新作紹介 : Tom Clancy's Rainbow Six Vegas 日本語マニュアル付英語版

新生Rainbowチームがラスベガスを舞台に大暴れ

Tom Clancy's Rainbow Six Vegas
日本語マニュアル付英語版

Text by 松本隆一
2007年5月17日

 

ここに紹介する「Rainbow Six Vegas」は,これまでのリアル指向の強いゲーム性から,カジュアルな方向へ舵を切ったシリーズ最新作。特殊部隊の息詰まる戦いをFPSビギナーでも体験できる魅力的な一本になっている

 4月27日にイーフロンティアから発売された「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas 日本語マニュアル付英語版」(以下,Vegas)は,1998年にリリースされた「Rainbow Six」以来,約10年にわたって続いてきたシリーズの最新作だ。リアル系のタクティカルシューターとして人気のRainbow Sixシリーズだったが,第3作の「Raven Shield」からそのゲーム性をよりカジュアルな方向へ切り替えつつある。
 Vegasは,Unreal Engine 3によるハイレベルなグラフィックスとシンプルな操作性を持ち,前作までのマニアックさから転身を図った,まさに“新生Rainbow Six”と呼べる一本だ。

 

 

 

よりシンプルになったゲームシステム

 

 チームRainbowは,世界各国から選りすぐられた隊員によって構成されるエリート特殊部隊で,その目的はカウンターテロ。高性能爆弾によるテロを企む女テロリスト,イレーナ・モラレスを追って,メキシコの国境の町ローガンから,“Sin City”ラスベガス,そしてフーバー・ダムへと激しい戦いを進めていくのだ。
 ファンにはおなじみのドミンゴ・チャベスやジョン・クラークは本作には登場せず,主人公を務めるのはシリーズ初登場のローガン・ケラー。通常,二人の部下を率いて作戦に臨むが,ときには一人で戦うこともある。シングルプレイのストーリーモードは彼の目を通して進んでいくのだ。また,シングルプレイには,一人でテロリストを全滅させるテロリストハントモードも用意されている。
 詳しいレビューは「こちら」に掲載したので,ぜひ併せて読んでほしい。

 

 

 

リアルな銃器/アイテム

 

一つのマップが終わると,次のマップで携行する火器類を選べる。いろいろ使って,それぞれの銃の特徴を覚えよう

 例によって,登場する個人携行火器はすべて実物をモデルにしたもので,威力や精度,集弾率などはリアル。発射音やマズルフラッシュもいい感じだ。一つのミッションが終了すると武器選択ができ,それぞれの武器にはスコープやレーザーサイトといったオプションが用意されている。サイレンサーは取り外しができ,状況に応じて使い分けられる。
 また,落ちている敵の武器を拾って使用することも可能だ。

 

 

遊びやすいユーザインタフェース

 

部下への命令やマップの表示など,できることはいろいろあるが,ほとんど数種類のキーとマウスだけで操作可能。コンシューマ機ゆずりの操作性の良さだ

 Vegasでは,シリーズの最も特徴的な部分だったプランニングフェイズやブリーフィング,あるいはメンバー選択画面などがばっさりオミットされている。プレイヤーは突然戦場に放り込まれ,襲いかかってくる敵を相手に銃撃戦を繰り広げるのだ。必要な情報はそのつどサポートスタッフのジョアンナ(ジョー)・トレスから連絡が入り,ローガンはもっぱら戦闘に終始するのだ。
 ドアの向こうをのぞき見るスニークカムの使用やサイレンサーの装着,あるいは部下にさまざまな命令を下すなどプレイヤーのできることは多いが,すべてマウスとごくわずかのキーで行える。ユーザーインタフェースは練り込まれており,必ずしも簡単な部類ではないにせよ,FPSビギナーでもすぐに慣れるはずだ。

 

 

多彩なアクション

 

 ファストロープ,ラペリング,そしてオブジェクトの背後に隠れるなど,さまざまなアクションを使って作戦を進めていく。ラペリングによる突入は特殊部隊らしくて非常にカッコよく,戦いを生き抜くためには,適切な遮蔽物を見つけて前進することが重要になる。ファストロープを使って敵の背後に回るなど,アイデア溢れる攻撃も面白いだろう。
 敵味方とも,AIの出来も悪くなく(ときどき,妙な行動を取るが),部下の一人がハシゴを下っている間,もう一人がカバーに回るなど,戦術教本通りのキビキビした行動がマニア心をくすぐるだろう。

 

●ラペリング ●遮蔽物を使う
ロープによる懸垂降下をラペリングと呼ぶ。ラペリングしながらガラスを突き破って室内に突入するなどというシチュエーションもあり,非常にカッコいい 敵の姿を見たら,手近な遮蔽物の陰に身を隠すのがセオリーだ。この状態で敵に向かっての射撃も可能。もちろん命中率はがっくり下がってしまうが
●部下への指示 ●スニークカム
二人の部下をドアの前に立たせ,合図とともに突入/掃討させられる。これ以外にもいくつかの指示が簡単に出せるので,部下を上手に使いこなそう このハイテクガジェットを使って,突入前の室内の様子を見られる。敵に“タグ”を付けて撃ち倒す優先順位を高めることも可能なのだ

 

 

リアルなグラフィックス

 

 Unreal Engine 3を使用したことでグラフィックスのレベルは格段に向上した。ゲームの主な舞台となるラスベガスでは,鮮やかなネオンや広告が夜空を彩り,カジノではスロットマシンのライトが明滅する。メキシコの田舎町のうらぶれた感じや,鉱山内部の雰囲気もすばらしい。ヘリコプターで移動するとき,眼下を流れるメキシコの街やラスベガスの作り込みも圧巻だ。そのため,要求されるPCスペックは高めになっている。

 

 

 

特殊部隊のシビアな戦闘を体験しよう

 

 これまで“リアル系特殊部隊FPS”の最右翼に位置していたRainbow Sixシリーズだったが,このVegasでゲーム性の大きな転換を図り,それに成功している。基本的に一本道だが,場所によってマップはかなり広く,またそれぞれの局面を打開する方法は一つに限られないなど,自由度が低くなったという印象はない。ヘッドショット一発で撃ち倒され,部下を殺されてもゲームオーバーになるなど,相変わらず難度も高い。
 Ubisoft Entertainmentのもう一つのトム・クランシーシリーズ人気作,Ghost Reconも2006年発売の「Tom Clancy's Ghost Recon Advanced Warfighter」でよりカジュアルな方向に舵を切り,同じく高い評価を得ている。古くからのファンには賛否両論あるところだろうが,特殊部隊もの,近接戦闘ものが好きならぜひプレイしてもらいたいタイトルだ。

 

 

スクリーンショット

 

 

タイトル Tom Clancy's Rainbow Six Vegas 日本語マニュアル付英語版
開発元 Ubisoft Montreal 発売元 イーフロンティア
発売日 2007/04/27 価格 6090円(税込)
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0以上),CPU:Pentium 4/3GHz以上(,メインメモリ:1GB以上,HDD空き容量:7GB以上,グラフィックスカード:DirectX 9対応製品(NVIDIA GeForce 6600GT//6800/7300/7600/7800/7900,Radeon X1600/1800/1900シリーズ以降),グラフィックスメモリ:128MB以上

(C)2006 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Persistent Elite Creation, Ubisoft, the Ubisoft logo, Ubi.com and the Soldier Icon are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Rainbow Six, Red Storm and Red Storm logo are trademarks of Red Storm Entertainment in the U.S. and/or other countries. Red Storm Entertainment, Inc. is a Ubisoft Entertainment company.

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http://www.4gamer.net/preview/r6vegas/r6vegas.shtml