テストレポート
PlayStation Vitaを分解してみた。内部構造にプロセッサなど,気になるところを写真でチェック
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ただ,中身を見るには分解が必要で,分解には,故障の恐れがあるうえ,分解した時点でメーカー保証が受けられなくなるため,「気にはなるけれども,試してみようとは思わない」という人が大多数ではないかと思われる。
それならば,ということで,4Gamerが独自に入手した個体を1台犠牲(?)に分解してみたので,順を追って,その内部に迫ってみよう。なお,PS Vitaの外観や基本仕様はあらためて説明しないので,そのあたりは,先に掲載したフォトレポートを参照してもらえれば幸いだ。
※注意
分解はメーカー保証外の行為です。この記事を参考に分解などの行為を行った結果はすべて,行った本人の自己責任です。メーカーや購入店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も,一切の責任を負いません。4Gamerとして分解を推奨する立場には立っておらず,質問も受け付けておりません。
なお,本稿で紹介する内部構造は,分解した個体に関してのものであり,すべての個体に共通した仕様であるとは限りません。
背面カバー部にはバッテリーユニットと
マルチタッチパッド関連のセンサーなどを搭載
まず,殻割りにあたっては,「目に見えるネジを全部外す」。すると,背面カバーを取り外せるようになる。
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背面カバー部の両サイドに見えるアルミ板っぽいものは,両面テープで固定された,チップタイプのスピーカーユニットだ。また,いくつか接点も確認できると思うが,PS Vitaのマルチタッチパッドは静電容量方式を採用しているので,おそらくこの接点は,静電容量の変化を追うために用意される電極列のものではなかろうか。
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![]() チップタイプのスピーカーユニットを本体両サイドに搭載 |
![]() アルミカバーに覆われた,位置検出用のチップらしきものも見える |
3G+無線LANカードだけ星型ネジを採用
各種プロセッサは金属板で覆われる
さて,メイン基板に目を移すと,写真向かって右側には,SIMカードスロット部がユニットとして独立して用意されていることが分かる。今回分解しているのは「3G/Wi-Fiモデル」だが,「Wi-Fiモデル」では,このユニットがそのまま省かれるのだろう。
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| メイン基板側。向かって右上に見えるのがSIMカードスロット部だ |
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| SIMカードスロットのユニットを取り外したところ |
SIMカードリーダーユニットを除くと,基板は3ピース構成になっている。マザーボードと,入力インタフェース用基板が2枚だ。
先に,SIMカードリーダーユニットが取り付けられていたほうの基板からだが,こちらは,目に見える青いネジを外せば,造作もなく取り外せる。
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なお,コネクタの形状からも想像できるとおり,3G+無線LANカードのインタフェースは,少なくとも物理的にはmini PCI Expressと完全互換だった。
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| 3G+無線LANカードを取り外したところ。接続インタフェースはmini PCI Expressに見える |
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| 確認のため,mini PCI Expressカードスロットを搭載するZOTAC International製マザーボードに取り付けてみた。PCI Express規格を踏襲するかどうかは断言できないものの,物理的にはmini PCI Express互換であるわけだ |
ここまで進むと,あとは残りのネジを外せば,もう片方の入力インタフェース用基板,そしてマザーボードを取り出せるようになる。
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ただ,電磁波の影響を防ぐためか,放熱のためか,はたまた仕様を隠すためなのか,マザーボードは表裏ともかなりの部分が金属製のカバーで覆われており,あまり面白みがない。
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というわけで,面白くしてみよう。
カバーを無理矢理取り外してみると,いろいろなチップが姿を見せる。
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まず,SoCと思われる白いチップだが,これには「HB44C026A」もしくは「MB44C026A」という刻印がある。PS VitaのSoCはSamsung Electronics製という話が出ており,同社は「S3C44A0」「S3C44B0」といった型番でARMベースのプロセッサを出していたりするほか,富士通には「MB44C〜」といったチップがあったりするので,どちらかの流れを汲むカスタムチップではなかろうか。
おそらくこれに,4基のCortex-A9や,SGX543MP4+,容量512MBのメインメモリ,そして容量128MBのグラフィックスメモリなどが統合されているのだろう。
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HB44C026Aよりも大きく,ソニー・コンピュータエンタテインメントの会社名,そして「CXD5315GG」という型番の刻まれたチップも見えるが,こちらはPS Vitaの主要回路系を統合したもののように思われる。
東芝のロゴがあるチップは,NAND型フラッシュメモリ「THGBM3G5D1FBAIE」。型番からすると,容量は4GBである。ファームウェアやOS用と判断するのが妥当だ。
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金属製カバーを取り払った状態で基板の裏側を見ると,「SCEI」刻印の小さなチップと,オーディオ系コントローラでよく知られたWolfson Microelectronics製のカスタムチップ「WM1803E」が見て取れる。前者はヒントなしなので分からないが,後者は型番からすると,ハンドヘルド機器向けの統合型サウンドコントローラだろう。
![]() SCEI刻印のチップ。その近くに置かれた「3GA51H」と書かれたチップも含め,詳細は不明だ |
![]() WM1803E。スピーカーやヘッドセットの制御用コントローラチップだと思われる |
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以上,部品点数はかなり多い印象で,限られた筐体内によく収めてきたな,と感心せざるを得ない。外部グラフィックス出力端子はパターンすら用意されていないので,本当に置く場所がなかったのだろう。このあたりはプロセス技術の微細化が進むのを待つほかなさそうである。
ちなみに今回分解したPS Vitaだが,組み直してみたところ,仮組みだと動作するのに,ネジ留めすると動作しないという現象に陥ってしまい,現在も格闘中である。フレームグラウンドのせいか,接触が甘くなってしまったせいか,今のところはっきりしないが,「エンドユーザーが分解しても何もいいことはないので,やめたほうがいい」という根拠にはなったかもしれない。
4GamerのPS Vita特設サイト
PlayStation公式サイト
※2011年12月18日13:20追記
読者からの情報提供を参考として,SoCに関する記述部分を加筆しました。
- 関連タイトル:

PS Vita本体 - この記事のURL:
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