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印刷2014/06/19 00:00

インタビュー

新しいハードで新しいゲームを――PS4専用タイトル「Bloodborne(ブラッドボーン)」とはどんなゲームなのか。ディレクター・宮崎英高氏インタビュー

Bloodborne
 6月10日に行われたPlayStationカンファレンスで電撃的に発表されたPlayStation 4専用タイトル「Bloodborne」。名作「Demon's Souls」から数年の歳月を経て,Sony Computer Entertainment JAPANスタジオ(以下,SCE)×フロム・ソフトウェアが再びタッグを組み,あの「Demon's Souls」と「DARK SOULS」を作り上げた宮崎英高氏がディレクターを務めるという本作。情報が公開されたとき,これは「Demon's Souls 2」なのか?――と思った人も少なくないと思うが,本作は,あくまでも“完全新作”という位置づけになっているという。

 今回4Gamerでは,ディレクターを務める宮崎氏にインタビューをする機会を得て,その気になるゲーム内容についていろいろと聞いてみた。「Bloodborne」とはどんなゲームなのか,「Demon's Souls」や「DARK SOULS」とはどう違うのか。そもそも,なぜ「Demon's Souls 2」ではなく,完全新作という形を選んだのか?
 また宮崎氏といえば,つい先日,フロム・ソフトウェアの社長に就任することが発表されたばかり。社長を務めながら,どこまでディレクターとして深く関わって(関われて)いるのか,「Bloodborne」における氏の役割はどこからどこまでなのかなど,ゲームの内容そのものはもちろん,その周辺に関わる話についても,あれこれと聞いてみた。

「Bloodborne」公式サイト


宮崎英高(みやざき ひでたか):フロム・ソフトウェア 取締役社長。「Bloodborne」 ディレクター。30歳の手前で異業種からゲーム業界への転身を果たした異色の人物。「ARMORED CORE 4」「ARMORED CORE for Answer」でディレクターを務めたのち,「Demon's Souls」の開発に着手。その後「DARK SOULS」ではディレクターとプロデューサーを務め,同作を世界的な大ヒット作へと育てあげた。2014年5月21日付けで,フロム・ソフトウェアの取締役社長に就任した


そもそも「Demon's Souls 2」という話ではなかった


4Gamer:
 本日は宜しくお願いします。まずは,なぜ「Demon's Souls 2」ではなく完全新作というスタイルになったのか,その経緯について教えてください。
 SCE×フロム・ソフトウェアの共同プロジェクトで,しかも宮崎さんがディレクターとくれば,普通はぜひ「Demon's Souls 2」をという話になりそうな気がするのですが。

宮崎氏:
 こちらこそ宜しくお願いします。
 まず,なぜ「Demon's Souls 2」ではないのか?というお話なのですが,そもそも,このプロジェクトの始まり自体が「新しいハードで,新しいものを作りませんか」というものだったんです。

4Gamer:
 それは,SCEさんの方からそういう提案があったんですか?

宮崎氏:
 はい。「DARK SOULS」の「ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION」制作がひと段落ついたくらいのタイミング,まだPS4の発表前だったと思いますが,「新しいハードで」という部分も魅力的でしたので,我々としても是非やらせて頂ければ,と。

4Gamer:
 そもそも「Demon's Souls 2」って話ではなかったんですか。それはそれで,SCEさんらしいというか。凄いなとは思いますけど……。

宮崎氏:
 そうですね。だから,「Demon's Souls 2にしよう」という話は,少なくとも現場では一度も検討されていません。客観的に見ても,SCEさんらしいなあと思いますね。

4Gamer:
 宮崎さんご自身は,あくまで“新作”が作りたかったってことですか?

宮崎氏:
 うーん,難しいのですが,一概にそうは断言できませんね。新作,というのがすごく魅力的なのは間違いないのですが,一方で,これは「ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION」を作っているときにも感じていたことですが,続編を作ることにも,独特な面白さがあります。素直な積み重ねもできますし,前提にできるものが多いので,そういう意味での幅も広がりますから。
 まあでも今回は,「DARK SOULS II」の制作が「ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION」と並行して進んでいたということもあり,私自身は「DARK SOULS II」からは一歩引いて,本作「Bloodborne」を作る,ということになりました。結果,すごく楽しんで作れていますね。

4Gamer:
 あの,これも凄く不思議だったんですけど,宮崎さんが「DARK SOULS II」の開発から一歩退いた形になったのはどういう経緯からなんですか? 「DARK SOULS」の成功を受けて,その続編を作る。しかも,会社の命運を左右しかねないほどのタイトルをあえて違う人に任せるというのは,普通に考えたら“会社としてはあり得ない判断”だったと思えるんです。

宮崎氏:
 仰ることは分かります。
 当時の会社の判断が実際にどうだったのか,私は言及する立場にはありませんが,私個人の思いでいえば,「DARK SOULS II」のプロジェクトは,私以外の人間にとっても,大きなチャンスになると考えたのです。
 私自身は,もう十分すぎるくらいチャンスをもらいましたし,他の誰かがチャンスを活かせるのであれば,フロム・ソフトウェアの組織としての厚みも増していくだろうと。 また,もう少しゲーム制作者寄りの話では,これは以前のインタビューでもお答えしたように,「DARK SOULS」のゲームベースから私の枷をはずし,その可能性を見てみたい,という思いもありました。


「Bloodborne」で掲げている3つのコンセプト


4Gamer:
 さて,では「Bloodborne」ですが,具体的にはどんな作品になっているんですか?

宮崎氏:
 ゲームフォーマットは「Demon's Souls」に近いですね。ジャンルはアクションRPGですし,カメラ位置もキャラクターの背後です。もっともそこから先,例えば,世界観や物語であるとか,あるいは諸々のゲーム性であるとかは,本作独自のものになっていくと思います。

4Gamer:
 ゲーマー向けの,歯ごたえのあるアクションRPGを――というコンセプトは変わらないのでしょうか?

宮崎氏:
 はい。そこは変わりません。
 そもそも企画の初期段階から,本作の大前提は「ゲーム好きのための本格ゲーム」でしたから。そのうえで,本作は各レイヤーで幾つかのテーマを持っているのですが,まずは3つ,「未知の探索」「死闘感」「新しいオンライン要素」というのが挙げられると思います。

4Gamer:
 気になるキーワードです。一つ一つ説明してもらえますか。

宮崎氏:
 まず「未知の探索」ですが,これはもちろん,マップの探索を楽しんでほしい,ということもあるのですが,ここではそれに留まらず,より広い概念として言葉を使っています。
 それは例えば,世界観や物語についても,ミステリアスで謎に満ちた,ユーザーさんの探索空間でありたい,ということですね。

4Gamer:
 そういえば,今作は,世界観がいわゆる「剣と魔法」というものではなくて,ちょっと近代寄りの世界観になっていますよね。

Bloodborne
Bloodborne Bloodborne

宮崎氏:
 はい。時代性としては,ヴィクトリア時代をイメージしています。
 ただ,ヴィクトリア時代というと,まずロンドンなどを思い浮かべられるかと思うのですが,本作の舞台はそうしたヴィクトリア時代の中心地ではなく,その時代の辺境,古めかしく陰気な街,ということになります。ゴシックの古い街並みに,街灯であるとか,ヴィクトリア時代のモチーフを重ねた,歴史のある世界観ですね。

4Gamer:
 映像などを見ると,ゴシックホラー的な雰囲気が色濃いですよね。

宮崎氏:
 そうですね。ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」とか,まずは,そういう雰囲気を感じてもらえればと思います。辺境の古都,その街は古い医療の街なのだけれど,風土病である「獣の病」が流行っていて――という感じですね。

4Gamer:
 なぜ,そういう世界観にしようと思ったのですか。

宮崎氏:
 理由は幾つかあるんですが,まずは,今作で考えていた「新しいゲーム性」に合っていた,ということですね。

4Gamer:
 新しいゲーム性?

宮崎氏:
 はい。これは,2つめのテーマ「死闘感」と関連する話なのですが,「Demon's Souls」のバトルベースって,剣と盾,特に盾で定義される,どちらかといえば受動的なイメージだったじゃないですか。

4Gamer:
 ああ,確か映画「エクスカリバー」で見られるような“剣戟感”を再現したかった,みたいなお話でしたよね。盾で敵の攻撃をガキーンって弾いて,その隙に反撃するだとか。

宮崎氏:
 そうです。そんな話もありましたね。とにかく「Demon's Souls」では,そうした,どちらかといえば受動的なバトルベースをイメージしていたのですが,本作では,それをより能動的というか,なんらか状況を打開していくようなものに転換しようと考えていたんです。

4Gamer:
 受動的,能動的って切り口は面白いですね。

宮崎氏:
 それで,じゃあその「能動的なバトルベース」をどう表現していくか,と考えたとき,銃が有効に思えたのです。 ただそれは,いわゆるシューターにしたいわけじゃなくて,近接戦闘で活用してこそ真価を発揮するようなイメージでしたから,銃は存在するが,まだ古い銃のイメージが残っている――といった時代性が,都合がよかったのです。
 一方では,ゴシックなりヴィクトリアなりの凝った装飾性や,それらを重ねた重層的な画づくり,雰囲気づくりなど,PS4のパワーがあってはじめて実現できる部分もありましたし,我々が是非やりたかった,ということもあります。大きくそうした両面が,現在の世界観でうまくすり合ってくれた,ということですね。

4Gamer:
 その“能動的なゲーム性”というのは,いわゆるドンドン敵を倒して進んでいくような方向と考えていいんですか。

宮崎氏:
 いえ,そういうことではありません。
 「死闘感」というテーマもありますし,我々らしい手触りとか手応えといったものは,残ると思いますよ。

4Gamer:
 なるほど。そのお話を聞いてちょっと安心しました。

宮崎氏:
 で,話を戻しますが,先ほどの「未知の探索」は,ゲーム要素も含む概念として考えています。ご説明した「能動的なバトル」の戦術性そうですし,攻略やキャラクタービルドなどもそうなのですが,そうした色々なゲーム要素に,未知のものを手探りで探索し,見出す楽しみを込められたらなと。
 例えば,銃と合わせて今回の武器を定義する,「仕掛け武器」なども分かりやすいでしょうか。E3版のCGムービーなどでは,まず「ノコギリ鉈」が提示されていますが,これは独特の形状と変形機構を持つ武器でして,変形前後で武器の特性が変化します。
 ですからまず,それをどう使い分けていくのか,というゲーム性がありますし,更には「変形させながらの攻撃」などもあって,またそれにも特性がある,という感じで, 「この武器を使いこなす」ということについて,結構な探索空間があると思います。

4Gamer:
 なるほど。それは楽しみです。


舞台となる街は,「DARK SOULS」などと同様に,多層構造的な作りになっていて,それがシームレスに繋がった形になっている。遠くに見える橋の方に向かっていくと実際にそこにたどり着けたり,建物の上層に上がっていくとさっきまで自分がいた広場が見下ろせるなど,ダンジョン探索の楽しみは「Bloodborne」でも健在だという
Bloodborne


新たな体験をもたらす「死闘感」


4Gamer:
 2つ目のコンセプトの「死闘感」とはどういうものなんですか?

宮崎氏:
 そこは,演出面とシステム面,2つの意味合いがあります。
 まず演出面でいうと,本作ではユーザーさんに,敵は恐ろしいもの,戦いは死闘である,と感じてほしくて,そのための表現やインタラクション,分かりやすいところでは血しぶきとか,は演出に注力しています。 
 ただこれは,グロいというか,生理的嫌悪感を目的にしているわけではなくて,敵が恐ろしく,戦いが死闘であることで,その死闘を乗り越えた喜び,あるいは安堵など,強く感じてほしいということなんです。「やばかった!よく勝てたな…」というところですね。

4Gamer:
 なるほど。

宮崎氏:
 元々「Demon's Souls」や「DARK SOULS」では,ユーザーさんに達成感を味わってほしくて,あくまでもそのために難度を高めにしていました。

4Gamer:
 そうですね。

宮崎氏:
 そして,今作でもやはり達成感,できれば今までよりも高い達成感をと考えたとき,高難度以外の柱が必要だと考えたわけです。
 達成感のための難度はあくまでも克服可能でなければならず,際限なく高くしていけばよい,ということではありませんから。

Bloodborne

4Gamer:
 どんなゲーム(ジャンル)もそうですが,そのあたりは本当に難しい問題ですよね。

宮崎氏:
 はい。ですから理屈としては,高難度とは別側面の,達成感のための死闘感なんです。敵と出会ったときに死闘を予感し,戦いに手に汗握り,戦い終わって「やばかった!」「でもなんとか切り抜けた!」と思えるための要素は,数値的な難度以外にもあるだろうと。

4Gamer:
 とてもよく分かります。でも,それって実際のゲームシステムとしてはどう表現するんですか?

宮崎氏:
 先ほど説明した「能動的なバトル」ということもありますが,それ以外にも,ユーザーさんを「死闘に誘う」ような仕掛けを考えています。こちらについては,まだ詳細をお話しする段階ではないのですが。

4Gamer:
 というか,「Demon's Souls」の時もそうでしたが,宮崎さんは,テーマやコンセプトをきちんとシステムに落とし込んで表現している/設計できているのが凄いなと思うんです。だから,その「死闘感」をゲームの中でどう表現しているのかはとても気になります。

宮崎氏:
 そうですね,「死闘感」については,演出とシステム,両面からうまく実現できたらと考えています。


ネットワークシステムは社会科学的見地からのアプローチ


宮崎氏:
 ちなみに,最後の1つ「新しいオンライン要素」ですが,今はまだ具体的にお話しできないんです。
 キーワードとしては「探索の自由な共有」ということになるんですが,そこから先は,すみませんが,続報をお待ちいただければ,と思います。

4Gamer:
 新しいオンライン要素ですか。

宮崎氏:
 ええ。「Demon's Souls」の時もそうでしたが,ネットワークを使って何かやりたいね,ということはあります。

4Gamer:
 「Demon's Souls」を取材させて頂いたときにも思ったのですが,そうしたネットワークを使った仕組みの部分って,宮崎さんが考えているんですか?

宮崎氏:
 そうですね。基本的に私は,チームの信頼できるメンバーと話したり,相談することが好きですし,そうした中でかなり多くのアイデアをもらっているのですが,ネットワークの仕組みなんかは,とくに最初期は,やはり概念的というか,抽象的な話になりやすいので,比較的1人で考えることが多くなってはしまいます。全般そうなんですが,とくにこのあたりは,私の話ってすごく分かりにくいんですよ(笑)

4Gamer:
 なるほど……。なんといいますか,宮崎さんって,なんでネットサービスの設計についての造詣が深いんですか?

宮崎氏:
 いや,特にそんなことはないと思いますよ。

4Gamer:
 でも,いつもかなり本質を突いた作り方をしているなと思うんです。死んだ場面が再生される血痕システムにしても,緩やかにつながる協力/対戦プレイって考え方にしても, 今でこそかなり一般的な概念になりましたが,「Demon's Souls」が出た当時,まして企画当初の頃なんて,そういう視点ってなかなか出来ないと思うんですよ。

宮崎氏:
 まあ,当時分かりにくかったのはそうですね。どちらかというと苦い思い出ですが。

4Gamer:
 当時のオンラインゲームのシステムやマルチプレイ機能にしても,もっと単純な思想――要するに「一緒に遊べたら楽しいよね!」というところで止まっているものも多くて。そのメリット/デメリットをきちんと考えて設計してあるものは少なかった。
 だけど宮崎さんは,それこそもう何年も前から,「一緒に遊べるのは楽しいけど,同時にっていうのは面倒くさい」という話をされていて。そうじゃないオンライン要素の使い方として,「非同期的なものにはもっと可能性があるはずだ」という話をしていたのが,とても印象的だったんです。

宮崎氏:
 確かに,そんな話をしていました。
 これは今もそうなんですが,当時は,ゲームにおけるネットワークについて,ごく大げさに言うと社会科学的に考えていた部分があるのかもしれません。

4Gamer:
 社会科学ですか。

宮崎氏:
 はい。私は,大学から大学院と社会科学をかじっていたんですけど,当時はちょうどインターネットが世に出てきた頃で。今振り返っても面白い時代で,色々と考えさせられるものがあったんです。ゲームばかりやってて真面目な学生ではありませんでしたし,別に専門家でもなんでもありませんが,なんとなく,そういう影響はあったのかなあと。

4Gamer:
 なるほど。やっぱり,そういうバックボーンがあったんですね。

宮崎氏:
 まあ,そんな大げさなものではありません。志向というか,傾向の話として,ですね。同世代の人なら,分かってくれる部分があるのではないかと。

4Gamer:
 ふーむ。

宮崎氏:
 ネットワークって,ゲームにとっても,とても面白い要素だと思うんですよ。ゲームプレイの体験であれ,価値であれ,色々なレイヤーで大きく拡げてくれる。大袈裟な言い方ですが,今の時代にゲームが作れるというのは,とても運がいいなと思っています。

4Gamer:
 「Bloodborne」のネットワークシステムがどんなものになるかは分かりませんけれど,宮崎さんの新しい挑戦という意味で,とても期待しています。

画像は「Demon's Souls」より。血痕システムとは,ダンジョンの好きなところに簡単なメッセージを書き残しておくことができ,ほかのプレイヤーに罠の危険を知らせたり,簡易的なコミュニケーションが図れるというものだ
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