェックしてみるといいかもしれない
Windows 10

 一方,ディスプレイ関連の設定は,設定メニューの「システム」→「ディスプレイ」だけとなり,コントロールパネルからは「ディスプレイ」のアイコンが消えた。

ディスプレイ関連の設定は,設定メニューのシステム→ディスプレイにまとめられた
Windows 10

Wi-Fiをオフにする機能に,一定時間が経過すると自動でオンにする時間を指定する機能が付いた
Windows 10
 このほかにも,「ネットワークとインターネット」にあるWi-Fi(無線LAN)設定に,無線LANを一時的にオフにしたとき,自動でオンにするまでの時間を指定する項目が加わっている。
 これは何のときに必要かというと,LTEや3G通信機能を内蔵するPCで,一定時間無線LANを停止するときに使うものだ。Windowsは通常,接続できる無線LANアクセスポイントがあればそれを利用するが,何らかの理由で一時的に無線LANではなくLTEや3G通信を使い,一定時間後は自動で無線LANに戻したいという場合に役立つという。


古いアプリケーションでも,高DPI環境で鮮明な文字表示が可能に


 4K解像度のディスプレイを使っていたり,異なるサイズや解像度のディスプレイを接続したPCを使っていたりする人に役立ちそうな修正が,高DPI環境における表示の改善だ。

 Windows XPまでのWindowsは,ディスプレイが96DPI,または120DPIであることを前提にシステムが作られていた。しかし,Windows Vista以降では,より高いDPI値を持つディスプレイへの対応が進められ,Windows 8.1で基本的な仕組みはできあがったわけだ。しかし,実際にはディスプレイごとに異なるDPI値にアプリケーションが対応するのはかなり大変な作業で,サードパーティアプリの対応がなかなか進まないといった問題が,今でも残っている。

 Creators Updateでは,この問題にある程度の対応を行った。1つはAPIレベルの改良で,既存のアプリケーションが高DPIへの対応を行いやすくするもの。もう1つがここで説明するもので,昔からあるWindowsの描画システム「GDI」を使うアプリケーションの拡大表示を改良して,表示を鮮明にする機能の改良である。

 Windows 10では,表示倍率を150〜200%以上に設定すると,アプリケーションの文字がぼやけて表示されることがあった。これは,古いアプリケーションを表示するときに,設定した倍率に合わせて機械的に拡大処理をしていたからだ。
 これはサードパーティのアプリケーションに限らない話で,Windows標準の「デバイスマネージャー」(※実態は「Microsoft管理コンソール」というアプリケーション)でさえ,表示倍率を上げると文字がぼやけてしまうという体たらくだった。

 Creators Updateでは,この仕組みに改良を加えて,鮮明な表示が行えるようにした。従来のWindows 10とCreators Updateで,デバイスマネージャーを表示した画像を並べてみよう。Creators Updateでは,文字の表示が鮮明になっているのが分かるはずだ。
 これは,文字を単純に拡大するのではなく,拡大したのと同じに見えるサイズで描画しているからである。ただ,この方式が利用できるのは,GDIを使って描画するアプリケーションだけだ。

従来のWindows 10で150%の拡大表示をしたデバイスマネージャー(左)と,Creators Update適用後に150%の拡大表示をしたデバイスマネージャー(右)の文字表示。右側のほうが鮮明に見えるはずだ
Windows 10 Windows 10

Windows 10
 サードパーティのGDIアプリケーションに対しては,アプリケーションのプロパティにある「互換性」タブで,描画方式を以下の3種類から選択できるようになった。選択方式になっているのは,新方式が,必ずしもすべてのアプリケーションに対して正常に動作するとは限らないためである。

  • アプリケーション:拡大処理しない
  • システム:従来の拡大方式
  • システム(拡張):Creators Updateの新拡大方式


将来のVR/AR HMDに向けた機能も導入


 現時点ではゲーマーに直接関係のある機能ではないが,3Dモデルを扱う機能とWindows Mixed Realityについても,簡単に説明しておこう。

 Creators Updateには,「ペイント3D」という3Dモデル作成ソフトが付属している。このソフトは,あらかじめ登録済みのモデルデータや立方体,球といったオブジェクトを3次元空間内に配置して3Dモデルを作成するものだ。
 名称から,Windowsの標準お絵かきツールである「ペイント」の後継なのかと勘違いしそうだが,名前以上の関係はなく,ペイントもそのまま存在する。むしろ機能面では,従来のWindows 10にもあった3Dプリンター用のモデルデータ作成ソフト「3D Builder」に近い。

ペイント3D
Windows 10

2016年8月にIntelが公開した開発中のHMD「Project Alloy」。これもWindows MRに対応する予定だ
Windows 10
 Windows Mixed Reality(以下,Windows MR)は,Microsoftが開発したVRやAR向け技術の総称である。Microsoftが定めた仕様に則ったHMDを使えば,Windows MR対応のVRやARアプリケーションを利用できるというものだ。
 Creators Updateの登場に合わせて,第1世代のWindows MR対応HMD(表1)や,対応PC「Mixed Reality Ready PC」が登場する予定となっている。2017年後半のクリスマス商戦シーズンまでには,より高性能なMixed Reality Ready PCや,PC機能を一体化したHMDも登場するという。

表1 Microsoftが定義するWindows MR対応HMDのスペック
最小構成 ハイエンド構成
片眼あたり解像度 1080×1200ドット 1440×1440ドット
リフレッシュレート 60Hz 90〜120Hz
ディスプレイパネル 液晶パネル 有機ELパネル
音声出力 サウンド出力端子装備 統合型ヘッドフォン内蔵
音声入力 マイク入力端子装備 統合型マイクロフォンアレイ内蔵
PCとの接続 USB 2.1以上 USB 3.0以上
ビデオ入力 HDMI 1.4 HDMI 2.0またはDisplayPort
接続ケーブル 複数本のケーブル可 ケーブルは1本のみ

 なお,現時点でのMixed Reality Ready PC(表2)は,単体GPUの搭載が必須となっているが,2017年後半にWindows 10のアップデートが行われれば,Intel CPUの統合型グラフィックス機能でも対応可能になるとのことだ(表3)。

表2 Creators Update登場時点におけるMixed Reality Ready PCの最低仕様
デスクトップPC ノートPC
CPU 2C4TのCore i3以上(Core i3-6100相当),またはFX-4350 4C以上 2C4TのCore i5以上(Core i5-6200U相当),またはAMDのノートPC向けCPU(検討中)
GPU GeForce GTX 960またはGeForce GTX 1050以上,またはRadeon RX 460(グラフィックスメモリ容量2GB)以上 GeForce GTX 965M以上,またはRadeon RX 460(グラフィックスメモリ容量2GB)以上,
またはその他のDirectX 12対応単体GPU
ビデオ出力 HDMI 1.4(60Hz対応HMD用),
HDMI 2.0またはDisplayPort(90Hz対応HMD用)
メインメモリ容量 8GB
HDD容量 空き容量10GB以上
USB USB 3.0 Type-AまたはUSB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate Mode対応)
Bluetooth Bluetooth 4.0以上(アクセサリ類の接続用として)

表3 2017年クリスマス商戦時点におけるMixed Reality Ready PCの最低仕様
デスクトップPC ノートPC
CPU 2C4TのCore i3以上(Core i3-6100相当),またはFX-4350 動作クロック2.4GHz 4C以上 2C4TのCore i5以上(Core i5-7200U相当),またはAMDのノートPC向けCPU(検討中)
GPU Intel HD Graphics 620(GT2)または,同等以上のDirectX 12対応単体GPU
ビデオ出力 HDMI 1.4(60Hz対応HMD用),
HDMI 2.0またはDisplayPort(90Hz対応HMD用)
メインメモリ容量 8GB,統合型グラフィックス機能使用時はデュアルチャネル接続必須 8GB
HDD容量 空き容量10GB以上
USB USB 3.0 Type-AまたはUSB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate Mode対応)
Bluetooth Bluetooth 4.0以上(アクセサリ類の接続用として)


細かい修正が多いユーザーインタフェース


 そのほかの細かい修正点をチェックしていこう。
Windows 10
画像右上にあるタイルが「タイルフォルダー」である
 ユーザーインターフェースでは,多数の細かい改良が行われている。たとえばスタートメニューには,複数のタイルを1つにまとめる「タイルフォルダー」という機能が追加された。ちなみに,この機能は,先にWindows 10 Mobileに導入されていたものだ。

 また,スタートメニューの設定で,スタートメニュー左ペインにある「アプリの一覧」を非表示にして,タイル一覧だけを表示できるようになった。この設定は,設定メニューの「個人設定」→「スタート」にある「スタートメニューにアプリの一覧を表示する」というスイッチで切り替える。
 もちろんこの状態でも,スタートメニュー左端に並ぶボタンから,アプリの一覧を表示することは可能だ。アプリの一覧はあまり使わないという人向けの設定といったところか。

アプリの一覧を非表示にして,タイルだけのスタートメニューにした状態(左)。スタートメニュー左端の上から3つめにあるボタンを押すと,アプリの一覧だけの表示に切り替わる
Windows 10 Windows 10

 Windows 10標準の画面キャプチャ機能では,範囲を指定しての画面キャプチャができるようになった。[Windows]+[Shift]+[S]キーを同時に押すと,画面全体が半透明の白色で覆われて,画面に十字カーソルが表示される。この十字カーソルをドラッグして,キャプチャしたい範囲を選択すると,自動でその範囲だけがキャプチャされて,クリップボードに入るという仕組みだ。
 ただし,[Print Screen]キーを押したときと同様に,キャプチャ画像はクリップボードに入るだけなので,必要に応じてペイントなど画像編集ソフトを起動して,アプリケーション側で保存する必要がある点には注意してほしい。

Windows 10標準の画面キャプチャ機能で,範囲指定キャプチャができるように
Windows 10

 ほかにもささやかな変更点だが,設定メニューのようなUWPアプリ(※正確には,UIの表示にXAMLを使うアプリ)では,スクロールバーが普段は非表示になり,スクロールバー部分にマウスポインターを置くと,自動で表示される仕組みに変わっている。必要がない限り,スクロールバーを画面に表示しないで使えるというわけだ。


標準Webブラウザ「Edge」にも便利な機能が追加


 最後に説明するのは,Windows 10のプリインストールアプリケーションに加えられた変更である。

 なかでも大きな改良があったのは,Webブラウザの「Edge」だ。Edgeのウインドウ最上段左に,「保存して閉じたタブ」,「表示中のタブを保存して閉じる」という2つのボタンがついた。これは読んで字のごとく,後者で表示中のタブをまとめて保存し,前者で保存したタブを表示するものである。

Edgeの画面左上に,「保存して閉じたタブ」ボタン(左)と「表示中のタブを保存して閉じる」(右)が追加された

履歴として保存されたタブ。復元時には,保存したタブをまとめて開く
Windows 10
 保存したタブは履歴として残るので,任意のタブをまとめて開くことが可能だ。ちょっと便利な機能といったところか。

 また,タブ列の右側にある下向き矢印をクリックすると,タブのサムネイルを一覧表示する機能も加わった。多数のタブを同時に開いているときに,目的のタブを探すのに役立つだろう。

タブのサムネイルを表示した状態。目的のタブを探すのに便利な機能だ
Windows 10

 Edge以外では,以下のプリインストールアプリケーションに改良が加わったとのことだ。

  • Onenote:音声の録音と再生に対応
  • フォト:手描き入力による描き込みに対応
  • マップ:表示エンジンを改良

 一方,Windows 10標準のセキュリティソフトである「Windows Defender」は,デバイス関連のセキュリティ機能やファイアウォール機能を統合して「Windows Defender セキュリティセンター」に生まれ変わった。従来のコントロールパネルにあった「セキュリティとメンテナンス」を,新しいUIに合わせたものと言ったところか。

Windows Defenderは,マルウェアの検出と駆除だけでなく,統合セキュリティセンターとして複数の機能を持つようになった
Windows 10

 Creators Updateの新機能解説は以上のとおりとなる。
 ゲームのブロードキャスト機能は,配信対象のサービスがBeamに限られるのは残念だが,Microsoftアカウントがあれば簡単かつ無料で利用できるのは,評価に値すると言えよう。
 一方,期待のゲームモードは,実ゲームによる検証を行わないことには,評価を下しようがない。ただ,Microsoftがゲームを快適に動作させるための機能を“わざわざ実装してきた”というのは,注目すべき動きだ。仮にCreators Updateでの効果が不十分だったとしても,今後調整を続けていくことで,ゲーマーにとって歓迎すべきものになる可能性はあるだろう。

MicrosoftのCreators Update 説明ページ

  • 関連タイトル:

    Windows 10

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