クライムゲームの金字塔"Grand Theft Autoシリーズ"の，2Dグラフィックス仕様の最終版「Grand Theft Auto 2」（1999年発売/以下，GTA2）が無料で公開された。同シリーズの販売/開発元であるRockstar Gamers（厳密には，Rockstar North開発）は，以前にも初代「Grand Theft Auto」をRockstar Classicsとして無償で公開しており，本作はClassics Volume 3という体裁でのリリースとなっている。

　ご存知の通り，3Dグラフィックスへ移行したシリーズ3作め「グランド・セフト・オート III」は，ワールドワイドで800万本，続編の「グランド・セフト・オート・バイスシティ」も1200万本という脅威のセールスを記録した，誰もが認めるモンスタータイトルである。コンシューマ市場へも殴り込みをかけ，確固としたRockstarブランドを築きあげた同社にとって，クラッシックタイトルの無料公開も大きなプロモーション効果を狙ったものだ。

　GTA2は，マフィアやヤクザ（ゲーム内表記は"Yakuza"），秘密結社や科学信奉組織など，多様な犯罪組織がひしめく近未来の都市を舞台とした，犯罪シミュレーションゲーム。プレイヤーは，徒歩もしくは入手した車両で移動しながら，忠誠を誓った組織の犯罪ミッションをこなしていくことになる。

　本シリーズを通して頑固なまでに受け継がれているのは，プレイヤーの気の赴くままに行動できるという自由度の高さだ。このGTA2でも，所属する組織の選択はもちろん，車を奪う，市民を殺す，警官を殺すといった行動は，完全にプレイヤーの気分次第。とはいえ，なかには警官との衝突を避ける必要の出てくるミッションもあり，真面目に（？）プレイしようとすれば，ゲームコンセプトに反して，ある程度の縛りが発生してしまう場合もある。

　だがそこはGTA，クライムゲームの名に恥じぬ多彩なミニゲーム（ミッション）が用意されている。"戦車で○分で△台のクルマを破壊せよ"だの，"消防車で人を轢きまくれ"だのといったピュアなクライムミッションが随所に散りばめられていて，犯罪世界での成り上がりを意識しているだけで爽快なプレイが楽しめてしまう。これが本作の魅力だ。古き良きキーボード用インタフェースのおかげで難度は若干高めだが，DirectX 9だプログラマブルシェーダだと騒がれる現代においても，本作の没入感は健在だ。

　今回公開されたのはゲームの"フルバージョン"なので，最大4人のマルチプレイモードもキチンと収録されている。本作をプレイするには，Rockstar Gamesの「こちら」でメールアドレスを含む簡単なプレイヤー情報の入力が必要だが，名作が無料で手に入るチャンスを逃す手はない。世代が世代だけに，最近のノートPCならば十分に動作するはずなので，ロースペックPCユーザーも気軽にチェックしてみてほしい。

 

■キー操作 ゲームメニュー　Escキー 前後左右移動　カーソルキー 攻撃　左Ctrlキー 車両使用　Enterキー ハンドブレーキ/ジャンプ　Spaceバー 武器変更　X / Z ■動作環境 ※不明 （344MB） (C) 2004 Rockstar Games

 

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