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連載「PCゲームを持ち出そう!」を掲載。第3回はPSP版「Rainbow Six Vegas」を紹介
2007/07/25 21:06
※記事内の画面写真は,サイバーガジェットのCYBER・テレビプロジェクターで出力した映像をキャプチャしたものです
 7月4日にスタートした本連載は,PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していくというもの。3回めとなる今回紹介するのは,PlayStation Portable(以下,PSP)用のFPS「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」(以下,Vegas)だ。


■まずはPC版「Rainbow Six Vegas」を紹介

※この画面写真のみ,PC版「Rainbow Six Vegas」のものです
 PC版「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」は,特殊部隊「Rainbow」と,世界各地のテロ組織との戦いを描くFPSのシリーズ最新作。
 そもそもRainbow Sixといえば,リアル系のタクティカルシューティングとして人気のシリーズだったが,第4作の「Lockdown」からカジュアルな方向へ路線を変えつつある。PC版のRainbow Six Vegasでは,シリーズ最大の特徴の一つであるプランニングフェイズなどがざっくりと省かれ,これまで「難しそうだから……」と敬遠してきた人も,より気軽に楽しめるゲームとなっているのだ。

 また,Unreal Engine 3による美しいグラフィックスも,本作の大きな特徴。ラスベガスの街並みがまばゆいばかりに描かれるほか,メキシコの片田舎や鉱山など,ゲームの舞台となるロケーションの雰囲気がとてもよく表現されている。

 PC版のTom Clancy's Rainbow Six Vegasについては,紹介記事レビュー記事でたっぷり紹介しているので,FPSが好きな人はぜひ目を通してほしい。


■登場人物やストーリーはPC版とは別

 ここまで読んで,「Rainbow Six VegasにPSP版があったの?」と思った人もいるかもしれない。PSP版のVegasは2007年7月25日現在,国内では正規に販売されていないため,入手するには,海外ゲームを取り扱う販売店などで並行輸入品を購入する必要がある。
 編集部で試した限りでは国内版のPSPでも動作したが,ソフト自体は英語版となる。なお,このソフトの使用により生じたいかなる問題に対しても,SCEや4Gamer編集部では一切の責任を負いかねるので,あらかじめご了承を。

 それでは,Vegasのゲーム内容を紹介していこう。
 PSP版のタイトルはPC版と同じだが,登場人物やストーリーは異なっており,内容的には別物であるといっていいだろう。

 PSP版のストーリーは,PC版のストーリーの中で起きている事件を,別の側面から描くものとなっている。プレイヤーは,特殊部隊Rainbow Sixの一員である,Brian ArmstrongとShawn Riversの二人となり,テロ事件の解決を目指すメインチームの支援に回るのだ。
 Brianは,全般的な戦闘能力に長けた兵士であり,ShawnはBrianを後方から支援するスナイパーだ。そのため,二人は基本的に別行動をとっている。
 プレイヤーは,BrianとShawnを交互に操作してミッションをクリアしていく。とはいっても,操作するキャラクターはストーリーの進行に応じて自動的に切り替わるため,任意に切り替えながらプレイできるわけではない。
 これは,ほかのキャラクター達にさまざまな指示を与えながらプレイできる,PC版と異なる部分だ。

 データ量と動作速度のバランスをとるためか,マップは全体的に狭い屋内が中心で,配置されたオブジェクトの数もさほど多くない。見た目はやや単調だが,グラフィックスのクオリティについて,必要動作環境が高めに設定されているPC版と比較するのは,さすがに酷というものだろう。クオリティを追求するときりがなくなってしまうが,携帯ゲーム機であることを考えれば必要かつ十分なレベルだと思う。



■FPSに馴染みのある人は操作に慣れが必要
■PSPの特性に合わせてゲーム性も大きく変更


 PSP版Vegasをプレイし始めてすぐに,操作に違和感を覚えたのだが,少しの間プレイしてその理由が分かった。
 PSP版では前後左右への移動に,PSP本体の左側にあるアナログパッドを使い,本体右側の△○×□ボタンを押して照準を合わせる。
 FPSでは,左手でキーボードを使って移動し,右手でマウスを動かして照準を合わせるのが一般的な操作方法となっている。FPSに馴染みのあるPCゲーマーが,Vegasを同じ感覚でプレイしようとすると,四つのボタンで照準を合わせるという操作に違和感を覚えるだろう。

 逆に,左側のアナログパッドで照準を合わせ,右側の△○×□ボタンで移動する設定もオプションで用意されているのだが,FPSに馴染みのある人の多くは,右手で移動し,左手で照準を合わせるという操作にも戸惑うかもしれない。

 PSP版Vegasには,PC版には存在しないヘルスゲージが用意されている。また,頭部を一発撃たれるとやられてしまうPC版に対し,PSP版では,敵の攻撃を受けてもそうそう倒されることはない。
 個人的な推測だが,こういったゲーム性の変更は,PSPの特性に合わせたものではないだろうか。というのも,向きを変えるのに(デフォルトで)ボタンを使用するPSP版ではあまり激しい動きは行えず,戦闘をあまりシビアに再現すると,難度が極端に高くなりかねないからだ。
 Vegasに限った話ではなく,PSP用のFPSを開発するとき,操作方法やゲーム性をどのように調整するかは,デベロッパの腕の見せどころといえるだろう。



■PSP版Vegasの「再現度」は?

 今回紹介したPSP版Tom Clancy's Rainbow Six Vegasの再現度は,15%とする。同じタイトルでありながらも,登場人物やストーリーが異なっており,またゲーム性/操作性やグラフィックスの面でも,PC版をかなりアレンジしたものとなっているからだ。
 それにしても,PSP向けにFPSを開発するのは,なかなか大変なのではないかと感じる。今後PSP用にFPSが登場するとき,どのようにアレンジされているか,注目していきたいと思う。(山)

Tom Clancy's Rainbow Six Vegas

再現度:15%

「再現度」とは……紹介するNintendo DS/PSP用ゲームが,ベースとするPCゲームをいかに忠実に再現したものであるかを独断と偏見で判定したもの。この数字が100%であれば,PC版となんら変わらない完璧な移植であることを意味し,逆に0%であれば,PC版との共通点が一切見出せないほど異なるゲームにアレンジされていることを意味している。そのゲームの面白さ,ゲームとしての出来を示すものではないので注意してほしい。

対応機種:PlayStation Portable
メーカー:Ubisoft Entertainment
発売日:2007年6月12日
価格:39.99ドル
公式サイト:http://rainbowsixgame.us.ubi.com/vegas/

(C)2006 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Ubisoft, Ubi.com, the Ubisoft Entertainment, and the Soldier icon are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Rainbow Six, Red Storm, and the Red Storm logo are trademarks of Red Storm Entertainment in the U.S. and/or other countries. Red Storm Entertainment, Inc. is a Ubisoft Entertainment company. “PlayStation,” the “PS” Family logo, and “PSP” are registered trademarks of Sony Computer Entertainment Inc. Memory Stick Duo may be required (sold separately). Microsoft, Xbox, Xbox 360, Xbox Live, the Xbox logos, and the Xbox Live logo are either registered trademarks or trademarks of Microsoft Corporation in the U.S. and/or other countries.


連載:PCゲームを持ち出そう!
■開発元:N/A
■発売元:N/A
■発売日:2007/07/04
■価格:N/A

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.07/20070725210659detail.html