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印刷2009/03/19 17:00

インタビュー

なぜいまマゾゲーなの? ゲーマーの間で評判の“即死ゲー”「Demon's Souls」(デモンズソウル)開発者インタビュー

 

“お互いの強敵をロールプレイする”独特のPKシステムに込めた思惑とは?


4Gamer:
 オンラインゲームという視点でDemon's Soulsをみてみると,本作って世界観からして“オンラインをかなり意識した”作りですよね。普通マルチプレイというと,××サーバーに接続して,○○ルームに集まってというような,機能然とした見せ方をしてしまう場合が多いと思うんですが。
 突然ログアウトしてパっとプレイヤーが居なくなったりするのも,世界が不安定でそれぞれのプレイヤーが幻影みたいな扱いだからなど,ちゃんと世界感に含めてあるのは面白いなと。

Demon's Souls
宮崎氏:
 ここは先ほどの繰り返しになりますが,オンラインプレイをもっと気軽に遊んでほしいという考えが前提にあります。だからこそできるだけ“障壁”となる要素を取り除き,意識してオンラインプレイをするのではなくて,いつの間にか自然にオンラインで遊んでいるという状況が理想だと考えていました。
 マッチングの利便性などでいえば今の形に問題がないわけでもないのですが,本作に関してはオンラインにスッと入ってもらう感覚を重視したので,世界観を含めて“溶け込む”形に落とし込みました。

4Gamer:
 そういう意味では,やっぱりこれまでオンラインゲームにまったく触れたことがない人たちを引き込みたいという意図は強かったんでしょうか。

宮崎氏:
 「オンラインゲームって面白いらしいけど,面倒くさそう」と思っている人達にこそやってほしかった,という気持ちはあります。ただどちらかというと,シングルプレイRPGというものを“より面白くするためのツール”として,そしてシングルプレイRPGに多彩な刺激を与えるためにネットワークを使いたかったという意図のほうが大きいです。Demon's Soulsが目指す面白さというのは,あくまでもシングルプレイRPGとしての面白さであって,協力プレイや対戦プレイに関しては,ネットワークという企画の柱から出てきた要素の一つという位置づけです。

4Gamer:
 でもマルチプレイに関して言えば,他のプレイヤーの世界に侵入しての敵対プレイ(Player Kill)のシステムなんかも非常に面白いですよね。相手が目の前で呼び出されるわけじゃなくて,まずはお互いを探すところから戦いが始まるという。

宮崎氏:
 私のイメージではお互いがお互いの敵をロールプレイするというイメージでした。「やたら賢い敵がいて,それが実は人でした!」ということが起きれば一番いいなと思っていました。
 お互いを探すところから始まるという点に関しては,広いマップを利用して戦略的に戦って欲しいという思いがありましたので,意図的に盛り込んだ部分ではあります。

4Gamer:
 あとPKをする際に,自分よりも高レベルの相手とマッチングしやすいというのも,面白い仕様ですよね。これはやはり,弱いものイジメを防止するためなんでしょうか?

宮崎氏:
 もちろん弱いものイジメを防止するという意味合いはありました。ただそれだけではなくて,弱い側がPlayer Killer役をやることで,いろいろと戦術を考えてほしかったんです。単純に強い装備で正面から叩き伏せるだけでは,ゲーム的に全然面白くないと思いますので,そうならないような仕様を考えました。

4Gamer:
 確かに装備や能力の良し悪しで決着がついては,面白くありませんよね。

宮崎氏:
 基本的には殺そうとするPlayer Killer側が不利な状態ですが,モンスターには攻撃されないなど,有利な部分も設けたりしています。これは,相手がモンスターと戦っているところをうしろから襲ったり,隠れていて不意を突いたりといった,そういう駆け引き部分を盛り込みたいと考えた仕様になります。

4Gamer:
 なるほど。

宮崎氏:
 またシステムの関係で無理だったのですが,本当はPlayer Killer側をスタート地点側ではなく,ゴール地点に呼び出させればと考えていました。要するに,「進行方向にいるはずなんだけど,どこに隠れているのか分からない」というシチュエーションを演出したいと思っていました。

Demon's Souls


開発中に関係者が続々とファンに? Demon's Souls開発の舞台裏


4Gamer:
 しかし,お話を聞いていて改めて思うんですけど,本作のような作品を作り切ったのは凄いですね。

梶井氏:
 真顔でそんなことをいわれてしまうと,複雑な心境ですが(笑)。

4Gamer:
 いやでも,とくに据え置き機のゲームの開発費ってかなりの額じゃないですか。Demon's Soulsを作るにあたっては,何かSCE側からフロム側に注文などはあったんですか? 

梶井氏:
 フロムさんにお任せという形でしたね。ただ,「ヒロインが欲しい」という要望だけは,開発の早い段階でお願いしました。私はフロムさんのゲームが大好きなんですが,ビジネスという視点で考えると,フロムさんのゲームってヒロイン的な要素が欠けている……気がしますが,如何でしょうか?

4Gamer:
 えっと,こちらに振られても困りますけど(苦笑)。しかし,ヒロインなんかDemon's Soulsにいましたっけ?

宮崎氏:
 ……実はあの目を塞がれた「火防女(ひもりめ)」がヒロインになります。

4Gamer:
 え?

梶井氏:
 宮崎さんに「ヒロインですね。分かりました!」って言われて,出来上がってきたのが「火防女」でした(苦笑)。

宮崎氏:
 あれは私が直接デザイナーに指示を出しましたが,開発スタッフの間でも「これはちょっと……」「……ヒロイン? 大丈夫なんですか?」という意見ばかりで(笑)。


梶井氏:
 本当にオーダーの意味を理解しているのかと思いました(苦笑)。
 ヒロインはいつ出来るのかなぁ,なかなか出てこないなぁと思って待っていましたが,α版(開発後期に制作されるROMのこと)の頃にようやく「ヒロイン出来ました!」って見せてもらいました。「……え? これは?」と絶句したのを憶えています(笑)。α版の時点というと,なかなか変更も効かない時期です。

宮崎氏:
 凄くこっそり作ってましたからね!

4Gamer:
 完全に計画的犯行ですね。まぁでも,可愛いとは思いますよ(笑)。

宮崎氏:
 ですよね,可愛いですよね? Demon's Soulsってちょっとダーティな感じのキャラばかりでしたので,火防女は作っていてストレス解消になりました。開発中,疲れたらこっそり可愛いモーションを足してみたり(笑)。

4Gamer:
 ああ,階段に腰掛けて足を振るモーションとかは可愛いですね。

本作のヒロインだったらしい「火防女」。ヒロイン……なんですか?
Demon's Souls

宮崎氏:
 火防女は思わぬ人気が出てくれて非常に助かってます。みんながみんな「本当に大丈夫か?」って言うものですから,実は不安でしょうがなかったです(笑)。

梶井氏:
 Demon's Soulsに関しては,本当に開発スタッフの愛が仕事のレベルを通り越していましたね。

宮崎氏:
 開発後半は完全に遊んでいましたからね。

梶井氏:
 だからこそ本当にどんどん良い物になっていったのだと思います。みんな休みも取らずに没頭していました。

4Gamer:
 フロムのゲームの中でも,Demon's Soulsは特にスタッフの思い入れが深いタイトルだったということですか?

宮崎氏:
 フロムは基本的に「自分達の作りたい物を作るんだ」という気持ちで動いている会社ではありますので,どのゲームに対しても思い入れはあります。
 ただ,私の経験則からいうと,スタッフがやりたいことをどんどん提案してくれるゲームというのは,良い作品になりやすいと思います。そういう意味では,Demon's Soulsは凄く良い作品になったと思います。

梶井氏:
 当たり前ですが,やはり「自分が遊びたいゲーム」を作っているときのモチベーションは高いです。私などは,打ち合わせのたびに「早く遊びたいですね,これ」と毎回のように言ってました。

宮崎氏:
 私には結構プレッシャーでしたよ(笑)。

梶井氏:
 あとDemon's Soulsらしいエピソードといえば,SCEのデバッグスタッフが途中からフロムさんの味方になってしまったエピソードがあります。

4Gamer:
 どういう意味ですか?

梶井氏:
 基本的なSCEのスタンスでは,「より多くのお客様に」「広くエンターテイメントを伝えるゲーム」という側面があります。そういう部分を考えていくと,Demon's Soulsは必ずしもそのスタンスに沿ったゲームではないと思います。「本当にこれで良いのかなぁ……」と悩むことがたびたびありました。

宮崎氏:
 そうですね。難度のバランス調整などは,本当に悩みました。一時期,たまたまゲームバランスが簡単になっていたことがあったのですが,そのときに「いや,これは迷わなくていいです。難しいままで」と,SCEのデバッグ担当の方に一喝されました。あれは非常に励みになりました(笑)。

梶井氏:
 そんなこともあって,「じゃあ,やっぱりこれでいくか」という決心がついたんですよね。

4Gamer:
 その方は,いろいろな意味で陰の功労者ですね。本作のゲームバランスが簡単なものだったら,プレイヤーの“マゾゲーという称賛の声”もなかったもしれません。
 
宮崎氏:
 開発チームとしても,Demon's Soulsがプレイヤーの皆さんから高い評価を頂けたということは,本当に嬉しいです。

梶井氏:
 ええ。Demon's Soulsを盛り上げてくれたプレイヤーの皆様には,この場を借りてお礼を言わせて頂ければと思います。本当にありがとうございます。
 そして願わくば,もっとたくさんのプレイヤーさんにも,Demon's Soulsという作品を遊んでもらえると嬉しいですね。

4Gamer:
 分かりました。本日はありがとうございました。




 さて,筆者がDemon's Soulsを遊んでいてなによりも感心したのが,マップのデザインや敵の配置,そのほか細かいシステムの至るところで,開発者側の配慮というか,“考え抜かれた雰囲気”を感じ取れた点である。
 巷では「死にゲー」などと愛情を込めて(?)囁かれている本作ではあるが,ただ難しいだけのゲームが,面白い作品になり得るだろうか? 死んでもストレスを感じない,再度挑戦したいと思う裏側には,何かしらのからくり,ゲームデザインの手法が込められているのではないか。今回のインタビューは,そうしたDemon's Soulsの仕組みの一端をうかがい知れたという意味で,非常に有意義な内容であった。

 ともあれ,開発の経緯からゲームデザインの思想に至るまで,多岐にわたる話が聞けた今回の取材だったわけだが,筆者がとくに印象的だったのが,プロデューサーである梶井氏が「これが面白いものであるという確信はあった。でも,プレイヤーの皆さんに受け入れてもらえるかどうか,本当に不安だった」と漏らしていた点かもしれない。
 少なく見積もっても数億円,場合によっては10億円を超える開発費が必要と言われる現在のHDゲーム(据え置きゲーム機向けタイトル)は,ビジネス的に見ると非常にリスクの高いプロジェクトである。そうした状況のなかで,自分たちの作りたいもの,面白いと信じるものを作り切る難しさは,想像に難くないだろう。
 発売を経て,プレイヤーから高い評価を得たDemon's Souls。次回作やダウンロードコンテンツなど,新たな展開も期待したいところだ。今回の成功を軸に,さらなる飛躍が出来るのか,今後の動向に注目したい。


「Demon's Souls」公式サイト




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