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AMD,NVIDIAへ移籍した元副社長と元管理職計4名を「機密情報持ち出し」の疑いで提訴
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印刷2013/01/17 15:52

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AMD,NVIDIAへ移籍した元副社長と元管理職計4名を「機密情報持ち出し」の疑いで提訴

 AMDの元副社長であるRobert(Bob) Feldstein氏がNVIDIAへ転職したという話は,2012年7月25日の記事でお伝えしてしているが,そのFeldstein氏と,AMDでマネージャー職を務めていたManoo Desai氏,Nicolas Kociuk氏,Richard Hagen氏の3名,合わせて4名が,詐欺や不正競争防止法違反の疑いでAMDから告訴されたようだ。
 オンラインの文書共有サービスであるScribdに訴状のコピーがアップロードされているので,それを元に,何が起きているのかを簡単に整理しておこう。

訴状のコピー

AMD lawsuit by Zack Whittaker



大量の機密ファイルをNVIDIAに持ち出した疑いで

AMDが元幹部と元管理職計4人を提訴


 さて,訴状のコピーによれば,4名は,AMDを去る前に,10万におよぶAMDの内部ファイルを外部ストレージへコピーし,持ち出した疑いがあるという。ファイルの中身は,AMD社内のデータベースから取り出されたデータや電子メールなどで,機密の契約情報や技術情報も含まれているとのことだ。AMDは,重要顧客との契約情報やAMDの戦略的なライセンス情報など,「3つの最重要ファイル」をFeldstein氏が外部に持ち出しているとし,これらがAMDの競合であるNVIDIAの手に渡れば,同社が不当に優位性を得ることになると,訴状のなかで主張している。

 先の記事でお伝えしているとおり,Feldstein氏は最近の据え置き型ゲーム機にAMDのGPUを採用させた立役者であると言われている。訴状に記されている「重要顧客との契約情報」には,据え置き型ゲーム機などに関連する契約条件などが記載されている可能性もありそうだ。
 また,Desai氏が,AMD社内のデータベースから極秘の技術情報を200件以上持ち出したとも,訴訟には記されている。これらには,AMDのプロセス技術や製品開発に関する情報が含まれているとされており,ざっくり言ってしまえば,経営関連のものから技術関連のものまで,機密性の高い情報がごっそりと外部に持ち出されてしまったと,AMDは考えているわけである。

 なお訴状には,Desai氏らがやり取りした電子メールや,Kociuk氏が「大量のファイルをコピーする方法」をインターネット検索していた証拠があると記されており,AMDは,外部に持ち出した情報を返却するよう求めている。
 訴状の日付からして裁判はこれからといったところだろうが,裁判所は,4人がデータを持ち出した先とされるストレージデバイスの保全命令も出しており,その命令には,ストレージデバイスのシリアル番号も記載されていた。

裁判所による保全命令

AMD restraining order by Zack Whittaker


 今回の訴訟はあくまでも名前の挙がっている個人に対してのものなので,NVIDIAが本件に対してコメントを出したり,何かしらのアクションをとったりするかどうかは分からない。また,対個人の訴訟ということで,AMDとしても「情報がNVIDIAに渡った」という確証は得られていないと見ることはできるだろう。
 本件は,GPU市場におけるAMDとNVIDIAの競争の激しさを物語るものである。どういう決着を見ることになるのか,続報を待ちたいところだ。
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