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日本のLANパーティ「BIGLAN socket5」,Necca秋葉原店で開催
2006/11/06 23:57
11月3日初日の開会式で長縄氏のあいさつ。仲間内のパーティという感覚で,会場のあちこちからかけ声が
 Necca秋葉原店のイベントブースにおいて,11月3日から5日の3連休,LANゲームパーティ「AMDプレゼンツ BIGLAN socket5」が開催された。このイベントは,参加者が自前のPCを持ち込み,大勢でLANを組んでゲームのマルチプレイを楽しめるというイベントだ。今回で5回めとなる同イベントを取材してきたので,その模様をお届けしよう。
 また,今回もGoodPlayer.jpによるeスポーツ大会「ASKカップ Eスポーツスタジアム トーナメント」も共催されたので,その模様も合わせてお届けしたい。さらに,BIGLAN実行委員長である長縄実氏に,本イベントについてのお話を伺ったので,そちらのミニインタビューもお届けしよう。

左:socket5に華を添えてくれたお三方。中央がMC担当の蒼木メイさんで,両脇がBIGLANクイーンだ
中央:会場の様子その1。各自思い思い(重い重い?)のPCを持ち込み,セッティング。モニターはレンタルだ
右:会場の様子その2。オンラインで楽しむためのオフ会という感じだろうか。参加者は仲間同士で楽しんでいた


■第5回はあっという間に会場がいっぱいに

今回はデコパソ(デコレーションパソコン)系の参加者が少なかったそうだが,こんなオブジェを持参した人も
 2005年に第1回が行われ,今年は全部で4回も行われたBIGLAN。第3回まではお台場だったが,第4回からは秋葉原で開催されるようになり,今回も広瀬無線本社ビルの5階にある,Necca秋葉原店のイベントホールにて開催された。スペースの都合もあるが,今回は満員(60名弱)になるのが早かったとのことで,会場はギッシリと自作PCが設置されていた。
 プレイされていたゲームは,FPSの「Warsow」やレースゲーム「FlatOut 2」「Warcraft III」などなど。本イベントでは,参加者による投票や協賛メーカーの選出による「デコパソ賞」も行われるため,凝ったデザインの自作PCも見受けられた。ただし前回に比べると,その数は少なかった模様だ。なお,今回は人数制限のために参加できなかった人達も結構いるらしく,アクセスのしやすい場所で,なおかつスペースのある建物を確保するのは,なかなか大変なようである。

 会場では,協賛の日本AMDが10台近いPCを会場に設置してLANを組んでおり,マイPCを持ってこられなかった人(ビジター)でもLAN対戦を楽しめたというのもポイント。AMDマシンには「バトルフィールド2142」がインストールされていたのだが,いずれも高速マシンによる,高画質設定でのプレイが楽しめたのだ。操作方法からマルチプレイのサーバーへの接続まで,懇切丁寧に教えてくれる日本AMDのスタッフも常駐していて,中には1台のマシンにかじりつきっぱなしという人もおり,年齢を問わず,多くの人が熱中していた。
 自宅のPC環境はイマイチという人にも,最新マシンで最新のPCゲームを楽しむ機会を与えてくれており「濃い人以外お断り」のイベントではないことを強調しておきたい。そのほか,共催のXNEWS(Xbox専門情報サイト)による,プロジェクターを利用したXbox 360の試遊台もあり,「DEADRISING」や「ニード・フォー・スピード カーボン」,「Rockstar Games presents Table Tennis」などが展示されていた。

左:冠スポンサーのAMDのブース。ビジター参加者のために,LANでつながった高速マシンが10台近く設置されていた
右:共催のニュースサイトXGAMESのXbox 360ブース。最新ゲームを楽しめたが,なかでも「DEADRISING」が人気だった


■「Warsow」「Warcraft III」二つのトーナメント戦

Eスポーツスタジアムの「Warcraft III」の決勝戦の模様。モニターで選手の戦いぶりを見られる
 イベントの目玉は,国内でのeスポーツ普及に取り組んでいるGoodPlayer.jpが毎回共催で行っている,eスポーツ大会「ASKカップ Eスポーツスタジアム トーナメント」。前回までは3大会連続で「QUAKE4」を題材にしていたのだが,今回は大きく様変わりした。「Quake II」エンジンをベースに開発された,オープンソースのFPS「Warsow」と,RTS「Warcraft III:The Frozen Throne」の二つのトーナメントが開催されたのだ。
 トーナメント参加者は,「Warsow」が9名,「Warcraft III」が10名。世界大会の出場経験者も参加し,1回戦から両トーナメントとも高度な戦いが展開されたが,本命が早い段階で敗れるなどの波乱もあり,最終的には「Warsow」は18歳のbluespear選手,「Warcraft III」は15歳のnemuke選手という若手プレイヤーが優勝した。
 今回の賞金額は前回よりアップしており,「Warsow」が優勝3万円,準優勝が1万5000円,3位が1万円。「Warcraft III」はその倍となっており,優秀が6万円で,以下,4万円,2万円という具合。いずれも10代の少年達が優勝をさらったというのが面白いところだろう。

 そして今回も,BIGLANクイーンの前田智穂子さんと蛍純さんが登場し,会場を華やかにしてくれた。彼女達は冠スポンサーであるAMDのロゴをあしらった,おへそ丸出しのコスチュームで登場し,おやつタイムにお菓子を配って歩いたり,Eスポーツスタジアム以外で行われていたゲーム大会などに参加したり,プレゼンテーターを務めたりしていた。
 会場内はマイPCを設置するためのテーブルが設置され,また協賛各社のブースが設けられているなど,かなり混み合っているのだが,それだけに彼女達が場内を移動すると,ものすごく至近距離を通ることになり,ドギマギしてプレイに影響した人もいたのでは?
 また,今回はMCとして蒼木メイさんが加わり,開会式や閉会式などでBIGLANクイーンと同様に華やかさを醸し出していた。

左:「Warsow」の表彰式。優勝はbluespear選手。準優勝がFumio選手,第3位がryugo選手
中央:「Warcraft III」の表彰式。優勝がnemuke選手で,準優勝がENZA選手,第3位がSiedia選手
右:デコパソ賞では,こんな面白いデザインのケースなどが賞品に。次回にはこれで参加,という要請が
左:BIGLANクイーンの蛍純さん。普段はゲームをやらないそうだが,会場はゲームに興じ,かなり嬌声をあげていた
右:BIGLANクイーンの前田智穂子さん。最終日に急遽会場内で行われた「FlatOut2」大会の予選で上位に


■BIGLAN実行委員長,長縄実氏インタビュー

BIGLAN実行委員会委員長
長縄実氏
 それでは,BIGLAN実行委員会委員長を務めている,長縄実氏のインタビューをお届けしよう。

4Gamer:
 まずは,5回めを迎えた感想をお聞かせください。

長縄氏:
 今回は,7割りぐらいの人が新規ですね。それを考えると,だいぶ浸透してきたのかなと感じています。

4Gamer:
 以前からの参加者が減ってしまった理由はなんでしょう?

長縄氏:
 クラン単位で申し込んでこられる人が多いのですが,今回は収容人員が少なめだったため,断念したところが多かったみたいです。秋葉原はアクセスがいいのですが,人数の問題は難しいところですね。

4Gamer:
 今回は,何名ぐらい申し込みがあったのでしょうか?

長縄氏:
 60名弱でしょうか。BIGLANはクラン単位で申し込んでくる人達が多かったので,今回は断念した人も結構いたようです。

4Gamer:
 会場を押さえるのも大変ですよね。電源の問題とかもあるでしょうし。

長縄氏:
 協賛メーカーさんや,共催の方々,スタッフのおかげですね。電源に関しては,僕は電器屋でしたので,全然問題ないんですよ。免許を持ってますから,ちゃんと配線の設計ができますし。

4Gamer:
 それは頼もしい。でも,もっと秋葉原に大きなイベント会場があるといいですよねぇ。ちなみに,socket6(第6回)は,来年のいつぐらいを予定されているのでしょうか?

長縄氏:
 まだ決定してないんです。ただ,今年は4回開催したのですが,あまり回数が多いと飽きられてしまうかなというのもあるので,2回ぐらいを考えています。ゲームの新作タイトルが発売されるスパンとかも考える必要があるでしょうし。

4Gamer:
 東京以外の場所での開催は考えているのですか? Eスポーツスタジアムの参加者で,大阪から来られたなんて人もいたようですが。

長縄氏:
 考えていますよ。東京にこだわる必要はないと思いますので。いつというのは明言できませんが。

4Gamer:
 大阪だったら参加できるのに,なんて人もきっと多いでしょうね。

4Gamer:
 今後,BIGLANで考えていることがありましたら,教えてください。

長縄氏:
 考えているというか,ぜひ参加してもらいたい人達がいます。学校関係の人とかに,みんなでこうやって楽しくワイワイやっているところを見てもらいたいです。ゲームというと,なにかと悪者にされることが多いですが,そうじゃないというのを見てもらいたい。みんなで健全に楽しめるものだというところを知ってほしいんです。ただ,今回ぐらいだとまだ規模が小さいから,もっと大きな会場とかでやれるようになったら。

4Gamer:
 教育関係の人々に見てもらうというのは,面白いですね。

長縄氏:
 本当に,ゲームに対する悪いイメージを払拭したいんですよ。僕自身,ゲームによっていろいろと助けてもらったので。ゲームを通じて知り合った人間関係で,これだけ楽しく遊べるというのを知ってほしいです。

4Gamer:
 ただ,やはり限られた人達の遊びというイメージがまだ強いので,一般に広めていく作業は大変そうですね。今日も皆さん,重そうなPCをキャリアで運んでいましたし,こういうのは好きな人じゃないとなかなかできないと思います。

長縄氏:
 PCは重いですよね(笑)。もっと多くの人に知ってもらいたいというのはもちろんあるんですが,敷居を下げたくないというのもあります。重いPCを運んでくるからLANパーティなんであって,それがなくなっちゃったら,LANパーティじゃないかなと思うんですよ。せっかく運んできたんだから,遊ぼうって考えるでしょうし。

4Gamer:
 サジ加減の難しいところですね。思ったんですけど,自分のPCを持ってきて,周りの人がスゴイPCばっかりだったりすると,恥ずかしかったりしないものでしょうか?

長縄氏:
 そんなことないですよ。普通の自作PCを持ってきている人だって,いくらでもいますから。なかには,スゴイデザインの人もいますけどね(笑)。

4Gamer:
 それにしても,こうしたイベントを運営していくというのは,大変ではないですか?

長縄氏:
 もちろん大変なんですけど,皆さんが期待してくれているので,これが意外とがんばれるんですよ。自分一人だったらキツイでしょうけど,本当に皆さんの期待や責任を背負ってると思うと,やり通そうってがんばれますね。僕一人でできたことではないので,本当にそこは大事にしていきたいです。

4Gamer:
 それでは最後に,今回参加した人達はもちろんのこと,今後の参加を考えている,興味を持っている人達に向けてのメッセージをお願いします。

長縄氏:
 来年,いつ開催するか本当に決まっていなくて申し訳ないんですけど,必ずやりますので楽しみに待っていてください。あと,次回はもっと規模を大きくしたいと思っています。なので,これまでは参加を見送っていた人も,ぜひ参加してください!

4Gamer:
 ありがとうございました。

 長縄氏が,実行委員会の役員で広報を担当している松本拓也氏と,約10年前に出会ってから始まったというBIGLAN。回を重ねるごとに,参加者や協賛メーカーが増えており,着実に浸透していることがうかがえた。
 10代の学生から30代の社会人といったゲーマーが参加しており,今後の発展が期待されるイベントだ。自分も仲間と顔をつき合わせてマルチプレイを楽しみたいという人は,ぜひとも次回,参加してみてはいかがだろうか。(ライター:デイビー日高)


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