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立体視アートやiPhone制御のラジコンなど新アイテムが多数出展「東京おもちゃショー2011」レポート
昨年のレポートで「トレンドは『エコ』と『東京スカイツリー』だ」と書いていたのだが,困ったことに今年も同じような様相……。ともに昨年より勢力を強めている感じだ。新しいものといえば,あえていえば,立体視だろうか。国内外から最新製品が集まった会場の様子をさっそくお伝えしたい。
iPhone,iPad関連製品
ネタはいろいろあるのだが,4Gamer的に親和性の高そうなところから先に拾ってみよう。
●appCopter/appRacer
まずは,iPhoneでコントロールするラジコン機器からだ。こういったものでは,「AR Drone」が話題になっていたのだが,値段はamazon価格で3万円程度とちょっとお高めで,4軸制御ヘリコプターとはいえ,ちょっと手を出すのをためらう人も多かったのではないだろうか。
今回展示されていたappCopterは予価6600円(税込)と,かなりお手軽だ。これはappToysによる製品で,日本ではウィズから発売されることが決まったようだ。
このappCopterは,iPhoneの下に赤外線発信機を取り付けるような感じで使用する。ラジコン操作は,iPhoneを傾けて行うという体感的なインタフェースとなっている。このあたりは,appToysによるムービーを見てもらったほうがいいだろう。
同様に,ラジコンカーを動かすのが,appRacerだ。こちらも予価6600円(税込)となっている。appRacerについては,iPhoneをハンドルにはめ込んで操作するappWheelも発売される予定だ。操作に必須ではないようだが,より雰囲気を楽しみたい人にはお勧めかもしれない(予価1500円)。いずれも9月発売予定とのこと。
もう一つのappToys製品,appBlasterも9月発売予定だ(予価2800円)。
これは銃にiPhoneを取り付けてスコープ代わりにする感じのものとなる。先日のE3で,Wii Uに銃の台座を付けたようなアタッチメントが公開されていたが,大きさ的にはiPhoneのほうが現実的であるような気はする。
対応ゲームは,カメラ映像にモンスターなどを合成したAR仕立てだ。モンスターは画面右下にあるレーダーで位置を確認できるので,それを頼りに周囲に現れる敵を銃で倒していく。
現状のものはGPSには対応していないので,特定の場所に対応したモンスターを出すようなことはやっていないのだが,将来的にはそういった方向の展開もあるという。
銃の部分にはトリガーが2つ付いているのだが,片方は通常弾でリロードが可能。もう片方はミサイル弾で,弾数は限られるという仕様だ。
●ARカードダス
これはカードダスのカードを,iPhoneを使ってARでキャラ表示させてバトルが楽しめるというもの。カードの裏にはAR用のパターンが入っており,iPhone用アプリを起動してカメラでカードのマークを写すことで該当キャラを呼び出せる。
ゲーム内容は,カードから呼び出したキャラと対戦を繰り広げてミッションをクリアしていくというものになっている。写真のONE PIECE以外に仮面ライダーオーズのものも用意されている。
スマホっぽいオモチャ達
世相を反映してか,スマートフォンやタブレットデバイスの類似品が増えてきている。ちょっと前まではノートPC風の知育玩具だったものが,タブレット風に変わってきているのは感慨深い。子供の興味範囲とはちょっと違うのではないかという気はするのだが,タッチセンサなどは,もともと玩具向きといえなくもない。
ゲームセンター向けのオモチャ達
バンダイがガンプラの新しい遊び方として提唱しているのが,ゲイジングである。
プラモデルには,1体に1個,ゲイジング用のフィギュアには,
頭+胴体
右腕
左腕
下半身
の4つの部位にチップが入っている。
プラモデルについては,3体を選んでチーム対戦させて遊ぶモード,専用フィギュアについては,手足などを組み替えて自分のオリジナル機体を作って遊ぶモードとなる。
戦績は,エイジデバイスという別売りの機器に記録され,戦いごとに経験値が蓄積される。経験値が溜まればレベルアップして,より強くなっていくのだが,ゲームセンターまで行かなくても経験値が溜められるように,ハロの形をしたドックも別売される予定だ。ハロ自体も経験値で成長していき,最初は数語しかしゃべれないのだが,最大23語の単語をしゃべるようになるという。
また,ゲームセンターのゲージングバトルベースでは,持ち込んだガンプラをカメラで写して登録するといった機能も付いているという。ランキングなどで表示されるのだろう。「子供達大喜び」だそうだが,大きなお友達は変なモノを持ち込まないように。
タカラトミーは展示していたポケモンバトリオVは,現在稼動中のポケモンバトリオゼロから大幅進化したバージョンで,7月から稼動する予定だ。V01弾は「黒き雷・白き炎」とのサブタイトルがついており,ゼクロムとレシラムがフィーチャーされている。ピクティニやダイケンキといったイッシュ地方のポケモンが登場するほか,パックが新たな「スピンパック」に変わり,登場するポケモンもシステムも一気に様変わりする。
9月に発売予定のパックセット10(ブラック/ホワイト)では,強力なパックを一気に10枚入手できるほか,ゼクロムやレシラムを「こうりん」で呼び出すことのできるパックが入っているという。
実は,書いてる側は全然意味が分かってないのだが,たぶん凄いので期待しておこう。
マンガやアニメなどでも展開している「プリティーリズム・オーロラドリーム」のアーケード版ゲーム機も会場に展示されており,オーロラドリームデビュー編に続いて7月から稼動する「シーズン5 プリズム・バトポン編」のデモが行われていた。アニメのサマークイーン編が終わってクリスタルハイヒール編が始まる時期に合わせて,ゲームのほうも9月からは「シーズン6 アイドルデビュー編」に切り替わる予定のようだ。
今年は不作だった食べ物系
寂しいことに,今年の展示では食べ物関係はめっきり減ってしまった。会場内で見つかったものをいくつかピックアップしてみたい。
タカラトミーが出展していたのは,ガリガリ君をカキ氷にするため専用の器具だ。ガリガリ君といえば,名前は誰でも知ってるといえるくらいメジャーなソーダアイスで,今年で30周年を迎えるらしい。とはいえ,30年前には,もうそんなものを食べる歳ではなかったので,個人的には一度も食べたことがない。それはともかく,多くの人にとっては思い入れのある商品のようで,実演デモも注目を集めていた。
アイスの棒の部分に合わせて蓋をするようにガリガリ君を容器内にセットし,左右に捻ってガリガリと削っていく。ガリガリ君を柔らかく削れるように刃の部分も工夫が凝らされているとのことで,滑らかなシャーベットに仕上がるようだ。
●氷製ビアジョッキ
夏に向けての大人向け玩具(?)として,家庭で氷製ビアジョッキを作れるキットが展示されていた。氷の容器部分を冷凍庫で作り,プラスチックの取って部分を取り付ける。家庭用ビアサーバーなどと組み合わせるとよさそうだ。飲みかけで放置できないので,融けてビールが薄くなる前に飲み干したい。
●米パン
メガハウスの米パンは,ご飯を使ったパンを作るためのセット。最初は米粉を使ったパンかと思ったのだが,ご飯をすりつぶして使用するようだ。これじゃ,お餅っぽくならないのかと若干心配になるのだが,さすがに小麦粉なども加えるのでちゃんとパンらしく仕上がっている。
一斉に出てきた立体視玩具
今回の会場では,いくつか立体視モノの展示があったのでまとめて紹介してみよう。
まずは,セガトイズの「3DスプレーアートPRO」から。これは,エアブラシ風のペンとマーカー類,そして専用メガネがついている画材セットだ。これで絵を描き,専用メガネをかけて見ると,絵が立体的に見えるというもの。メガネは平らで無色のレンズがはまっているだけの簡単なものなのだが,確かに奥行きがあるように見えるのだ。
そのメガネをかけて白と黒のエッジがあるような部分を見ると,エッジ部が虹色になって見える。左右方向にだけズレが出ており,上下方向には出ていない。これは,いわゆる色収差という奴だ。普通のレンズは,色収差が出ないように工夫をこらすのだが,故意に収差を大きくしたフィルタを利用しているのだと思われる。左右の目で逆方向にズレるようにレンズを配置しておけば立体視ができそうだと分かる。
こういったものは周波数によってズレ方が違うので,例えば赤色は奥側にズレて見え,青色はもう少し手前側にといった感じで立体的に見えるのだろう。たぶん,画材はなんでもよいのだろうが,一定範囲を同じ色で塗るタイプでないと立体感が分かりにくいだろうから,エアブラシというのは理にかなっている。
同じ原理をもっと大規模に使っていたのがテンヨーだ。手品関係のグッズなども多く扱っているところだが,上のものとほぼ同じ原理のものを,床の上に魔法のじゅうたんが浮かんでいるように見せるマジック玩具としてデモを行っていた。下に青いマーカーのついたシートを置くのがミソだろうか。実際,メガネをかけると10cmくらい浮いているように見える。
自分が書いた絵が立体になるものとしてもう一つ出展されていたのが,バンダイの「3Dデコデルカ」。こちらは,メガネをかけるのではなく,絵の上にフィルタを貼り付けるタイプだ。原理としては,絵を描くシート側に特殊な模様が書き込まれており,その上に絵を描き込んだあとで,これままた特殊なレンズを貼り付けると裸眼立体視できるようになるというものらしい。
キャラクターモノあれこれ
ゲーム関係のものとしては,ゲームキャラのフィギュアやさまざまなグッズがいくつか展示されていた。ゲームに関係ないものもあるが,まとめて紹介しておこう。
カプコンブースに展示されていた巨大なオトモアイルー。足元の札を見ると,「カプコンフィギュアビルダー スタンダードモデル オトモアイルー Vol.2」で8月上旬発売ということが分かるのだが,この大きさのものが発売されるわけではないと思われる。
ちなみに,スタンダードモデルのVol.1の存在は確認できなかった。ライトモデルならいくつか出てたはずなんだが。
アイルー以外に,クリエイターズモデルで雷狼竜ジンオウガなどもジオラマで展示されていたほか,もう少し小さなフィギュアシリーズなども多数展示されていた。
さまざまなエコの取り組み
会場では,あちこちで「エコ」をテーマにした展示も行われていた。
その他,会場で見かけた面白グッズ
テンヨーが出展していた不思議なグッズ。
まず,何枚かのカードから1枚を選んでもらう。カードを山に戻し,一列に並べる。そのカードを「第三の目」を額に付けて見ると……。どのカードが選ばれたか分かるのだ。
第三の目の部分は赤いLEDが点滅しているのだが,それを額のあたりに置くと,該当カードの表面で特定のポイントが赤く点滅するのが見える。第3の目を持っていない人にはなにも見えない。カードマジックの部分は置いておくとして,特定の条件で再帰性反射になるような材料ってあったっけと考え込んでしまう。ひょっとするとかなりハイテクグッズ? パーティグッズとして使うと盛り上がりそうだ。
●スカイツリー各種
会場内にはスカイツリーの模型が多く展示されていた。昨年もそれなりに目立っていたのだが,今年のほうがやはり多い。
そのうちいくつかは,「粋」と「雅」の2種類の状態を切り替え可能なモデルが展示されていた。粋と雅とは,スカイツリーの基本照明パターンのことだ。システム自体は自由自在に照明パターンを作れるようだが,スカイツリーを代表するパターンとして「粋」「雅」というキーワードをイメージしたものが日替わりで使われる予定となっている。
年初のインテルフォーラムで,なぜかスカイツリーのイルミネーションデザイナーからプレゼンされているので,このあたりはちょっと詳しい。本来,粋はタワーの内側から照明し,雅は外側を光らせてるので,単に色を変えただけではあの雰囲気は出ないのだ。その点,バンダイのスカイツリーはちゃんと照明方法も変えてあり,ちゃんと再現しようという意図が感じられる。
右下の2つは照明方法を変えている |
ペーパークラフトのスカイツリー |
東京スカイツリーを模した巨大な貯金箱。63万4000円以上貯金できるという |
ナノブロックで作ったスカイツリー。去年のダイアブロック版はデモ的なものだったが,これは商品版のようだ |
人間型の楽器に見えない楽器で,他人と接触することでいろんな音が鳴るという。とはいえ,人間型の本体の手足などにある銀色のボタン部分を2人でそれぞれ触っていると,ボタン部分の組み合わせで決まった音が出てくるというもの。もう少しテルミンぽいアナログなデバイスを期待していたので,ちょっと肩透かし。まあ,これ自体は楽器としてはあまり面白くないような気がするのだが,パーティなどで女の子に堂々とタッチできるというのがメリットなのだろうか。
●ピタオシジョーギ
対戦型文具。12cmの定規として使用できる文房具だが,いくつかのモードを持っており,例えば,メモリの3の位置でボタンを押すと,ボタン連打測定のミニゲームモードになる。ピタオシジョーギ同士を向かい合わせて配置し,互いに5の位置でボタンを押すと,この文具のメイン用途である対戦モードとなる。対戦は,攻撃・防御でターンが分かれており,最初,防御側は1cm刻みで並んだ12個のLEDがすべて点灯した状態となっている。攻撃側はLEDの点灯位置が高速に移動しており,目押しで停止させていく。目押しで止まった位置の相手側LEDは消えていくので,相手のLEDを先にすべて消すことができれば勝利となる。ゲームが進行するにしたがって厳密な目押しが必要になるほか,LEDの移動速度も上がっていくという仕様だ。最大20ターンなので,数分でケリがつくゲームとなっている。
今年の大人の超合金は宇宙探査機「はやぶさ」だ。イオンエンジンの動作状態をLEDで再現できる |
こちらは,プラモデルの新シリーズ |
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