― 特集 ―


<第二回:「コウテイペンギン」で動物園の再建を!>


■新米園長失敗を分析す……の巻


開園間もないワタクシの動物園ですが,諸設備の維持費は毎月計$550,スタッフの月給が計$2500。とくに飼育員の月給が高く,早晩経営が破綻することが分かったので設備の撤去とスタッフのリストラを敢行しました
 みなさま,こんにちは。「マイクロソフト ズー タイクーン 2」(以下,ズータイクーン2)で動物園作りに日夜いそしむ岩尾ゴワスでございます。前回はインドクジャク3羽しかいない動物園に過剰な設備投資/人員配置をしたことで首が回らなくなったワタクシですが,今回はそこからの復活を目指してみたいと思います。 「金がないのは首がないのと一緒」と,某女流漫画家先生もおっしゃいましたが,あらゆる経営業でこれこそ真理。当面は設備を維持してチマチマ資金を貯めるか,それとも設備をリサイクルして動物の購入に踏み切るかが前回の焦点でしたが,じつは飼育員一人の月給$500が開園間もない園には非常な負担だということが判明したのです。そのような次第で「泣いて馬謖を斬る」ではありませんが,ワタクシの自己満足で作った諸設備をすべて撤去して,動物園の王道ともいえる「動物披露」で苦境を乗り越えることに決めました。
 そうなると次にどの動物を仕入れるかが問題となりますが,園の評判が上がって新しく仕入れることができるようになった動物に「コウテイペンギン」がいましたので,さっそくコレを購入です。リストラで飼育員を解雇したため,今後しばらく動物の面倒はワタクシがみますが(本作では自分でゴミを拾ったり,動物の餌を補充できる),寒冷地の動物は体温保持のためかあまりフンをしないので,管理がしやすいのがポイント。もちろん,癒しを求めにくるお客様のサイフを緩める意味でも,愛らしいペンギンが向いていそうな気がしたのも大きな理由です。

 

ヒマなのかベンチに座ってばかりいた飼育員ファティマ。こやつが経営不振の元凶だというのに…… そんなわけで泣く泣く施設の全撤去です。すっかりガランとしちゃってさびしいものがありますねぇ 新しく購入したのは「コウテイペンギン」です。1羽$2000ですが気張ってオスメスをペアでゲット!

フォトチャレンジに成功すると報酬や援助金が手に入るほかに,特殊施設を設置できるようにもなる

コラム:フォトチャレンジで援助金をゲット


園を経営していると,たまに出版社や諸協会がらみで「園の写真がほしい」という依頼が入る。それが「フォトチャレンジ」だ。テーマはチャレンジによってさまざまだが,「動物の親子の姿を撮ってほしい」や「木を4種類撮ってほしい」など,難度はさまざま。当然難度の高いチャレンジをクリアしたときほどゲットできる援助金は多いので,園の経営に行き詰ったときはフォトチャレンジで打開を目指すのも手だ。
■新米園長大バクチに勝利す!の巻


コウテイペンギンの大投入でお客様の目はそちらにクギづけ。ちなみに飲食設備がなくなったことで園内のゴミも減ったので,メンテナンス員もさくっと解雇。浮いた資金でどんどん新しい動物の購入していきますよ!

 コウテイペンギンの購入という,のるかそるかの大バクチに挑戦した当園ですが,結果的には閉園の危機をまぬがれ資金的にも持ち直せました。設備の撤去で不満を持つお客様が増えた以上に,コウテイペンギンの愛らしさに興奮したお客様が増えたようです。政治がうまくいかないときは仮想敵国を作って国民の目をそちらに向けるというのは,為政者のよくやる手段ですが,今回はそれのちょっとした応用でしょうか。違うか。
 ともあれ,お客様がコウテイペンギンにクギづけになっている間に敏腕経営者のワタクシとしては次なる手段も講じておかなければなりません。その手段とは,もちろん次なる動物の購入です。諸設備を売った資金はコウテイペンギンの購入であっという間になくなりましたが,その後のお客様からの募金が順調なペースで貯まったので,新たにヒトコブラクダとゲムズボックを購入をしてみました。

 

砂漠で生きるラクダもペンギンと同じくフンをあまりしない動物。まさに管理が「ラクダ」(楽だ)なんつって 「収入&支出」を見ると赤い字が目立ちますが,それは購入が多いだけで運用状況は順調なんですよ ゲムズボックも購入。現時点での園のレイアウトはこのような感じです。なかなか美しいと思いませんか?
せっかく購入した動物が増えてきたので,このあたりで新しく仲間になった動物たちを撮影してみましょう。お客様の懐だけを考える極悪非道な園長と感じていらっしゃる人が多いかもしれませんが,一応ワタクシは動物たちへの愛情だけはちゃんとあるのです。それにしても,コウテイペンギンの赤ちゃんの愛らしさは最強ですね

■どんどん増える動物たち…あれ,増えすぎた? の巻


最初のガラガラだった状態から比べると,本当に動物園としての貫禄が増した現在の当園。お客様が休める施設なども再設置し,評判も順調に上がっています。このまま永遠にこの時間が続けばいいのに……

 諸設備を撤去したおかげで園内のメンテナンス作業は激減したのですが,それ以上に増えたのが飼育員としての動物管理業務です。いくらフンをあまりしない動物を中心に揃えたといっても,それでも動物は生き物ですから排泄をするときはするのです。とくに開園から順調に数を増やしつつあるインドクジャクなどは,足を運ぶたびにフンがもりもり落ちていて清掃作業もひと苦労。  ワタクシも当年とって34歳となりますから,いつまでも体をかがめての作業となると,腰が痛くなってたまりません。現在の動物の種類がインドクジャク,コウテイペンギン,ヒトコブラクダ,ゲムズボックの4種類なので,2種類ずつを飼育員に任せればベンチで休むばかりということもなくなるでしょう。  動物が増えるにしたがってお客様も増え,以前撤去した設備を再び復活させてほしいというお客様の要望も多くなってきたので,ここで飼育員を雇い入れるとともに一部飲食設備などの復活もさせることにしました。飲食設備が増えるとゴミも増えますが,飼育員のおかげでワタクシは園内のメンテナンス(清掃など)に集中できるので,ゴミ対策はまぁなんとかなるでしょう。
 新たに不法繁殖業者から救われたアカカンガルーも園にきて,動物も5種類になって動物園としての貫禄もついてきた……というところで,さらなる問題が発生してしまいました。なんと開園当初から当園の看板となっているインドクジャクが増えすぎて,現在の施設では飼育しきれなくなってきたのです。愛着のある動物だけに手放すのは悲しいですしねぇ……,さてどうしましょう?
(次回へ続く)

 

インドクジャクの施設はフンがもりもり。本当にラクダやペンギンを見習ってほしいものです 園の経営が軌道にのってきたことと動物の清掃・管理作業に疲れたこともあり,再び飼育員を雇うことにしました。ひとりの飼育員が2種類の動物を世話すれば,少なくとも給料ドロボー状態にはならないでしょう
新たに入手したアカカンガルー。不法繁殖業者から救われたかわいそうな動物なので,当園で面倒を見ることに そして現在の動物園レイアウト。5種類の動物用施設が美しくまとまった感じなのが分かりますか? またしても危機が! 開園当初から増え続けたインドクジャク園がパンパン状態です! どうしましょう!