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日本eスポーツ協会の特別授業が渋谷区の中学校で実施。「FIFA 17」「BLAZBLUE CENTRALFICTION」を用いたプロ選手と学生のエキシビションマッチも
授業の後半は,プロのプレイヤーとして活躍しているマイキーこと嵯峨野 昴さんと,ソウジこと佐々木裕司さんが登場し,「FIFA 17」と「BLAZBLUE CENTRALFICTION」で生徒達とエキシビションマッチを行った。本稿では,特別授業の模様をまとめてみたい。
日本eスポーツ協会公式サイト
馬場氏はまず,e-Sportsの概要を分かりやすく説明するため,世界大会の様子を収めたビデオを見せた。生徒達は,何万人もの来場者が熱狂する様子を食い入るように見つめ,その反応に手応えをつかんだのか,馬場氏は「e-Sportsって,いい(E)スポーツなんですよ」とジョークを飛ばして笑いをとるなど,ユーモアを交えて説明を行った。
プロ選手の規模だが,現在,e-Sportsの選手の数は,世界では3万5301人とのこと。しかし,日本の選手数は396人で,まだまだ少ないと馬場氏は述べる。獲得賞金についても,上位を独占しているのはほとんど外国選手で,日本人選手のランキングは200位台なのが現状だという。
とはいえ,上記のように日本でもe-Sportsのムーブメントが育ちつつあり,日本人選手の数が増えれば,必然的に獲得賞金ランキングも上がってくるだろうと馬場氏は予想する。
そのためJeSPAでは,今後もe-Sportsの普及に尽力し,世界を相手にトップを競える選手を育成しなければならないとした。
教育との関係についてキング氏は,e-Sportsを教育に取り込むことで,コミュニケーション力やリーダーシップ,サバイバルスキルなどが養われることから,さまざまな教育分野で,e-Sportsが導入されようとしていると述べた。チーム戦を行うタイトルの場合,メンバーの1人として仲間と協調してプレイする能力は,仕事でも大いに活用できるという。
e-Sportsは,ちょっとした時間でも練習でき,また,男性と女性が平等に競えることも見逃せないポイントだ。女性のe-Sports選手は少ないが,今後に期待したいとキング氏は話した。
実力差は歴然だったため,試合の途中でマイキー選手がディスプレイを見られないようしてプレイするという,とんでもないハンデが付けられたが,前半の点差が響き,試合はマイキー選手の圧勝で終わった。プロ選手の実力を肌で感じた生徒は,それでも「楽しかったです」と笑顔だった。
東京ヴェルディeスポーツチームのマイキーさん |
東京ヴェルディeスポーツチームのソウジさん |
続いてはソウジさんと生徒代表による,対戦格闘アクション「BLAZBLUE CENTRALFICTION」の試合だ。中には格闘ゲームをプレイしたことがないという生徒もいたため,ソウジさんには,試合開始10秒間ノーガードというハンデが付けられた。試合は白熱し,生徒達はあと一歩のところまでソウジさんを追い詰めたものの,最後のラッシュが生徒達を圧倒し,ソウジさんがプロ選手としての面目を保った。
日本におけるe-Sports普及活動の一環として行われた今回の特別授業。今回の広尾中学校を皮切りに,e-Sportsに関心のある学校を巡回していく予定のとのこと。職業としてのe-Sportsが果たして日本に根付くかどうか,今後も注目していく必要があるだろう。
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