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【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話
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印刷2011/12/19 10:00

連載

【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話

西川善司 / グラフィックス技術と大画面とMAZDA RX-7を愛するジャーナリスト

画像集#002のサムネイル/【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


 前回の2009年から2年ぶりに開催された東京モーターショー2011。1989年から2009年まで会場となってきた幕張メッセに別れを告げ,今回は,東京ビッグサイトへと会場を移してきました。
 もともと幕張メッセは東京モーターショーを想定して建設された施設とも言われていますが,2年前のいわゆるリーマンショック以降,外国車メーカーがこぞって出展をキャンセルしたことで,規模縮小を余儀なくされたため,今年は東京ビッグサイトに移ってきたと言われています。

会場の様子
画像集#003のサムネイル/【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話
 会場が千葉から東京に移ったことで,「本当の意味での『東京』モーターショー」になったわけですが,幾つかの自動車メーカーの関係者に雑談で聞いてみたところでは,新会場の評判は「可もなく不可もなし」といった反応でした。個人的には,幕張メッセよりは東京ビッグサイトのほうが,埼玉の自宅から近くていいんですが,東京ビッグサイトは展示ホール同士が結構離れていて,アポとか記者発表の関係で往復移動が多い場合には,幕張メッセより体力負荷が大きい印象を受けましたね。

 というわけで,今回の(善)後不覚は,東京モーターショー探訪記をお届けします。なお,スポーツカー好きのボクの探訪記なので,エコカーの話題はあまり出てきません(笑)。11日に閉幕したこともあり,一般自動車系メディアには情報も出揃っているでしょうから,そういった話題はそちらを参照してくださいませ。
 ちなみに今回紹介する車達は,近い将来,高確率で,「グランツーリスモ5」や「Forza Motorsports 4」に代表される実車系ゲームで登場するでしょう。“クルマゲー”ファンはその予習のような感じでお読みいただければと思います。


スポーツカーの復権なるか。

トヨタ86,スバルBRZ,出る!


 「売れるかどうか」という話は別として,今年の東京モーターショーにおける話題の中心は,トヨタの低価格コンパクトスポーツカー「86」(ハチロク,北米名FR-S)にあったと思います。

86
画像集#004のサムネイル/【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話

 名前からも想像できるとおり,分かるように,86は,「人気マンガ『頭文字D』における主人公の愛車」としても有名な「AE86」のコンセプトを21世紀に蘇らせたものと,トヨタは説明しています(※AE86は型式名で,車名は「カローラレビン」もしくは「スプリンタートレノ」。外観の異なる2製品が用意されていた)。
 86は当初,FT-86という開発コードネームで開発されていました。なので,今回の86について,自動車系メディアのなかには,「トレノやレビンの車名復活か?」と推測しているところもありましたが,まさか,そのまんま「86」という名前にしてくるとは……。
 新しい86は,AE86と比べて車格も上がっているので,AE86の復活というより,個人的にはセリカの復活というイメージを抱いています。

 さて,今回の86ですが,グループ企業である富士重工業(以下,スバル)との共同開発が行われ,しかも,スバルからは,「BRZ」という名称で兄弟車が発売されるということも話題になりました。

BRZ
画像集#005のサムネイル/【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話

 86とBRZの両車は,基本スペックは全く同一で,フロントバンパー形状,サスペンション等の味付けが異なっているとのことです。
 ボディサイズは4,240×1,775×1,300mm(全長×全幅×全高)で,「全長がやや短いS14シルビアくらいの大きさ」……というと筆者のような90年代スポーツカーに詳しい人には伝わりやすいはずです。「コンパクトスポーツカー」という触れ込みですが,実際のところワールドワイド戦略車なので,全幅は欧米サイズです。

86とBRZって“マツダ顔”だよね」という声がそこかしこで……。た,たしかに!
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 エンジンはスバル製,水平対向4気筒,排気量2000ccのものになっており,ターボなどの過給機構はなく,自然吸気(NA)仕様となっています。しかし,トヨタの直噴技術(D-4S)と組み合わせた効果などもあって,7000回転オーバーまで回り,出力は200馬力,トルクも約20kgmあります。
 重量バランスは前後53:47だそうで,ほぼ50:50を達成。若干のフロントヘビーだと,コーナリング時に荷重が乗りやすく,曲げやすいとも言われるので,むしろこのバランスを好む向きもあるほどです。

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搭載エンジンはトヨタとスバルの共同開発による水平対向(ボクサー)4気筒の排気量2000cc仕様。高回転で低重心がウリ
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BRZの運転席

 ボディデザインも86とBRZとでほぼ共通ですが,どちらも,近年では珍しく,流麗で美しい仕上がり。価格は未定ながら,内外装を簡略した競技用グレードが200万円前後,そして,いわゆる標準グレードは250万円前後となるみたいですね。2000ccのスポーツカーとしては,なかなかリーズナブルと言えるでしょう。
 乗員数は2+2の4人乗り。後部座席は,女性や子供ならば全然OKですが,大柄の男性が乗ろうとすると,ちょっと狭めといった感じになります。実質,急な送迎に対応するためのエマージェンシーシートと言ったところですが,我が愛車たるRX-7(FD3S)よりは各段に広かったです(笑)。

86とBRZのリアデザインは完全に同じ。BRZに搭載されているリアスポイラーだが,これは86にも同形状のものが設定されている
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スバルはSUPER GTのGT300クラス仕様となるBRZのコンセプトモデルも展示
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BRZの発表会には黒木メイサさんが登場。86とBRZの発売は2012年春で,今回展示されたものは市販車デザインとのことだった
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 たまたま会場に居合わせた,スバルのBRZデザイン部門の方に聞いたところでは,フロントデザインには相当な苦労があったとのことでした。
 両車を比較すると,ほとんど「間違い探し」みたいな似通った見栄えですが,それでいて確実に,雰囲気の違いは伝わってきます。

 まず,パッと目に付くのがヘッドライトです。一見すると形状が違うように見えますが,ライトユニットの外形形状は実は同一で,違って見えるのはフロントライト内部のレイアウトと,バンパー部がライトの一部を覆ってしまっているデザインの影響のためなんだそうです。
 86は,プリウスのように,フロントマスク左右端の“牙”部分にウインカーがありますが,BRZではこの“牙”部分が簡素化され,ウインカーが内部へ埋め込まれています。また,ポジションライト(車幅灯)も,86だと“牙”部分に用意されますが,BRZではこのライトユニットの中に,「コ」の字形状に配されているのです。

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86とBRZで,ライトの内部レイアウトは異なるが,外形形状は同じ。BRZだとライトの内側先端がバンパーに潜っている
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フェンダーの冷却ダクトっぽい部分は,穴が空いていない。要するに飾りだ。ここは開ける加工が流行りそう

 BRZは,目で言うところの涙腺に相当するライトユニット先端をバンパーで覆って,86よりも柔らかい目つきに演出しているのが特徴です。ちなみに,兄弟車でよく行われるバンパー交換ですが,「86とBRZとでは,電装配線が大きく異なっているため,物理的には可能かもしれないが,難度は高いだろう」とのことでした。

86とBRZのフロントバンパーを比べてみたところ。ちなみに右はレクサスブースに展示されていたLFAだ。よく見ると,このデザインテイストは86へ受け継がれている感じもする
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 フロントインテークは86が横長の六角形,BRZは笑い顔の台形形状という感じで,表情の違いを際立たせている部位と言えます。インテーク部は86がメッシュ(網)になっているのに対して,BRZは横長のフィンが配されるデザインなのも違いですね。
 好みにもよるとは思いますが,実車を見るとBRZの方が格好いいかなぁ,と思いました。

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ルーフ中央に配されるアンテナ。これ,ない方がいいと思うのはボクだけ?
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「本当はライトとライトの間にフロントグリルを通したかった」とはBRZ担当デザイナーの弁。バンパー取り付け部の黒帯部分は,格好いいと見るか,それとも?
 個人的に気に入らなかったのは,ルーフ後方中央に配された黒いアンテナです。ラジオ用のアンテナですけれども,これは固定装備のうえ,黒しかないそうです。ここが安っぽく見えるので,アフターでカスタマイズするならば,フィルムアンテナに置き換えて取り外してしまいたいですね。

 安っぽいと言えばもう1つ。ブレーキ冷却用のフェンダーエアアウトレットに見えるギミック部分,実はここ,穴が空いてないんです。オーナメント(装飾)なんですね。
 ちなみにここ,86とBRZでデザインテイストは異なりますが,オーナメント形状は同じなので,両者で相互に置き換えられるようです。いずれチューニングメーカーが穴開けるんでしょうね,ここ。

アイシン精機ブース
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 そういえば,トヨタ系のパーツメーカーであるアイシン精機のブースでは,86とBRZに向けたトランスミッションとブレーキパーツが展示されていました。マニュアルの6速トランスミッションは型式番「AZ6」とのことですから,「アルテッツァ用のものが流用される」という噂は事実だったようです。コスト削減の一環でしょうかね。
 また,展示されていたブレーキパーツは,86&BRZに標準搭載されるものではなく,オプションパーツ用のもののようでした(※「詳細は言えない」とのこと)。

86&BRZのトランスミッションはアルテッツァ用のものが流用される(左)。右は,アイシン精機のグループ企業であるアドヴィックス製のモノブロックブレーキキャリパーとスリット&ドリルドホール付きブレーキローター。86&BRZ用としてはかなりハイスペックな雰囲気だ
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展示されていた

そのほかのスポーティカー達


●ホンダブース


EV-STER。ホンダのスポーツイメージ復古となるか
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 「モータースポーツと言えばホンダ」というイメージはすっかり過去のものになってしまい,今やスポーツタイプ車種はインサイトベースの「CR-Z」のみという状況。ただ,「今さら旧態依然のスポーツカーを後追いで出すのはホンダらしくない」ということか,EVスポーツカーの「EV-STER」を公開していました。

 もちろんコンセプトカーですが,往年の名車「ビート」の復活をイメージしているともいわれ,1500(W)×3570(D)×1100(H)mmと,軽自動車に近いサイズとなっています(※正確には微妙に大きい)。このコンセプトモデルは完全なEV(電気自動車)ですが,このスタイルで軽自動車のハイブリッドスポーツとして出てきたらちょっとワクワクしますね。


●日産ブース


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 モーターショウ直前に発表された2012年仕様「GT-R」は,報道関係者招待日には展示されず。代わりに,日産のモータースポーツ部門であるNISMOブランドで,コンプリートカー「JUKE NISMO CONCEPT」が展示されていました。
 ショー開幕直前,日産は,モータースポーツ向けの競技車両だけでなく,スポーツテイストを強めに加味したロードゴーイングカーをNISMOブランドでリリースしていくマーケティング戦略を打ち出していますが,JUKE NISMO CONCEPTは,そのメッセージ的なコンセプトカーだそうです。
 マツダがマツダスピードブランドでハイエンドモデルを出していますが,あの図式を日産にも持ってこようというわけですね。

都市派SUVとして好調に売れているJUKEのNISMOバージョン。ますます鯨っぽくなってきた
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●マツダブース


マツダブースの目玉は次期「アテンザ」のデザインラーニングと噂されるコンセプトカー「雄」。オスではなくタケリと読むらしい
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 ロータリーエンジン搭載の「RX-8」がついに2012年6月で終了するそうです。
 以前,ロータリーエンジンの種火が消えたのは,我が愛車でもあるRX-7が生産終了した2002年のことでした。そしてRX-8のデビューは2003年。前回は1年足らずでロータリーは復活しましたが,現在のマツダは環境性能を追求する「SKYACTIV TECHNOLOGY」の開発とその採用に注力しているので,今度の「ロータリーの沈黙」は長引くことでしょう。


●スズキブース


 スズキのスポーツイメージリーダーといえば「スイフト」をおいてほかにありませんが,なかでもホットなモデル「スイフトスポーツ」の新型がついに登場しました。直列4気筒の1600ccエンジンなのは先代と変わらないながらも,メカのチューンが進み,馬力もトルクも従来モデルより向上。また,このクラスでは貴重な6速マニュアルトランスミッションが採用されたこともトピックです。
 スポーツカーといっても,1600ccのコンパクトカーですから,価格も168万円からというのも嬉しいところです。先代スイフトスポーツも相当盛り上がっていたので,今回もきっと人気車種になることでしょう。

ついに出た新型スイスポ。欧州仕様には3ドア仕様の設定があるが,寸法,ホイールベースに5ドア仕様との違いはない。車重は3ドアのほうが少しだけ軽いが
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●三菱自動車ブース


「ミラージュ」が復活。コンセプトカーではなく市販予定モデルとなっている
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 三菱自動車は新作スポーティカーの発表や展示をとくに行っていませんでしたが,車名「ミラージュ」を与えられた,市販予定のコンパクトリッターカーが注目を集めていました。3気筒MIVECエンジン搭載で,モード燃費30km/Lを目標に開発が進められています。「パッソ」や「マーチ」と競合するクラスですね。


●外国車ブース


「日本市場ではBMWとメルセデスを追い越すことを目指す」をスローガンに日本市場に積極的なアウディ
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 Audi(アウディ)は「A1スポーツバック」を東京モーターショーで世界初公開しました。日本人の感性に響くのか,ここ最近,日本でアウディは着実にブランド力を伸ばしてきています。やっぱ「舶来ものはおしゃれ」っていうイメージなんでしょうか。アウディ側にとっても日本市場は好感触なようで「外国車トップシェアを狙う」と豪語していました。

先代の面影を色濃く残す新型911
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 Porsche(ポルシェ)は前回の東京モーターショー不参加でしたが,復活。目玉は,ポルシェの主力商品の1つである新型911の「カレラ」(3.4L/350馬力),「カレラS」(3.8L/400馬力)で,2ペダルマニュアルのPDK仕様は右ハンドルが選べるそうです。そういえば,うちの近所ではカイエンやパナメーラをよく見かけます。ポルシェもずいぶん身近になってきたものです。

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 アウディと並び,日本での人気が高いVolkswagen(フォルクスワーゲン,VW)では,女性人気の高い「ザ・ビートル」の新型が注目を集めていました。基本的にパッと見のデザインは先代とよく似ているものの,ボンネットやフロントガラスのラインが低く寝る感じからは,それこそポルシェのテイストを感じます。
 エンジンは1200ccの4気筒エンジンにターボを配した,VWお得意のTSI。標準グレードは250万円くらいからということで,コンパクトカーとしてみれば割高ですが,ブランド力があるので売れそうです。

日本でも人気の高い新型ビートルが登場。日本での販売は2012年4月から
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オートマ仕様のエヴォーラ,「エヴォーラS IPS」
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エンジンの後ろに,申し訳程度の大きさのリアトランクがある
 Lotus(ロータス)は「エヴォーラS IPS」を展示していました。ロータスのラインナップはこれまでマニュアル仕様が中心でしたが,最近はオートマ仕様のラインナップ拡充に力を入れ始めており,その一事例がこのエヴォーラS IPSということになります。

 エヴォーラS IPSは,エンジンをミッドシップ搭載しながら4人乗り仕様を実現した2ドアスポーツカーです。3500ccのV6エンジンにスーパーチャージャーを組み合わせていますが,そのエンジン本体はトヨタ製の2GR-FE型。2GR-FE型といえば,「エスティマ」や「アルファード」に搭載されているもので,はっきり言ってスポーツイメージが希薄ですが,ロータス側で専用チューニングを施しているため,パワー不足ということはないはずです。
 そうそう,ロータスとトヨタの関係は深く古く,ちょっとしたトリビアですが,「ロータス・エスプリ」のうち,1987年以降のモデルだと,テールランプはトヨタのAE86のもの,そのままだったりします。

内装はまさにスポーツカーの佇まい(左)。2ドアミッドシップながらも立派な後部座席があるのも見どころ(右)。当然,セブンよりも広い(笑)
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ジャガー「XKR-S」
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 さて,Jaguar(ジャガー)といえば,プレミアムGTのイメージが強いですが,日本初公開となった「XKR-S」はピュアスポーツタイプというだけでなく,「歴代ジャガーとして最速」がアピールされている1台です。かなりかっこいいです。展示されていたのは水色でしたが,いわゆる「British Coloring」のダークグリーンとかも似合いそうですよね。

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英国ブランドなので右ハンドル設定は当然ある
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後部座席もちゃんとある

 BMWブースでの人気スポットは,やはり日本の路上でもよく見かける人気車種,MINIの展示セクションでした。
 目玉は発売直後のクーペボディの「MINIクーペ」と,4輪駆動の2ドアモデル「MINIペースマン」のプロトタイプです。MINIペースマンは「SUVとスポーツクーペの中間の新ジャンルカー」という触れ込みで登場することもあってか,とくに注目度の高い1台となっていました。

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MINIクーペ
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MINIペースマン

マイバッハ57S。実物を初めて見た
画像集#052のサムネイル/【西川善司】東京モータショー探訪記。エコカーブームの最中にスポーツカー中心で見てきた話
 Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)ブースはコンセプトカーばかりで,目新しいものはなかったのですが,「マイバッハ57S」が展示されていたので,思わず足を止めて撮影してしまいました。
 マイバッハはメルセデス・ベンツのウルトラハイエンドモデルで,全長5メートルを優に超える超大型セダン。こんななりでエンジンは600馬力以上ですから恐ろしいもんです。フルカスタマイズ可能なオーダーメイドなので,価格は不明ですが,オーダーの仕方によっては1億円以上にもなると言われています。また,購入時には本社での審査があるとのこと。
 ちなみに,あまりにも売れないので,2013年までに生産終了することが決定したそうです。


 以上,駆け足でダダダっと紹介してきました。
 今年は86&BRZのおかげで,例年よりもスポーツカー&スポーティカーの話題が活性化したような印象を受けました。

 ……それにしても,こうやって見返してみると,これ,ゲームメディアに載る記事じゃないな(笑)。

■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。4Gamerの連載「3Dゲームエクスタシー」をはじめ,オンライン/オフラインのさまざまなメディアに寄稿したり,バカゲーを好んでプレイしたり,大画面にときめいたり,観切れないほどBlu-rayビデオを買ったり,オヤジギャグを炸裂させたりして毎日を過ごしている。
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