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「Game Tools & Middleware Forum 2013・東京」開催,SCE製ツールの最新動向を見る。PS4の動向は? PS Vitaで脈拍検出って?
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印刷2013/07/23 15:14

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「Game Tools & Middleware Forum 2013・東京」開催,SCE製ツールの最新動向を見る。PS4の動向は? PS Vitaで脈拍検出って?

ソニー・コンピュータエンタテインメント テクノロジープラットフォーム 豊 禎治氏
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 2013年7月23日,都内で「Game Tools & Middleware Forum 2013」(以下,GTMF)の東京開催が行われた。GTMFは,国内外のゲーム開発ツールやミドルウェアをテーマにしたイベントだが,毎年,東京と大阪で開催されており,7月19日の大阪開催に続いての東京開催となる。そのなかから,ここではGTMFでは恒例となっている「ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の最新テクノロジーアップデート」と題された講演の内容を紹介してみたい。講演者は,ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下,SCE)テクノロジープラットフォームの豊 禎治氏だ。

 最初に出てきたのはPlayStation 4(以下,PS4)の話題で,サードパーティ製のゲーム用ミドルウェアの対応状況が紹介された。スライドで挙げられたのはその一部とのことだが,主なミドルウェア開発会社はほとんどが対応してきているようだ。アーキテクチャがPCに近いため,PlayStation 3(以下,PS3)のときのようなSPU最適化で苦労したりということもなく,かなりすんなりサポートが進んでいるとのこと。システムとグラフィックスで兼用されるGDDR5メモリも高速なので,ほとんど最適化の必要もなく動くと,評判はよいようである。

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 続いては,SCEが開発して提供している「PhyreEngine」の紹介と最新情報に関する話題だ。
 PhyreEngineは,SCEから無償でライセンシに提供されているゲームエンジンで,2008年の提供開始以来,110タイトルで使われているとのこと。主にダウンロード版のゲームでよく使われているそうだ。PlayStationプラットフォーム間でのクロスプラットフォーム化を進めるためのエンジンでもあり,PS4,PS3,PlayStation Vita(以下,PS Vita)に対応している。
 ソースコードが提供されているほか,サンプルが20以上,そして典型的なゲームに対するテンプレートが用意されており,テンプレートをいじっていくことでゲームができるという。用意されているのは,

  • 3D 野外の1人称・3人称視点
  • 3D 室内の1人称・3人称視点
  • 2Dスプライトベース
  • 2.5D 3D/2D混在(予定)

のもので,大雑把な括りながら大半の種類のゲームに対応できそうな雛形が用意されている。例えば,野外での1人称または3人称視点ゲームでは,広大なマップをシームレスに歩き回れたりと,難しそうな部分は最初から作り込んであるので,比較的簡単にゲームが作れそうだ。開発中とされる2.5Dないし2D/3D混在のものは,高度なポストエフェクト処理に対応したもので,PS4での利用を想定したもののようである。

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 春に包括的提携が発表されたUnityについても紹介が行われた。
 PhyreEngineがPlayStationプラットフォーム間でのクロスプラットフォーム化を図るものなのに対し,Unityは,もっと広い意味でのクロスプラットフォーム化を図るものという位置付けだ。サポート対象となるのは,PS4,PS3,PS Vita,PS Mobile,そして初期の提携発表では言及されていなかったGAIKAIも加わっている。

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 Unityと提携した理由については,インディーズ系のデベロッパに参入してきてもらいたいという強い思いがあったからだとの説明があった。少人数でも開発可能な環境や,ダウンロード配信など流通環境も整っており,今後インディーズの占める割合はさらに大きくなるだろうというのが豊氏の見解だ。「少人数だからこそ新しいアイデアのゲームが出てくるのではないか」と期待しているという。
 現状のインディーズ開発者の多くはスマートフォンやタブレット市場,PC市場を活動の中心にしているのだが,ぜひタッチインタフェースだけではなく,ボタンなど,フィジカルなインタフェース向けのゲームをインディーズの人達に試してもらいたいと豊氏は語っていた。
 なお,多くのプラットフォームでゲームを配信する,とあるインディーズの話では,PS Vitaでの注目度が最も高かったとのこと。「iPhoneやAndroidでは埋もれてしまうから」というのは,喜んでいいのか微妙な理由だが,PlayStationプラットフォームがインディーズゲーム発表の場として認知されつつあるのはよい傾向だろう。また,SCEでもインディーズに最大限のサポートをしたいという。個人であればPS Mobileがお勧めで,少人数であればSCEのサードパーティソリューションが窓口になると参加を呼びかけていた。

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 PS Vita関連では,もはやお馴染みという感もあるSmartARの紹介が行われた。これは,ソニーが開発した画像認識技術で,ARで一般的に使われる記号の印刷されたARカードでなくても,任意のものをARパターンとして認識可能な技術などを詰め合わせたものだ。豊氏は,60分の1単位で処理していればARカードを動かしても立体画像がずれたりすることはなく,PS Vitaでは非常に高速な演算ができているということを強調していた。デモムービーでも,カードを大きく動かしても寸分も遅れなく追従する立体画像が確認できている。

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 その最新の応用例として紹介されたのが,7月21日まで六本木ヒルズで行われていた初音ミク関連のイベントだ。これは,六本木ヒルズの施設の一つであるメトロハット(Google ストリートビュー)を,PS VitaやXperia Zのアプリを通して見ると,初音ミクの踊る姿が見えるというもの。壁面に画像が展開されていたり,空中を浮遊するステージ上で等身大の初音ミクが踊ったり,最後には,メトロハットの上で巨大初音ミクが踊りだしたりといった具合だ。

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 PS Vitaでの新しい試みとして紹介されたのは,脈動測定だ。これは,PS Vitaのカメラを使用して心拍数を計測してみようという野心的なものである。どういう理屈かというと,人間の顔は脈動によって微妙に色が変化しているので,それを測定すれば脈拍を検出できるかも? という感じで処理を行う。実際に起こる色の変化は,RGBの1bitの100分の1くらいにすぎないとのことだが,デモを見る限り,それなりの波形が描かれていくことが分かる。
 さらに興味深いのは指を使った脈動測定だ。PS Vitaのカメラは正面右上隅に配置されているのだが,そこに指を当てて,透過光から脈動を検出しようという試みだ。こちらは2,3bitの変化があるとのことなので,顔による検出よりも現実性はあるかもしれない。ただし,じっとしてないとダメなようなので,ゲーム中の脈動をうまく取れるかということになると,ちょっと微妙なところかもしれない。
 脈拍検出にカメラを使うというのは面白い発想だが,精度はあまり高くなくても,プレイヤーの興奮状態を検出できるようになれば,ゲームにフィードバックすることでいろいろなことができそうだ。ちなみに,これはビデオ映像に対しても使えるとのことで,ストリーミングプレイヤーや動画再生ソフトに統合されても面白そうだ。

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 続いてPlayViewの動向が紹介された。PlayViewというのは,巨大な画像をシームレスに拡大縮小できる画像ブラウザで,最近ではそれを使った製品も登場してきている。攻略本や設定資料集に使われたり,ゲームで使われるようになっているという。とくに,「ねらわれた学園」の絵コンテをすべて収録したという設定資料集は2000ページのボリュームのものをPlayViewでまとめており,とくにアニメ関係の学生などに好評だという。
 ちなみに,このPlayViewは,これまで独自のライセンスで配布されていたのだが,7月末からライセンス形態を変更し,一般のPlayStation系開発ライセンスの一環として使えるものになるとのこと。

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 タイミング的にちょっと期待したPS4関連の話題はほとんど出てこなかったのだが,とりあえずかなり開発しやすいハードであることは窺えたので,各社のタイトル開発なども順調に進んでいることに期待したい。

GTMF東京開催公式サイト

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