2015年6月18日から21日まで東京ビッグサイトで
「東京おもちゃショー2015」が開催されている。4Gamerとしては久しぶりになるが,今年の出展動向などをレポートしてみたい。
さて,久しぶりと言われてもピンとこない人のために解説しておくと,おもちゃショーというのはゲームとは直接関係がないイベントではあるのだが,
個人的な趣味広くエンターテイメント業界の動向を追う目的で4Gamerでも例年レポートをしていたのだ。しかし,この数年はE3と日程がかぶってしまっていたのでどうにもレポートできなかった(今年もかぶってるという説もあるが)。今年はなんとか取材ができたので,写真中心におもちゃ業界の現状を探っていこう。
●ヒミツのクマちゃん
おもちゃとしてロボットデバイス(のようなもの)が登場してきて久しいのだが,ついにリアルタイムの自然会話を実現するものが登場してきた。そのうちの一つがタカラトミーアーツによる「ヒミツのクマちゃん」だ。
公式サイトにある動画によればSB01(もしくはSBO1)というエンジンが使われており,しりとりなどが得意だという。そのほか,分からない単語などはネットで検索して調べてくれるという。ただし,通信回線は持っていないので,手持ちのスマートフォンやタブレットなどとリンクして遊ぶことになる。
とりあえず,動いているところを動画で確認してみてほしい。
会話の様子については,公式のイメージムービーのほうが分かりやすいのでそちらを参照してみてほしい。
画面に映っていたSB01モジュールはかなり簡易な構成だったので,おそらく入出力と通信機能だけをサポートしたものではないかと思われる。実際の処理はクラウド上で行っているものと思われる(スマートフォン側という可能性もあるが)。実際に高度なAIを運用するとなると,ある程度のCPUやメモリ,ストレージは不可欠で,端末価格をどうしても引き上げてしまう。子供用のおもちゃに高価格設定もできないだろうから,こういった方式が現実的なのだろう。
このクマちゃんは7月発売ということなので,興味のある人は
公式サイトをチェックしておこう。
※後日,この製品にAIは搭載されていないことが分かりました。自律的に会話をする製品ではありません。とくに訂正はいたしませんが,勘違いに基づいた記事になってしまったことをお詫びいたします。
●OHaNAS
タカラトミーから発売される「OHaNAS(オハナス)」も会話ができるロボットだ。やはりスマートフォンやタブレットなどとBluetoothでリンクして使うことになる。ただ,タカラトミーアーツのクマちゃんと同じエンジンなのかと聞くと,きっぱり別モノだと言われた。タカラトミー独自のOmnibotの系列に連なるもので,似た機能のものなのだが別開発のようだ。
動作状態についてはムービーを見てもらうのが分かりやすいだろう。こちらは会話中心である。
ちょっと齟齬はあったようだが,概ね自然に会話が進んでいることが分かる(ちなみに東京は晴れていた)。クマちゃんの特技がしりとりだったのに対し,こちらの特技は俳句と,ちょっとハイソな仕様となっている。発売は10月上旬の予定だ。
通信回線がないと会話はできないという点がちょっと難点ではあるが,こういった“クラウドトイ”がもたらす可能性というのは計り知れないものがあり,他社がどう出てくるのか来年以降の展開が楽しみである。
●codonabi
バンダイの「codonabi」は,アンパンマンをフィーチャーした子供用のAndroidタブレットだ。まず,タブレットとしての性能を見てみよう。過大な期待をしている人はいないと思うが,SOCはCortex-A7ベースだから,2年位前のスマホでお馴染みのCortex-A15やA9のさらに下位のプロセッサとなる。メインメモリは512MB,ストレージは8GBだ。7インチ液晶ディスプレイの解像度は公開されていない。さらにバッテリー持続時間は4時間と,タブレットにしてはもの足りない数字だ。単にAndroidタブレットとして考えると,2万8000円(税抜き)というお値段はちょっと厳しいところだろう。
とはいえ,本機にはプリインストール状態で,150以上のオリジナルコンテンツが搭載されている。さらに,Androidアプリをダウンロードすることも可能だ。とはいえ,これは子供用デバイス。親子でセキュリティレベルを変えて,ダウンロードしたアプリを子供には表示しないような設定もできるようになっている。「安心安全のAndroid端末です」と書かれていてもちょっと眉唾な雰囲気はあるのだが,ある程度のセキュリティ対策は行われているのだろう。
●tapme2
同様に子供向けAndroidタブレットとして発売されているメガハウスの「tapme2」。SOCは詳細不明のデュアルコアCPU搭載で1GHz駆動とある。メインメモリは1GB,ストレージは8GBだ。7インチ液晶画面の解像度は公開されていなかった。codonabiと比べるとメモリ量が多くて値段が8000円ほど安い1万9800円(税抜き)なのだが,ここもバンダイグループなのでベースとなる機材は似たようなものなのかもしれない。
内蔵されているアプリは40種以上,英検用アプリやジーニアス英和・和英辞典など,4種の辞書アプリも入っている。もちろん,Androidアプリをダウンロードして利用可能だ。Google Playではなく,独自のマーケットに接続されるのでさほど怪しいものはないと思われるが,保護者によるアプリ制限や利用時間制限なども可能になっている。
●Play Watch
タカラトミーが展示していた「Play Watch」は,香港の知育玩具メーカーVTechによる「KIDIZOOM SMART WATCH」を日本向けにローカライズした商品となる。時計機能やゲーム機能,カメラ機能などがある。写真の解像度は640×480ドット,動画は320×240ドットとなっている。ハードに使うと1日,普通に使うと2,3日,ライトな使用状況なら2週間ほどバッテリーがもつそうだ。
ジュエルポッド,ジュエルパッドと女の子向け電子玩具を展開するセガトイズは,当然のようにジュエルウォッチを発表。別にどっかに喧嘩を売ってるわけではないと思うのだが……
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日本おもちゃ大賞2015でイノベイティブ・トイ部門賞を受賞した「BotsNew」。スマートフォンを挟み込んでVR体験ができる簡易型のHMDである。Cardboardやハコスコのちょっと豪華なモノという印象で,専用アプリはいくつかあるのだが,イノベイティブ・トイと呼ぶのはちょっといかがなものかと思わざるをえない。iPhoneとAndroid端末に対応している
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なんやかんやと毎年進化しているルービックキューブ。最近のルービックキューブは動かすたびに変形するらしい
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ブロックとモーターデバイスやセンサーモジュールを組み合わせてロボットを作り,自在にプログラミングできるというアーテックの組み立てキット。が“スタディーノ”とされていることからも分かるようにArduino系のデバイスだ。プログラムは,PC上でScratch系のビジュアルプログラミング環境で行うことになる。ブロックをつないでいく方式のインタフェースは,どこかで見たことのある人もいるかもしれない。さまざまなキットが用意されており,制御プログラムは公式サイトでダウンロード可能だ
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コルグによる電子工作キット「little Bits」。Power,Input,Wire,Outputという4種類の機能のモジュールをつないでいくことでいろんな動作を実現するというもの。モジュールはマグネット式で通電中でも平気で付け外し可能だ。Inputにはボリュームスイッチやスライダー,光センサーなど,OutputにはLEDライトやスピーカー,振動子などが用意されている。マグネット式なので,間違った方向には斥力が働いて接続できないという安心設計でもある
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セグウェイを買収した中国Ninebotによるジャイロトランスポーター「Ninebot One」。一見1輪に見えるが,3輪のデバイスだ。すでに日本でも発売中とのことだが,公道での利用はできないので,公園で許可をもらって乗るなど,ちょっと肩身の狭い使い方になるようだ
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左はカワダのナノブロックによる損保ジャパンビル。かたやマテルのメガブロックによるリアルお子様サイズのお城。いっそ,リアルサイズの家が作れるブロックも発売してほしいところだ。どうでもいいが,いつも安田生命ビルだと思って見ていたビルがいつの間にか損保ジャパンビルになっていたらしいことにちょっと驚いた
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Minecraftキャラのフィギュアとぬいぐるみ
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デジカメが小型カメラ搭載ラジコンヘリに変形すると話題の「ナノファルコン デジカム」。実際のところは,カメラ搭載ヘリをデジカメ型ドックに入れて持ち歩けるといった雰囲気の製品だ
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