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6000〜7000円で買える多機能ワイヤレスマウス「MX1100」を,オンラインゲームで使ってみる
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印刷2009/03/23 11:47

レビュー

一般ユーザー向けの高機能ワイヤレスマウスをオンラインゲームで使ってみる

Logicool MX1100 Cordless Laser Mouse

Text by Chun

»  一般ユーザー向けの高機能ワイヤレスマウスを入手した編集部のChunによる検証レポートをお届けしたい。4Gamerのマウスレビューといえば,ほとんどがFPS用途を前提としたものになるが,今回はオンラインゲーム,とくにMMORPGが大前提だ。


Logicool MX1100 Cordless Laser Mouse
メーカー:Logitech
問い合わせ先:ロジクール カスタマーリレーションセンター 電話:03-5350-6490
直販サイト「ロジクールストア」価格:7980円(税込)
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 2008年秋に,Logitechの日本法人であるロジクールから,「Logicool MX1100 Cordless Laser Mouse」(以下,MX1100)というマウスが発売された。ゲーマー向けブランドに属する製品ではないこともあって,4Gamerではとくにニュースにもなっていないが,これは,世界初のレーザーセンサー搭載マウスとして2004年秋に発売され,高い注目を集めた「Logicool MX1000 Cordless Mouse」(以下,MX1000)の後継に当たる製品だ。
 当時のMX1000は,押しも押されもせぬフラグシップで,約1万円という価格で発売されたのだが,2009年時点で,一般PCユーザー向けフラグシップ製品としては「Logicool MX Revolution」という製品が存在していることもあり,MX1100の実勢価格は6000〜7000円程度(2009年3月23日現在)。かつてのハイエンド製品の後継としては,まずまず悪くない価格設定になっているわけである。

 そんな製品を入手したので,今回は,ちょっとオンラインゲームで試してみようと思う。


上位モデルを彷彿とさせるデザイン

さすがにちょっと大きくて重いかも


主な付属品は単3形乾電池と,よくあるデザインのUSBレシーバ。参考までに,電池を搭載しない状態の本体重量は公称130gとなっている
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 さて,冒頭で説明したように,MX1100が4Gamerに登場するのは今回が初めてなので,ざっと紹介しておこう。
 まずそのシルエットだが,一言でまとめるならMX Revolution風。本体サイズは実測で87.7(W)×122.0(D)×48.5(H)mm,重量は付属の単3形乾電池2本を搭載した状態で同178gとなる。4Gamer読者になじみ深いだろう,4Gamerの比較用リファレンスであり,「G5 Laser Mouse」や「Logicool MX518 Performance Optical Mouse」といった,PCゲーマーにおなじみのマウスと共通のデザインを採用する「Logicool MX510 Performance Optical Mouse」と比べてみると,背の高さと,特殊な外観の“スカート”部が目を引く印象だ。

Logicool MX510 Performance Optical Mouse(右)と並べてみたところ。背の高さと,グリップ部のユニークなデザインが目を引く
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本体を手首側から見たカット
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 ゲーム用マウス的に表現するなら,「かぶせ持ち」向けにデザインされたMX1100。親指を置く部分と,薬指&小指を置く部分にはそれぞれ窪みや山がもうけられており,これら3本の指と,手の“腹”で軽く握ったときにしっくりくるようになっている。手に持ったときのフィット感は良好で,このあたりはさすがにLogitechのミドルハイクラス製品といったところか。

本体両サイド。指が自然とかかるようなデザインになっている
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 ボタン構成は下記のとおり。

  • 左右メインボタン
  • センタークリックボタン機能およびチルト機能付きスクロールホイール「MicroGear」
  • [センサー解像度調整]ボタン×2
    〜左メインボタン脇に配置される2連ボタン
  • 左サイドボタン×2
  • [ステルス・サム]ボタン
    〜親指を置く窪みの最下部に隠れて配置されたボタン
  • [MicroGearモード変換]ボタン

写真でMicroGearホイールの上に見えるのが[MicroGearモード変換]ボタン。右端に見えるのが,シーソー型の2連仕様となる[センサー解像度調整]ボタンだ
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 MicroGearというのは,カチカチとした“刻み”感のあるホイール操作を実現する「クリック・トゥ・クリック」モードと,クリック感がなく,勢いを付けて回せば何十回転(何百回転?)分のスクロール操作が可能な「ハイパーファーストスクロール」モードの2モードを持つ,Logitech独自のスクロールホイール。モード切替専用ボタンを別途用意するため,チルト+センタークリックで,3ボタンを利用可能だ。
 また,ドライバソフト「SetPoint」(Version 4.62J。2009年3月下旬時点の最新版は4.70Jだが,MX1100のサポートページからは4.62Jが入手できるようになっている)をインストールすると,左右メインとMicroGearのモード切り替えボタンを除くボタン,つまり,トラッキング解像度変更専用であるかのようにも見える[センサー解像度調整]ボタンを含む8ボタンがカスタマイズ可能になる。ちなみに,[センサー解像度調整]ボタンは,標準設定のまま使う限り,400/600/800/1000/1200/1400/1600dpiから2パターンのトラッキング解像度を割り当てられる。

バッテリー残量を示すLEDインジケータ
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 ところで先ほど,電池は単3形が2本付属すると述べたが,バッテリー持続時間は付属のアルカリ乾電池を用いた状態で最大9か月。また,面白いのは,乾電池1本でも動作する仕様になっていることで,「さすがに180g弱は重すぎる」というのであれば,電池1本で使うというのもアリだ。乾電池の重量は実測で24gとなっており,電池1本搭載時の本体重量は同154gとなる。ロジクールによると,電池1本搭載時のバッテリー持続時間は2本搭載時の半分とのことだ。
 バッテリー残量は,マウス底面の電源スイッチをオンにした直後や,マウスがスリープから復帰した直後に数秒間表示されるLEDインジケータ,もしくはSetPointから確認できる。


端的に述べて「重くて大きい」MX1100

どこまでオンラインRPGで使えるかをあれこれ試す


 さて,ここまで何度も繰り返してきたが,MX1100は重い。搭載する乾電池を1本に減らしても150g超級ということもあり,動かし始め,あるいは持ち上げたときなどに,ずっしりとした重みを手に感じる。一般ユーザー向けのワイヤレスマウスということで,重量よりもバッテリー持続時間を重視した設計になっているためやむを得ないのだが,長時間,頻繁にマウスを動かすような用途――FPSやRTSなど――には向いていない。

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 なら,FPSやRTSとの比較で語られることの多いオンラインゲームであるMMORPGに向くのか,という話になるが,よほどのまったりプレイでもない限り,頻繁なマウス操作はやはり必要になる。そして,とくに何も設定せず,そのまま使う限り,MX1100の重さは,MMORPGでもネックになる。もっとはっきりいうと,長時間使うには重すぎる。
 では,8個も用意されたカスタマイズ可能なボタンを活用するとどうだろう? よく使うキーボードショートカットを割り当てて行くことにより,左右両手への負担を,全体として低減させたり,あるいはマウスの移動量を減らすことで,重さの問題をクリアできたりはしないだろうか。
 というわけで,「MMORPGのプレイ中,マウスとキーボートを最も使う」例といえるRaid(レイド,英語的な意味では「襲撃」だが,ここでは長時間にわたる大規模戦闘,くらいの意)を試してみることにした。


MMORPGで試行錯誤してみる


[センサー解像度調整]ボタンのデフォルト状態(上)と,キーストロークを割り当てたところ(下)。ここでは,マウスの先端側「キーストローク1」に[t]キー,手前側「キーストローク2」に[Shift]+[t]キーを割り当てた例を示した
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 先ほど軽く触れたが,ボタンのカスタマイズはSetPointから行う。具体的には,機能を割り当てたいボタン(など)に対して「キーストロークの割当」を選ぶと,任意のキー,もしくは[Ctrl]や[Alt][Shift]キーといった修飾キーと任意のキーの組み合わせを割り当てられる。マクロなどとは異なる,純然たるキーバインドなので,マクロなどの操作自動化ツール類を禁止するオンラインRPGの利用規約には,基本的に違反しないはずだ(※100%そうだと断言もできないので,利用に当たってはゲーム側の規約をよく読んでほしい)。

 では,何を割り当てるか。
 一般的なMMORPGとキーボードで考えてみると,ゲーム側のショートカットバーに割り当てたスキルなどは,キーボードの[1]〜[0]キーや[F1]〜[F12]キーで発動できるようになっていたりする例が多いが,最近のMMORPGで移動用として当たり前のように割り当てられている[W/A/S/D]キーでキャラクターを移動させながらだと,[7]〜[0]キーや[F5]〜[F12]キーを押すのは少々面倒くさいことになる。さらに,ショートカットバーを3本以上表示できるような場合だと,[Ctrl]キーや[Alt]キーと[1]〜[0]キーの併用すら要求されることも多くなるので,左手一本では文字どおり手に負えない状態になってしまう。

 あるいは,左手の負荷を減らすという観点から,ターゲットの切り替え,(ゲームタイトルにもよるが)職業固有のコマンドといった,戦闘時によく使うコマンドを,マウス側に振るアイデアも考えられる。

深く「かぶせ持ち」を行うと,すべてのボタンに指が届くが,長時間,疲れないようにマウスを握るとなると,下の写真のように,手首を机(など)に置く格好となる。そして,この状態だと,[センサー解像度調整]ボタンと左サイドボタン,それぞれ奥側(※写真左側)に指が届きにくくなる。なお,筆者の持ち方はやや特殊なので,上の写真は薬指が右メインボタンにかかっているように見えるかもしれないが,実際にはかかっておらず,マウスを側面からホールドしている
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 というわけでいろいろ試行錯誤してみたのだが,MX1100を活用するに当たって,一つ,大きな問題に気づいた。それは,「いくつかのボタンに指が届かない」という点である。
 本稿の序盤で述べたとおり,本製品は「かぶせ持ち」に特化したデザインとなっている。とくに,手首をマウスパッドから浮かせた状態で,深めにしっかりとホールドすると,すべてのボタンに指が届くようになる。だが,手首を机(やマウスパッド)から浮かせるこの持ち方は,長時間マウスを使い続けるのにあまり向いていない。
 マウスを長い時間使うに当たっては,手首を机なりマウスパッドに置き,浅めにマウスをホールドし,手首を起点にマウスを振るような使い方をするのが最も疲れないため,筆者はこう使っているし,MMORPGをキーボードとマウスでプレイする人の多くもそうだろう。この持ち方をすると,メインボタンとスクロールホイール以外で指が届くのは,[センサー解像度調整]ボタンと左サイドボタンのそれぞれ手前側,[ステルス・サム]ボタンのせいぜい3個。使いこなせるボタンの数は2個減ってしまうわけだ。

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手前側の[センサー解像度調整]ボタンに[Shift]キーを割り当てたところ。[Shift]キーは,任意のキーと組み合わせて利用するのが想定されているため,「Shift+」と表示されるが,この状態で[適用]ボタンを押せば,[Shift]キーが割り当てられる(※画像をクリックすると別ウインドウで全体を表示します)
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本体左サイドのグリップ部,スカートの最下部に3個の突起が見える。[ステルス・サム]ボタンはこの下にあり,親指の腹で簡単にクリックできる
 ただ,それでもチルトホイールを入れて6個ある,という事実もある。今回は,操作中にうっかり押してしまいかねないと思った[ステルス・サム]ボタンにターゲット変更,手前側の[センサー解像度調整]ボタンに[Shift]キー,手前側の左サイドボタンに[Alt]キーを割り当てて使ってみたが,左手の負担は明らかに減った。[Shift]と[Alt]の押し分けは慣れが必要だが,一度慣れればどうということもない印象だ。

 とくに便利だったのは[ステルス・サム]ボタンでのターゲット変更で,キーボードの[W/A/S/D]キーで移動しながらマウスで視点をコントロールしつつ,ちょっと親指を寝かせるだけで周辺の敵に素早くターゲットを変更できるというのは,素直に心地いい。

 また,筆者はキーボードで[1]〜[0]キーを押し分けるのに慣れきっていることもあって,それほどの利便性を感じなかったが,スクロールホイールボタンとチルト機能の“3ボタン”に,例えば[7]〜[9]ボタンなど,左手の指では届きにくいボタンを割り振っていくのも,人によってはアリだと感じた。
 一方,割り当てを変えてテストしているうちに気づいたのは,今回のような浅めの握り方だと,左サイドボタンは,ここに親指をかけて連打するような使い方にはあまり向かないということ。「連打にはまったく向かない」わけではないのだが,連打時にホールド感が多少失われるため,不意にマウスが動いてしまう危険がある。今回,筆者が落ち着いたように,押しっぱなし系のキーを割り当てるなり,あまり連打の必要がないキー/コマンドを割り当てたりするほうがよさそうだ。


“6ボタン”仕様に可能性を見いだせるならアリ

もう少し軽く,コンパクトだとよりいいのだが……


製品ボックス
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 今回,いい意味で「何も語ることがなかった」のは,無線の安定感である。2.4GHz帯を用いる,最近のワイヤレスマウスらしい仕様になっているのだが,少なくともMMORPGをプレイするに当たって,カーソル追従の遅延はほとんど感じられない。また,一般ユーザー向けに最適化されていることで,バッテリーの“持ち”がとにかく良好なため,長時間のゲーム中に,バッテリー残量を気にする心配はまず無用。ワイヤレスマウスをオンラインゲームで使うに当たって懸念する材料が,MX1100ではほぼ払拭されているといえる。

 また,用意されているボタンのすべてを使うのはかなり難しい一方,うまく割り当てられれば,キーボードを操作する左手の負担をかなり軽減できるのも確かだ。ずっしりと重いマウスをいろいろ使いこなさねばならず,右手への負担は明らかに増えるので,このあたりはトレードオフだが,「6ボタンでまかなえる」と判断した人にとっては,乗り換えるだけの価値があるだろう。

 ただ,こうして試してみて分かったのは,「MMORPGをプレイするのに最適化されたマウス」の必要性だ。MX1100が持つボタンの数はそのままに,最低でも30g以上軽量化し,また,長時間のマウス操作用にホールド位置を変更しても,すべてのボタンに手が届くほど小型化を果たした製品が出てくれば,面白い存在になりそうなのだが……。
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