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  • Linden Lab
  • 発売日:2003/06/23
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印刷2008/05/29 22:39

イベント

Virtual World Conference & Expo 2008開催,Linden Lab創設者Philip Rosendale氏「バーチャルワールドは100倍の規模になる」

 5月28日より30日まで,東京有明の東京ビッグサイトで「Virtual World Conference & Expo 2008」が開催されている。
 基調講演では,「Second Life」でお馴染みのLinden Lab Founder & ChiarmanであるPhilip Rosendale氏が登壇し,バーチャルワールド(以下VW)と自身の関わりや将来について語った。なお,氏の講演は日本初のこととなる。

 氏は最初に,なぜVWが注目されているのかについて語った。楽しいゲーム体験をもたらすから? ビジネスチャンスがあるから? そうではないとRosendale氏はいう。VWこそが,我々の未来なのだからだと。続いてVWは今後10年間くらいで,リアルワールド(以下RW)をどんどん変えていくと語った。現在RWで行っていることの多くを,今後はVWでやることになるだろう,と。

Second Lifeはどのように生まれてきたか?


 次に,Second Lifeというものができあがるまでの,自身のバーチャルワールドとの関わりを語った。
 エレクトロニクス関係でかなりのGeekだった氏は,10年前に日本を訪れており,(まだエレクトロニクスの街であった)秋葉原に立ち寄って多大な驚きを覚えたようだ。その当時に出会った人が技術的にクリエイティブな人ばかりであることにも驚き,また現在,熱心な日本人Second Lifeプレイヤーが非常に多岐に渡る分野で独特な活動をしていることを挙げて,その活動に感謝するとともに,とてもエキサイティングだと大きな期待を寄せていた。

 ネットワークで,いろんな興味のあることを集め,世界をシミュレートしていくようなものを作るというのは,氏の子供のときからの夢ないし構想であったようだ。曰く,氏は,非常にクリエイティブな子供だったので,自分の部屋のドアをスタートレックのように天井まで上がるように改造したり,高校生のときにコンピュータ関係の会社を作ったりしていたという。ちなみにドアのほうは,天井に穴を開けたりとかなり大変な作業だったらしいのだが,Second Lifeならそういうことも簡単にできると笑う。
 高校で会社を運営しているときにも,それがVWにどのように使えるかなどを考えていたという。だいたいの構想はそのあたりでできていたようなのだが,技術的なものが揃わず,計画は保留されていた。
 1999年,ついに氏が必要と考える二つの技術が出揃ったという。一つはブロードバンド環境,そしてもう一つはGeForce2というGPUの登場だ。氏は,直ちに新しい会社Linden Labを創設し現在に至る。
 創立から9年。いろいろなことがあり,成功も収めた。現在ではSecond Life内の土地は500平方マイルにおよび,1日あたり100万ドルの売買がなされ,5万人以上がなんらかの収入を得ているという。この経済規模は,アメリカの中規模都市と同じくらいだそうだ。

 今後はどうなるのか? VWはまだ未熟で,今後成熟していくと,現在の100倍の規模にまで発展するだろうとRosendale氏は語る。1億人が毎日利用し,ユーザー数でも利用時間的にも現在のWebよりも大きなものになると確信しているという。
 1994年当時のインターネットを思い起こしてほしいと氏は語る。現在のVWは1994年のWebと同程度の状態である。当時は定期的にWebを使う人などほとんどおらず,Webページを見て回っても得られるものは少なかった。現状では,Web市場は100倍に成長したという(もう一桁乗せてもいい気はするが)。よくいわれることだが,その当時ならバナー1個で100万円とかいうのは気違い沙汰だと思われただろうし,Webページで物販をするなんていいだすと必至で止められたかもしれない。ほんの一昔前の話である。そして,VWはWebと同等以上の位置を占めることになるだろう。

 それはなぜか? その理由を氏は以下のように語る。人間は常にテクノロジを使って情報を共有し,伝達してきた。現状では,Webがその主役になりつつあるといっていいだろう,と。
 現在のWebの基礎となる文字情報単語では,言語が違えばコミュニケーションが取れない,また例えば椅子という単語一つだけでは,どんな椅子なのかは分からないといった問題を持っている。もちろん,現在のWebでも写真なり絵をつけることはできる。しかし,文字情報よりそういったイメージ情報のほうが,情報の伝達と共有で有用なのは間違いないだろう。そして,3Dによる情報はさらに多くのものを伝達できる。
 また,言語を理解することなくさまざまなものを理解できる,体験できるというのも,VWが情報伝達において優れた点である。現物に近いものを見,触れるなどができれば,言葉の通じない国の情報でも理解しやすい。
 こういった単純な事実から,将来的にはより優れた技術が現在の情報伝達の主役に取って代わることは確実視されている。現状では技術的な問題やノウハウ不足などで十分に生かされているとはいいがたいが,こういった問題は時間が解決するものであろう。

 さらに,人間は情報を作り,消費するときに,誰かと一緒に行いたいと思うものだと氏は語る。例えばAmazonに行けば,500人くらいの人があなたと同じデジカメのページを見ているかもしれない。しかし,Webではその500人はコミュニケートできない。VWなら,そのカメラについて周りの人とリアルタイムに情報交換ができる。バーチャル空間で一緒になにかをやっていくことができる。
 こういった表現力とコミュニティ性の2点で,VWではWeb以上の展開が期待できるとしている。

現在のSecond Lifeはどの段階か?


Second Life
 現在のSecond Lifeは,成長段階でいうと,どのあたりにあるか? この説明に対し,Rosendale氏は,インターネットの成長過程と同じで,新しい技術が入って普及していくためには,以下の4段階を経る必要があると語る。
 第1段階は,遊びのためにテクノロジを使うことだ。個人で遊び,みんなで遊び,それを芸術などのレベルにまで高めることもあるかもしれない。第2段階は教育に使われるようになること。第3段階になると,企業の内部で使われるようになる。企業というのは,新しいものに対しては懐疑的なことが多いので,そう簡単には動かない。第4段階では,企業がその技術を使ってビジネスをするようになるという。

 現在のSecond Lifeは,最初の段階から次に移ろうというところだ。ようやく多くの人に楽しんでもらえるようになり,Second Lifeは,Eコマースの段階にはまだ至っていないものの,教育ではかなり広く使われ始めている。実際,Second Life Gridの15%が教育者によって使われており,いちばん多くの土地を買っているのも学校関係であるという。

Rosendale氏の考えるVWの課題とは


Second Life内のバーチャル会場でもイベントが併催された
Second Life
 次にRosendale氏は,Second Lifeにとっての現在の課題を挙げた。
 まず,なによりも使いやすくすることが必要だ。日本ではモバイルデバイスでSecond Lifeが使えるようにしたり,身体が不自由な人でも使えるようにといった研究が進んでおり,これに期待するところも大きいようだ。
 また,インタフェースをシンプルにしたり,興味を持っていることに行き着けない点を改善するため情報検索を簡単にすることも必要で,これも現在作業中だという。
 Second Lifeをはじめ,VWはまだまだ初期の段階にいることを,氏は素直に認めている。それを踏まえ,VWについて批判される多くの点は,かつては同じようなことがWebについてもいわれていたことを思い起こしてほしいという。Web技術も改善が進み,いまでは多くの人に欠くことのできないものになっている。これと同じことがVWについても起こると氏は信じているようだ。

 VWはWebよりも大きくなるという氏の論点はすでに述べたとおりだが,今後成長していくためには,VWはオープンでなければならないとも述べた。標準化されたシステムで相互運用ができなければならない。なぜなら,VWは,現在のインターネットに代わって個人や企業で広く使われる「次のインターネット」となって機能しなければならないからだと氏は語る。我々は,インターネットと同等なスケールのものを一緒に作っているのだということを認識してほしいと,Rosendale氏は会場に集まった関係者に強く呼びかけていた。

IBMが進めるVWの標準化


 続いて登壇したのは,IBM Digital Convergence部門のVice PresidentであるPaul Ledak氏だ。
 IBMは「International Business Machine」だからとハード関係の会社だと思っている人がいたら認識は改めたほうがよい。サーバーやチップなどは生産しているものの,PC関係をはじめ,ハードウェア部隊を切り捨てて生まれ変わっているのが現在のIBMだ。
 ハードでなければソフトかというと,それとも違う。一時期からターゲットを「サービス」に置いた戦略を進めてきていた。Webサイトの機能を相互運用するためのWebサービス技術の標準化や,オープングリッドの標準化などにも力を入れていたのだが,昨年,いきなりVWの標準化の音頭を取り始めたのには正直驚かされたものだ。
 IBMが狙うのは,VWというよりも3D Internet(3Di)の標準化だ。Rosendale氏の講演と理由はかぶるのだろうが,現在のWebベースのものから,次の時代の標準技術と目される分野で主導権を握ることが目的だろう。

 詳細は省略して簡潔に説明しておこう。
 標準化が進むとどうなるか? まず,いろいろなVW間でアバターが相互に行き来したり,標準的なミドルウェアやフレームワークでVWやその上で展開されるサービスを構築でき,1種類のクライアントでいろいろなVWを楽しむことができるようになる。それぞれのVWをWebサイト,クライアントをWebブラウザだと考えると分かりやすいかもしれない。
 今後2年くらいで基本プロトコルを標準化し,3,4年で標準クライアント,3〜5年後には標準フレームワークを構築する予定だという。将来的には,Webブラウザの拡張機能で標準VWブラウズ機能を用意したいとLedak氏は語っていた。
 

その他の内容:ViZiMOとダレットワールドの今後


カンファレンスとは関係ないが,展示会場にあった3Dモデル出力の例。3DプリンタによってViZiMOやダレットワールドのキャラが3D化されている。ダレットワールドのキャラはもっと簡単な方法で作ったほうがいい気はするが……
Second Life
 カンファレンスでは,全体にSecond Life系の話が多かったのだが,日本の多くのバーチャルワールドが結集したカンファレンスとなっており,お馴染みのViZiMOとダレットワールドに関する講演も行われていたので,今後の展開にかかわる情報だけをかいつまんでお伝えしておきたい。

 ViZiMOでは,夏に予定されていた正式サービス(課金アイテム販売開始)が9月にずれ込んだようだが,6月には,ほかのWebページからViZiルームにリンクできるプレイリンク機能が,7月にはマイルーム機能が追加される予定だ。
 プレイリンク機能は,会員登録していない人でも(ソフトウェアのインストールは必要だが)ViZiルームでプレイできるようになる機能で,これまでViZiMOコミュニティ内でしか遊べなかったコンテンツに気軽にアクセスできるようになるというもの。マイルーム機能は,初心者向けの超簡単版ViZiKitが使える入門用の部屋になるという。
 カプコンのダレットワールドでも,将来の方向性が示され,多数のプレイヤーで一緒に映画を見たり,音楽を聞くなど,お互いの趣味の部分を持ち寄ってみんなで楽しめるようなコンテンツが追加されていくという。
左:マイクロビジョン社長青沼実氏,右:ダレット マーケティング部豊永洋一氏と神奈川工科大学客員教授深野暁雄氏

 情報共有と活用の進化形として,VWで新しい次元のコミュニケーションを探るRosendale氏や,オープン化を進め,次世代の社会基盤を作ろうと意欲を燃やすIBMなどの海外勢に比べると,国内勢は,ちょっとビジョンが小さいように感じられた。
 それでも,Rosendale氏がいうところの第2段階,教育用途ではかなり先進的な試みが各所で進められている。独自VW勢でもコンセプトの明確なものが紹介され,昨年発表された携帯電話でのSecond Lifeビュアに続き今年はWebブラウザでの(どんなPCでも実行可能な)Second Lifeビュアが発表されるなど,VW業界では先端的な報告も多かった。
 まあ,いきなり第4段階で儲ける方法を探るのは,現段階では無理も多いのだろうが,流行に乗っただけの企業SIMなどが軒並み不振でVWの将来性に疑問を抱いている人が増えているのも確かだ。技術的には,まだまだ数年後を見据えたものなので,現時点の状態で評価するのは妥当ではない。

 3Di技術の標準化となると,実はオンラインゲームも例外ではないという気もしている。実績のあるフレームワークで3D仮想空間が簡単に作れるような時代になれば,当然,VWというよりはMMORPGぽいものを作る人も出てくるだろう。ゲーマー的にも,頭の片隅に置いておいたほうがいい話題かもしれない。
 
 さて,こういった情報技術の最先端のイベントレポートなのだが,文字情報ばかりで分かりづらくなっている点をお詫びしたい。4Gamerのような2D Internetも,文字だけではなく画像やムービーでよりよい情報伝達を目指しているのではあるが,今回のカンファレンスでは,プレススタッフのプレゼンテーション撮影が全面禁止とされていた(Rosendale氏がほとんどスライドを用いなかったのが不幸中の幸いだったが)。コミュニケーションの革新を目指すVW創始者やオープン化を目指す人の志は,日本の業界に届いていなかったようなのが残念だ。
  • 関連タイトル:

    Second Life

  • 関連タイトル:

    Second Life(Macintosh)

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