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Splatoon(スプラトゥーン)公式サイトへ
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  • 発売日:2015/05/28
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【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話
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印刷2015/09/10 12:00

連載

【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話

西川善司 / グラフィックス技術と大画面と赤い車を愛するジャーナリスト

画像集 No.002のサムネイル画像 / 【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


 5月28日はボクの誕生日なんですが,2015年の5月28日は特別な日となりました。というのも,今年の5月28日は「Splatoon(スプラトゥーン)」(Wii U,以下カタカナ表記)の発売日だったからです。


西川善司,大いにスプラトゥーンを語る


画像集 No.003のサムネイル画像 / 【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話
 前評判も上々のスプラトゥーンは,2015年8月現在,発売後2か月強で,全世界の販売本数が110万本を突破したようです。シリーズ作でなく,人気キャラクターの登場もない,完全なる任天堂の新規タイトル(IP)で,ここまで大ヒットしたタイトルは久々ですよね。

 ボク自身はもちろん,発売と同時にゲットしています。その数日後にはCOMPUTEX TAIPEI 2015取材旅行が入ってしまい,さらには,その後すぐにE3 2015取材旅行といったスケジュールだったのですが,隙を見つけては細々とプレイを続けていました。少ないプレイ時間の積み重ねではありましたが,すっかりその魅力に取り憑かれてしまったクチです。

画像集 No.005のサムネイル画像 / 【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話
 スプラトゥーンはオーソドックスなTPS(三人称シューティング)のスタイルをしているので「後方視点で捉えたマイキャラを操作して銃撃で敵を倒す」というゲーム性自体は,ボクのようなオールドゲームファンにとって馴染み深いものです。一方,「武器は銃ではなく,水鉄砲」「飛ぶのは銃弾ではなくインク」という設定は,残虐表現になりがちなTPSという題材を大分マイルドにしてくれていて,あらゆるゲームファン層に対しても取っつきやすくしています。
 結果論ですが,キャラクターや世界観を,マリオやらゼルダやらを使ったスマブラ風「ごった煮」世界とせずに,オリジナルな擬人イカ世界にまとめたのも,新規ゲームファンの開拓に貢献したと思います。

画像集 No.004のサムネイル画像 / 【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話
 そして,本来であれば,敵に攻撃を命中させなければ意味がないものだった銃撃が,スプラトゥーンの世界においては,ゲームフィールドに着弾した時点で「自陣の色で塗る」行為になり,自陣の色で塗られた領域は敵対勢力の侵攻を遅らせる効果もあるというのは,ありそうでなかった発想でした。
 スプラトゥーンの世界では,何も色が塗られていないフィールドは普通に歩けますが,敵陣の色で塗られた領域は沼地のように歩きにくくなります。逆に自陣の色で塗られた領域は早く移動できるので,銃撃に自信がないプレイヤーは,ひたすら自軍の進軍を助けるためにゲームフィールドを塗りたくる行為に専念する,なんてこともアリなんです。
 そもそも「レギュラーマッチ」の対戦モードでは「敵を何人Killしたか」ではなく,「自陣の色をどれだけ広げられたか」で勝敗が決しますからね。「敵を殺す」行為自体は,相手の塗り要員を一定時間減らせられるという効果であり,勝敗を決する決定的行為ではありません。
 このあたりのゲームメカニクスは非常にうまく設計されていて感心します。

ブロブ:カラフルなきぼう
(C)2008 THQ International GmbH. THQ, de Blob and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All Rights Reserved. All other trademarks, logos and copyrights are the property of their respective owners.
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 ちなみに,「敵の色でダメージを喰らう」「ゲームフィールドを色で塗っていく」というアイデア自体は,2008年に発売されたWii用タイトル「ブロブ:カラフルなきぼう」でも採用されていました。ただ,スプラトゥーンの場合,それを対戦ゲームに特化した実装へ洗練させている点がユニークですよね。

 スプラトゥーンでは,一人プレイ用の追加ステージを,NFC付きフィギュアであるamiiboでアンロックできるようになっていて,その追加ステージをクリアすると限定アイテムや限定武装が入手できるんですが,このamiiboが大人気になってしまっていることも,スプラトゥーンのブームを加速させています。

スプラトゥーンに登場するキャラクターのamiibo
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 amiiboは数量限定生産のはずなんですが,あまりの人気ぶりで,さらに高額転売が横行したこともあり,任天堂も異例の増産に踏み切って対応しています。7月に増産されたスプラトゥーンamiiboも,案の定争奪戦となり,入荷後あっという間に姿を消しています。
 ボクはといえば,ボーイとガールのamiiboは,スプラトゥーンがブームになる前,ソフト発売直後のタイミングで“普通に”入手していましたが,イカのamiiboは,7月下旬の再販時に,自分が主催しているスプラトゥーンのファン・コミュニティのメンバーからもたらされた入荷情報に助けられて,某店で最後の1個をゲットしたという状況です。


スプラトゥーンゲーム会をコワーキングスペース「CONTENTZ」で開催


 すぐ上で軽く触れていますが,このゲームにハマったボクは,自分の仕事仲間(≒ゲーム業界人や報道関係者)や,友人達限定の,こぢんまりしたスプラトゥーンのファンコミュニティを作って,互いにフレンド登録したりしてこのゲームを楽しんでいます。

 そのなかで,せっかくコミュニティがあるのなら,皆で一堂に会してスプラトゥーンをやろうということになり,スプラトゥーンゲームパーティを企画して,7月に開催しました。
 (善)後不覚では,以前にも個人的なゲーム会の内容をお伝えしたことがありますが(バックナンバー1バックナンバー2),今回はそのスプラトゥーン版というわけです。

CONTENTZのWebサイトより
画像集 No.008のサムネイル画像 / 【西川善司】「Splatoon(スプラトゥーン)」のゲームパーティを開催した話
 で,会場はいつもならば,埼玉にあるボクの家ということになるのですが,今回はそのコミュニティメンバーの一人からの提案もあって,東京・五反田にある「CONTENTZ」を使わせてもらうことにしました。

 CONTENTZは,メディア業界の多くのフリーランスのライター,イラストレーター,カメラマンなどが所属する編集プロダクションであるノオトが運営している,コワーキングスペースです。
 「コワーキングスペース」というのは,一種の会員制レンタルオフィスのようなものだと考えるといいでしょう。たとえば,都内で取材した後,自宅や編集部に戻って作業するより,こうした場所で作業したほうが早い,効率がいいという場合に利用するわけです。料金システムも公開されていますので,興味のある人は,ぜひ問い合わせてみてください。

CONTENTZの内部。あくまでも「コワーキングスペース」ではあるが,週末は,個人や団体,企業向けのイベント用にも貸し出されている。飲食物の持ち込みはOK。週末になると,中で酒類の販売も行われる
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 CONTENTZの主な利用者は報道関係者とフリーランスのゲーム開発者などだそうで,平日はかなり賑わっているようなんですが,週末になるとやはり利用率は下がるようです。そんなわけで,週末は一般向けの特別料金で各種イベント向けに貸し出しているとのことで,今回は,その枠を活用させてもらった次第です。
 ちなみに,週末のイベントとしては,こうした個人的な会合だけでなく,学会や製品発表会,製品体験会などにも利用された実績があるそうです。こうしたイベント向け貸し出しは利用面積に応じた料金になるようですが,正直,かなりリーズナブルでした。


Wii Uが10台,画面は9台集まったスプラトゥーン大会


 今回の「スプラトゥーンで遊ぼう会」では,のべ25人の友人が集まってくれました。
 個人開催のゲームパーティなので,参加費は当然無料ですし,ゲーム機であるWii Uとスプラトゥーンのゲームソフトは各自が購入したものをそれぞれが持ち寄る方式です。

 ボク自身はWii Uを2台,スプラトゥーンのソフトを2本と,多画面マニアの異名をもつ者として期待は裏切れないということで,東芝製の26インチ液晶テレビ「レグザ 26ZP2」を2台,三菱電機製の23インチ液晶ディスプレイ「RDT233WX-3D」を2台の計4台持ち込んでいます。
 ちなみに,CONTENTZからは,20インチクラスの液晶ディスプレイ3台と,会場備え付けで解像度1920×1080ドット対応の単板式DLPプロジェクタを借りることができたので,最終的に8画面環境を構築することができました。

大賑わいだったスプラトゥーンゲームパーティ
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プロジェクタを使った大画面プレイ環境は,ちびっ子に大人気だった
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 さらに,今回のパーティには,神奈川工科大学・情報メディア学科,白井研究室の白井暁彦准教授と学生さんも遊びに来てくれました。同研究室は,1画面に複数のコンテンツを同時表示する「ExPixel」技術に基づく液晶ディスプレイと,Wii Uを2台,ソフト2本を持ち込んでくれました。
 ExPixel技術は,白井研究室が長年取り組んできた「多重化隠蔽映像」技術を応用したユニークなディスプレイ技術です。この日の白井先生は,早朝に放映されたNHKの報道番組に生出演したその足で,研究室の学生さんともども,立ち寄ってくれたのでした。ExPixelとはなんぞや,という話は後述しますが,研究室に所属する学生のなかには,ウルトラ上級クラスのプレイヤーがいたことを付記しておきます。

 そのほか,参加者が計6台のWii Uを持ち込んでくれたので,最終的にWii Uは計10台,画面は9枚という,豪華な陣容になりました。


Wii Uを同時に10台,無線LAN環境へつなぐと,通信エラーが起きることも


 このゲームパーティの開催は7月。なのでスプラトゥーンは,8月6日の大型アップデート以前の仕様です。
 スプラトゥーンは最大8人同時プレイが可能で,4人対4人での対戦を楽しむことができます。Wii Uプラットフォームでは,基本的には各ユーザーがニンテンドーIDを取得しており,このニンテンドーIDを用いたユーザー間がお友達になれるフレンド登録システムが採用されています。そしてスプラトゥーンにおいてもこのフレンド同士での対戦が楽しめるようになっています。

7月時点では,プレイしているフレンドのゲームに次戦から「合流する」方式でしか,フレンド同士のプレイがサポートされていなかった
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 7月時点における,スプラトゥーンのフレンドを交えた対戦は,すでにプレイをしているフレンドに対して「次戦から合流する」という選択肢しか用意されていませんでした。なので,プレイしている8人のメンバーのうち,誰かが離脱してくれないと,新しいフレンドはそのゲームに合流できなません。
 また,自由なチーム編成は行えず,ホスト側でランダムに設定されてしまうシステムでした。もっとも,スプラトゥーンの一戦は制限時間3分ですし,二戦も待てば合流することはできましたから,それほど大きなストレスではありません。近くに座っている実在する友人と肩を並べてプレイする体験は新鮮で,なんとも楽しげでしたね。

 ただ,今回のパーティでは残念なことに,対戦が途中終了してしまう「通信エラー」が頻発してしまいました。
 CONTENTZは,利用者に対して無線LANの無料利用が提供されているのでこれを活用していたのですが,なぜか通信エラーが出てしまうのです。

 CONTENTZ側に確認してみると,回線自体は光ベースで,相応に高速通信の可能な契約をしているとのこと。ルーターはリンゴマークの「AirMac」でした。
 当日は土曜日でしたから,CONTENTZで作業している一般利用者は少数ではあったのですが,その人達からも「ネット接続が遅くなっている」という報告がありました。通信エラーが出るまでは普通にプレイできるので,大元の回線の帯域幅不足というよりは,無線LANルーター側にある無線チャネルの不足か干渉が起こっていた感じです。
 Wii Uを一度に10台も一か所に集めて使った経験がなかったので,これは誤算でしたね。

LUA3-U2-ATX。税込1000円ちょっとで購入できる
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 おそらくは,Wii Uを有線LANに対応させるアダプターを使って,一部を有線に“逃がす”か,複数台の無線ルーターを用意して,チャネル周波数が重ならないように設定して各Wii Uを接続すれば,こうした問題は起きなかったように思います。
 ちなみにボクは普段,自宅だと,WiiおよびWii Uでの動作確認が取れているバッファロー製のUSB−LANアダプター「LUA3-U2-ATX」(Amazonアソシエイト)を使い,Wii Uを有線LAN接続しています。今後,似たようなゲームパーティを友達同士で開催しようとしている人は参考にしてください。


白井研が持ち込んだExPixel技術とは?


 白井研には,単独でテーブルを使ってもらい,ExPixel仕様のスプラトゥーン対戦台を構築してもらいました。
 ExPixel仕様の液晶ディスプレイ1台に対し,2台のWii Uを接続して,それぞれでスプラトゥーンのソフトを動かします。そのうえで,片方のプレイヤーは専用メガネをかけて,もう片方のプレイヤーは裸眼状態でプレイすることになります。使用する画面はExPixel仕様の液晶ディスプレイが1台だけです。
 こうすると,専用メガネをかけているプレイヤーには,専用メガネを通して自分のゲーム画面だけが全画面表示されて見え,裸眼でプレイしているプレイヤーには,やはり自分のゲーム画面が全画面表示されて見えることになります。

1台の液晶ディスプレイに,2台のWii Uを接続しているように見えるが(下に続く)
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(続き)実際には,2台のWii Uを,白井研が開発したExPixel基板と接続し(左),ExPixel処理してから1台の液晶液晶ディスプレイに出力している。右はメガネを装着してプレイしているところ
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 「専用メガネを使って見る」ところから,「3D立体視の仕組みを応用したものだな」と気づいた人はなかなか鋭いですが,それだけでは完璧な説明にはなっていません。もう一段分,高度な技術が使われています。
 そもそも,普通に3D立体視の仕組みを使ったものだとすれば,裸眼で見た時には二重像に見えてしまうはずですよね。ExPixel技術を使ったこの仕組みでは,専用メガネを掛けたプレイヤーも裸眼プレイヤーも自分向けのゲーム映像しか見えないところが不思議ですし,また,そこが技術面でのキモになっているのです。

白井研提供によるExPixelの例。ExPixel技術を使った液晶ディスプレイでは,専用メガネをかけたときと裸眼のときとで異なる映像が見られる。1画面で2つの映像を表示しているのに,二重像として見えないのが不思議だ。ちなみにメガネ自体は3D立体視用のものを流用しているとのこと
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 原理を解説しましょう。
 ある映像Aがあったとして,これを消し去るにはどうしたらよいかを考えてみます。最も明解なのは,その映像Aのネガ映像「−A」を作り,これを映像Aに重ねてやることですよね。これなら白表示になってその映像を消せます。この概念を覚えておいてください。

 では続いて,裸眼で見せたい映像Aと,専用メガネをかけたときに見せたい映像Bを用意したとしましょう。液晶ディスプレイに映像Aと映像Bの両方を表示すると,当然のことながら二重像になってしまいます。
 このとき,専用メガネをかけたときに見せたい映像Bは,裸眼状態で見たときには消えていてほしい映像になります。そこで,前述したような概念を応用するために,映像Bのネガ映像「−B」を生成しておきます。

 さて,ここで3Dテレビの表示原理を流用して,第1映像(=3D立体視対応テレビでいうところの左目用映像)として「映像Aとネガ映像『−B』の合成映像」を表示し,第2映像(=3D立体視対応テレビでいうところの右目用映像)として「映像B」を表示させます。
 この状態を裸眼で見ると「映像Aとネガ映像『−B』の合成映像」+「映像B」を見ることになりますから,映像Bは全白表示として消失してしまい,映像Aだけが見えます。これが裸眼だと映像Aだけが見える原理です。
 そして,ここで「第2映像だけを見られるメガネ」をかければ,映像Bだけを見ることができます。

ExPixelの動作概念図
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 そう,「ネガ映像で特定映像を消す」というアイデアがExPixel技術のキモになっているんですね。ただ原理上,液晶パネルが持つ階調力を2つの映像に振り分けることになるので,コントラスト感やグラデーション感は半分になってしまいます。例えば8bit 256階調の液晶ディスプレイを使ったとすれば,映像Aは128階調,映像Bも128階調での表示となるわけです。

ExPixel仕様の液晶ディスプレイでスプラトゥーンをプレイする親娘
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 ただこの技術には「裸眼で見る側が二重像ではなく普通に見える」点に強みがあります。この技術を映画館に応用すれば,裸眼だと平面視,メガネをかけたら立体視といった上映も可能になります。あるいは裸眼だと仕事画面だけれども,メガネをかければゲームが動いているといった具合に,親や上司の監視をくぐり抜けて仕事をサボることにも応用できるかもしれません(笑)。
 今回のパーティーでは,ExPixelを初めて体験したお父さんと娘さんが興味深くスプラトゥーンをプレイしていました。


Wii Uとスプラトゥーンの販売促進に貢献(!?)


大勢集まったちびっ子達。「善司さんに勝つために来たよ!」というツワモノもいた(笑) 中央の男の子はamiiboに夢中
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 ここまで掲載してきた写真からも想像できるとおり,今回のゲームパーティーには,多くの友人・知り合いが親子連れで来てくれました。それと,女性の参加者も多かったですね。また「Wii Uを持っていないけれども,スプラトゥーンには興味がある」という参加者もいました。実際,このパーティーの帰り際にWii Uとスプラトゥーンを買って帰った人も何組かおられたようです。
 「みんなでスプラトゥーンを遊ぼう」というパーティーだったのですが,はからずも任天堂の売り上げに貢献してしまいました(笑)。

対戦プレイに飽きた人達の中には,1人プレイの腕前を披露する人も出てきた。最終ボスはけっこう倒すのが難しいのので,上級プレイヤーのプレイは参考になる
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 こうして一堂に会して同じゲームをプレイしているとさまざまな発見があります。
 たとえばスプラトゥーンの場合,武器には,マシンガンのような「シューター」,狙撃ライフルのような「チャージャー」,塗りと近接攻撃主体の「ローラー」といった武器があるのですが,それぞれ,好きな戦術に応じて武器を選択していて,ボクが予想だにしなかったプレイスタイルを目の前で展開してくれるんです。たとえばチャージャー使いの人は,数発撃ったら,すぐに場所移動を心がけていました。チャージャーは遠距離射撃が得意で敵に命中すれば即死させられるのですが,狙いを定めている間はほぼ動けず,また無防備になります。また,連射も難しい武器ですから,射撃したあとの隙を狙われやすいため,数発撃ったら場所換えをするんですね。この知識はチャージャー使いを撃退する側にも役立ちます。

 ボクのプレイスタイルも勉強になったとという人もいました。ボクのプレイスタイルは隠密・特攻型で,移動は頻繁に行いますが,敵が近くにいないときは塗りまくり,敵の気配を感じたらイカに変身してインクの中に身を潜め,その敵が射程に入ったらスプラッシュシールド(敵の攻撃を弾き,味方の射撃だけを通す盾状のサブウェポン)を展開して一方的に敵を撃破します。
 このスプラッシュシールドは敵を通さない効果もあるので,逃げるときには追っ手の足止めにも使えるんですが「そうした使い方もあるんですね」と感心されました。


大人と子供がそれぞれ対等の立場で戦えるのがゲームのいいところ
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 それと,ゲーム世界では「ギア」と呼ばれている,頭部(ヘルメットや帽子),胴体(服),脚部(靴)にセットして特殊能力をプラスするアイテムスロットの使い方も人それぞれでした。
 攻撃重視の人は攻撃力アップのギアをたくさんセットする傾向にありますし,やられることを前提にしている人は死んだあとの戦線復帰までのペナルティ時間や,味方の近辺に飛んでいけるスーパージャンプの時間を短縮するギアをたくさんセットしていたり。
 スプラトゥーンは,ゲームルールこそシンプルですが,みんなそれぞれの楽しみ方ができる奥深さがあり,そんなところも,このゲームの魅力ではあるんだと思いました。

ちびっ子はほとんどがジャイロ操作プレイヤー。右スティック視点操作を好むのは大人のほうが多い
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 そうそう。自分は古いTPSプレイヤーなので,スプラトゥーンも,右スティックで視点操作しながらプレイしているのですが,デフォルトだと,このゲームはWii Uゲームパッドの向き(ジャイロ操作)で狙いを定められるような仕様になっています。どちらを選ぶかは自由ですが,今回参加してくれたちびっ子は,全員がジャイロ操作による視点移動でプレイしていました。TPSをほぼプレイしたことがなく,余計な先入観もないためなんでしょうかね。

 右スティックによる視点操作は,標準だと速度が遅いため,生粋のジャイロプレイヤーには遅れをとることがしばしばです。そんなわけで,最近のボクはスティック反応感度設定を最大値にして,一瞬で任意の方向に向けるようにしてプレイしています。
 アラフォーもいいところのボクですが,今後も,ちびっ子達に負けないように精進していきたいですね。

 なお,スプラトゥーンは,8月6日の大型アップデートにより,フレンド同士のチーム編成ができるようになりました。なので,また,こうしたスプラトゥーンパーティーをいつか開催したいですねぇ。

スプラトゥーン公式Webページ


■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。最近,「大逆転裁判」を終わらせたという氏いわく「『逆転裁判5』からグラフィックスが大幅に進化して,人物だけでなく背景も3DCGになっていてアニメーションもすごい。シリアスとコメディが7対3くらいの,独特な世界観とストーリー進行もすばらしいっすね。“ホームズがおっちょこちょい。ワトソンが頭のいい美少女”っていう設定も痺れます。続編大前提のストーリーはちょっとやられたけど,『マトリックス1』みたいな壮大なイントロと思えばありですかね。ああそうそう,東京ゲームショウのビジネスデーにマッドキャッツのブースでステージイベントやるんで,『きてね』って告知打ってくださいよ。ていうか『METAL GEAR SOLID: THE PHANTOM PAIN』やりました? アレと『Until Dawn - 惨劇の山荘 -』はやんないといけませんよねえ」とのことでした。いやあの,いま電話しているのは,お願いしている某テクニカルな原稿の件なんですけど。
  • 関連タイトル:

    Splatoon(スプラトゥーン)

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