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  • 発売日:2011/09/29
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「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
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印刷2013/09/28 00:00

インタビュー

「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

 サクセスのブラウザシミュレーションRPG「英雄クロニクル」が,2013年9月29日にサービス開始から2周年を迎える。キャラクターメイクとロールプレイにひたすら特化しているという,極めて尖ったコンセプトの本作だが,3年目の展開はどのようなものになるのだろうか。
 今回も,プロデューサーのオッド氏,ディレクターの稲川征史氏,企画の麓川智之氏,運営担当の横山和弘氏の4名に話を聞いてみた。

画像集#014のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

これほどコアでマニアックなブラウザゲームはほかにない。キャラメイクとロールプレイに特化したSRPG「英雄クロニクル」にハマりすぎたので魅力を語る

「英雄クロニクル」サービス1周年。キャラ作成に特化したブラウザSRPGがどこに向かうのか,今後のアップデート計画を運営・開発スタッフに聞いた



4Gamer:
 2周年おめでとうございます。皆さんが揃った状態でインタビューするのも,昨年以来になりますね。

プロデューサー オッド氏
画像集#001のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
オッド氏:
 いや,本当に早いものです。

麓川智之氏(以下,麓川氏):
 ブラウザゲームというと,2年も経てばサービスが終了してしまうケースも少なくないというのに,ありがたいことですね。

4Gamer:
 こう言うのもなんですが,かなりマニアックなタイトルなのは間違いないですからね。
 サービスから2年経ったオンラインゲームというと,プレイヤーの数が……みたいな話が出てきがちですが,実際にプレイしていても,ゲーム内が寂れた印象はありません。サービス自体の調子はいかがでしょう?

オッド氏:
 好調ですよ。プレイヤー数が爆発的に増えたというわけではないのですが,逆に2年経っているにも関わらず減ることもなく,すごく安定しています。

麓川氏:
 もちろん,やめていってしまう人もいるのですが,そのぶん新しい人も入ってきているので,総プレイヤー数自体はあまり変わっていません。むしろ,全体的には微増しています。

稲川征史氏(以下,稲川氏):
 シーズンを繰り返す仕組みになっているぶん,ゲーム内のパワーインフレみたいな状態も発生しづらいですしね。コンセプトとしては,テーブルトークRPGのシステム部分を我々が作って,それを使って遊び続けてもらうような形を目指していますが,うまく回っているのではないでしょうか。
 兎にも角にも,ここまで来られたのは,長い間遊んでくださっているプレイヤーの皆さんのおかげです。

オッド氏:
 本当にありがとうございます。皆さんが英雄クロニクルを盛り上げようとしてくれているのはすごく嬉しいです。今ではもう,皆さんの遊び方が我々の想定を超えてしまっているほどです。

稲川氏:
 そうですね。もはや我々のほうが「こんな遊び方もあるのか!」と学ばせてもらっています。

オッド氏:
 これまでの2年を振り返ってみると,最初の1年は「我々が入れようと思っていた仕様を実装して,英雄クロニクルを完成させる」ことにリソースを割いていました。そして次の1年は,ひとまず予定されていたアップデートが完了したので,プレイヤーの要望を中心に取り入れてきたのですが,熱心にプレイしていただいているおかげで,皆さんからの要望は良い意見が多く,非常に助かっています。

4Gamer:
 プレイヤーの意見で実装されたシステムは,どれが該当するんですか?

横山和弘氏(以下,横山氏):
 キャラタグや掲示板のリンク機能などですね。

画像集#002のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

4Gamer:
 なるほど。キャラタグはキャラの表現の幅がかなり広がったので,実装されて嬉しかったのですが,プレイヤー発案のものだったんですね。

稲川氏:
 2年前の英雄クロニクルと比べたら,今の環境は本当に遊びやすくなっていると思います。自分達でも,ここまで便利になるとは予想していませんでした。

麓川氏:
 こういった部分でプレイヤーの要望を取り入れやすいのは,国産自社開発のオンラインゲームの強みですね。

オッド氏:
 特殊能力やスキルなども,いろいろと調整してきたおかげで,戦闘バランスもずいぶん改善されたのではないでしょうか。少なくとも,「この能力やスキル一択」というような状況はずいぶん減って,キャラの多様性は広がったのではないかと思います。

4Gamer:
 バランス調整は,「捕捉攻撃」の調整があったことで,今期(第9期)はかなり大きな変更になった印象があります(※)。せっかくなので,直近のアップデートである第9期の調整意図を教えてください。

※スキル「捕捉攻撃」の効果が,第9期のアップデートで「対象の最終的な回避力を1スキル毎に-10%し,1スキル毎に対象の見切りを1レベル無効化して主武装による攻撃を行うコマンド技」から,「1スキル毎に対象の見切りを2レベル無効化する」へと変更された。これにより今後,アタッカーのキャラクタービルドの流行が,大きく変わる可能性がある。

稲川氏:
 捕捉攻撃の調整は,現在の効果に変更したら,高レベルで取得している人や「見切り」持ちのプレイヤーから否定的な意見もあるだろうと覚悟した上で行っています。

オッド氏:
 これまでは見切りの対策になるスキルが少なく,1手で倒すには必中か剣・射出の秘技を使うしかなかったので,このいずれかに人気が集中してしまっていました。そのため,とくに見切りと必中は,頭1つ上のスキルになっていたと認識しています。ただ,調整するにしても,あまり急激にパワーバランスを変化させるわけにはいきませんから,捕捉攻撃を段階的に強化して,見切り対策として機能させることにしました。

ディレクター 稲川征史氏
画像集#003のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
稲川氏:
 一方で,捕捉攻撃から敵の回避力を下げる効果がなくなった代わりに,命中型のアタッカー向けに「命中増加」スキルも強化しています。命中増加が強力になったことで,「回避キャラが厳しくなるのではないか?」と心配している人もいるかもしれませんが,これまでの回避キャラは,見切り対策で必中が流行したとばっちりを受けていたので,今後,捕捉攻撃を取得するアタッカーが増えれば,むしろ回避が輝いてくるのではないかと思います。必中持ちの割合が減ってからの話になるので,長期的に見てのバランス調整になります。

横山氏:
 長期的というとイメージが沸きにくいかもしれませんが,例えば1年以上前の第4期に入れた「確率発動系スキルはMPを消費する」仕様は,今となっては行って良かった調整だと思うんです。あれも当時は,反対意見が多く出るだろうと覚悟して行いましたが,その価値はあったかなと。長い目で見れば,今回の捕捉攻撃の調整も効いてくるはずです。

4Gamer:
 これまでは,ガチガチに防御力を高めたキャラが見切りを少しだけ取得していると,対処法が本当に限られていたので,今後はアタッカーの多様性がかなり増えそうですよね。捕捉攻撃で見切り対策を行うと,必中を搭載したアタッカーよりも威力を高めやすいので,その点で面白いビルドも作れそうです。

稲川氏:
 あとは,第9期の調整でようやく強化できたのが,ドレイン(HP吸収,MP吸収)系の特殊能力です。実はこれは,1年以上強化案を考え続けていて,毎期「ドレインどうするの?」と話していたのですが,なかなか良い案が浮かばず,後回しになっていました。武器で攻撃するより強力になるわけにはいきませんし,HPを回復できるといっても,使いどころが難しいですから。

画像集#004のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

オッド氏:
 今回は最大値を越えて吸収できるように調整しましたが,これにより,普通のコストのキャラでも敵陣で攻撃を耐えて反撃したり,あるいは遠征で「範囲護衛」スキルを発動させやすくしたりできるかと思います。

稲川氏:
 第9期で「攻防一体」スキルが強化されましたが,これもドレイン強化の一環になっている部分があります。もともと,ドレインの強化案として,“武器術以外の攻撃の命中と威力を増加させる”効果の「戦闘術」スキルを追加するというのがあったんですよ。

4Gamer:
 え,いや,それ微妙……(笑)。

オッド氏:
 ですよね(笑)。さすがにその案はないということで,既存の攻防一体を強化して,ドレインの命中や威力を向上させやすくしています。最終的にドレイン周りは,面白い効果になったのではないでしょうか。

麓川氏:
 英雄クロニクルを始めたばかりの人は,よく「ドレインかっこいい!」と取得しがちなんですが,うまく使えずにやめていってしまうことが多かったので,その点でも効果を実感してもらいやすくなるかもしれません。

4Gamer:
 そういえば,私も最初はドレインを取得していた気が……。

オッド氏:
 ロマンがありますからね! とくに,ヴァルトリエを選ぶ初心者は取得率が高いですね。

稲川氏:
 「俺に近付くな!」みたいなキャラを,みんなやりたくてしょうがないんでしょうね(笑)。

オッド氏:
 バランス調整といえば,入れたのは第8期でしたが,ようやく第9期で効果を実感できるようになったのが,最初の国家選択で,NPCが勧誘しに来るシステムですね。意外に思われるかもしれませんが,「NPCに呼ばれたからこの国を選んだ」という人はけっこう多くて,各国のプレイヤー数の差を緩和するのに役立っているんです。

画像集#005のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

稲川氏:
 もともと,このシステムの効果が出るのは,第9期からだと考えていました。第8期の実装直後では,もうすでに皆さんが次の国を決めているタイミングだったので,いきなりNPCが出てきても国を変えることはないかと思いますから。うまく機能してくれたようで何よりです。

4Gamer:
 あれは,ランダムでNPCが出てきて勧誘しているんですか?

麓川氏:
 いえ,部隊の少ない陣営のNPCのほうが出やすくなっています。

オッド氏:
 第9期は,サーバー問わず人数バランスが取れているので,陣営功績のデッドヒートが生まれるのではないでしょうか。
 とくに第9期からは「健闘ボーナス」(※陣営順位よりも士気順位が高いと,翌週の獲得功績にボーナスが加えられる新システム)が入ったので,普段の頑張りや陣営の勢いが,順位に大きく影響してくるはずです。このボーナスはけっこう大きくて,中盤戦や英雄戦以外で,逆転要素が入ったと言えるかもしれません。

4Gamer:
 中盤戦や英雄戦の評価方法は,第9期も変わらないんですか?

横山氏:
 そこは同じです。賛否両論はありますが,もともと,人数バランスが取れている状態を想定して評価方法を作っていた部分があり,サーバーによっては,うまく機能しないことがありました。ただ,今期は人数バランスが取れているので,うまくいくのではないかと思います。

麓川氏:
 そうそう,中盤戦と英雄戦には,直接勝敗に関わる仕組みではありませんが,第9期から新システムの実装を予定しています。

オッド氏:
 簡単に言うと,気に入ったログに芸術点みたいなものを入れる仕組みですね。週末戦の評価ボタンのような感じで,自国に攻めてきた部隊に対して評価を入れられるようになり,一番高い評価を得た陣営に「黄金の雫」が配られるというシステムになっています。評価する基準は人それぞれですから,例えば一番最初に戦闘を終わらせたり,堅実にプレイして高得点を出したりした人を評価するのもアリでしょう。

稲川氏:
 集計結果が表示されるのは1位に選ばれた部隊だけなので,あまり評価されずしょんぼり,ということもないと思います。

4Gamer:
 中盤戦や英雄戦は気合を入れて演出を考える人も多いですし,評価は嬉しいですね。
 そういえば,英雄戦で思い出しましたが,第8期に突然実装されたボーカル付きの歌はなんだったんですか。

オッド氏:
 あれは実は,1年ぐらい前にサクセス社内で「うちのゲームに主題歌をつけたらどうか」という話が立ち上がりまして,英雄クロニクルの主題歌を作る専用の予算が出たんですよ。そういうことなら,しっかりしたものを作ろうと,ひっそりと企画を進めていました。

横山氏:
 お披露目するタイミングは迷ったのですが,もともと,英雄戦のBGMを変えたいという話があったので,サプライズで実装してみました。

4Gamer:
 本当に突然だったので驚きました。主題歌が付くとは誰も思ってなかったでしょうし。今のところ,英雄戦以外に曲を聴けるタイミングはありませんよね。公式で配信するとか,CDを販売するとか,そういった予定はないんですか?

横山氏:
 制作予定の新しいプロモーションムービーであの曲を使う予定で,そのときに情報や歌詞なども出そうと考えています。

麓川氏:
 ちなみに,歌っているのは「リトルバスターズ!」の曲などを担当されているRitaさんです。サクセスのゲームでも「アオイシロ」でお世話になったことがあるのですが,ボーカルは女性が良かったのと,英雄クロニクルがバトルものなので,力強い曲を歌える人が良いかと考え,彼女にお願いしました。

オッド氏:
 歌詞を作ったのは麓川ですね。

麓川氏:
 なかなか伝わりにくい内容のゲームですからね。そこは外部にお願いするより,自分で作った方が良いと考えて(笑)。


2周年の目玉はサーバー間対戦イベント「黄昏の邂戦」


4Gamer:
 2周年に合わせたキャンペーンとして,イラストコンテストが実施されていますが,ほかにはどういった企画が用意されているのでしょう。開発ブログで,サーバー間で何かが行われると発表されていましたが。

オッド氏:
 2周年の目玉はサクセス・ハンゲームサーバーとmixiサーバー間での対戦イベント「黄昏の邂戦」(ケイオス・エンカウント)です。第8期で入った遭遇戦の仕組みを利用するのですが,各サーバーでプレイヤーが登録した防衛部隊が敵として登場します。そして,その敵を倒して得られた功績と,相手側のサーバーで自分の防衛部隊が稼いだ功績の累計で,どちらのサーバーが勝利するか競い合うことになります。

4Gamer:
 遭遇戦でサーバー間対戦ということは,「隠行」スキル持ちの防衛キャラを配置されると……。

横山氏:
 鋭いですね。サーバーが違うので,スキルの効果で隠された元の能力を調べられません。今回は初の試みですから,みなさんおそらく,ガチの布陣で防衛部隊を登録すると思うので,各サーバーの強力な防衛キャラが並ぶことになるのではないでしょうか。

オッド氏:
 お互いのサーバーにしかいないタイプの防衛キャラもいるので,見たこともないビルドと戦えるかもしれません。対応力の高いアタッカーが輝くと思います。

麓川氏:
 各サーバーの防衛キャラには,お互いが驚くでしょうね。mixiサーバーの人が「サクセス・ハンゲームサーバーのキャラは厄介すぎる!」と言っている一方で,サクセス・ハンゲームサーバーでは「mixiサーバーはコスト詐欺ばっかりだ!」みたいな(笑)。

運営担当の横山和弘氏
画像集#006のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
横山氏:
 我々としても,どうなるのか予想が付かないので,非常に楽しみにしています。

オッド氏:
 勝利したサーバーには,嬉しい数の合成安定剤が賞品として配布されますし,サーバーごとの個人ランキングでもアンコモンくじなどがもらえますから,期待していてください。
 始まってから,いろいろなご意見やご要望も出てくると思いますが,2回目以降のサーバー間対戦で反映していきたいので,ぜひ送っていただけると助かります。

4Gamer:
 2回目以降をやるとしたら,いつ頃になるんですか?

オッド氏:
 反響次第ですが,6週間にわたって実施される大規模イベントになりますので,おそらく1年に1回ぐらいのペースで実施することになるかと思います。半年に1回にすると,2期毎に行われることになってしまいますし。


今後のアップデートでは各NPCの専用クエストなどを実装予定


4Gamer:
 今後のアップデートについてもお聞きします。まずは,直近で実装される予定のアップデートを教えてください。

横山氏:
 近いところだとエフェクトの追加でしょうか。まずは移動エフェクトに,肉球や飛行の追加を行います。

9月26日のアップデートで飛行,肉球,無限軌道の移動エフェクトが実装された
画像集#011のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー 画像集#012のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー 画像集#013のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

稲川氏:
 エフェクトの案はいっぱいあるので,順次実装していきます。皆さんからの要望も募集中ですので,「こういうエフェクトがほしい!」という意見があれば,教えてください。

オッド氏:
 それと,初心者向けにチュートリアルの追加も予定しています。これは,先制や報復といった厄介なスキルや能力への対処法を実地訓練によって覚えられるような内容になっていて,今までのチュートリアルに加えて任意で受けられるというものです。

4Gamer:
 各スキルや能力への対処には,慣れが必要な部分ですし,チュートリアルで教えてもらえるのは良さそうですね。

画像集#015のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
オッド氏:
 チュートリアルでは,NPCのアルコが教官役としていろいろと教えてくれます。彼女はもともと,教官として能力が変化するので“戦変万華”という通り名がついているのですが,なぜかメタ発言とプレゼントの配布をしているだけのフリーダムなキャラになっていたので,ようやく本来の役目に戻ります(笑)。

4Gamer:
 完全にプレゼント係だと思っていました。

オッド氏:
 ほかにちょうど良いキャラがいなかったんですよ。グレイが「リング☆ドリームとのコラボです」とか言い出したら嫌じゃないですか。

4Gamer:
 確かにそれは嫌ですね(笑)。

企画 麓川智之氏
画像集#007のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
麓川氏:
 あと,これはすぐに実装できるわけではないのですが,NPC用のクエストを大幅に追加していきます。今のところ,NPCの強化が1段階進むたびにクエストが発生して,クエストの受注画面と終了画面で各NPCのメッセージを見られるような形を考えていて,プレイヤーの皆さんから募集したNPCについてもクエストが用意される予定です。

4Gamer:
 アドベンチャー形式のクエストではないんですか?

麓川氏:
 NPC用の称号を入手できたときには,アドベンチャー形式のクエストも見られるようにしたいと思っています。

オッド氏:
 実装するとなると,全NPCのクエストを用意することになるので,作業量的に時間は掛かってしまうのですが,楽しみにしていてください。

4Gamer:
 既存のストーリークエストについては,追加や変更は予定されていないのでしょうか。

オッド氏:
 これは確定してはいませんが,そろそろ,同じストーリーを何度も見る状況が出てきたので,分岐を増やすかもしれません。

麓川氏:
 あるいは,会話内容に別のキャラを追加するなど,既存の内容に手を加える可能性はあります。

4Gamer:
 プレイヤーとしては,まだ発生していない分岐をいろいろと見てみたいとは思うのですが,現在の仕様では,1位か最下位の陣営のストーリーが3か月に1回見られる形ですから,なかなか機会がないじゃないですか。そのあたり,もう少し見やすくなると嬉しいのですが。

オッド氏:
 どの順位でも見られるというのが,理想だとは思います。ただ,あまり発生するストーリークエストを増やすと,各国で発生した出来事のつじつまを合わせるのが難しくなってしまうんですよ。例えば,あるNPCが大けがをしたはずなのに,ほかのクエストでは普通に登場しているとか,そういった状況が一切ないようにしているんです。

麓川氏:
 今でも,NPCが1人離脱すると,チュートリアルなどからも姿を消すなど,かなり細かく設定しています。なので,クエスト周りを追加するなら,そういった影響がでないようなもの……例えば先の各NPC用クエストですとか,そういった形になっていくかと思います。

オッド氏:
 あと,ストーリークエストは,1期の間に見られる量が限られているので,ボリュームが少なく感じられてしまうかもしれませんが,全陣営の分岐を合わせると,実はアドベンチャーゲーム1本ぶん以上のテキスト量があるんですよ。これを追加しようとしていくと,作業量もかなりのものになってしまうので,ボリュームを増やすのが難しいという部分については,ご理解ください。


3年目は「皆さんと一緒に面白そうなものを作っていく」


オッド氏:
 今のところ,確実に入ると言える要素はこのぐらいでしょうか。もちろん,検討中のものや企画段階のものはあるのですが,適当にいろいろなことをしゃべるわけにもいかないですし。

4Gamer:
 でも,せっかくなので,企画中のコンテンツも聞いてみたいです。

画像集#008のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
オッド氏:
 では,まだ妄想中だと前置きしますが……「国家傭兵」みたいな仕組みを入れたいとは思っています。フリーで使えるサブキャラの枠をもう1つ用意するのですが,自分では使えずに,傭兵専用のキャラになるという感じです。この枠のキャラは,前期のうちに登録しておくと,次の期にその国に登場する形になります。

稲川氏:
 これはどういう意図のシステムかというと,部隊のキャラを作り込んだ人向けになります。これまでのキャラに愛着はあるけど,ほかのキャラも使いたいし,かといってサブキャラを追加するのも……という場合に,完成されたキャラを国家傭兵として活躍させる感じですね。

4Gamer:
 遠征で出番がなくなりがちな防衛キャラを登録しておいたりするのにも便利そうですね。

オッド氏:
 まだ最終的な案まで落とし込めてはいないので,細かなところは検討中なんですけど。
 あと,これは本当に構想段階ですが,遠征やダンジョンとは違う,別の遊びができるコンテンツも入れたいと思っています。

4Gamer:
 どういった仕組みを考えられているんですか?

オッド氏:
 第8期のサクセス・ハンゲームサーバーで,掲示板を使ってボードゲームの「ディプロマシー」みたいな陣取りゲームをやっていた人がいたのですが,すごく盛り上がっていたんですよ。キャラの性能は関係なく,人数と戦略で勝敗が決まる仕組みだったんですが,そういった誰でも楽しめるコンテンツを,ぼんやり考えています。ヒントはいただいたので,うまくシステムに落とし込めれば,なんらかの形で実装したいです。

4Gamer:
 遠征以外で争う要素が増えるかもしれないわけですね。それは楽しみです。
 ところで,1年前にインタビューを行ったとき,オッドさんが「キャラクターごとに競い合うランキングみたいなものも実装できるといいな」と言っていた気がするのですが……。

オッド氏:
 絶対聞かれると思っていました。すいません,なくなりました!

4Gamer:
 えええ……。

オッド氏:
 検討してみたのですが,強さだけで決まってしまうようなコンテンツは,どうしてもごく一部のトッププレイヤーしか楽しめなくなってしまうんですよ。皆さんが楽しんでもらえるような仕組みが見つかれば再び考えるかもしれませんが,今のところ実装の予定はありません。
 企画してみたものの,ボツになってしまうネタはけっこうあるんですよね……。

4Gamer:
 ほかにはどういったものがあったんですか?

オッド氏:
 例えば,クエストのアドベンチャーパートを,プレイヤーがそれぞれ作れるみたいなシステムの実装を検討して,実際に仕様も考えたことがあります。ですが,結局これも,楽しめるのは最後までオリジナルのクエストを完成させられるごく一部の人と,その周りにいる人達だけになってしまうので,お蔵入りになりました。

稲川氏:
 夢見てはいろいろな事情で消えていく企画は,本当にいっぱいあります。

4Gamer:
 ボツになった企画も,いちプレイヤーとしてはかなり興味深いです。
 先ほど,最初の1年目は「英雄クロニクルを完成させる」,2年目は「要望を取り入れて遊びやすくしていく」といった感じでアップデートをしてきたとお話されていましたが,これからの3年目はどうなるのでしょう。企画を聞いていると,また大きなアップデートが入ってきそうですが。

オッド氏:
 「皆さんと一緒に面白そうなものを作っていく」でしょうか。2年目は利便性や調整周りが中心でしたが,今度は新しい遊び方ができるようなものを実装していきたいです。あとは,もう少し世界観も出せるといいかな? 想像の余地を奪うようなことはしたくないのですが,すでに名前が出てる都市周りの設定ですとか,そういった部分は広げたいと思っていますし,あるいは地名などを皆さんから募集して,一緒に世界観を作っていくのもいいかもしれません。

4Gamer:
 そういえば,クエスト上で名前は出てくるのに,公式サイトを見てもよく分からない地名やキャラ名みたいなものは,いくつかあった気が……。


オッド氏:
 開発資料の中では意外と細かく設定されているのですが,なかなか紹介する機会がないんですよね。今後,NPCのクエスト追加などでお見せしていければと思います。ちなみに,気付きにくいところですが,実は専用セリフを実装したときに,NPC同士の専用セリフの中で,いろいろな設定を出しているので,探してみると面白いと思います。

4Gamer:
 そうなんですか。それは気付きませんでした。

画像集#016のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー
稲川氏:
 気付きにくいセリフもいっぱいあるんですよ。「性能的にこのキャラでこいつは殴らない」という場合でも,攻撃してみたら専用セリフが入っていたりしますから。

オッド氏:
 あと,敵からの攻撃を耐えて反撃するですとか,あるいは先制を持ったキャラに剣秘技で攻撃するですとか,そういったシチュエーションを意識すると,NPC同士のセリフが見やすくなります。とにかく大量に入っているので,ぜひいろいろと試してみてください。前にも言った気がしますが,我々の予想以上に,NPCに愛着を持っていただけているので,3年目はそのあたりも力を入れていきたいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

画像集#010のサムネイル/「英雄クロニクル」の3年目は,プレイヤーと一緒に面白そうなものを作っていきたい。開発・運営スタッフに2周年インタビュー

 実のところ,今回のインタビュー中に聞いた企画中のコンテンツや,あるいはさまざまな事情でボツになってしまった企画は,本稿で紹介していないものも多くある。というより,インタビュー中に「思いついた!」と新たな案が出てきたりしていた状態なので,紹介しきれないというのが本当のところなのだが,ともあれ,ここまでマニアックなゲームを開発している人達だけあって,より面白くしようという熱量は非常に高く感じられる。3年目のサービスを迎える本作だが,これからも精力的なアップデートに期待できそうである。
 オッド氏が「皆さんと一緒に作っていく」と述べているとおり,プレイヤーからの意見,要望は随時受け付けているとのことなので,ブリアティルトでの活動中に良い案が思いついた人は,送ってみると取り入れられることもあるかもしれない。

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