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仮想現実から拡張現実までの最新動向,産業用バーチャルリアリティ展開催
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産業用ということで,ゲームなどで使われる民生用とは違って,お値段に制限のない機器がずらりと並んでいたりするのだが,バーチャルリアリティ関係の技術はゲームとの接点も多く,今後のゲーム業界の動向を占ううえで参考になることも多い(たまにゲームのほうが先行したりもするのだが)。
ということで,今年の展示物から面白そうなものをいくつか紹介してみたい。
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会場入り口付近で行われていたクレッセントのデモは,まさにバーチャルリアリティらしい内容で,体感系に向かう昨今のゲーム業界の動向からすれば部分的に究極点に近いものかもしれない。
まず,両足(靴)と腰にセンサーを取り付け,ヘッドマウントディスプレイ(かなりデカい)を装着する。ディスプレイをかぶると立体画像が表示されており,頭の方向で見えるものがぐるぐる変わる。とくに遅れもなく,動きに違和感もない。
デモは,火災が発生したビルから脱出するというストーリーで,窓からビルの外に出て,ビルの庇伝いに脱出路に向かう。実際に歩くとそのまま画面内に反映されるのだが,リアルワールドの状況が見えないまま歩くのはちょっとおっかないのと,3D映像なので足元から下を見下ろすと,かなりくるので高所恐怖症の人はヤバいと思う。
静止画を見れば分かるように画面自体は超リアルというわけではないのだが,身体の動きと完全にシンクロした映像は,文句なしでリアル。「ミラーズエッジ」をこれでやったら凄いだろうなあ。
ぜひ一家に1台ほしい機材だが,デモで使われていたヘッドマウントディスプレイHEWDD-768は,単価840万円也。
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電脳コイルで広く認知され始めた(古い?)拡張現実「Augmented Reality」分野だが,今回のショウではいくつかのAR関連展示が行われていた。
Metaioの「飛び出す図鑑」では,PCのカメラの前に図鑑を広げると,そのページに記載された魚が画面内を泳ぎ回る。学習用教材としては子供にも喜ばれそうな内容だ。そのほか,自分の部屋の写真を撮って,それを3D空間とみなして家具を配置できるオンラインショップなど,すでにかなり実用的な展開が行われているようだ。
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会場内に多く見られた3Dディスプレイだが,展示では,全体的に裸眼立体視ディスプレイが増えた感はある。裸眼立体視の原理について,旭エレクトロニクスの説明図が分かりやすかったので,挙げておこう。
基本は,右目と左目に別々の絵を表示する。右目のある位置,左目のある位置を想定して,そこの位置でちゃんと見えるように,あるいは,別の目の絵が見えないように調整されたものなので,やや位置取りが難しく,距離も適正でないと立体に見えづらいものの,位置さえ決まれば眼鏡などを必要とせずクリアな立体映像が楽しめる。
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できるだけ大勢で3D映像をというコンセプトなのだろうが,大画面のものはかなり離れないといけないので,大画面で迫力の3D映像というのは楽しめない。近いと画面の右端と左端で視差が生じるためか,画面がいくつかに分断されたように見えたりするので,むしろ小画面向きという印象を受けた。
一方で偏光フィルタ方式(眼鏡をかける奴)は,かなり安定した3D映像が楽しめた。眼鏡をかけねばならないものの,ベストの位置取りを探す手間もなく,角度もシビアではない。大勢で見るなら,大画面で偏光フィルタ方式のほうが適している印象だ。
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このデモ機には,パララックスバリア方式の裸眼立体視が採用されており,バリアの有効/無効によって3Dモード/2Dモードを切り換えることができる。
以前,裸眼立体視ディスプレイの技術が出てきたときに,シャープが3D対応のノートPC(と携帯電話)を出していたことがあったのだが,それの発展版といっていいだろう。シャープ製が単方向(使用者のみ)だったのに対し,4方向に対応したので,使用者以外に左右から覗き込んだ人も立体を楽しめるというのがポイントだ。
ニューサイトでは,デジカメで撮った写真を疑似3D化して楽しむなど,カジュアルな立体映像の普及を目指しているようだ。
IONプラットフォームでは,残念ながら3Dゲームは少しつらい。オンラインゲームなどの軽めのものなら動くものの,そっちは3Dドライバと相性が悪い(チートツールとみなされる場合が多い)ので,どちらかというとミドルクラスのゲーマー向けノートPCで出してもらいたいところなのだが。
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台湾で生産とのことだったが,展示されているものと同じならばLG電子のFLATRON W2261V(21.5インチ:1920×1080ドット)をベースにしているので,フルHD対応,一般的な作業にも問題なく使えるスペックだ。ゲーマーを中心にヒアリングを行った結果,日本では9万9800円で販売される見込み。これくらいが,ゲーム用ディスプレイに出せる上限ということのようだ。
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とはいえ,液晶ディスプレイは中間調で2msという応答速度が必須ということで,かなり厳しい。いくつかスペックを満たす製品も市販されているのだが,実質,このセットになっているBenQ製品以外の選択視はないとのこと。たぶん,ゲーム用としても適しているような気がする。
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ひどく懐かしい映像(3DMark 2001)が流れていて足を止めると,それはDeep-Screenのデモだった。3Dディスプレイではないのだが,3Dぽい効果を出すという代物だ。非常に説明しにくいのだが,普通のディスプレイ画面が,なんとなく奥行き感のあるものになる。基本的には,普通のディスプレイの前面に光学フィルタを取り付けたもので,ソフト的/電子的なものではない。互換性などの問題もまったくない。
糸巻き収差があるので,遠近感が強調されているだけかと思ったが,それほど極端な歪みでもなく,なにが起きているのかとしばし考え込んでしまった。どうやら,中央方向に向けてブラーを出すフィルタのようで,確かにところどころ色のにじみがある。それだけでこんな効果が出るんだろうかという気もするのだが,なんかイイ感じになるのだ。
開発したのはアイルランドのRealViewという会社で,ヨーロッパではもうじき発売されるという。Deep-Screenを取り付けた大型ディスプレイが約20万円とのこと。
同じ技術を使ったPSP用のV-Screenというものも発売される。全体にPSP用のケースのような形状となり,フィルタレンズを展開して覗き込む感じだ。多少画面の拡大効果もあるかもしれない。こちらは日本円換算で約5000円とのこと。
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モーションセンサーなども普通のゲームで使われるようになり,バーチャルリアリティが民生用に落ちてこないのは,ほぼディスプレイの問題に集約されている感じである。理想をいえば,高解像度のヘッドマウントディスプレイなのだが,どこか安く作らないものだろうか。
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産業用バーチャルリアリティ展
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