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Games Convention Asia 2009でSCE Asiaの安田プレジデントが,海賊版に警鐘。出展ブースはコンシューマゲームメインに
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印刷2009/09/19 10:40

イベント

Games Convention Asia 2009でSCE Asiaの安田プレジデントが,海賊版に警鐘。出展ブースはコンシューマゲームメインに

画像集#001のサムネイル/Games Convention Asia 2009でSCE Asiaの安田プレジデントが,海賊版に警鐘。出展ブースはコンシューマゲームメインに
 シンガポールにあるSuntec Singapore International Convention & Exhibition Centerでは,9月17日(木)から9月20日(日)までの4日間,「Games Convention Asia 2009」(GCA 2009)が行われている。
 先日もお伝えしたが,このイベントは本拠地をドイツに置くLeipziger Messe Internationalが主催しているもので,今回は3度めの開催だ。
 本記事では,その二日め(9月18日)の模様を紹介していこう。


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 カンファレンスルームで行われていたのは,基本的に技術やデザインなどに関する講義や,経営に関するものがほとんど。
 シンガポールや周辺地域などで,「プログラマやデザイナーとして一旗揚げてやる!」とか「ゲームビジネスで一儲けぶちかましてやる!」みたいな熱い人々にとって,成功者や先駆者達の言葉を直に聞ける,またとない機会といえる。
 そんな中,朝9時過ぎからの基調講演にはソニー・コンピュータエンタテインメントのアジア部門,Sony Computer Entertainment Asia(以下,SCE Asia)の安田哲彦プレジデントが登壇。ゲーム開発以前の問題として,著作権保護の重要性を強く訴えた。

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Sony Computer Entertainment Asia安田哲彦プレジデント
 SCE Asiaでは現在,政府機関Infocomm Development Authority of Singaporeの肝いりのプロジェクトとして,Nanyang Polytechnic(シンガポール国立南洋理工学院。以下,NYP)と協力し,次世代のゲームクリエイター育成に取り組んでいる。
 具体的にはPlayStation 3やPSP向けの開発機材を提供したり,ゲーム開発のノウハウを持つ実戦経験豊富な開発者を日本から呼び寄せて,コンテンツ開発のノウハウを伝えたりしていくというものだが,安田氏は,技術やノウハウ云々の前に「ソフト産業を育成していくうえで,最も重要かつ不可欠なテーマ」が,著作権の保護であると語っていた。

 日本から見てアジア方面の特定の国というより,アジア全域は,ゲームに限らずあらゆるコンテンツが不法にコピーされ,それが流通しているというイメージが強い(残念かつ恥ずかしい話ではあるが,最近では日本でもそういう傾向が一部に存在するのだが……)。
 安田氏は,「ソフトビジネスとは,正規ソフトの売り上げによる利益が,次の開発に投入されることで成長していくもの」であるからこそ,「海賊版の存在によって,正規のソフトが売れないことになっては,ソフト産業の育成を目指してきたすべての関係者の努力が台無しになってしまう」と語る。
 そして同時に,「ゲームソフト開発に夢をかけた若者が,いつか実際にゲームを開発したとき,海賊版のせいで正規品が売れないということになれば,その若者は傷つき,創作意欲をも失ってしまうだろう」「その若者が,自分の子供,兄弟,親戚,そして友人だとしたら,海賊版の存在がいかに問題であるか,誰でも想像できるはず」「ほんの一部の安易な金儲けしか考えていない海賊版業者に,学生達の純粋な夢,創作意欲を邪魔させてはいけない。我々は,彼らをクリエイターの敵だと考えている」と,理だけでなく情にも訴えかける言葉をあえて選び,海賊版に対する警鐘を鳴らしていた。
 安田氏によると,シンガポール政府は12年前より海賊版の締め出しに取り組んでいるとのことで,それが一定の効果を上げていることに感謝の意を表しつつも,「一度摘発の手をゆるめてしまえば,また元の状態に戻ってしまう可能性がある」と,危機感を募らせているようだ。

 それでも,シンガポールをはじめASEAN各国では,優秀な若い力が急ピッチで育っていること,ソフト産業は自国内で熟成され,各国の文化を吸収しながら育っていくからこそ力強く安定感があるなど,未来への期待を寄せていた。
 繰り返しになるが,だからこそ,海賊版がソフト産業に与える影響について,啓蒙をしなければならないということなのだろう。

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企業ブースはコンシューマゲームメインの様相に


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 さて,今度はゲームなどが出展されている「Exhibition Hall」の模様に話題を移そう。なんとなく,ブラウザゲームを含むそこそこのPCで動くライトなゲームがたくさん並んでいるんだろうな……と予想していたのだが,これは大外れ。
 日本で知られているタイトルだと,「グラナド・エスパダ プラス」などは出展されていたが,ほとんどはXbox 360やPlayStation 3,そしてWiiでプレイ可能なもの。そして,発売前のタイトルだけでなく,発売済みのタイトルも気持ちよいぐらいに並んでいた。

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 現地でPCオンラインゲームの人気が低いというわけではないらしいが,少なくとも今回の出展比率だけを見れば,8:2で圧倒的にコンシューマゲーム機が多いようだ。
 大手だと,Microsoftは「Forza Motorsport 3」の3画面モードでの試遊を大々的にやっていたし,Electronic Artsは「Need for Speed: SHIFT」や「EA SPORTS Active」(邦題:EA SPORTS アクティブ パーソナルトレーナー Wii 30日生活改善プログラム),そして「The Beatles Rock Band」などを出展。人だかりができていたというほどではないが,常に誰かが試遊をしているような状態だった。

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 また,現地の大手パブリッシャIAH Gamesは,MMORPG「Dragonica」や前述の「グラナド・エスパダ プラス」といったPCオンラインゲームのみならず,「Darksiders」や「UFC Undisputed」といったコンシューマタイトルを出展。こちらもどちらかというと,人気はコンシューマタイトルに集まっている様子だった(サービス中のPCオンラインゲームを,わざわざこの会場でやる必要がないと判断した人が多いのかもしれない)。
 余談だが,IAH Gamesは「NINJA GAIDEN Σ2」や「真・三國無双 Multi Raid Special」の発売を予定している模様。ただ,無双MRのステッカーが貼られてたモニターで,延々とNINJA GAIDEN Σ2のプロモーションムービーを流し続けるという,大らかさが印象に残った。

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 このほか目立っていたのは,一部のパブリッシャブースで,試遊タイトルをその場で販売していたり,同一ホール内でショップ系のブースがゲームソフトやゲームグッズなどを販売していたりする様子だ。
 会場自体が決して広くない(よそ見をしながら歩いて10分かからない程度)こともあるのだろうが,東京ゲームショウのようなイベントではなく,ちょっと規模の大きい店頭試遊会というか,展示即売会のようなイベントと考えれば,だいたいのイメージをご理解いただけるのではないだろうか。また,会場の様子を撮影したムービーを掲載したので,参考にしてほしい。


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 また,Suntec SingaporeのBusiness Centerでは,「Singapore Game Box」に大きなスペースが割かれていた。これは,GCA 2009初日に発表されたもので,前述のInfocomm Development Authority of Singaporeと,同じく政府機関のMedia Development Authorityが,シンガポールにおけるゲーム開発を促進すべく立ち上げたプロジェクトで,まずは一年間試験的に行うというもの。
 SCE Asiaが関わって取り組んでいるクリエイター育成プログラム同様,シンガポール政府が,自国の産業としてゲーム開発を成長させていこうという意図が見てとれる。

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 あくまで私見だが,こうしたことを考えると,Exhibition Hallでの出展内容が,PCオンラインゲームよりコンシューマゲームメインになっていたのも,それこそシンガポールや周辺のアジアオリエンテッドなPCオンラインゲームではなく,全世界で数百万本単位のヒットを記録するような作品を,自国から生み出したいという未来志向ゆえなのかもしれない。


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 そういえば,プライズマシンを含むアーケードゲームを多数出展していたTimezoneのブースには,KONAMIの「GuitarFreaksV6 BLAZING!!!!」が置かれていて,現地の若者がGReeeeNの「キセキ」をプレイしていた。そう,人気ドラマ「ROOKIES」の主題歌である。
 そしてROOKIESといえば,「夢にときめけ! 明日にきらめけ!」である。なんとなくだが,シンガポールが目指しているであろう方向性が,この楽曲から想起されるものとマッチしていて,妙なシンクロを感じた。
 ドラマのROOKIESは見たことないんだけど。

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