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NVIDIA,プロフェッショナル向けGPUや電波式3D Visionに関する記者説明会を開催
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印刷2010/08/17 21:10

イベント

NVIDIA,プロフェッショナル向けGPUや電波式3D Visionに関する記者説明会を開催

NVIDIA Quadro Line of Professional Graphics Solutions,Director of Marketing ,Daniel Shapiro氏
画像集#001のサムネイル/NVIDIA,プロフェッショナル向けGPUや電波式3D Visionに関する記者説明会を開催
 NVIDIAは2010年8月17日,「プロフェッショナルGPUが可能にする新テクノロジーの到来」と題する記者説明会を都内で開催した。
 今年7月29日にFermiベースの新型Quadroが発表されていたのだが,今回の記者発表会には米NVIDIAからQuadro製品を担当するDaniel Shapiro(ダニエル・シャピロ)氏が来日。新型Quadro製品のパワーを日本のメディアに訴求するという趣旨で,やや遅れて開催されたQuadro製品の発表会と考えてもよさそうだ。SIGGRAPH 2010で披露されたデモを交えての説明があったほか,プロフェッショナル向け立体視メガネがお披露目されるなどの話題もあったので,簡単に内容をリポートしておきたい。


コンピュテーショナル・ビジュアライゼーションをキーワードに


NVIDIAがすべてのレイヤーをカバーしているからこそ競合に大きな差を付けているとShapiro氏は語る。緑色の棒がQuadroシリーズの出荷数だ
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 ご存じの人も多いと思うが,ゲーム用のGeForceと並んで,NVIDIAのQuadroシリーズはプロフェッショナル向けGPUの代名詞ともいえる製品になっている。記者発表会で登壇したShapiro氏は「Quadroは今日で(初代製品の発表から)10年が経過し,グラフィックの分野に大きな革新をもたらしてきた。Quadro製品は広範に広がっている。ユーザーの90%は映像に関わっており,自動車業界などでもQuadroが使われている」とQuadro製品の浸透振りをアピールした。

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 Quadroがプロフェッショナル分野で成功を収めている理由として,氏は,そのエコシステム,ソフトウェアベンダーに対する完全なソリューションを提供していること,そしてNVIDIAのセールス&サポート組織の充実を挙げ「ハードウェアだけが重要ではなく,NVIDIAがすべてのレイヤーをカバーしていることが市場での成功につながっている」と自己分析してみせた。

 そのうえで,氏は,新型Quadroのパフォーマンスを「デザイン分野において5倍,シミュレーションパフォーマンスにおいては8倍」と実数を上げてアピール。5倍,8倍といっても漠然としているが,5倍というのは3Dベンチマークプログラム「SPEC ViewPerf」のうち,ジオメトリに関連したスコアを前世代のQuadro 5800と比較した結果だそうだ。
 一方の8倍はスーパーコンピュータTOP500の指標で知られる並列演算ベンチマークテスト「LINPACK」をCUDAで実行した結果とIntelの最新のプロセッサの結果を比較した値だという。こうした性能アップにより「生産性の向上を達成できる」とShapiro氏は新型Quadroの意義を強調していた。
 では新型Quadroで何ができるのか。Shapiro氏はQuadro向けに作成された各社のソフトウェアを次々と紹介してみせた。その主なものを写真で紹介することにしよう。


並列演算のパフォーマンスをアピールする例としてShapiro氏が実演していたリアルタイムレイトレーシングのデモ。空母上に戦闘機が48機置かれており,視点を変えるたびにリアルタイムでレイトレーシングを行ってフォトリアリスティックな映像を作ってくれる
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RTT Japanが手がける,気流をリアルタイムに可視化し自動車などの空力解析を行う「RTT RealFluid」というソフトウェア。「従来は何日,何週間も掛かっていた気流の検証が,このソフトウェアによってリアルタイムで検証できるようになっている」とShapiro氏
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ビデオクリーニングを行う一般向けの「vReveal」を開発したことで知られるMotionDSPのプロフェッショナル向け製品「Ikena」のデモも披露された。ソマリア沖の海賊船の解析にも使われているそうだ。GPUによる高速化に対応している
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GPUはビデオ編集の分野でも利用されている。「Adobe After Effects with the Track Matte」でカラーコレクションを行う例が紹介された。「この種の処理は以前はバッチ処理しかなかったが,GPUで実行することでリアルタイム化が可能になった」とShapiro氏
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MARI Product Manager,Jack Greasley氏
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 さらに,プロフェッショナル向けの3Dテクスチャペインティングソフトウェア「MARI」を手がけるThe Foundry Visionmongers Ltd.から,Jack Greasley(ジャック・グリーズリー)氏がゲストスピーカーとして招かれ,MARIの実演が行われた。
 Greasley氏は実演の中で「Quadroを利用することで何百GBものテクスチャをリアルタイムに扱うことができるようになった」とMARIにおけるQuadroのパワーをアピール。NVIDIAとMARIの共同作業により映画制作の時間やコストの削減に成功していると述べていた。

MARIは映画「アバター」などでも利用されたというテクスチャエディタで,キャラクターのテクスチャをリアルタイムに編集でき,「アニメーテッドジオメトリ,アニメーテッドテクスチャに対応している」(Greasley氏)ためキャラクターを動かして確認できるという
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 以上のQuadro対応ソフトウェアの紹介が行われたあと,Shapiro氏は新型Quadroのラインナップを大まかに紹介しプレゼンテーションを締めていた。製品はすでに発表済みということもあって,今回はラインナップの概要に軽く触れたのみだったが,その中で「今年中に別の発表もある」と明言されたことには注目しておいてもよさそうだ。

NVIDIA JapanのTesla Quadro事業部プロフェッショナルソリューションマネージャ福田敦彦氏も登壇。Quadro Preferred Partner(仮称)というNVIDIA認定パートナープログラムを立ち上げ,日本国内での普及を加速させるという戦略も同時に発表された
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プロフェッショナル向けの3D Vision Proを発表


RTT RealFluidの3D Vision対応デモが会場に置かれていた
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 Shapiro氏のプレゼンテーションでも軽く触れられていたのだが,「3D Vision Pro」というプロフェッショナル向けの立体視ソリューションが発表されている。

 一般向けの3D Visionとの大きな(そして唯一の)違いは,3D Vision Pro用のメガネは赤外線ではなく無線で制御されるというところだ。Bluetoothなどの標準規格は使われておらず,独自の無線方式を使っているとのことで,最大300フィート(約30メートル)の到達距離を実現しているという。一般向けの3D Visionのメガネは6メートルなので,かなり広範囲に届くわけである。また,赤外線モデルでは起きやすい干渉がないのも特徴とのことで「立体視のワークステーションを複数並べて作業しているようなデザインの現場でも利用できる」(展示担当者)という。

これが3D Vision Proの立体視メガネ。一般向けの3D Visionとの違いは,制御に赤外線ではなく無線が使用される点。ちなみに,メガネ右側のケーブルは盗難防止用の紐で,製品とは無関係なので注意
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 なお,Quadro向けではあるものの「GeForceでももちろん利用できる」そうなので,例えば,広い会場での立体視デモなどでは,ゲーマーもこの3D Vision Proを目にする機会があるかもしれない。電波式のメガネもあるんだという程度に覚えておこう。
  • 関連タイトル:

    NVIDIA RTX,Quadro,Tesla

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