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NVIDIA,x86市場へ? 2〜3年以内にグラフィックス機能統合のx86 SoCを投入する構想が明らかに
これは,北米時間2009年3月3日に開催されたWebcast(※電話会議と考えていい),「NVIDIA Corporation at Morgan Stanley Technology Conference」において,同社のIR&コミュニケーション担当上級副社長であるMichael W. Hara(マイケル・ハラ)氏が,質問に答える形で明らかにしたもの。x86 CPUの開発を決定したわけではないとしながらも,登場するとすれば2〜3年後として,x86ベースのSoC(System on a Chip)を投入する構想があると認めている。
誤解を恐れず,極めてシンプルにまとめるなら,NVIDIAは「IntelやAMDのCPUと,エントリー市場で直接的に競合する,グラフィックス機能およびサウスブリッジ機能統合型CPU」を,投入する計画が存在すると明かしたことになる。
Hara氏はWebcastで,「(ARMベースのSoCとなるNVIDIAの)Tegraは統合された一つのコンピュータであり,x86市場と同じ(CPUとGPUを統合した)アプローチを取るのは理に適っている」「SoC市場にはまだ空きスペースがあり,そこに参入しない理由はない」と発言。そして,AtomとIONプラットフォームでは,十分なソリューションといえないとしたうえで,「(x86ベースの)SoC製品を2〜3年後に提供することについて,我々は疑問を感じていない」と述べている。
要するに,SoCの選択肢として「x86互換CPU」のプランがあり,x86市場を遠くに見据えつつも,まずはTegraでその足がかりを掴みたい,ということのようだ。
記憶が確かなら,NVIDIAはx86アーキテクチャのCPUを製造するライセンスを持っていない。つまり,そもそも本当に市場へ参入できるのかも分からないため,この構想がどこまで実現するのか,今の時点で予測することは難しい状況だ。
同時に,今回のx86 SoCが,IONプラットフォームの単なる置き換えしか狙っていないというのはちょっと考えにくい。当然,いまNetbookやNettopが置かれているラインより上の,数百ドルレベルの低価格ノートPCやデスクトップPCも視野に入っているからこそ,こういった発言が出てきたのではなかろうか。
いずれにせよ,まだ構想が語られたに過ぎない。今後,どういった展開を見せるのか,注意深く見守っていく必要があるだろう。
※11:50追記:Webcastを注意深く聞き直したところ,一部,初出時の本文に誤解を生む表現がありましたので,Hara氏の発言を引用するとともに修正しました。
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