― レビュー ―

 

 前回で述べたとおり,SWGでは有用なアイテムはすべてプレイヤーの手によって作られる。今回はそのようにして作られたアイテムを,売買する方法を紹介していく。

 これはどのMMORPGにおいてもそうだが,最も基本的なアイテムの販売方法は,商品を持って人の多いところに赴き,周囲全体に聞こえるチャットなどを使って買い手を募ることだ。もちろんSWGでも,この方法は有効である。コアタイムにシードやコロネットに行けば,誰かが売り文句を叫んでいるところが見られる。現在サーバーに接続しているプレイヤー全員が読める,オークション専用のチャットも用意されているので,それを活用するのも良い。滅多にお目にかかれないレアなアイテムを売ったり買ったりしたい場合,このオークション・チャンネルはとくに役に立つだろう。

 しかし,こういったチャットを使った販売は,基本的には自分がキーボードの前に座っているときにしか行えない。プレイヤー相手の商談はとても楽しい体験の一つだが,さすがに時間のかかるこの方法だけで生産者ライフを送っていくことは難しいだろう。  幸いSWGはプレイヤー自身がログインしていなくても,他プレイヤーにアイテムを売るための仕組みが充実している。生産に手を染めるからには,これらをぜひとも活用したい。


とある日の英語サーバーの様子。コロネットのスターポートには多くの人々が集まり,ショップやステータスアップ販売の宣伝をしていた 正式サービス開始後,間もない日本語版サーバーの様子。シードの駅前ではすでに宣伝用のドロイドを見かけることができた



 SWGの多くの町にはバザー・ターミナルが設置されており,プレイヤーはこのターミナルを通じてアイテムを売りに出せる。売りに出したアイテムはプレイヤーのインベントリから消え,同じようにバザー・ターミナルにアクセスした他プレイヤーが購入可能な状態になる。一度売りに出したアイテムは,出品者がその場を離れたり,ログアウトしたりしてもそのままバザー上に存在し続けるので,これを利用すればアイテムを一つ一つ手で売って歩くよりも,効率の良い商売ができる。

 SWGでは,どんなに基本的なアイテムでもNPCからは購入できないので,ちょっとした必需品を買うためにバザーを利用するプレイヤーは多い。しかもバザーに出品したアイテムは,銀河中のどのバザー・ターミナルからでも購入可能な状態になるので,売れる確率もかなり高くなる。生産者としてまだ駆け出しの時期は,このバザーの仕組みを使って蓄財に励むと良いだろう。

 ただし,バザーに出品するアイテムにつけられる値段の上限は6000クレジットだ。生産関連のスキルが上がり,より価値のあるアイテムを作れるようになったときには,いよいよ自分自身の店を持つ必要がある。


バザー・ターミナルは銀河の至るところに設置されている。どのターミナルからでも銀河中の出品物にアクセス可能なので,とても便利 バザー・ターミナルにアクセスすると,こんなウインドウが開く。いま自分がいる地域で出品されているアイテムであれば,その場で購入が可能だ



 SWGでは,惑星上に自分の家を建てることができ,そこに家具を設置したり,アイテムを蓄えたりできるほか,ベンダーを雇って店番をさせることが可能だ。ベンダーを雇うには特定のスキルが必要で,さらに給料を払う必要があるが,付けられる値段に上限はないため,バザー・ターミナルを使っていたときよりも規模の大きな商売ができるようになる。お客さんが訪れることを想像しながら店の内装を整えるのは,非常に楽しい作業だ。

 ただし,バザー・ターミナルに出品したアイテムが容易に銀河中のプレイヤーの目に触れるのに対し,ショップベンダーに扱わせた商品は店まで足を運んでくれたプレイヤーしか見られない。そのため,自分がそこで商いを営んでいることを他プレイヤーに知ってもらう必要が出てくる。

 有効な宣伝方法の一つは,マーチャント関連のスキルを上げて,プラネタリーマップ上に自分の店の位置を他のプレイヤーからも見えるように表示させることだ。多くのプレイヤーは,プラネタリーマップに表示されたベンダー情報を頼りにショップ巡りをするので,この宣伝方法は大変効果的である。オークション・チャンネルなどに自分の店の情報を流して宣伝するのも,いい手だ。

 それ以上の商売のコツとなると,これはもう現実の世界と同様である。品数を多く揃え,常に在庫を切らさないようにしておけば,カスタマーに「ああ,○○がほしいときには,この店にくればいいんだな」と良い印象を持ってもらえる。一度いい印象を持ったショップには,二度三度と足を運んでくれるようになる。値段を適正に抑えておけば,そのウワサは口コミでどんどん広がっていく。店内に凝った飾り付けをすることで,訪れた人により強くアピールするという戦略も考えられる。

 このように,ゲームシステム以外の部分であれこれと知恵を絞り,自分なりのやり方を編み出していけるところは,いかにも戦闘だけではなく生活も楽しめるSWGらしい部分だ。


こぎれいな内装のプレイヤーショップ。宣伝や出店場所など多くの要素を自分でコントロール可能で「自分の店を持つ喜び」が強く味わえる 町ぐるみで商業活動に取り組んでいるプレイヤーシティも。活動の活発な町には,それだけアクティブな生産者が居を構えている可能性も高い



 アイテムを作って売る側ではなく,買う側の視点からも見ていこう。

 SWGで自分の欲しいアイテムを購入するのは,本当に大変だ。バザーで手に入るような安いアイテムでも,今自分がいる地域で出品がない場合がある。ほかの惑星で出品されているものも買えることは買えるが,結局はその惑星まで品物を取りに出向かなければならない。場合によっては往復のシャトル代金のほうが高くなったりもする。

 バザーでは扱われないような,良いアーマーや武器が欲しい場合は,さらに苦労する。知人の紹介や以前の記憶などを頼りにショップを訪れても,何せPCの経営する店なので在庫がスッカラカンになっていることもままある。知り合いの生産者に直接頼むのはいい手だが,リソースの保有状況などによって,すぐには作れないと言われてしまうこともある。
 そうなるともう,プラネタリーマップなどを頼りに足で探すしかない。その日のプレイがまるまるショップ探しに費やされることもあるだろう。アイテムは一つ一つ性能が異なるので,欲を出して少しでも品質の高いものを探そうとすると,より多くの時間がかかる。

 ただ,こういった本作の性質はネガティブにとらえれば"ただの苦労"だが,見方を変えれば"魅力的な要素"でもある。何の苦労もない世界には何の喜びもない。いくらか苦労があるからこそ,知人友人と協力してそれをクリアしたときには大きな喜びが得られるのだ。


プラネタリー・マップを使って他プレイヤーのショップの位置情報を得る。日本語版では今後どんどんショップが増えていくだろう 位置情報が光の柱で示されるウェイポイントの機能を使って,目的のショップを目指す。SWGのゲーム世界は本当に広いので移動は大変だ


■■星原昭典(ライター)■■
「カッコよく書いてくれなきゃヤダ!」と星原氏が言うので,今度こそカッコいい話をお願いしたところ,2004年の年末は某コンビニのおにぎりで人生初の食中毒にかかり,それはそれは激しい年の瀬だったという話をしてくれた。


→「スター・ウォーズ ギャラクシーズ完全日本語版」紹介記事は,「こちら」


※スター・ウォーズ ギャラクシーズ完全日本語版βテストの模様は,エレクトロニック・アーツ株式会社の承認を得て掲載しています


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