連載
インディーズゲームの小部屋:Room#282「Folk Tale」
ずっと奥歯が痛むのを我慢していたところ,とうとう頭痛がするようになったため,観念して数年ぶりに歯医者に行った筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第282回は,Games Foundryの「Folk Tale」を紹介する。Blackdark王の圧政から逃れ,長い苦難の旅路の末に,とある島にようやく新天地を見出した勇敢な開拓者達。ゲームの目的は,そんな彼らと共に村を豊かに発展させていくことだ。しかし,平和に見えたこの島にも,思わぬ脅威がひそんでおり……。べ,別に歯医者とか怖くないし。本当だし!
なお,本作はまだ開発中であり,現在プレイできるのはストーリーに沿ってゲームのいくつかの要素が遊べるチュートリアルモードのみ。本作はすでにSteamで19.99ドルにて販売されているが,これはアーリーアクセス権付きのα版ということになる。本記事の内容もこのα版に基づいているので,あらかじめご了承いただきたい。
前置きが終わったところで,あらためてゲーム紹介に移ろう。ごく大雑把に言ってしまえば,本作はRPGやRTSの要素を盛り込んだ,ファンタジー世界を舞台にした村開拓ゲームである。今のところチュートリアルモードしかなく,ゲームを開始するとすでにある程度,村が出来上がった状態になっており,まだ空き地になっている場所を指定して建物や畑などを設置していく。
建物はそれに紐付いた職業の訓練施設の役目を持っており,例えば風車を設置し,そこに村をフラフラ歩いている無職の人物を捕まえて放り込んでやる(配置してあげる)と,立派な農民となって畑仕事に精を出すようになるといった具合だ。ただ建物を設置しただけでは,まったく無意味なので注意しよう。また,もう一度同じ建物に村人を配置すると,今度は無職になって出てくるので,ほかの職業へ転職させてやることもできる。
ただし,α版であるがゆえの説明不足のため詳しくは分からないが,長く一つの職業に就いていると,レベルアップして技能が伸びていくようなので,あまり頻繁に転職するのは得策ではないかもしれない。そんなこんなで村を少しずつ発展させていくと,村にとある大事件が発生。なんと,近隣のゴブリンどもが村を襲撃し,奴隷にするために村人を誘拐してしまったのだ。
すったもんだの議論の末に,救助隊を結成することにした村人達。本作では,何かイベントが発生すると,ちょっとユーモラスなカットシーンが流れるのが特徴だ。ここからは先ほどまでの応用で,まずは兵舎を建てて兵士を育成する。何人かの兵士が育成できたら,いよいよ村人の救出に向かうのだが,敵との戦いはまさにRTSのプレイ感覚そのもの。兵士達が戦闘によってレベルアップするというRPG要素もあり,敵が落としたアイテムを拾って装備することもできる。
もちろん,こうして救助隊が遠征に行っているあいだにも村に新たな住人がやって来たりと,ゲームはリアルタイムで進行しており,各ジャンルのゲーム要素がうまくブレンドされた,面白い作品に仕上がりそうな期待を感じさせる。
α版でのストーリーは一本道だが,完成版ではランダムイベントによってストーリーがダイナミックに変化し,暴君として振る舞ったり,正義と自由を貫いたりと,幅広いゲームプレイが楽しめるようになるとのこと。また,自由に村づくりができるサンドボックスモードやマップエディタも実装される予定だ。開拓シミュレーションが好きな人は,今後の動向に注目しておこう。
■「Folk Tale」公式サイト
http://www.gamesfoundry.com/- この記事のURL:
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