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印刷2008/05/22 12:00

レビュー

DHARMAPOINT初のヘッドセットは,誰のための新製品なのか

DHARMA TACTICAL HEADSET
(DRTCHD01BK)

Text by 榎本 涼

»  日本のゲーマーならまず知らぬ者のない著名な国産コンシューマゲームシリーズにおけるサウンド制作など,数々の実績を持つサウンドデザイナー,榎本 涼氏が,DHARMAPOINTブランド初のヘッドセットと相対する。やや高めの価格設定だが,果たしてその実力は。


DHARMA TACTICAL HEADSET
(型番:DRTCHD01BK)

メーカー:DHARMAPOINT(シグマA・P・Oシステム販売)
問い合わせ先:シグマインフォメーションセンター TEL:0120-917-498
予想実売価格:8800円前後(2008年5月22日現在)
DHARMAPOINT
 シグマA・P・Oシステム販売のゲーマー向け周辺機器ブランド「DHARMAPOINT」(ダーマポイント)初のヘッドセット製品となるのが,今回取り上げるヘッドセット「DHARMA TACTICAL HEADSET」(型番:DRTCHD01BK,以下,DHARMA TH)だ。
 マウスとマウスパッドに続く新製品として,ゲーマー向けキーボード「DHARMA TACTICAL KEYBOARD」と同時発表されたDHARMA THだが,果たしてその実力はどれほどのものだろうか。2008年5月23日(※記事掲載日の翌日)にセットされた発売日の直前となるこのタイミングで,検証結果をお伝えしたい。


音漏れがほとんどない密閉型エンクロージャー採用

ブームマイクの設置自由度はまずまず


アジャスターやリベットは金属製。いわゆるDJ用ヘッドフォンよろしく,エンクロージャー部の可動域は広めだ。下の写真のように,コンパクトに畳むこともできる
DHARMAPOINT
DHARMAPOINT
 例によって,テストの前に本体を見ていくことにするが,DHARMA THはツヤ消し加工された黒を基調とし,ヘッドバンドの長さを調整するアジャスターやリベットは金属(※おそらくアルミ製)の銀色がそのまま見えている。一言でまとめれば,硬派な印象である。
 スピーカー本体となるスピーカードライバーの口径は,DHARMAPOINTの公式資料によれば50mm。それを,耳を完全に覆い隠すタイプのアルミ製エンクロージャーが囲んでいる。エンクロージャーの大きさにしては,本体重量が261g(※本体のみ,筆者実測値)と軽いのは,アルミ製であることが主な要因だろう。

 人間の頭部に触れるイヤーパッドや,ヘッドバンド部のパッドは合皮製。最近流行しているメッシュタイプと比較したとき,どうしても長時間の着用では汗ばむ欠点があるものの,肌に触れる感触自体は悪くない。むしろ,大型イヤーパッドのため,頭を勢いよく振っても大きくズレたりしないこと,そして非常に音漏れが少ないことがメリットとして感じられる。

DHARMA THと,付属のサウンドケーブル。ヘッドフォンとして利用するためのケーブルのほうが太めで,高級感が演出されている。また,細かい点ではあるが,ブレス対策となるスポンジ製のマイク用ウインドスクリーンに予備があるのも好印象
DHARMAPOINT
 ユニークなのは,ブームマイクをケーブルごと取り外し可能という点だ。より正確を期すと,ヘッドフォン本体から,“ブームマイク付きアナログサウンドケーブル”を取り外せるようになっており,それを,製品ボックスに別途付属したアナログサウンドケーブルと付け替えることで,純粋な2chヘッドフォンとしても利用できるようになっている。
 ヘッドセットとして利用するときは,ブームマイクとボリュームコントローラが用意されたケーブルを,ヘッドフォンとして利用するときは,3.5mmミニピン−標準ピン変換コネクタ付属のケーブルを利用すればいいというのは,なかなか面白い趣向だ。ヘッドフォン側の端子部に用意された切り欠きにケーブル側の突起を合わせて差し込み,軽くひねることで鍵のようにロックできるので,少なくとも「使用時にいきなりケーブルが抜けてしまう」ようなことはない。
 まあさすがに,ロック機構がプラスチック製なので,経年劣化が気にならないといえば嘘になるが,毎日のように何度も何度も付け替えながら,長期間使用するというのでなければ,そう大きな問題にはならないのではなかろうか。

DHARMAPOINT
“ブームマイクケーブル”は,ゲームに使うようなPCではごくごく一般的な3.5mm径のミニピン×2を採用(写真下)。一方の“ヘッドフォンケーブル”は,ミニピン接続のほか,標準ピンでの接続もサポートされる
DHARMAPOINT
左耳側のヘッドフォン部に用意されたケーブルロック機構。プラスチック製なのは価格相応と述べるべきだが,取り付けてしまえば存外にしっかりしているのも確かだ。普通に使っていて抜けてしまう心配は無用

ブームマイクの根元は,カチカチとした手応えをもって回転する仕様。ここの仕様は安っぽい
DHARMAPOINT
 本稿はヘッドセットレビューなので,ブームマイクとリモコンを持つケーブルを中心に見ていくが,ブームはかなり扱いやすい。全長(※ブームマイクの“付け根”からマイクの先端まで)は150mmあり,さらにブーム部分は細身ということもあって,最初は「折れたりしないのか? 本当に大丈夫か?」と不安だったが,案外しっかりしており,マイクも思いどおりの場所に持って行ける。ピタっと位置が決まるタイプではないものの,使い勝手はまずまず良好といっていいだろう。
 ちなみに,ブームマイクは根元が回転するのだが,硬めの(マウスの)スクロールホイールよろしく,カチカチと,必要以上に手応えのある挙動を伴って回転する。その振動が顔に伝わってしまうのは少々気になった。

ブームマイクは見た目に反して,かなりしっかりした印象。100%思いどおりというわけにはいかないが,おおむね狙った場所にマイクを固定できる
DHARMAPOINT DHARMAPOINT

 ケーブルは3m長。PC背面のサウンド入出力端子と接続することを考えれば妥当な長さだ。ブームマイク部から約400mmのところに用意されているリモコンはごくごく一般的なリモコンで,ダイヤルノブ式のボリュームコントローラと,マイク入力のオン/オフを行うスライド式スイッチが用意されている。ヘッドフォン出力とマイク入力は連動するタイプだ。

可もなく不可もなくという印象のリモコン。クリップ付きなので,衣類に留めておける
DHARMAPOINT DHARMAPOINT


一般的なヘッドフォン+ゲームで求められる重低域

=DHARMA THのヘッドフォン部


 一通りハードウェアのチェックが終わったところで,検証に入っていきたい。筆者のヘッドセットレビューでは,ヘッドフォン部を試聴で,マイク部は測定メインでテストしていく。少々複雑な後者の測定方法については,本稿の最後に別途まとめてあるので,興味のある人は参考にしてほしい。基本的には,本文を読み進めれば理解できるよう配慮したつもりだ。

DHARMA THの装着イメージ。マネキンの耳はすっぽりと覆われている
DHARMAPOINT
DHARMAPOINT
DHARMAPOINT
 というわけでまずはヘッドフォン部からだが,その傾向を一言でまとめるなら,「ゲーマー向けヘッドセットというよりは,一般的な音楽鑑賞用密閉型ヘッドフォンに近い音質」である。比較的バランスのいい密閉型ヘッドフォンに,ゲームで求められる重低域の再生能力を加えたらDHARMA THになった,といったところだろうか。

 一般論として,イヤーパッドで耳全体を覆う密閉型ヘッドフォンには,(耳の形状など)不確定要素の介在する余地が少ないため,設計者の求める音を得やすいというメリットがある半面,音漏れが少ない設計であればあるほど圧迫感が増して疲れやすくなる。また,耳に直接音圧がかかるため,まるで耳に貼り付くかのような,定位感(≒ステレオ感)を欠く音質になりやすいという弱点がある。
 その点DHARMA THは,音漏れが少ない割に圧迫感がなく,定位感を欠く印象もない。密閉型ヘッドフォンらしい弱点が目立たないと言い換えてもいいだろう。

 ところで,ゲーマー向けを謳う最近のヘッドセットには共通する傾向がある。筆者のヘッドセットレビューでは毎回のように述べてきているので,気づいている読者もいると思うが,最近のゲーマー向けヘッドセットでは,80Hz以下,とくに50Hz以下をしっかり出す,重低域に強いものが多いのだ。50Hz以下というのは,音楽を聴いたりするにはほとんど不要なのだが,銃声や爆発音などが多い最近のFPSやMMORPGなどをプレイするとき(や,ゲームとは関係ないが,ハリウッド系の映画を観るとき)には,スピーカーシステムならサブウーファが担当するような重低域が極めて重要になる。しっかり出力されることで,効果音にリアリティを感じられるようにするためだ。

 ただ問題なのは,たいていのゲーマー向けヘッドセットが,全体のバランスを顧みず,120Hzや150Hzといった,重低域と呼ぶにはいささか高すぎる帯域までを,必要以上に強調していることである。
 確かに,この帯域がきちんと聞こえれば,爆発音はより迫力が増すうえ,バックグラウンドでふわっと流れる環境音や,FPSでは音情報として非常に重要な足音もしっかり聞こえるようになる。しかし,あまりにこれらを意識した結果として,最終的なバランスが“低強高弱”で悪くなるケースが多いのだ。

スペック上の再生周波数帯域は10Hz〜20kHz。10Hzまで出ているかはともかく,50Hz以下まできちんと出力されている印象だ
DHARMAPOINT
 その点DHARMA THは,この轍(てつ)を踏んでいない。恐らく80Hz,場合によっては60〜70Hzから下の帯域を強く伸ばしている印象だ。「強い帯域」の範囲が100Hzを超えないため,高域のマスキング量が比較的少ない。要するに,周波数バランスを極端に壊すことなく,あくまで重低域を自然に伸ばしたようなチューニングになっているのである。中域や高域にもとくに歪(いびつ)な周波数帯域もない試聴印象で,単体のヘッドフォンとしても十分通用するデキだ。

 もちろん,手放しで褒められるわけではない。重低域が強調されているのは確かなので,どうしても相対的に,高域は多少落ちる。すっきりした高域を好む人には,全体的に安っぽく聞こえることもあるだろう。また,密閉型エンクロージャーで「どーん」と重低域が再生されるため,長い時間大音量で聴き続けると耳は疲れる。とくに懸念されるのが,中高域がそれほど弱められていないこともあって,派手な銃声や跳弾音で耳を痛める可能性があること。この点は憶えておいたほうがよさそうだ。


最近の製品らしい入力傾向を見せるブームマイク

音情報の入力用としては合格


DHARMA THのマイクユニット。ウインドスクリーンを外した(写真の)状態で使えば,確かに高域の入力はよくなるかもしれないが,デメリットのほうが大きい。素直に,ウインドスクリーンを装着した状態で利用するほうがいい
DHARMAPOINT
 一方のマイクだが,テストは標準で取り付けられているウインドスクリーンを装着した状態で行った。その理由は一にも二にも,「マイクを吹いてしまう」問題を避けるためである。
 プロの声優でもない限り,マイクを吹く(=スピーチに息が混じって,それがブレスノイズとしてマイクに拾われてしまう)問題からはまず逃れられない。その点,ウインドスクリーンは,高域が多少マスクされるのと引き替えに,この「マイクを吹く」問題をかなり和らげてくれるのだ。チャット相手に不快な思いをさせないためにも,ウインドスクリーンの利用を強く勧める次第だ。

 さて,DHARMA THのブームマイクが持つスペック上の周波数特性は30Hz〜16kHz。テスト結果は下に画像で示したが,グラフ中でも示したとおり,8kHz近辺を頂点とした小さな山が中高域〜高域にあり,これがスピーチにほどよい存在感を与えている。輪郭のはっきりした音質傾向だ。中高域から高域が盛り上がるのは最近の流行に乗っているともいえるが,“山”がそれほど大きくないこと,ピークが8kHz近辺と高めに設定されているのが,本製品の特徴ともいえよう。
 一方の低域では,250Hz以下が盛り上がり気味だが,この帯域はテストルーム(=筆者の音楽制作用スタジオ)の影響を受けやすい。そのため,波形だけで低域をよく拾うと断じるのは危険だ。ただし,実際にスピーチしてみると,低周波ノイズを拾いがちだったことは付記しておきたいと思う。

波形は緑がリファレンス,オレンジがDHARMA THのもの。1.8kHz付近が落ち込んでいるのは,テストに使用しているDynaudio Acoustics製モニタースピーカー「BM6A」が持つ,サブウーファとトゥイーター各ユニットのクロスオーバーポイント(※二つのスピーカーユニットが持つ周波数帯域の交わるポイント)。この点は記憶に留めておいてもらえれば幸いだ
DHARMAPOINT

 実際にスピーチを録音してテストしてみると,決して美しい音質傾向とはいえないが,高域がしっかり入力されるため,破裂音までしっかり聞き分けられる。もちろん高域が伸びる以上,張りのある音質にもなる。ゲームにおいて,音情報としてスピーチを処理するという観点に立てば,悪いマイクではない。
 なお,ここまであえて触れなかったが,上のグラフでも分かるとおり,位相は極めて正常。また,先ほど述べたとおり低周波ノイズを拾いがちという事実も踏まえるに,(DHARMAPOINTも認めるとおり)ノイズリダクション機能やエコーキャンセル機能の類は採用されていないようである。


「そこそこの価格」というには若干高いが

ゲームを楽しむためのヘッドセットとして大いに意義あり


 ゲーマー向けヘッドセット市場には,1万円以上で販売されているものがごろごろある。そんな状況にあって,「そこそこの値段で,いいものを提供する」コンセプトで登場したDHARMA THの予想実売価格は,9000円弱。ハイエンド機よりずっと手軽な価格に抑えた努力は買うが,まだ「高級機」と呼ぶべきカテゴリに入っている感も否めない。ワンランク下の価格帯を攻めるなら,6000〜7000円台に収めてほしかったというのが,偽らざる感想だ。

DHARMAPOINT
 しかしその品質は,他社のゲーマー向けヘッドセットと,1000〜2000円台で購入できる安価なヘッドセットとの間を埋めるだけの,安易な「隙間狙い」では決してない。マイク入力品質はイマドキの標準クラスで,目立った特徴を欠くが,「オーディオの世界で王道といえる周波数特性に,ゲームで必須の重低域を足した」ヘッドフォン出力は,新しい価値を提供できているといえるだろう。

 そもそもオーディオ(あるいは音響,アコースティック)と呼ばれる世界に「全部いいところ取り」は存在せず,低域を持ちあげれば高域が相対的に弱くなり,その逆もまた然りだ。中域を下げればいわゆるドンシャリになり,今度は会話が聞き取りにくくなったりする。
 結局のところ,広義のオーディオ再生においては,いかに周波数バランスを取るかがキモになるが,多くのゲーマー向け高級ヘッドセットは,音情報の処理を重視する,いわば「勝つためのバランス調整」が行われている。あるいは低価格品だと,それこそスピーチを聞き取ることしか想定されていなかったりするわけだ。

 その点,DHARMA THは重低域が重視された結果,やや高域,とくに(おそらく)8kHz以上が若干マスクされて弱くなるが,その落ち込みは極端でない。また,中域の明瞭度も高く,重低域重視の製品としては全体の周波数バランスがいいのである。“落としどころ”が間違っていない印象だ。
 ヘッドセットは,音情報の認識や,チャットだけに使われるものではない。実際には,もっと気楽にゲームのBGMを楽しんだり,ゲーム以外の音楽を楽しんだりすることもあるはずだが,そんなときに,「バランスが崩れている」「聞いていてあまり心地いいものではない」と感じた経験のある人は,DHARMA THを試す価値がある。DHARMA THのヘッドフォン品質は,数少ない,「音楽も聴ける」カテゴリーに入るものだからだ。

 ゲーマー向けブランドの新製品であることと,ゴツゴツした外観からは,ハードコアゲーマー向けのような印象を受けるが,その実は,多くのプレイヤーに向く,非常に出力バランスのいいヘッドセットである。


マイク特性の測定方法

PAZのデフォルトウインドウ。上に周波数,下に位相の特性を表示するようになっている
DHARMAPOINT
 マイクの品質評価に当たっては,周波数と位相の両特性を測定する。測定に用いるのは,イスラエルのWaves Audio製オーディオアナライザソフト「PAZ Psychoacoustic Analyzer」(以下,PAZ)。筆者の音楽制作用システムに接続してあるスピーカー(Dynaudio Acoustics製「BM6A」)をマイクの正面前方5cmのところへ置いてユーザーの口の代わりとし,スピーカーから出力したスイープ波形をヘッドセットのマイクへ入力。入力用PCに取り付けてあるサウンドカード「Sound Blaster X-Fi Elite Pro」とヘッドセットを接続して,マイク入力したデータをPAZで計測するという流れになる。もちろん事前には,カードの入力周りに位相ズレといった問題がないことを確認済みだ。

 測定に利用するオーディオ信号はスイープ波形。これは,サイン波(※一番ピュアな波形)を20Hzから24kHzまで滑らかに変化させた(=スイープさせた)オーディオ信号である。スイープ波形は,テストを行う部屋の音響特性――音が壁面や床や天井面で反射したり吸収されたり,あるいは特定周波数で共振を起こしたり――に影響を受けにくいという利点があるので,以前行っていたピンクノイズによるテスト以上に,正確な周波数特性を計測できるはずだ。
 またテストに当たっては,平均音圧レベルの計測値(RMS)をスコアとして取得する。以前行っていたピークレベル計測よりも測定誤差が少なくなる(※完全になくなるわけではない)からである。
 結局のところ,「リファレンスの波形からどれくらい乖離しているか」をチェックするわけなので,レビュー記事中では,そこを中心に読み進め,適宜データと照らし合わせてもらいたいと思う。


 用語とグラフの見方について補足しておくと,周波数特性とは,オーディオ機器の入出力の強さを「音の高さ」別に計測したデータをまとめたものだ。よくゲームの効果音やBGMに対して「甲高い音」「低音」などといった評価がされるが,この高さは「Hz」(ヘルツ)で表せる。これら高域の音や低域の音をHz単位で拾って折れ線グラフ化し,「○Hzの音は大きい(あるいは小さい)」というためのもの,と考えてもらえばいい。人間の耳が聴き取れる音の高さは20Hzから20kHz(=2万Hz)といわれており,4Gamerのヘッドセットレビューでもこの範囲について言及する。

周波数特性の波形の例。実のところ,リファレンスとなるスイープ信号の波形である

 上に示したのは,PAZを利用して計測した周波数特性の例だ。グラフの左端が0Hz,右端が20kHzで,波線がその周波数における音の大きさ(「音圧レベル」もしくは「オーディオレベル」という)を示す。また一般論として,リファレンスとなる音が存在する場合は,そのリファレンスの音の波形に近い形であればあるほど,測定対象はオーディオ機器として優秀ということになる。
 ただ,ここで注意しておく必要があるのは,「ヘッドセットのマイクだと,15kHz以上はむしろリファレンス波形よりも弱めのほうがいい」ということ。15kHz以上の高域は,人間の声にまず含まれない。このあたりをマイクが拾ってしまうと,その分だけ単純にノイズが増えてしまい,全体としての「ボイスチャット用音声」に悪影響を与えてしまいかねないからだ。男声に多く含まれる80〜500Hzの帯域を中心に,女声の最大1kHzあたりまでが,その人の声の高さを決める「基本波」と呼ばれる帯域で,これと各自の声のキャラクターを形成する最大4kHzくらいまでの「高次倍音」がリファレンスと近いかどうかが,ヘッドセットのマイク性能をチェックするうえではポイントになる。


位相特性の波形の例。こちらもリファレンスだ
 位相は周波数よりさらに難しい概念なので,ここでは思い切って説明を省きたいと思う。PAZのグラフ下部にある半円のうち,弧の色が青い部分にオレンジ色の線が入っていれば合格だ。「AntiPhase」と書かれている赤い部分に及んでいると,左右ステレオの音がズレている(=位相差がある)状態で,左右の音がズレてしまって違和感を生じさせることになる。
 ヘッドセットのマイクに入力した声は仲間に届く。それだけに,違和感や不快感を与えない,正常に入力できるマイクかどうかが重要となるわけだ。
  • 関連タイトル:

    DHARMAPOINT

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