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印刷2008/06/13 14:08

業界動向

奥谷海人のAccess Accepted / 第176回:あのメガヒット作に迫る3作品

奥谷海人のAccess Accepted

 Xbox 360とPLAYSTATION 3で発売され,大ヒットしている「Grand Theft Auto IV」。発売から5週間で850万本という売り上げを記録し,Take-Two Interactiveの予想を上回るハイペースで売れている。だが,残念ながらPC版発売の発表は行われていない。というわけで,今回は,GTA IVの記録を振り返りつつ,PC版の発売が予定されているクライムアクション3作を紹介しよう。

あのメガヒット作に迫る3作品
記録ずくめのGrand Theft Auto IV

 2008年4月29日,鳴り物入りで発売された「Grand Theft Auto IV」は,リリース初日の24時間で,販売本数が360万本を記録。売り上げは3億1000万ドル(約325億円)に達しており,ギネス記録(ビデオゲームの初日売り上げ記録)だった「Halo 3」(1億7000万ドル/約180億円)を大きく上回った。

 ちなみに,映画における興行初日のギネス記録は「スパイダーマン 3」の約6000万ドル(約64億円),書籍の初日売り上げでは「ハリー・ポッターと死の秘宝」の2億2000万ドル(約235億円)となっている。GTA IVの売り上げがほかのエンターテイメント分野と比べても破格であるのが分かるだろう。

 ここまで売れると,アメリカでは普段ゲームなどを扱わないトークショウ,ニュース,コメディ番組や経済誌などでも頻繁に話題に上がっている。

 GTA IVはまさに絶好調で,Take-Two Interactive(以下,Take-Two)が「1年で900万本」と予想していた数字を,軽く超えてしまうのは間違いなさそうだ。利益も9820万ドル(約105億円)と予測しており,買収攻勢をかけているElectronic Artsに対する対抗資金も,当面は心配しなくてよさそうだ。

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初日の売り上げが3億1000万ドル,5週間のセールス本数が850万と売れまくった「Grand Theft Auto IV」。製作費は1億ドル(約105億円)で,開発に携わった人数も約1000人と,何から何までモンスター級の作品だ

 ただ,PCゲーマーにとって残念なのが,PC版発売の予定すら見えないということだろう。

 Take-Twoは,株主総会を新作発表の情報発信の場にすることが多いが,いまだにPC版の予定が発表されないということは,そもそもPC版を製作するつもりなど,毛頭ないのかもしれない。

 それは,Grand Theft Auto: San Andreas以降,本シリーズが“コンシューマ機用ゲーム”として認識されていることも影響しているのだろう。また,PC版のMODが引き金となったHot Coffee事件(関連記事)で,Take-Twoがこうむった経済的ダメージや評判の低下を考えると,PC版を作ることに及び腰になっているのも無理はない。

 発売から1か月以上経ち,さすがに売り上げの勢いは鈍化し始めている。アメリカとイギリスの売り上げランキングで長らくナンバー1を独占していたが,イギリスにおいては6週目(6月1〜7日)になって,ついに「LEGO Indiana Jones: The Original Adventure」に抜かれてしまったのだ。イギリスの売り上げデータを集計しているChart-Trackは,LEGO Indiana Jonesのその週の売上本数がGTA IVの3倍だったと発表している。

 さらに3位だったCodemastersのレーシングゲーム「Race Driver: GRiD」との差は約3000本であり,夏商戦を狙った期待作の追い上げを受けているのだ。もともとゲームの売り上げは初速勝負の傾向が強いが,新作に飛びつきやすいMレーティング(17歳以上)を対象にしたゲームにありがちな失速傾向が見られる。

 Xbox 360版にはクリスマス前に大きなコンテンツアップデートの予定があるが,今後はいかにプレイヤーの興味を持続させられるかに,本作がロングセラーになるかどうかがかかっているだろう。

 

GTA IVのないPCゲーム市場に名乗りを上げる
クライムアクション

 当然ながら,ほかのメーカーがこの状況に黙っているわけはない。GTA IVに追いつけ追い越せとばかりに,多くのクライムアクションゲームのリリースが予定されている。その何作かは,「最近になって」PC版の発売が発表されており,GTA IVの触手が伸びていないPC市場で,先に成功しようという狙いなのかもしれない。そんなPCゲーマーにとってありがたい3本を紹介しよう。

HEI$T
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「HEI$T」は銀行強盗が主人公だが,全体的な雰囲気的は,映画「ダーティ・ハリー」のような感じになりそうだ
  • 発売元: Codemasters
  • 開発元:inXile Entertainment
  • 発売予定時期:6月中

 Interplayの創業者ブライアン・ファーゴ(Brian Fargo)氏が手掛ける「HEI$T」は,今回紹介する作品の中では一番乗りとなる,6月中の発売が予定されている。

 1969年のサンフランシスコを舞台に,プレイヤーは主人公のジョニーとなって,仲間のキャラクター達と一緒に,市内に点在する銀行に押し入り,強盗(Heist)をするのだ。ただし,タイトルは強盗をイメージしたものになっているが,お金の奪い方はプレイヤー次第。銃を撃ちまくってもいいし,サブミッションをクリアして銀行内部に協力者を得,もっとスマートに仕事をこなすのもありだ。ちなみに力ずくで押し入ると,街中の銀行で警備が厳しくなるといった仕掛けも用意されている。また,必要な武器などを手に入れるためのサブミッションもあるようだ。

 なんといっても,仲間達と一緒に暴れられる“パーティシステム”が本作の魅力だろう。また,1960年代を感じられるサウンドトラックや逃走に使える車の種類なども多く,クライムアクションとしての基本はしっかりしているようだ。このところ新情報がほとんど出ていないのがちょっと心配だが,あと数週間で完成の発表が行われるはずだ。

Saints Row 2
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Saints Row 2はギャンググループの再興がテーマになっているため,仲間と共に行動することが多いのも魅力。PC版には,2人のプレイヤーによる協力プレイも実装されるようだ
  • 発売元:THQ
  • 開発元:Volition
  • 発売予定時期:10月

 「Saints Row 2」はもともとXbox 360とPLAYSTATION 3でリリースされる予定だったが,最近になってPC版の発売も決まった。前作「Saints Row」はPCで発売されなかったので,驚いた人も多いのではないだろうか。

 Saints Row 2は,現代のシカゴやデトロイトといったアメリカ中西部の都市をベースにしたStilwaterという架空の都市が舞台だ。本作では,前作で崩壊の危機に瀕してしまった3rd Street Saintsというギャンググループを立て直すことになる。また,敵対ギャングには新興勢力が台頭するようだ。

 ゲームシステムからプロモーションまで,かなりGTA IVを意識したものになっているが,大きく異なるのはプレイヤーキャラクターのカスタマイズができること。女性キャラクターを使用できるだけでなく,お気に入りの車のアートや,仲間の衣装まで好きなようにできるのだ。

 本作はギャングの抗争がテーマなだけに,爆破効果なども派手で,クライムアクションゲームファンには欠かせない1本になりそうである。当初の予定から2か月遅れ,10月発売になったが,THQの年末商戦を担う作品とされているだけに,本腰を入れて開発されているに違いない。

Mafia II
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「Mafia II」の脚本は,前作の400ページをさらに上回り,700ページもあるという。ドラマ部分に力が入った作品になりそうだ
  • 発売元:2K Games
  • 開発元:2K Czech
  • 発売予定時期:
    2009年10月31日以前

 GTA IVのTake-Twoに属するブランド,2K Gamesが開発中の「Mafia II」は,シミュレーション性の高さやストーリーが日本でも話題になっていた「マフィア」の続編だ。

 Mafia IIは,第2次世界大戦直後のニューヨーク風の架空都市“エンパイアシティ”が舞台で,主人公は,過去の犯罪が時効になるのを待つために戦争に参加していたヴィトだ。

 エンパイアシティには,勢力争いを行っているギャンググループが二つ存在し,そこでさまざまな仕事を請け負いながらグループのボスに成り上がるのが目的となっている。Electronic Artsから発売された「The Godfather: The Game」に近いゲーム性になるのかもしれない。

 前作以上に,アクションは派手になっており,プレイヤーの選択次第でストーリーの展開が変わり,複数の結末が用意されているようだ。2007年8月にドイツで開催されたゲームショウ,Games Convention以降,本作に関する情報はほとんど出ていない。ただ,発売予定時期は,「2009年10月31日以前」という不思議な発表が行われている。受け取り方次第だが,2008年内の発売はなさそうなのは,残念だ。

■■奥谷海人(ライター)■■
本誌海外特派員。先日,自宅の両隣とその向かい4件で窃盗事件が起きたという奥谷氏。主に裏庭の物置やガレージなどが荒らされたほか,1件は家の中にも侵入されたという。犯行場所を考えると,奥谷家の庭を横切った可能性が高いのだが,なぜか奥谷氏の家は無事だったそうだ。奥谷氏によると,夜中に部屋の明かりをつけて,原稿を書いていたのが幸いしたらしい。犯人が再び現われるかもしれないので,寝られないくらい仕事をお願いしておきますね。

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