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台湾最強のゲームメディア「Bahamut」が語る台湾ゲーム事情――セールスランキングを見てると「何でこの作品が上位にいるんだろう?」と思いますよね
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印刷2017/11/20 18:13

インタビュー

台湾最強のゲームメディア「Bahamut」が語る台湾ゲーム事情――セールスランキングを見てると「何でこの作品が上位にいるんだろう?」と思いますよね

 日本やアメリカ,台湾,中国,イギリス……ゲームが盛んな国には,それぞれ大きなゲームメディアがいくつか存在している。有名どころでいえば,アメリカならIGN,中国ならA9VGや17173.com(最近はやや下火らしい),イギリスであればEurogamer.net……。
 そんな中,台湾で有名なゲームメディアといえば,日本でもその名を知る人が多い「Bahamut」(巴哈姆特:バハムート)だろう。ブルーを基調としたサイトカラーと,ロゴ脇にいつもいるドラゴンが特徴的だ。

 4Gamerの立ち上がりとほぼ同時期に会社化されたBahamutは,掲示板に端を発し,あれよあれよと巨大化して台湾最大のゲームメディアになった。日本の6分の1ほどの人口の,2400万人弱が住む台湾という地域において,デイリーPV2300万を誇るゲームメディアであり,4Gamerとは付き合いが長い。
 ……付き合いは長いのだけど,実は仕事の話以外したことがないし,ましてや台湾のゲーム事情というものを,我々はあまり詳しく知らない。であれば,Bahamutのことを聞きつつ,あまり知られていない台湾ゲーム事情についても教えてもらおうと思い,副社長であるCarsonが日本に来たタイミングで時間を取ってもらったのがこのインタビューだ。

「Bahamut(巴哈姆特)」


陳 建仁氏(Carson Chen)
台湾ゲームメディアBahamut(巴哈姆特)の副執行長(副社長)。学生のときに仲間とゲームの情報交換目的の掲示板を作り,そこに資本を注入してそのまま会社化。最近やってるゲームは「Super Mario Odyssey」(Nintendo Switch),「GT Sports」(PS4),「Dragon Quest XI」(PS4)と,雑食かつコア寄り。スマホではずーっと「Fire Emblem:Heroes」をプレイ中。Fire Emblem最高! とは本人談

4Gamer:
 今日はお時間ありがとうございます。Bahamut(バハムート)とはだいぶ長いお付き合いなんですが,本日は改めてちゃんと,他人行儀で(笑)話をしようと思っているので,よろしくお願いします。

陳 建仁氏(以下,Chen氏):
 よろしくお願いします。なんか緊張しますね(笑)。

4Gamer:
 いやいやそんなに緊張せず……(笑)。
 ではまず始めに,Chenさんの役職と,社内で何をしている人なのかということと,あと実はちゃんとした数字を知らないので,Bahamutというサイトの規模を教えてもらえますか。

Chen氏:
 役職は副社長で,会社での主な仕事は編集部の統括になります。Bahamutは,会社自体の設立は2000年なんですが,Webサイト自体は1996年に立ち上げているので,たぶん4Gamerさんより古いと思います。

4Gamer:
 あれ,そんなに古かったんでしたっけ。

Chen氏:
 もともとは,学生の時に仲間と作ったBBS(電子掲示板)から始まったサイトで,卒業した後にお金を出してくれる人を募って会社にしたんです。

4Gamer:
 そうか,もともとBBSから始まったサイトだったんですね。中国とか台湾はそういうサイト多いですねえ。

Chen氏:
 なんというか,ゲームが好きすぎて,意見交換がしたくて掲示板を作り上げて,そのまま今までやってきた会社がBahamutなんです。

4Gamer:
 なるほど。それにしても,副社長でありながら現場も見ているんですか?

Chen氏:
 もちろん現場の最前線のあれこれについては,編集長が統括しています。今の私の主な仕事は,メーカーとの連絡だったり,いろいろなコネクションを使って新しいことをやったり,そんな感じです。現場のサポート役……という感じでしょうか。

4Gamer:
 なるほど。ではBahamutの規模についてもぜひ。

Chen氏:
 ええと……いまデイリーPV(Page View)が2300万弱でしょうか。デイリーUU(Unique User)は140万くらいです。

4Gamer:
 さすがに大きいですねえ。男女比とかってどんな感じなんですか?

Chen氏:
 ちょうど昨日見たところなのでちゃんと覚えてます(笑)。男性83%,女性17%ですね。さっきも触れましたがBahamutは掲示板が大きなウェイトを占めるサイトなので,そのせいか60%近くが学生なのも特徴的だと思います。

4Gamer:
 掲示板って,時代的にそろそろ盛り上がりが落ち着いてるのかな? と勝手に思っているんですが,Bahamutの掲示板ってどんな感じなんでしょう。

Chen氏:
 おかげさまでまだまだ頑張れてますよ(笑)。大体毎日4万件くらいのスレッドが立っていて,書き込み数は毎日8万件くらいでしょうか。

4Gamer:
 想像以上の数でした……。

Chen氏:
 でもおっしゃるように,掲示板というコンテンツは新しい何かに変わりつつありますし,我々としても色々と考えないとダメですねえ。

4Gamer:
 ゲームが好きで掲示板を立ち上げて,そこから20年以上が経ってます。今まで長い間,台湾のゲームマーケットを見ていると思うんですが,実は日本ってそんなに詳細な台湾ゲーム市場の情報って入ってこないんですよね。どんな感じの市場なんでしょう?

Chen氏:
 そうですね……昔の台湾で流行っていたのはコンソールゲームで,傾向は日本とかなり似ていましたね。私たちの世代にとっては,コンソールゲームが共通の話題でしたし。でも今の市場はモバイルゲームが主流で,ゲーム人口は全体で約800万人にのぼります。

4Gamer:
 いやちょっと待ってください。台湾の人口ってどれくらいでしたっけ?

Chen氏:
 大体2400万人です。

4Gamer:
 ……ということは,人口の3分の1がゲームで遊んでいる?

Chen氏:
 モバイルのカジュアルゲームを含めるとそうなるみたいですね(笑)。

4Gamer:
 それはまた……。

Chen氏:
 まぁでも確かに,台湾でゲームをプレイすることはごくごく普通のことで,昨年のGoogle Playにおける収益ランキングは世界4位なんです。

4Gamer:
 お,4位なんですね。確か1位は日本で,2位がアメリカ,3位は韓国だった気がします。

※App Annie調べの情報では,台湾のGoogle Playセールスランキングが世界で4位だったのは2015年のこと。2016年の台湾のGoogle Playセールスは,世界第5位。ちなみに1位は日本,2位はアメリカで,3位が韓国,4位はドイツ。

Chen氏:
 台湾は,人口に比べてユーザー数が多く,課金する人の割合も高いので,Googleも台湾の市場は非常に重視していると聞いています。

4Gamer:
 日本とちょっと似た感じの方向性なんですね。

Chen氏:
 台湾人が1番好きなジャンルはやはりRPGで,次がMOBAです。日本のユーザーは,ストーリーやキャラクターを重視する傾向がありますが,台湾のユーザーは,ゲームを早くクリアしたいという傾向が強いですね。

4Gamer:
 そのあたり,ちょっと中国的ですね。
 しかしスマホゲーが強いといっても,元々PCオンラインゲームが盛んですよね。プラットフォーム別のなんとなくの分布って分かります?

Chen氏:
 大体ですが,コンソールゲームが140万人,PCゲームが400万人,モバイルゲームが600万人といった感じでしょうか。

4Gamer:
 あぁ,やはりPCゲームの人口もまだ400万人いるんですね。

Chen氏:
 MOBAとWebゲームを合わせるとそのくらいのプレイ人口になりますね。

4Gamer:
 MOBAはやはりLoL(リーグ・オブ・レジェンド)?

Chen氏:
 ええ。モバイルだとTencentの「Arena of Valor」(王者栄耀)がズバ抜けて人気です。

4Gamer:
 うーん,台湾でもやはりアレなんですね。Arena of Valor恐るべし……。

台湾最強のゲームメディア「Bahamut」が語る台湾ゲーム事情――セールスランキングを見てると「何でこの作品が上位にいるんだろう?」と思いますよね
台湾最強のゲームメディア「Bahamut」が語る台湾ゲーム事情――セールスランキングを見てると「何でこの作品が上位にいるんだろう?」と思いますよね


「勉強のためにPCが欲しい」というエクスキューズは万国共通?――わざわざゲームをやるためにコンソールを買う必要がどこにもない


4Gamer:
 しかしかつて盛んだったのに,なんでコンソールゲームのユーザー数は少ないんでしょう?

Chen氏:
 やはりコンソールゲームのメーカーが少ないというのが最大の原因でしょうか。あと,台湾の物価から見るとゲーム機本体はやはり高いですから,子どもが「ゲームやりたいから買って」と親にお願いしても,普通の家庭では間違いなく「ダメ」と言われると思います。

4Gamer:
 でも値段の話だけならPCのほうが高いですよね?

Chen氏:
 そのとおりです。しかしPCなら,「勉強のためにPCが欲しい」と言えば買ってもらえたりするんですよ(笑)。まぁ実際あったほうがいいですしね。
 そんなわけで,わざわざゲームをやるためにコンソールを買う必要がどこにもないというのが現状なんです。まあ,実際は勉強せずにPCでずっとゲームしてるんですが(笑)。

4Gamer:
 どこの国も大差なかった……(笑)。

Chen氏:
 しかしそうはいっても,日本は子どもがゲームで遊ぶのは割と普通のことだと思うんです。でも台湾では,子どもがゲームをやるのは「大変良くない」と思われる傾向が日本より強いので,わざわざゲーム専用機を買ってもらうのは難しいかもしれません。

4Gamer:
 日本もそこまでホイホイ買ってあげるわけでもない……と思います。たぶん。

Chen氏:
 そうなんですね。なんだかそういうイメージがあります。ゲーム大国日本ならではの(笑)。
 でもコンソールは,最近中国語に対応したゲームが増えてきて,割と元気になってきましたよ。PCゲームであれば,言語で中国語が選択できるのは普通なんですが,コンソールもようやく追いついてきてくれました。

4Gamer:
 確かにそうですね。PlayStation 4になってからというもの,ちゃんと各種中国語にもローカライズされるようになってきましたもんね。

Chen氏:
 そんなローカルな情報まで知ってるなんてさすがですね。

4Gamer:
 こないだChinaJoyで聞いてきたばかりなので(笑)。
 ところでゲーム全体の市場規模って全体としていくらぐらいなんですか?

Chen氏:
 600億台湾ドルなので,日本円だと……(電卓を叩いて)大体2235億円ですね。

4Gamer:
 巨大産業……とまではいきませんが,まぁまぁありますね。日本のデベロッパやパブリッシャって,そこまで台湾マーケットを重視していないように見えるんですが,そのあたりはどうですか?

Chen氏:
 いえいえ,最近は日本のデベロッパ,パブリッシャも台湾市場を重視してきていると思いますよ。台湾をベースにして,中華圏のマーケット全体を運営していこうという傾向が高まっているからです。

4Gamer:
 ああなるほど,前線基地的な感じですか。最近は,簡体字版より繁体字版が先にリリースされることが多いように見えるのは,そういうわけなんですね。

Chen氏:
 細かいところまで見てますねえ(笑)。

4Gamer:
 いやでも確かに,台湾をベースにするというのはいい考えかもしれないですね。中国に進出するのはまだまだけっこう大変なので。


出来が良いのに売れない“コア”なゲーム達――何でこの作品がランキング上位にいるんだろう?


4Gamer:
 一方でユーザー側の話なんですが,台湾のゲーマーって日本のゲームをどんな風に思っているんでしょう?

Chen氏:
 日本のゲームはすごく丁寧に作られていて,深みがあると思われています。とくに我々の世代は,今までずっと日本のゲームをプレイしてきたので,日本のゲームセンスが大好きなんです。

4Gamer:
 「我々の世代は」ということは,そうじゃない世代もいる?

Chen氏:
 世代……というよりグループですかね。今の台湾ではコアユーザーとライトユーザーがきっちり分かれてしまっていて,日本製の作り込まれたゲームが好きなのはコアユーザーのほうなんです。ライトユーザーは,ゲームの作り込み自体はあまり興味がなくて,「レベルを早く上げて強くなりたい,ほかの人に勝ちたい」という部分を重視して感じですね。

4Gamer:
 んーでもそこは,アジア圏全体で共通のムーブメントじゃないですかねえ。もしかしたら世界全体かも。

Chen氏:
 確かにChinaJoyとかを見ていてもそうかもしれませんね。

4Gamer:
 勝手な思い込みかもしれませんが,台湾って日本のユーザーと好みが近いと思っていたので,日本のメーカーが台湾に進出しようと思ったときでも,実はローカライズするだけでいけるんじゃないか? と思っていたんです。
 でもそうやってユーザー層がキッチリ分かれているという今の話を聞く限り,そういうシンプルなアクションではなかなか難しいのかもしれませんねえ。日本がコンソールメーカーが作っているものって,やっぱり今でも「いい意味でコア」なゲームが多いですから。

Chen氏:
 台湾のゲーム業界も同じく,作り込まれていてクオリティの高いゲームもありますが,そういったゲームが高い売り上げを出すかというと,そういうわけではありません。ユーザーたちは,ゲームとしてそこまでクオリティが高くなくても,多くのユーザーを取り込んでいるゲームをプレイするので,そういったゲームが高い売り上げを出すんですよね。

4Gamer:
 なんかよく聞く話です……。

Chen氏:
 でしょう? セールスランキングを見ても「何でこの作品がランキング上位にいるんだろう?」と我々も疑問に思うことも多いです。しっかりとていねいに作り込まれているのに売り上げが低いゲームを見ると,「おかしいなあ」と思うと共に,ちょっと悲しくなってきますね。

4Gamer:
 分かります。

Chen氏:
 我々の世代が,今のマーケットに慣れなければいけないんですけどね。

4Gamer:
 Bahamutも4Gamerもそうですが,古くからあるメディアは「変化」についていくのがなかなか大変ですよねえ。

Chen氏:
 メディアの在り方も変わってきてますしね。私たちのようなゲームを紹介する,キチンとした法人メディアを通り越して,メーカーが独自にプロモーションとして生配信をやってたりするわけです。我々のような旧体制のメディアにとっては乗り越えるのが難しい課題ですし,これからどうやっていくべきなのか毎日悩んでます。

4Gamer:
 なんだかんだいっても,Bahamutも4Gamerも――同列に並べるのもちょっとおこがましいですが――それぞれの国のゲーム業界ではそれなりに大きなメディアなわけですよね。なので,古いものを見捨てないということも大事ですが,時代の流れに追いついていかなくてはならない義務がある,という側面もあるわけです。

Chen氏:
 立ち止まることができないんですよね……。走りながらずっと考え続けています。


若い世代が考える“ゲーム”とは,友達を作ったり,レベルを上げて強くなったりするもの――掲示板の運営がどんどん難しくなっている


Chen氏:
 ところで台湾って,少し前に韓国のゲームが入ってきて,その後は中国のハイクオリティなゲームが入ってきています。昔の日本のゲームを触ったことのない若いユーザーは,そういった韓国・中国のゲームのセンスやクオリティを「スタンダード」として考えているんだと思います。それは仕方のないことですが。

4Gamer:
 なるほど。一種のジェネレーションギャップなんですね。

Chen氏:
 しかし我々の世代は,最初にコンソールゲーム,次にPCゲーム,今はモバイルゲームというように,今までのゲームの歴史を体験してきました。それが良いことか悪いことかは分かりませんが,今の若い世代は最初からモバイルゲームから入ってきているわけです。なので,彼らが考える「ゲーム」とは,深いストーリーがあったり練り込まれたシステムがあったりそういうことではなく,友達を作ったり,レベルを上げて強くなるといったことを重視しているわけです。

4Gamer:
 そうですね。そもそもスマホゲームはそういうところに重きを置かれて作られていますし。

Chen氏:
 ええ。もちろん,それが悪いことだというつもりはありません。
 ただ,Bahamutとしてはその問題はとても存在が大きいんです。なぜなら,昔のコンソールゲームのユーザーは,自分たちの作品に対する愛を見せたいという思いが強く,自分たちから攻略情報やプレイした感想などを掲示板に書き込んでくれていたんです。

4Gamer:
 あ,なるほど……ゲームプレイに対するモチベーションが違うという話ですね。

Chen氏:
 はい。対して今のモバイルゲームのユーザーは,そういったことにとくにこだわりはなくて,どのキャラが強いかとか,どのキャラなら当たりだとか,自分がいかに周りから遅れずに楽しめるかということに注力してるんですよね。なので掲示板を運営するのがどんどん難しくなっていて,これは,これから考えなくてはいけない我々の大きな課題の一つになっています。


4Gamer:
 掲示板から立ち上がったBahamutならではの悩みですね。

Chen氏:
 今のゲームは基本プレイ無料なので,好みじゃなければすぐにアンインストールしますし,飽きたらすぐに新しいものを試せます。昔のゲームは,まずお金を出して買わなきゃいけないので,購入する前にいろいろ調べて,買ったあともいろいろ調べて,クリアするまで遊び尽くして,最後はそのゲームに感情移入をしてたわけです。この流れは,今のユーザーが味わったことのない体験なんだろうなと思っています。

4Gamer:
 今はインストールして10分ぐらい試して,つまらないと思ったら消すだけですしね。いいのか悪いのか,選択肢はいくらでもあるわけで。

Chen氏:
 ユーザーレビューを調べる必要性もなくなってきてますよね。ダウンロードすれば誰にでも分かるので。

4Gamer:
 でもそれって,バイナリファイル……つまりゲーム本体のプログラムの価値がどんどん下落していってると思っていて,そこを個人的には危惧しています。何十人,場合によっては100人以上の人が関わって,1年,2年,下手すれば数年かけて作ったゲームが,序盤のチュートリアルをやっただけで消されてしまうわけです。

Chen氏:
 そうですよねえ。

4Gamer:
 スマホゲームは,ゲーム業界そのものを裾野を膨大に広げたという,今まで誰も成し得なかった偉業を成し遂げたジャンルではありますが,一方でまた,ゲーム業界そのものの寿命を縮めているんじゃなかろうか,とも思ってしまいます。ゲームというものが「5分試して消す程度のもの」になってるわけですから。……っていうのは悲観的で感傷的すぎますかねえ?

Chen氏:
 いや,そうでもないでしょう。
 昔のゲームは,今と比べればそこまで数が多いわけではないですが,ある程度のクオリティはあったと思いますし,それぞれの作品によって面白いところがあったりしましたよね。今はゲームの数が莫大に増えすぎているし,どれが良いのかも全然分からなくなってきています。そういう風になってしまうのも,ある意味仕方のないことなのかもしれません。


台湾もMOBA一色――駅やバス停などでは,若い人たちがスマホを持ち寄ってMOBAで対戦してます


4Gamer:
 ところで今おいくつでしたっけ。ちゃんと聞いたことはなかったかも。

Chen氏:
 1976年生まれで40歳ですね。ファミコンが一番輝いていた世代の人間です。

4Gamer:
 先ほどから話題に出ている「最近のモバイルゲームから入ってきた若い人」ってどのあたりの世代を指してます?

Chen氏:
 うちのサイトで言うなら中学生くらいでしょうか。これは日本も同じだと思うんですが,「Minecraft」なんかだと,小学3〜4年生ぐらいのプレイヤーもけっこういますしね。

4Gamer:
 確かに若い! では20代になると,どんなゲームが好まれてるんでしょう。

Chen氏:
 無料のモバイルゲームと,PCのMOBAで遊ぶ人がほとんどかと。例えば台湾の駅やバス停などでは,若い人たちがスマホを持ち寄ってMOBAで対戦していたりしますよ。コンソールについては,Nintendo Switchだと少し年齢層が下がりますが,PlayStation 4になると,20代よりも少し高いかもしれません。

4Gamer:
 MOBAって台湾でもそんなに普及してるんですね。そこまでじゃないのは日本だけか……。

Chen氏:
 台湾は今e-Sportsにとても力を入れてますしね。e-Sportsのプロ選手たちは,台湾の若い人たちにとっては憧れの対象ですし,先ほど申し上げた「リーグ・オブ・レジェンド」と「Arena of Valor」は,定番のタイトルとして認識されています。

4Gamer:
 今「台湾がe-Sportsに力を入れている」とおっしゃっていましたが,それは政府が? それともゲーム業界が?

Chen氏:
 やはり最も力を入れているのはゲーム業界です。ただ,去年ぐらいから政府も気づき始めて,力を入れるようになっています。例えば台北と高雄では,政府の手でe-Sportsのイベントが開催されていますし,市長もイベントに出席していたりします。

4Gamer:
 うーん,日本もがんばってほしいな……。

Chen氏:
 最近はMOBAの人気が凄すぎて,業界としても売れてほしいので全力でプッシュしている感じですね。少し前には,台湾の選手が国際大会で良い成績を残したこともあり,政府もe-Sportsの存在に気づき始めました。

台湾の立法院は,11月7日に「運動産業発展条例」の一部改正案を可決し,e-Sportsをスポーツ産業として正式に定義すると発表している(Taiwan Today
台湾最強のゲームメディア「Bahamut」が語る台湾ゲーム事情――セールスランキングを見てると「何でこの作品が上位にいるんだろう?」と思いますよね 台湾最強のゲームメディア「Bahamut」が語る台湾ゲーム事情――セールスランキングを見てると「何でこの作品が上位にいるんだろう?」と思いますよね

4Gamer:
 MOBAより前はそこまででもなかった?

Chen氏:
 MOBAの前に流行ったFPSやレースゲームなどのときは,政府の力で広めていこうという動きはなかったんですが,MOBAから一気に爆発したという感じです。国際試合で優勝するというのは政府が一番喜ぶことなので,やはりそこが大きかったのではないでしょうか。

4Gamer:
 日本の行政ももうちょっとゲーム業界に絡んでほしいところなんですけど,なかなかそうもいかないようで,うらやましい限りです。そういうのがないと,産業として1ランク上に行けない気がするんですよね。

Chen氏:
 そうですね。日本は歴史もあるし,世界的に有名ないろんな名作やIPを生み出しているゲーム大国なのに,そういう部分が少し後手に回っている気はしますね。まぁそこは4Gamerさんがなんとか……(笑)。

4Gamer:
 最後にプレッシャーが(笑)。
 そろそろ次の取材ですよね。今日はありがとうございました。同業者として今後もお互いがんばっていきましょう!

―――2017年9月24日収録
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