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政治システムの第一歩となる要素が韓国で近日実装! 「グラナド・エスパダ」開発者インタビュー
2006/06/08 20:49
今回,イベント会場で色々と話を聞かせてくれた,IMC Gamesのテリョン氏
 すでに,「Granado Espada WORLD PARTY」レポートの[インタビュー編]として,ハンビットユビキタスエンターテインメント代表取締役CEO キム・ヨンマン氏,および同社取締役 ソン・ジンホ氏などのコメントをお伝えしたが,実はイベント当日,韓国IMC Gamesで「グラナド・エスパダ」の企画/開発に直接関わるテリョン氏にも,短時間ながらインタビューを行えた。
 せっかくの開発関係者ということで,近々導入されるであろうアップデート内容や,さらにその先のグラナド・エスパダの姿について聞いてきたので,テリョン氏から引き出せた,現在書ける限りの新情報をお伝えしよう。
 なお,実際のインタビューから掲載まで時間がかかってしまったのは,開発元であるIMC Gamesから,なかなかOKが出なかったため。逆にいえば,それだけ貴重な話をたくさん聞いているので,ぜひお見逃しなく。


■まずは気になる家,NPC,政治について

Granado Espada WORLD PARTYの開場直後。実に多くの人が集まった
4Gamer:
 イベント途中のお忙しい中に,すみません。あまり時間もありませんので,いきなりですが,先日行ったGM長の河(ハ)さんへのインタビューでチラっと耳にした,「ハウジングシステム」について教えてください。いったいどんな形で実装されるのでしょうか?

テリョン氏:
 それがハウジングシステムについては,今はなんともお伝えできない状況なんですよ。確かに一度,“家”システムをゲーム内で具体的な形にしようと動いていましたが,残念ながら現在は,企画段階まで戻ってしまいました。ただ,増え続けるNPCに対応するための方法はいろいろと考えています。

4Gamer:
 ということは,仲間に編入できるNPCはこの先もどんどん登場するわけですね。ちなみに,どんなNPCを予定していますか?

テリョン氏:
 例えば,まったく新しいスタンスを使えるNPCもいますし,異なる装備品を身に着けられるNPCもいます。具体的には,素手で攻撃するスタンスを使うNPCを二人,もうすぐ追加する予定ですよ。一人は身のこなしが軽く足技が得意なタイプで,もう一人は重い拳を繰り出すタイプです。

4Gamer:
 それは気になる情報ですね。だいたいで結構ですので,いつくらいに実装されるのかぜひ教えてください。

テリョン氏:
 拳を使うNPCはまだまだ先になりそうですが,足技が得意なほうはもう関連クエストまで完成しています。韓国では,間もなくの実装となりますよ。

4Gamer:
 間もなく,ですか。それは嬉しい情報ですね。韓国と日本では,今のところアップデートのズレは2週間程度しかないので,日本での実装も,そんなに遠い話ではなさそうです。
 ところで,既存のマップに出現するモンスターには,レベル80〜90台がいますが,プレイヤーキャラクターのレベルキャップはいくつなんでしょう? 

テリョン氏:
 レベル上限は現在100です。

4Gamer:
 しかし,オープンβの今でさえ,すでにレベル80に届いているプレイヤーがいます。レベル100という上限には,あっというまに到達してしまいそうですが……。レベル100から先に,何か新しい要素が用意されているのでしょうか?

テリョン氏:
 はい,確かにレベルは100までしか上がりませんが,そこからキャラクターが育たないわけではありません。そこに到達したキャラクターだけに与えられるボーナスなどを,企画していますよ。

先日韓国で発表された“GE2.0”で実装予定の新NPC。手前はオーシュで銃を販売していたロルク。彼も,いよいよ編入可能になる
4Gamer:
 ボーナスといいますと?

テリョン氏:
 ●▲××●■×……。

4Gamer:
 ●×●×■▲×なんですね。

テリョン氏:
 ……あー,すみません,やっぱりさっきのは聞かなかったことにしてください(笑)。まだまだこれからの部分ですので。

4Gamer:
 あはは,残念。まぁ,少し先の話ですものね。では,次の質問に移ります。ハウジングシステムと同様に,未実装で気になっているのが,「政治システム」です。実際どんなシステムで,時期的にはいつごろ実装されそうなのか,教えてください。

テリョン氏:
 先ほど話した,韓国で近々行う予定の大規模アップデートで,実は政治システムの第一歩といえるシステムを実装する……予定です。あくまで予定ですよ(笑)。

4Gamer:
 ついにその姿が見え始めるんですね! それは,具体的にどういった機能なんですか?

テリョン氏:
 「コロニー」という特定のエリアを占領できる,党同士の戦いを入れます。占領できればもちろん,何がしかのメリットが手に入りますよ。

4Gamer:
 待ってました! いよいよ本格的にGvGができるんですね。ちなみに,そのアップデートで実装されるのは,政治システムの第一歩とのことですが,最終的に目指している政治システムの,何割くらいに当たるんでしょうか?

テリョン氏:
 何割,という数字で語るのは非常に難しいですね。というのも,オンラインゲームはプレイヤーの要望がある限り,常に形を変えていくものなので。ずーっと発展させていくシステムの,あくまで第一歩と考えてください。

Granado Espada WORLD PARTYで公開された,小林智美さんの原画・1


■次期アップデートについて

GE2.0では,スカウトが短剣を装備できるという
4Gamer:
 なるほど,分かりました。韓国でのお話で構いませんので,次期大規模アップデートで導入される,そのほかの要素も教えてください。

テリョン氏:
 今話したNPCとコロニー占領関連以外では,新エリアと,それに伴う新モンスター,NPC,クエスト。それに武器の強化システムも実装しますよ。

4Gamer:
 新エリアはどんなイメージの土地なんですか?

テリョン氏:
 これまでのエリアは,新大陸の中でも,すでに開拓された土地ばかりでした。次に実装するのは,まだ誰も分け入っていない未開の地ということで,イメージはジャングルです。プレイヤーは「コインブラ」から「開拓船」に乗って新エリアに渡っていきます。

4Gamer:
 まさに本当の開拓が始まるわけですね。ちなみに,そこに出現するモンスターも,やはりジャングルっぽい……という表現が適切かどうか分かりませんけど(笑),そんな感じなのでしょうか?

テリョン氏:
 そうですね,ジャングルっぽいモンスターですよ。ケモノ的,と言いますか。それに,ジャングルの中にはダンジョンも一つありまして,そこに出現するモンスターは,……ダンジョンっぽいわけです(笑)。まぁ実際にどういうモンスターかは,見てのお楽しみということで。

4Gamer:
 そのジャングルエリアに行くための推奨レベルは,いくつぐらいでしょう。

テリョン氏:
 新エリアでモンスターと戦うには,レベル80以上でなければ苦しいですね。ちなみに,船に乗るのにレベルの制限はありませんが,船賃が高いので,そうそう簡単には行けませんよ。

4Gamer:
 どれくらい高いのでしょうか?

テリョン氏:
 レベル80を超えている人なら,なんとか払えるだろう金額ですね。80以下のユーザーが,ちょっと観光に……というのは難しいでしょう。

4Gamer:
 今のうちにレベルアップとお金稼ぎに精を出しておいたほうがよさそうですね。
 ところで,ちょっと先の話になってしまいますが,今後実装される新エリアも,未開拓の地というイメージになるのでしょうか。コインブラやオーシュのような大都市が登場する予定は?

テリョン氏:
 基本的には,今後ずっと,未開の地を開拓していくことになりますね。ですので,ああいった完成された都市を追加する予定は,当分ありません。開拓途中のエリアにある前線基地といいますか,開拓のための拠点といった感じになるでしょう。

4Gamer:
 これまでは,すでに多くの人が住む地域が舞台でしたが,今後は自らの手で道を切り開いていくわけですね。楽しみにしています。
 あと,やはり次期アップデートで追加される武器の強化システムというのは,今現在ある「エンチャント」システムとは違うんですか? 

テリョン氏:
 エンチャントシステムは単にオプションの“切り替え”に過ぎませんが,強化は武器そのものを強くできますので,まったく違います。

Granado Espada WORLD PARTYで公開された,小林智美さんの原画・2


■今後のグラナド・エスパダ

GE2.0では,水面の描写が強化されている
4Gamer:
 お,まったく新しいシステムなんですね。ではついで……というわけでもないですが,今後,「生産システム」が実装されるかどうかも教えてください。

テリョン氏:
 生産システムですか。うーん,直接的な意味での「生産」は今のところ考えていません。ただ,クエストなどを通じての,間接的な意味でのアイテム生産はあります。

4Gamer:
 考えていないのは,「今のところ」ですよね? 個人的には,ぜひグラナド・エスパダの世界で生産をしてみたいので,ぜひ検討してみてください。

テリョン氏:
 そうですね。前向きに考えてみます。

4Gamer:
 せっかくなので(?),では,ほかにも要望を……。日本のプレイヤーからは,もっと表情を豊かにしてほしいという声がありまして。今,何をしていても割と無表情ですよね? 戦闘中なども,状況によって多少表情が変わると見栄えが良くなると思うんですが,いかがでしょう。

テリョン氏:
 それは考えてないわけではないのですが,ちょっとした事情で,導入が遅れていまして。明確に「いつ」とは言えない状況ですが,まぁいつか必ず導入しますので,お待ちください。

4Gamer:
 分かりました,気長に待っていますね。あと,キャラクターメイキングのときに,顔つきや髪型,色を選べるようになる,というのはどうでしょう? ステータスの配分や,顔/髪型などによるキャラの個性というものを,日本のプレイヤーは求めているんじゃないかと。

テリョン氏:
 初期キャラクターの顔,髪型のバリエーションは考えていません。その代わりに,頭装備としてのカツラを,もっともっと増やしていくつもりです。日本のプレイヤーさんからそういった声が出ているのは,私達も理解していますので,極力反映させていきたいです。髪の色変更は,開発的にそんなに難しいことじゃないので,それほど時間をかけずに入れられるかもしれないですね。

4Gamer:
 分かりました。では,日本独自のアイテム,仕様というのは何か用意されるつもりは?

テリョン氏:
 今のところは,IMC Gamesとしてはとくに考えてないですねぇ。あるとしても,小林智美さんのコスチュームですとか,久保田修さんの音楽といった形になるでしょう。

これは,GE2.0でのウォーロックか。束ねた髪と黒の衣装で,なんとも清楚な印象となっている
4Gamer:
 そのあたりは,HUEさんから御社への働きかけに期待,ですかね。ちなみに,韓国のプレイヤーから一番多く出ている要望は,どんな内容ですか?

テリョン氏:
 高レベルのプレイヤーさんの中には,もはやグラナド・エスパダの世界は知り尽くしたような人も少なくないので,政治システムのいち早い実装と,新エリアの追加に関する要望が多いですね。

4Gamer:
 日本でも,近いうちにそうなるでしょうね。
 さて,日本でもオープンβから1か月が経過しましたし,そろそろ正式サービスの時期が気になるんですけれども,いつ頃になりそうでしょうか?

テリョン氏:
 それはゴメンナサイ,私からはお答えできません。まだしばらくはオープンβ……かな?

4Gamer:
 ではそれは,HUEのキムさんかソンさんに聞くことにしますね(関連記事は「こちら」)。……とかなんとか言っている間に,残念,もう時間ですね。では最後に,4Gamer読者へコメントをお願いします。

テリョン氏:
 今韓国で,キム・ハッキュを筆頭にどんどん新しいものを開発している最中ですので,プレイヤーの皆さん,どうぞよろしくお願いいたします。

4Gamer:
 ハッキュさんはお元気ですか?

テリョン氏:
 相変わらず,不眠不休で精力的に働いていまして……ある意味元気ですよ(笑)。彼の場合,まぁほかのスタッフもそうですが,忙しすぎるくらいのほうが,楽しいと思うタイプですので。もしいつか,落ち着いてしまったら,さびしく感じるかもしれませんね。
 ですのでみなさん,我々を休ませないように,どんどん要望を送ってください(笑)。

4Gamer:
 分かりました。お忙しいところ,ありがとうございました。

Granado Espada WORLD PARTYで公開された,小林智美さんの原画・3


Granado Espada WORLD PARTYのエンディングより。左から3番目がテリョン氏だ
 Granado Espada WORLD PARTYという一大イベントの真っ最中に,「どこまで話していいのかなぁ」「これ,言ってもいいのかな」と首をかしげながらも,いろいろと話してくださったテリョン氏。実は,ここには書けなかった話も,いくつかあったのだ。そのあたりは,いずれ時が来たら,記事で触れてみたいと思う。

 さて,日本におけるグラナド・エスパダは,オープンβテスト開始から約1か月,韓国のバージョンに追いつくべく,ちょっと無理のあるパッチやアップデートを繰り返してきた感が否めない。そう遠い話ではない(と思われる)正式サービスと,それに伴う政治システムや新エリアの実装は楽しみだが,バグ修正やバランス調整など,足元を固める作業にも,引き続き期待したい。(Text by 麻生ちはや Photo by kiki)


グラナド・エスパダ
■開発元:IMC Games
■発売元:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■発売日:2006/07/21
■価格:基本プレイ料金無料,アイテム課金
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.06/20060608204928detail.html