連載
インディーズゲームの小部屋:Room#513(番外編)「2017年 人気タイトルベスト10」
年の瀬も押し迫った2017年最後の「インディーズゲームの小部屋」では,年末恒例の「2017年 人気タイトルベスト10」をご紹介。毎年,同じような説明をしているが,本稿の趣旨は今年取り上げた計48タイトルの中から,読者の人気が高かったものをランキング形式で振り返ってみようというもの。換言すれば,「たくさん読まれた記事ランキング」というわけ。オレは過去を振り返らないぜ! という人もちょっぴりお付き合いいただきたい。
ところで,この連載もすでに10年以上続いているので,ふと気づいたら累計PV数が大変なことに。これが本なら印税生活でウハウハなのになあ,せめて年末ジャンボが当たらないかなあ……などと,心にうつりゆくよしなしごとを,そこはかとなく書きつくりつつ,まずは第10位から行ってみよう!
第10位「20XX」
第10位は,ランダム生成されるステージを多彩なパワーアップアイテムを駆使して攻略していく横スクロールアクション「20XX」。プレイヤーはニナとエース,2人の主人公のどちらかを選び,敵のロボット軍団に立ち向かうことに。倒したボスの武器を入手してサブウェポンとして使えるが,こちらが倒されると集めた武器やパワーアップはすべて失われてしまう。ローグライクと「ロックマンX」をミックスさせたようなゲームシステムが楽しい一本だ。
「20XX」公式サイト
第9位「Fall of Light」
第9位は,老兵のNyxが光の子である愛娘Aetherの手を引いて暗闇の世界を冒険するというアクションRPG「Fall of Light」。死にまくること間違いなしのシビアな戦いと,娘の手を取って先へ進むというゲームプレイが大きな特徴だ。本作は「DARK SOULS」と「ICO」にインスパイアされたという作品だけあって,全体的な難度はかなり高め。娘を連れ去ろうとする魔物から彼女を守りながら,地上に残された最後の光が差す場所を目指そう。
「Fall of Light」公式サイト
第8位「Hollow Knight」
第8位は,謎に満ちた古代王国の地下遺跡で冒険を繰り広げるというアクションアドベンチャー「Hollow Knight」。登場キャラクターは昆虫をモチーフにしており,カブトムシやテントウムシ,カマキリなどをデフォルメした敵が次々と現れる。主人公はクワガタかな? 地下遺跡は複数のエリアがつながった広大な作りで,どこから探索するかはプレイヤー次第。見た目は可愛らしいが,遊び応えのあるアクションゲームに仕上がっている。
「Hollow Knight」公式サイト
第7位「Fight'N Rage」
第7位は,獣人のミュータントに支配された世界を舞台に死闘を繰り広げるというベルトスクロールアクション「Fight'N Rage」。主人公は,マーシャルアーツの達人でグラマラスなギャル,パワフルなミノタウロスのレスラーのリカルド,そしてミステリアスな忍者のF.ノリスの3人。プレイヤーはこの中から一人を選び,「ジャングルの掟」を唱える獣人のリーダーの打倒を目指すのだ。
「Fight'N Rage」Steamプロダクトページ
第6位「Shantae: Half-Genie Hero」
第6位は,ハーフジーニーの少女シャンティが活躍する横スクロールアクション「シャンティ」シリーズの最新作「Shantae: Half-Genie Hero」。ある夜,不思議な声を聞いて目を覚まし,この世界に大きな危機が迫っているというお告げを受けたシャンティ。長いポニーテールを鞭のように振り回して戦ったり,得意の魔法のダンスでさまざまな動物に変身したりといった,シリーズでおなじみの要素は健在だ。本作は日本語化されているので,シャンティの可愛さに目がくらんだ人にもオススメ。
「Shantae: Half-Genie Hero」公式サイト
第5位「Battle Chef Brigade」
第5位は,アクションパートで食材を集め,3マッチパズルで料理を作るという,異色の組み合わせが面白い「Battle Chef Brigade」。年に一度開催される,「バトルシェフ・ブリゲード」の入団試験を受けるためにやって来た女性料理人のミナとなり,ほかの大会参加者との料理対決を繰り広げていく。見どころは何と言っても,上述のような独特のゲームシステムで,手描きイラストによるグラフィックスも日本人好み。さらに,日本語化されているのも嬉しいところだ。
「Battle Chef Brigade」公式サイト
第4位「The Initial」
第4位は,チアガール風のコスチュームやスクール水着で襲ってくるクローン体の美少女を,バッサバッサと切り倒していくというアクションゲーム「The Initial」。主人公のルリは,鞘に銃を取り付けた日本刀のような武器を装備しており,素早い斬撃と銃による遠距離攻撃を駆使して敵と戦っていく。ルリのボイスを釘宮理恵さんが演じているのも見どころの一つで,ゲーム内のテキストも一応,日本語化はされている……が,翻訳の精度に過度な期待はしないように。
「The Initial」Steamストアページ
第3位「Kingdoms and Castles」
第3位は,君主となって自分だけの城下町を作り上げていくという都市建設シミュレーション「Kingdoms and Castles」。プレイヤーの目的は,外敵の脅威から住民達を守りながら,街を大きく発展させていくことだ。街にはときおり,バイキングやドラゴンが襲ってくるので,城壁やバリスタを築いて敵を撃退しよう。「シムシティ」と「ストロングホールド」を足して2で割ったようなゲームで,ローポリゴンのグラフィックスにも味がある。
「Kingdoms and Castles」公式サイト
第2位「Superflight」
第2位は,翼の生えたスーツを身にまとい,高速で大空を舞うというアクションゲーム「Superflight」。ごつごつとした岩場だらけのマップは毎回,自動生成され,地形のすれすれをかすめるようにして飛ぶことでスコアを獲得できる。飛行中はブレーキを掛けることはできず,猛スピードで空を駆けるスリルと爽快感を味わえる。シンプルなゲーム性で,ちょっとした気分転換に遊ぶのにぴったりなゲームだ。
「Superflight」公式サイト
第1位「OneShot」
そして,2017年の第1位は,永遠の闇に閉ざされてしまった世界で,太陽を取り戻すべく奮闘するというアドベンチャーゲーム「OneShot」。プレイヤーは猫のような外見がキュートな主人公のニコとなり,新たな太陽である大きな電球を抱えて旅立つことに。可愛らしいドットグラフィックスが魅力の本作だが,ゲームのウインドウ内に収まらない謎解きや,ラストシーンでのあっと驚く演出にも要注目。連載掲載時には英語版のみだったが,現在は公式日本語化されているので,未プレイの人はこの機会にぜひ遊んでみてほしい。
「OneShot」公式サイト
というわけで,2017年の「インディーズゲームの小部屋」はここまで。今年もたくさんの素敵なゲームに出会えたが,ランキングに入らなかったものの中から,あえて個人的にオススメの一本を選ぶとすれば,「Bomber Crew」を挙げさせていただきたい。本作は爆撃機の乗組員を指揮して数々のミッションをこなしていくという,一風変わったテーマのシミュレーションゲームだ。アブロ ランカスターで,過酷な爆撃機乗りの戦いを体験してみよう。
では皆さん,よいお年を!
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