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インディーズゲームの小部屋:Room#259「Hotline Miami」
気づいたらSteamで購入したゲームが,いつの間にか軽く200本を越えていた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第259回は,Devolver Digitalの「Hotline Miami」を紹介する。本作は,サイケデリックな音楽と,けばけばしいグラフィックス,そして過激な暴力表現が特徴のバイオレンスアクションだ。うう,Steamのバーゲンセール,なんて恐ろしい子!
本作の舞台となるのは,1989年の架空のマイアミ。プレイヤーは留守番電話に残された依頼のメッセージに従い,動物のマスクを被った殺し屋となって,重武装のマフィア達をばったばったとなぎ倒していく。しかし,仕事をこなせばこなすほど,主人公は徐々に正気を失っていく。自分は一体何者なのか? そしてなぜ,何のためにこれほど多くの人間を殺しているのか……。
ゲームは真上からの見下ろし型アクションで,主人公の操作方法はW/A/S/Dで移動,マウスで狙いをつけて左クリックで攻撃というもの。ミッション開始時の主人公は丸腰なので,落ちている武器を右クリックで拾うか,パンチで敵を殴り倒そう。ただし,パンチを食らって倒れた敵は気絶しているだけなので,そのままではしばらく経つと目を覚ましてしまう。パンチで相手をノックアウトしたら,忘れずにSpaceバーを押して止めを刺すべし。
武器には,鉄パイプやバットなどの近接攻撃用のものと,拳銃やショットガンなどの銃器の2種類がある。一見すると銃器のほうが有利に思えるかもしれないが,弾数が限られているうえ,銃声を聞きつけた敵が集まってくるリスクがあるので要注意。近接武器は音もなく敵を倒せるので,状況に応じて使い分けていこう。
どの武器でも基本的に,当たればほぼ一撃で敵を仕留められるが,裏を返せば自分も一撃で倒されてしまうということでもある。主人公は武装した敵集団の只中に単身で乗り込むことになるので,必然的に死にやすい一方,リスタートが容易なこともあって非常にハイテンポでゲームが進んでいく。突撃と死亡をひたすら繰り返すうちに,妙な高揚感を覚え始めるだろう。
冒頭で述べたとおり,本作最大の特徴となっているのが,バットで殴られたり銃で撃たれたりした敵が血しぶきを上げて倒れる,過激な暴力表現だ。主人公のミッションは敵を全員抹殺することなので,ステージをクリアする頃にはあたり一面,文字どおりの血の海と化している。グラフィックスはレトロ風のドット絵なので,まだ救われているが,お世辞にも小さな子どもや,良識的な人にはお勧めしかねる内容だ。
……と思っていたら,背後からハードウェア番長の佐々山薫郁に「Hotline Miami,最高ですよね!」と声をかけられたのでびっくりした。こんな時,どう返事したらいいんだろう? とりあえず,「そっすね!」と言っておいたけど。
まあ,それはともかく,謎めいたストーリーと暴力に満ちたゲーム性が目を引く本作。そうした要素を抜きにしても,非常に中毒性の高いアクションゲームなので,気になった人はお試しあれ。ただし,バットを振り回して人を襲うのは,くれぐれもゲームの中だけで。そんな本作は,SteamとGOG.comで9.99ドルにて発売中だ。
■「Hotline Miami」公式サイト
http://hotlinemiami.com/- この記事のURL:
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