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YNK JAPAN,記者発表会「新生。R.O.H.A.Nを見よ!」を実施。日本向けに大きくリファインされるR.O.H.A.Nに注目
2007/03/27 22:09
YNK JAPAN 「R.O.H.A.N」サービスプロデューサー 辛裕溢(シン・ウイル)氏
 YNK JAPANは本日3月27日,「新生。R.O.H.A.Nを見よ!」と題した記者発表会を開催した。同社が運営するMMORPG「R.O.H.A.N」において,システム,グラフィックスの両方を日本向けにリファイン。近日中に,新生R.O.H.A.Nとして再スタートするという。

 R.O.H.A.Nは,二度のクローズドβと,オープンβテストを経て,2006年11月に正式サービスがスタートしたタイトルだが,同社のサービスプロデューサー 辛裕溢氏は「R.O.H.A.Nは大きな注目と関心を集め,日本でスタートをきりましたが,当初のような関心は維持できていないのが現状です」と,発表会の冒頭から,日本市場での失敗をはっきりと述べた。
 続けて辛氏は,韓国はもちろん,台湾でもオープンβテストの同時接続者数13万人という結果を出したにもかかわらず,日本で受け入れられなかった理由として,R.O.H.A.Nのゲームシステムが日本人のプレイスタイルに合わなかったことを挙げた。
 そして,同社は開発元のYNK GAMESと協力し,既存のR.O.H.A.Nに日本独自の仕様/コンテンツを盛り込んだ「新生R.O.H.A.N」を生み出し,日本での再出発を図ることを宣言したのである。



■より多くの達成感を与える,充実したクエスト
新生R.O.H.A.Nでは,NPCの2Dイラストが新たに描き起こされる。無機質なクエスト発生装置として扱われがちなNPCだが,今後はより存在感が増しそうだ
 日本向けの仕様変更にはいくつかのポイントが見られるが,大きなものとしては,クエストの充実と,クエスト報酬の強化が挙げられる。
 レベル30以前のキャラクターが受けられるクエストとして,R.O.H.A.Nの世界観やバックストーリーと深く結びついているメインクエストはもちろん,繰り返し受けられるサブクエストの数を増加。さらに,クエスト遂行時にもらえる経験値などの報酬を強化することで,ゲーム序盤のレベリングを楽にし,プレイヤーを飽きさせないのが目的だ。 「他プレイヤーとの競争を好む韓国人プレイヤーと異なり,日本のプレイヤーには,単純なレベリングだけでなく,ゲーム内で達成感を得られることが大切なのではないでしょうか」と,辛氏は補足説明をしていた。
 またPKシステムについては,PK側に(死亡時の)アイテムドロップ率アップや大きなデスペナルティを課すことで,とくに日本のプレイヤーが嫌うPK行為を抑制する方向に変化する。同時に,他プレイヤーから経験値やアイテムを優先的に奪える「アサシンモード」を持つ種族「ダン」も,レベル30までは「平和モード」のみのプレイとなる。レベル30以降に受けられる特別クエストを通じて,ダンはアサシンモードへの移行が可能になるのだ。これにより,ゲーム内世界から安易なPKが減少し,PKを望む人だけが,ハイリスクハイリターンな対人戦を楽しめるようになると,辛氏は推測している。
 そのほかにも,アイテムの装備制限の一つ「ランク」システムの廃除や,ゲーム内通貨「クロン」の単位変更,インタフェースやゲーム進行に関するヘルプ機能といった,細かな調整も行われるそうだ。

日本版プレイヤーの意見を反映した各種調整が行われるほか,クライアントの軽量化にも着手しているという。データの最適化を図り,クライアントプログラムのサイズを小さくするだけでなく,ゲームをプレイするための最低スペックも引き下げられる


■着物に桜に招き猫……
■日本版だけのグラフィックスを導入

 システム面の変更だけでなく,グラフィックスに関しても,日本だけのオリジナル要素が盛り込まれる。着物や,街中で見られる桜の木といった定番のものから,ゲーム内イベントのときだけ現れる「屋台」,福を招く「招き猫」,どこか幻想的な「赤提灯」,さらにはコスチュームの一種として,ネクタイを頭に巻きつけた「酔っ払いサラリーマン風」の頭装備も登場する。
 なお,NPCには巫女さんが,新ペットとしてはメイドさんが新たに加わることも明らかになった。これら新アイテムが,R.O.H.A.N本来の世界観と相容れるのか,プレイヤーは素直に受け入れられるのか,興味深いところだ。

「日本」を強く感じさせるオブジェクト/NPCが導入される。これらはR.O.H.A.N本来の世界観とうまく調和し,日本のプレイヤーに受け入れられるのか。実に興味深い
西洋風のコスチュームだけでなく,「着物」をはじめとする日本風コスチュームも登場。なにやら強烈な衣装も導入されるようだ。……日本プレイヤーのニーズなのかどうかはともかく,アバター性が大きく拡充されるのは間違いない
コスチュームだけでなく,騎乗生物のバリエーションも増える。それぞれの詳細については,続報およびフリーテストで明らかになるだろう
下段の写真は,新生R.O.H.A.Nで追加される新しいペット。説明するまでもないかもしれないが,メイドをイメージしたペットである。これも日本風なのだろう,ある意味。ともあれ,こんなペットを待ち望んでいたというプレイヤーも,少なからずいるはずだ


■GM主導のゲーム内イベントを充実
YNK JAPAN 「R.O.H.A.N」運営企画チーム責任者 細井貴之氏
 辛氏に続いて,R.O.H.A.N運営企画チーム責任者 細井貴之氏が登壇し,同作の運営面での変更点を紹介した。新生R.O.H.A.Nでは,プレイヤーと運営側の距離を積極的に縮めるべく,コミュニケーションの強化を目指すという。
 具体的には,プレイヤーから新コスチュームのデザインを公募したり,GMとプレイヤーが一緒になって遊べる,正味20分程度の冒険イベント,GM対一般プレイヤーのPvPイベントなどを,すでに検討しているという。
 なお,「GM主催のゲームイベントは,運営側の負担が大きいのでは?」との質問が取材陣から上がったのだが,細井氏によると,「現在YNK JAPANでは,GMの増員を図っている最中です」とのことだ。



■完全独自路線もありうる今後のR.O.H.A.N
 日本での再起をかけ,今後大幅に生まれ変わるというR.O.H.A.N。韓国版クライアントとの差分や,今後のアップデートの方向性など,気になる点は多い。
 それに対しYNK JAPANは,「新生R.O.H.A.Nは,システム的には完全に日本独自のものとなります。日本版クライアントだけを手がけるチームも編成しました。場合によっては,韓国版や台湾版とはまったく異なった方向性のタイトルになる可能性もあるでしょう」と語った。
 また,韓国YNK GAMESの羅 成淵(ナ・ソンヨン)氏は,「韓国では確かな結果を出せているゲームだけに,日本版にも自信があったのですが,日本プレイヤーの動向をきちんと把握できていなかったのかもしれません。今後は日本市場のニーズに合わせて,細かな点まで現地化していきたいです」とコメントしている。さらに羅氏は,「韓国人の自分には,どうしたら日本で受け入れられ,長く愛されるゲームが作れるのか分からず,かなり長い時間悩みました。結局,すべてのシステムを微調整し,グラフィックスも日本向けに大きくリファインするという手段を取りました。R.O.H.A.Nはプレイヤーに優しくないゲームだ,という評判も耳にしていますが,新生R.O.H.A.Nでは,これまでにない楽しさを提供したいです」と述べた。

記者発表会には,韓国YNK GAMESで日本版R.O.H.A.Nの開発を行っているスタッフも出席していた。一番左の人物が,グラフィックス担当のチェ・ジュン氏。右から2番目の人物が,ゲームシステム担当のナ・ソンヨン氏だ


 なお,日本向けに大きくリファインされたバージョンのR.O.H.A.Nは,4月末から行われる予定の「フリーテスト」で体験できる。フリーテストでは,既存のキャラクター/アイテムなどはそのままに,数々の新システムが楽しめるという。
 ただし,このフリーテスト期間中の月額課金の処理については,現在のところ未定となっている。詳細は,後日あらためて発表されるとのことなので,新生R.O.H.A.Nに興味がある人は,続報を楽しみにしていよう。(ライター:麻生ちはや)


R.O.H.A.N
■開発元:YNK GAMES
■発売元:YNK JAPAN
■発売日:2006/11/01
■価格:基本無料
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2007.03/20070327220950detail.html