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印刷2008/05/23 12:00

レビュー

“DHARMAPOINTチューンのRealforce”は,どこまでゲームに最適化されているのか

DHARMA TACTICAL KEYBOARD
(DRTCKB91UBK)

Text by 米田 聡

»  2008年5月23日,すでにレビューをお届けしているヘッドセット製品「DHARMA TACTICAL HEADSET」と同時に発売されたDHARMAPOINT初のキーボードを,米田 聡氏が検証する。FPSをターゲットに開発されたと思われる製品は,ゲームにおいてどれだけのパフォーマンスを発揮してくれるだろうか。


DHARMA TACTICAL KEYBOARD
(型番:DRTCKB91UBK)

メーカー:DHARMAPOINT(シグマA・P・Oシステム販売)
問い合わせ先:シグマインフォメーションセンター TEL:0120-917-498
実勢価格:2万2000〜2万4000円程度(2008年5月23日現在)
DHARMAPOINT
 ゲーマー向けマウス「DHARMA TACTICAL MOUSE」でデビューした,シグマA・P・Oシステム販売のゲーマー向け周辺機器ブランド「DHARMAPOINT」(ダーマポイント)。まだブランドが立ち上がって日が浅いので当たり前といえば当たり前だが,今回取り上げる「DHARMA TACTICAL KEYBOARD」(型番,DRTCKB91UBK。以下DHARMA TK)は,同ブランドが手がける初のキーボードとなる。
 2008年5月23日に同時発売されたヘッドセット「DHARMA TACTICAL HEADSET」は,レビュワーの榎本氏が高い評価を与えているが,果たしてこちらはどうだろうか。


日本の“机事情”を考慮した小型91キー日本語仕様

小ささの割に重量,そして安定感がある


 いつものように,まずは全体を概観してみよう。

[Windows]キーのある,ごくごく一般的な日本語キー配列を採用したDHARMA TK。キー表面はツヤ消し加工されており,相応の高級感がある。もっとも価格設定を考えれば,高級感くらいは持っていてもらわないと困るのだが
DHARMAPOINT

接続インタフェースはUSB。PS/2への変換コネクタは用意されていない
DHARMAPOINT
 一見して分かるとおり,DHARMA TKは10キーを廃した,コンパクトタイプのワイヤードキーボードだ。PCとの接続インタフェースはUSB 1.1(FullSpeed)となり,Windows標準のクラスドライバで動作する。“付属ソフトウェアによるカスタマイズ機能”の類はない,シンプルなUSBキーボードだ。
 10キーを省略したキーボード自体は国内だと珍しくなく,大手PCベンダーが自社製PCに付属させる製品にも10キーレスのものが少なくなかったりするが,明確にゲーマー向けと位置づけられた10キーレスキーボードは,筆者が知る限り初めてである。

 なぜ10キーのないゲーマー向けキーボードがなかったのかといえば,世間一般で思われているより,10キー(や方向キー)を使ってアクションゲームをプレイする人が多いという事実があるようだ。厳密な統計データがあるわけではないが,プロゲーマーと協力して製品を作り上げることを声高にアピールする海外のゲーマー向けデバイスメーカーが10キーレスモデルを投入してこないのは,「使う人が相応にいる以上は,取り外すべきではない」という決断が早い段階で下ったのが理由と見るべきだろう。

 ただ,日本の住宅事情と,それに起因する机上スペースを考えると,10キーを省略して,その分マウスパッドのスペースを広く取りたいというのも,十分に合理的で,納得できる考え方である。実際,本来はプログラマーのために開発されたキーボードで,同時押し数にも制限のあるPFU製キーボード「Happy Hacking Keyboard」(以下,HHK)シリーズを,非常に小型であるという理由で愛用しているゲーマーの数が割と多かったりする(※筆者もその一人だ)。
 その意味において,DHARMA TKは画期的な製品といえよう。国内ブランドだからできた,ゲーム用キーボードというわけである。

本体底面にはチルトスタンドが用意されている
DHARMAPOINT
 さて,気になるそのサイズは366(W)×169(D)mm。10キーを装備するフルキーボードだと,横幅420mm以上の製品が一般的なので,少なく見積もっても50mm程度は小型化しているわけである。ただ,奥行きは劇的に短いわけではない。
 高さは公称38mmだが,これはキーボード奥の,最も背の高い部分の高さ(※キートップ含まず)で,手前側は実測で約14mm。最も手前のキートップが約10mm高で,かつハンドレストに相当する部分がないため,手前側はキータイプするには少々高めかな,という印象を受ける。もっとも,チルトスタンドを立てれば奥の高さが約450mmになり,傾斜がついて“手前の高め感”が緩和されるので,このあたりは好みに合わせて選択すれば問題ないだろう。場合によっては,キーボードの手前に何か敷くといった調整が有効かもしれない。

チルトスタンドを立てない状態で奥(写真では左端)の高さが約38mm,手前側が約14mm。チルトスタンドを立てると奥が約45mmにまで高くなる
DHARMAPOINT DHARMAPOINT

本体底面の手前側には,滑り止めが左右2枚ずつ貼られている
DHARMAPOINT
 DHARMA TKの重量は約1.2kg。見かけのコンパクトさに反して,重量はかなりある。発表されていないが,内部に金属フレームが採用されているのだろう。キー操作中にがたついたり,ギシギシと音を立てるようなことはいっさいなく,荒いキー操作を行っても,キーボード本体が動いてしまうような心配は無用だ。なお,本体底面の手前側には,チルトスタンドを立てたときにも滑り止めが機能するよう,左右2枚ずつゴムが貼られており,安定性維持に寄与している。


Realforceとベースは同じだが,チューンは異なる

驚くほど軽い押下圧に設定された静電容量型キースイッチ


 さて,ここまで本体のサイズに焦点を当ててきたが,DHARMA TKが持つもう一つの大きな特徴は,キースイッチにある。これもおそらくゲーマー向けと銘打つ製品では初めてと思われる,静電容量型キースイッチを採用しているのだ。

 一般的なキーボードは,メンブレンスイッチかメカニカルスイッチを採用するが,これらはいずれも「接点の接触」でキーの入力が検知される(=スイッチのオン/オフが行われる)仕様。接点の接触に頼るスイッチは,確実でローテクかつ安価という利点がある一方,「いずれ接点が摩耗してダメになる」宿命も抱えている。シート式のスイッチを用いるメンブレンよりもメカニカルのほうが耐久性は高いが,メカニカルスイッチもオン/オフを繰り返せば摩耗して反応が鈍くなり,いずれ反応しなくなるわけだ。また,接点の隙間にゴミが入り込んだりすると,接触不良やチャタリングを引き起こす可能性もある。

静電容量無接点方式の仕組み(※DHARMAPOINTの製品紹介ページより)
 一方,静電容量型では,2枚の金属の板が持つ「2枚の距離によって『電力をためる力』(=静電容量)が変化する」という性質を利用して,キーの押下に伴う静電容量の変化を検出し,それをスイッチ代わりに用いている。「スイッチ代わりに用いる」ので,正確を期せば,静電容量型“スイッチ”ではなく「静電容量無接点方式」だ。
 静電容量型では,機械的な接点が不要だから構造も至ってシンプル。キートップと,それを支えるバネがあるだけなので耐久性は高い。実際,DHARMA TKのキーは,約3000万回のキー押下に耐えるとという。
 問題はコストである。「キースイッチの構造がシンプルなら安くできるのでは?」と思うかもしれないが,静電容量の変化を検出するための回路設計が複雑になるため,全体的にはコスト高になってしまうのである。静電容量型が,一般的なキーボードでほとんど採用されなかったのは,高コストだからだ。

Realforce91UBKの製品イメージ(※東プレのカタログページより)
DHARMAPOINT
 しかし,日本のキーボードマニアの間では静電容量型の人気が高く,東プレの「Realforce」シリーズは,定番の一つとしてマニアから高い支持を集めてきている。そしてキーボード好きならこのDHARMA TKが,東プレ製の日本語91キーボード「Realforce91UBK」のOEM品(OEM:Original Equipment Manufacturing,ここでは「他社ブランドの製品を製造すること」の意)だとすぐに気づくはずである。

 もっとも,「DHARMA TKはRealforce91UBKとまったく同じ」というわけではない。Realforce91UBKはキーの押下圧を場所によって変える「変荷重式」になっている。「力があまり入らない小指で操作する範囲を軽く,人指し指など力が入る範囲は重く」といったように,30/45/55gの3段階(※55g荷重のキーは少数)でキーの荷重に変化が付けられているのだ。Realforceシリーズのキーボードは,多くがこの変荷重仕様を採用する。
 これに対してDHARMA TKはのキー荷重はすべて30g。一般的なキーボードだと押下圧は50g前後,重いものだと60gくらいあるので,ざっくりいえば,一般的なキーボードの半分強の力で,全キーを押せてしまう。
 キータッチについてはDHARMAPOINTもかなりこだわりがあるようで,付属マニュアル末尾には歴史的キーボードであるIBM「5576-A01」(※スプリングバック式日本語キーボード)あたりからキータッチの歴史を語り起こす長文が掲載されていたりする。相当なこだわりのうえで設定された押下圧というわけだろう。

 で,実際の操作感はどうなのかというと,本当に軽い。軽すぎるかもしれないくらいだ。キーストロークは公称4mmだが,キー自体は実測値3mm弱で反応する。ちょっと触れただけでも反応するキーが,全域で荷重30gという異例の設定で配されているのだから,軽く感じないわけがないという仕掛けである。
 キーピッチは縦横19mmと標準的。押下感はソフトで,押し切ると底にコツっと当たるが,きつさはない。接点がなく,手応えがないのに最初はとまどうかもしれないが,慣れれば違和感を覚えるほどではない。
DHARMAPOINT
ステップスカルプチャー仕様のキー配置を採用。キーピッチといい,筆者の好みにぴったりだ
DHARMAPOINT
本体底面のディップスイッチ
 なお,上でキーボードを横から見た写真を掲載したときに気づいた人も多いと思うが,キー取り付け面を手の形に添うように湾曲させたステップスカルプチャー仕様のキー配置になっている。

 キーに関連したユニークな特徴としては,[ESC]キーと[半角/全角]キー,[Caps Lock]キーと左[Ctrl]キーを,本体底面のディップスイッチ操作で入れ替えられる点が挙げられよう。後者にいたっては,キーのサイズが異なるため,交換用キートップが用意されるサービスぶりだ。正直,ほとんどのユーザーにとってこの入れ替え機能はメリットにならないと思われるが,どちらも入れ替えると,HHK的(=UNIX的)な配列になるのは興味深い。まったくの憶測だが,HHK派を取り込もうという意図がDHARMAPOINTにはあるのかもしれない。
 また,ディップスイッチにはサスペンド時の消費電力を変更する機能もある。省電力に設定するとキーボード操作によるサスペンドからの復帰ができなくなるが,PCをサスペンドして使うユーザーで,何かの拍子にうっかりキーボードから復帰してしまうのを避けたい場合は,この切り替え機能が役に立つかもしれない。

サイズの異なる[Ctrl]キーと[Caps Lock]キーを入れ替えるための,予備のキー,キーリムーバー,そしてキーストッパー3個が付属する。キーリムーバーは意外と“使えない”ことが多いので注意。場合によっては,指で引き抜いたほうが早いかも
DHARMAPOINT
 また,ゲームにおいて“天敵”となり得る[Windows]キーに対して,物理的に押せなくするためのキーストッパーが計3個付属するのもDHARMA TKの特徴だ。キーストッパーはRealforce用とまったく同じもののようだが,やはり付属するキーリムーバー(=キー引き抜き工具)を使って「押せなくしたいキー」の横のキーを抜き取り,横からストッパーを押し込んでやると,対象のキーは(当たり前だが)まったく反応しなくなる。ローテクといえばローテクだが,確実にキー入力を無効化できるのも確かで,こういった配慮はありがたい。

[Windows]キーを無効化したいときは,隣のキー(ここでは[Ctrl]キーだが,もちろん[Alt]キーでもかまわない)をいったん外し,ストッパーを滑り込ませる(左)。外から見えない状態まで押し込んで,カチッと音がすれば取り付け完了だ(右)
DHARMAPOINT DHARMAPOINT
キーストッパーを取り付けたキーは,うんともすんともいわなくなる(左)。再び機能させたいときは,キーストッパーを取り付けたキートップを引き抜けばいい(右)
DHARMAPOINT DHARMAPOINT


ゲームにおける使用感は上々

ただ,日常使用では意外な(?)問題も


 というわけで,このDHARMA TKを使ってマルチプレイFPS「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイしたが,使用感はなかなかのものだ。普段利用しているHHKとほぼ同じキー配列で使い始められたのも,個人的には違和感なく入っていけた理由と思われる。
 ところでDHARMA TKでは,いわゆる同時押し対応は謳われていないが,全キーの「ロールオーバー」は保証されている。要するに,どのキーを押したかというデータは,何キーを同時に押しても必ずPCへ送信されるということだ。
 しかもDHARMA TKの全キーロールオーバーは,一般的に言われる全キーロールオーバーとは異なる挙動を示す。全キーロールオーバーが保証されているキーボードでも,キーが戻らないとキーデータが送信されない,つまり,押しっぱなしだと「押下された」というデータがPCへ送られない製品がよくあるのだが,DHARMA TKは,キーを押しっぱなしの状態でも押した全キーのデータ(=キー押下のキースキャンデータ)が送信される。そのため,まるで「全キー同時押し可能」なキーボードのように利用できるのである。

DHARMAPOINT
 キーボードのデータ送信に使われるUSBインタラプティブ転送だと,1回に送信できるパケットサイズが小さいため,1度に送れるデータはせいぜい7キーまでになる。しかし同製品の場合,連続してデータが送られていくため,体感的には全キー同時押し対応キーボードと同じように操作できるのだろう。移動しながらの武器のリロードなどといった,複数キーの同時押しが発生する動作もまったく問題なくこなせており,ゲームプレイにおいては大きな利点となるはずだ。

 ちなみに,全キー同時押しに対応した「SteelSeries 7G」は,スキャンレートを1kHzまで上げて反応速度を高めている。対してDHARMA TKにそのような機能はないが,仮に一般的なキーボードと同じスキャンレートとしても100Hzなので,違いはせいぜい9ミリ秒である。
 3Dゲームのフレームレートは,液晶ディスプレイ接続時にほとんど60Hzとなるので,1フレームは約17ミリ秒。3Dゲームの場合,レンダリング時に1フレーム分の遅延が発生することを考えると,この「せいぜい9ミリ秒」が操作感に影響することはまずないだろう。まあ,プロゲーマーなら分からないが。

 ただし,ゲームを離れると,若干気になる点も出てきた。ゲーマー向けキーボードとはいえ,本当に「ゲームにしか使わない」人はまれで,実際には“普段遣い”もすることになると思われるが,DHARMA TKでは,押下しようと思ったキーの隣にうっかり軽く触れただけでも反応してしまい,よけいな文字が入力されてしまうという状況が多発するのだ。文字入力を行うためのキーボードとしては,キータッチが軽すぎるのである。
 まあ,正確にキータイプできる人なら問題にはならないので,DHARMA TKは「キータイプ養成ギブス」的特性を持つといっていいかもしれない。タイプに自信がない人は,キー入力時にけっこう手間取ることになると思われる。


一にも二にも価格に納得できるかどうかがカギ

ゲーム用途なら大いに検討の価値あり


 国内ブランドならではのコンパクトタイプで,しかも国内で人気の静電容量型キースイッチを採用したゲーマー向けキーボード。それが,これといった不満のない完成度で発売されたことを,まずは素直に歓迎したい。欧米製FPSでのキー操作を踏まえるに,筆者個人としては「これで英語キーなら……」という思いもあるが,むしろ日本語配列で出てきたことを歓迎する人も多いはずだ。

製品ボックス
DHARMAPOINT
 問題があるとすれば,それは一にも二にも価格である。原型になっているRealforce91UBKの実勢価格は1万7000〜2万円程度(※2008年5月23日現在)なので,ざっと3000〜6000円くらい違うわけだ。キーボードマニアだけでなく,ゲーマーからも支持されているRealforce91UBKとベースは同じで,違いはキーの押下圧設定と,キーストッパーが標準で付属すること,そしてディップスイッチによるキー配置変更機能。また,日常的に常用するキーボードとしては押下圧が軽すぎるきらいがあることを総合的に判断する必要がある。

 ただ,両製品を比較したとき,ゲーム用途での使い勝手に優れるのは,明らかにDHARMA TKのほうである。ゲームにおいては,キーの場所にかかわらず,素早く操作できる必要があるからだ。全キー30g荷重は圧倒的に軽いため,ゲーム用途をメインにRealforce91UBKの購入を考えていた人には,DHARMA TKは間違いなくお勧めできる。
 一方,Realforce91UBKに慣れ,十分満足している人がわざわざ買い換える必要性は感じられない。また,「ゲームに軸足を置いていないが,ゲーム用途でも快適なハイエンドキーボードが欲しい」くらいに考えている人にとっては,Realforce91UBKのほうがより無難であろう。

 いずれにせよ,これまで海外ブランドしかなかったゲーム用キーボード市場に,国内ブランドの手による新たな選択肢が加わったことの意義は大きい。高品質のゲーム用キーボードを探している人には,ぜひ一度店頭などで触れてみることを勧めたいと思う。
  • 関連タイトル:

    DHARMAPOINT

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