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「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
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印刷2013/11/16 00:00

インタビュー

「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー

運命を切り開いた「かわいいは正義」


4Gamer:
 もうどこからツッコめばいいのやら困り果てる感じなんですが……それからどうなったのでしょう?

しずまよしのり氏
画像集#008のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
しずま氏:
 パン屋は働いているうちに店が潰れて放逐されまして,「さてどうするか」と思っていた矢先にPS2のゲーム開発の募集を発見したんです。
 3Dなんて全然分かりませんでしたが,とりあえずパソコンとPhotoshopを買って……。その当時はレイヤー機能とかまったく知らなかったので,とりあえずマウスで絵を描いて,あとは過去に描いた鉛筆画なんかを作品として持って行ったらなぜか拾われました。

4Gamer:
 おお,そこからついにこちら側の住人に!

しずま氏:
 でも当時は,今みたいな絵柄ではなかったんですよ。男キャラとかをよく描いていて,絵柄もスーパーリアルを目指していまして。……でもゲーム業界に入ってから,ある作品が僕を変えたんです。

4Gamer:
 おお,その作品とは!

しずま氏:
 「苺ましまろ」です!

4Gamer:
 なんで!?

しずま氏:
 秋葉原に行った時,「かわいいは正義」っていうキャッチコピーが書かれた看板がドーンと設置されていて。当時はモンスターのデザインなんかをやっていた僕は,それに衝撃を受けました。「そりゃそうだよな……その通りだよ!」って。

一同:
 (笑)

しずま氏:
 よくよく考えれば「自分がデザインしているモンスターも,結局は可愛い子達に駆逐されるんだよな……」などと思うようになり。それから,目が大きくて可愛い女の子を練習するようになりました。

4Gamer:
 そこまでの感銘を……確かに,素晴らしいキャッチコピーですが!

芝村氏:
 でも絵柄の矯正とか,メチャクチャ大変じゃないですか?

しずま氏:
 リアル志向から,目を大きくするのは大変でした。

4Gamer:
 具体的には,どのような練習をされていたのでしょうか?

しずま氏:
 もうなんか,目だけ延々と描いたりとか。最初に自分の描いた顔から目だけ拡大して,バランスを考えたりしましたね。

4Gamer:
 でも,なんだか納得しました。しずまさんの絵柄って,女の子に萌え要素が強くありながら体つきが妙に生々しかったりするじゃないですか。元々はリアル志向だったからこその画力なんですねぇ。

平林氏:
 そうそう,肉付きがね!

4Gamer:
 なんというか……おいしそうですよね!

島風
画像集#004のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
しずま氏:
 ネットで探せば,まだリアル系の絵も残ってるんじゃないかと思います。目が小さくて,可愛くするために足掻いている絵が(笑)。「マジオペ」とかを描き始めてからは,個人的に理想の形に少しずつ近づきつつあると思っています。
 ちなみに,とあるプロジェクトでちょっとデフォルメの強い絵を描いていたら,より目が大きいキャラクターを描けるようになりまして。僕としては「これをどこでリリースするか」と考えていたら,それが「艦これ」の“島風”になったんです。

4Gamer:
 なんと。言われてみれば島風ってしずまさんの描いたキャラクターの中でも特別“萌え”寄りですよね。結果的に「艦これ」の中でも絶大な人気を誇るキャラクターになったわけですし,リリースする場としては大当たりだったのでは(笑)。

しずま氏:
 でも最初こそ超レアな雰囲気でしたが,いつの間にかポンポンとドロップするようになってきているような気が……。

芝村氏:
 いやいや。あれはなんだかんだ,皆が想像している以上にプレイしていないと手に入らないじゃないですか。

平林氏:
 僕,ドロップは1回もしたことないですね……。建造では3回くらい出ましたが。

4Gamer:
 実は2回ドロップしたことがあります。雪風はまったく出ませんが……。

平林氏:
 雪風も建造で出ましたねぇ,ドロップは無しですが。本当にドロップ運が悪くて……やっと金剛を引きましたけど,それまでに霧島が5隻出ましたよ。

芝村氏:
 私的には鬼怒が出てこなくて……。

4Gamer:
 いかん危ない危ない……いつの間にか「艦これ」の話で盛り上がっていました。話を戻しましょう(笑)。えっと,しずまさんはゲームクリエイター時代にはどのようなタイトルに関わっていたのでしょうか?

しずま氏:
 メディア・ビジョンで「ワイルドアームズ」なんかを作っていましたね。先程も話したようにモンスターデザインや,ガーディアンの登場演出,デモシーンの絵コンテ演出とか,いろいろやっていました。自分で切ったコンテのデモを作ったり,モンスター班のセクションリーダーもやっていたので下の子の面倒を見たりしつつ。その後,別のゲーム会社にも在籍していました。

4Gamer:
 となると……何年くらいゲーム業界で働いていたのですか?

しずま氏:
 業界歴13年くらいですかね。フリーになってからは,まだ2年弱しか経ってません。

4Gamer:
 予想よりもゲーム業界歴が長くて驚きました……。それからフリーになって「マジオペ」に至るわけですが,このようなジャンルの挿絵は以前から描いていたのでしょうか?

しずま氏:
 いえ。ミリタリー的なイラストを仕事で描くのは,これが初めてでした。

4Gamer:
 それにしては銃器が異常にうまい気がするのですが……以前から趣味でこういったイラストを描かれていたんですかね?

しずま氏:
 はい。女の子と武器が大好きなので,ついついその辺のディテールにはこだわってしまいますね。

『マージナル・オペレーション 04』
画像集#019のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
芝村氏:
 しずまさんの絵って描き込み過ぎで潰れるんじゃないかと思うくらい緻密なのに,キャラクターが握っている銃器がしっかり特定できるようになっているんですよ。しかも巻ごとに,舞台に合わせて使う銃が変わっていたり。

しずま氏:
 銃には本当に気を遣いますね。例えば第3巻の時はタイ軍あたりの装備を見て「これだったら資料を入手できるだろう」というものを指定して芝村さんに送ったり……。

4Gamer:
 ほう,そういった形で「マジオペ」の挿絵は描かれていたんですか。てっきり芝村さん側から登場させる銃を指定しているものと思っていました。

芝村氏:
 そうですね。こちら側からはとくに指定していないんですよ。

平林氏:
 もちろん,本文に出てくるモーゼルなんかはそれに沿って描写していますが。細かな型式なんかを,芝村さんに見てもらっていましたね。

しずま氏:
 アラタの部下には子供達がたくさんいますし,状況的にみんな装備はバラバラだと思うんですよ。ジブリールだったらジブリールで,彼女の持っていそうな銃を探して芝村さんに確認してもらうと。そんな流れでしたね。

芝村氏:
 私のほうでは「マジオペ」を書くにあたって,なるべく銃の描写はしないと決めていたんです。なぜなら,私が銃のことを書いたら何ページにもわたってその詳細を語ってしまうので。きっと読者はそんな事を望んでいないでしょうし(笑)。
 それにアラタという主人公が,銃に何の興味もない人間なので。「銃のうんちくでページ稼ぎしない!」というのは最初に決めていました。

平林氏:
 今から考えると,賢明な判断でしたね(笑)。

芝村氏:
 そうですね。読者さんの反応を見て,「ああ,本当に書かなくて良かった」と思えました(笑)。

4Gamer:
 しずまさんが「絵で食っていこう」と思うようになったきっかけって,何だったのでしょうか? 影響を受けた作家さんとかいると思うんですが。

しずま氏:
 元々は松本零士先生や石ノ森章太郎先生がすごく好きで……「サイボーグ009」とか「キャプテン・ハーロック」とか,もうたまりませんね。それから「ウイングマン」の頃の桂正和先生なんかにも影響を受けていると思います。

4Gamer:
 桂先生に影響を受けた部分は,やはり女の子の描写ですか。

しずま氏:
 僕の絵ってよく見ると分かるんですが,キャラクターに小さな“アゴ”がありますよね。あれ,どうしても描いちゃうんです。影響をひきずり続けているんですよ。当時は小学生くらいだったと思うんですが,あの「ウイングマン」のエロスには……なんというか……もう正直エロ本でしたよね(笑)。

4Gamer:
 分かります。もうちょっと突っ込んだ話で“心のヒロイン”的な娘はいたりしますか?

しずま氏:
 ……やっぱり「ロードス島戦記」のディードリットですかね。

4Gamer:
 おお,ここでエルフが来た!

平林氏:
 でも,そもそも中の人は……(笑)。

4Gamer:
 ちょっと! そこには触れないでおきましょうよ(笑)。

しずま氏:
 出渕 裕さんの挿絵を見た時に,もう衝撃が走りましたね。「ああ〜! エルフ……イイッ!」って。中学生くらいでした。

4Gamer:
 じゃあ,エルフ好きなしずまさんが人工エルフのソフィを描くというのは心境的にどうだったんですか(笑)。

『マージナル・オペレーション 02』
画像集#014のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
しずま氏:
 あれはあれで! 2巻のソフィとか,服が何気にディードリットっぽい配色だったりして……。

4Gamer:
 ああ! 確かに配色がディードリットだ!

しずま氏:
 「さすがにこれは誰も気付かんだろう!」ってほくそ笑みながら描いていました(笑)。

4Gamer:
 じゃあ,中学生の頃には相当ディードリットを描いたのでは? 女の子の描き方は,そこで鍛えられた感じでしょうか。

しずま氏:
 描いていましたねぇ。あとは高橋留美子先生の作品でしょうか。そのあたりもよく描いていました。

芝村氏:
 ディードリットとはだいぶ画風が違いますよね(笑)。線の細い女の子じゃなくて,どちらかというとムチムチ系。

4Gamer:
 ということは,しずまキャラのムチムチ感は高橋留美子先生からの影響が……。

しずま氏:
 間違いなく大きいですね。ラムちゃんとか大好きですし。

4Gamer:
 そんな青春時代を過ごしたあとにスーパーリアルの道へと踏み込み,ジャンク屋,製図屋,パン屋,ゲームクリエイターを経て「苺ましまろ」で“かわいいは正義”に目覚める……。この情報,恐らく初出しですよね(笑)。

芝村氏:
 誰も知らないですよ,こんなの(笑)。

平林氏:
 僕も知りませんでした。


「マジオペ」外伝,唐突に執筆決定!?


4Gamer:
 そんなしずまさんが「マジオペ」で一番気に入っているキャラクターは誰なんでしょうか?

ジニ
画像集#013のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
しずま氏:
 キャラクター的には,ジニがすごく好きです。

平林氏:
 それ,実は僕もなんですよ(笑)。

しずま氏:
 ジニいいですよね……。

平林氏:
 (真顔で)どうして我々はジニと結婚できないんですかね?

4Gamer:
 無邪気な第二夫人いいですよね……。

芝村氏:
 ジニが可愛いって言っている人って,ちょっと特殊なんですよ。知り合いの中でも,ジニ好きはごく一部の濃い層ですし(笑)。

しずま氏:
 なんでしょうね。あの性格というか,ハッキリしていて分かりやすいキャラクターなので。個人的に好きです。

4Gamer:
 むしろいい娘すぎて「ジニ嫌いな人なんているの?」的な。

平林氏:
 「マジオペ」がわりとシビアな世界観なので,ジニ自身にも親から切り離されたという過去があったりしますよね。でも,その過去を今の境遇に持ち込まず明るく振る舞っているところがいいんですよ。

4Gamer:
 ジニを含めて,ヒロイン達のハッキリとしたキャラ立ちも「マジオペ」の魅力だったと思うんですよね。

芝村氏:
 私としては,作中の登場人物で唯一まともだったのはソフィだと思うんですよ。

4Gamer:
 なんと。それは,ちょっと意外な意見ですが……。

芝村氏:
 ソフィだけ,現代人が持っている感覚を失っていないんです。一方で,アラタは完全に環境に適応してしまっていて,ジブリールは幼いから環境に疑問を持たない。「他人と命の取り合いをしちゃダメ!」と言えるのはソフィだけなんです。
 それ以外のキャラクターはみんな「仕方ない」と思っていて,しかもアラタは子供達を幸せにするために途方もない道を歩んでいる。でも読者はそこに感情移入しているから,本当なら至極真っ当なことを言っているソフィに対して「なに言ってんだこの女」となっちゃうんですよね。

4Gamer:
 言われてみれば……。

芝村氏:
 ソフィは入院している間に,どんどん感覚が「銃を置いた人」になりつつあるんですよ。

4Gamer:
 どうか耳を治してあげてください……!

芝村氏:
 きっと梶田が支えてくれるでしょう。あのあともずっと付き添っているはずなので……なんだったら外伝でも書いちゃいますか?

4Gamer:
 お,それって今後も「マジオペ」外伝はやるってことです!?

芝村氏:
 思いつきで言ったことです(笑)。あとで編集と相談して……。

平林氏:
 あ,いいですよ。やりましょう。弊社のウェブサイト「最前線」にも掲載できますし,短編集を来年の夏くらいに!

芝村氏:
 そこはスケジュールを立ててからね! 打ち合わせしておくので(笑)。

4Gamer:
 鬼の編集者が,すでに確定事項のように言っておりますが(笑)。

平林氏:
 しずまさんも,よろしくお願いします(笑)。

しずま氏:
 ……覚悟しておきます(笑)。

平林氏:
 あまり“マージナル”な状況に陥らない感じで進めましょう(笑)。

4Gamer:
 つまり,外伝には期待していい感じなんですね! そういった展開では,キムラダイスケ氏によるコミカライズ版の調子も非常にいいとお聞きしましたが。

平林氏:
 11月22日に単行本の第1巻が出ますが,その前にアフタヌーンの表紙を飾れたので結構人気があるようです。

ジブリール
画像集#012のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
芝村氏:
 すごいですよね。まだ本編に「ジ」の字も出てきていないのにジブリールが表紙にいて「大丈夫かこのマンガ!」って思いましたよ。いくら人気があるといっても(笑)。

平林氏:
 あと,キシモト。彼のエピソードがかなり盛られていて,アラタとの間に友情が生まれているんですよ。

4Gamer:
 あ,確かに。原作にはあんな絡み無かったですよね。

芝村氏:
 キシモトは3巻で敵として出すことを決めていたので,のちに「こいつは!?」って感じを出すためにあえて素っ気なく描写していたんですよ。

4Gamer:
 見事に引っかかりましたよ。再会した時,「誰こいつ?」ってなりました。

芝村氏:
 1巻のアラタは希薄な人間関係の中にいるので。ジブリール達と出会う前に会った人々との関係は,薄くしたかったんです。

4Gamer:
 では,コミカライズ版のあの展開について芝村さんは噛んでいないんですか?

芝村氏:
 基本的に,キムラさんから「こういう風にしたいんですが」と相談を受けた時は,どうしても口を出したい時以外「YES」と答えるようにしています。どちらかというと英語の監修とか,そういった部分を中心に関わっていますね。
 マンガと小説には違いがあって,小説では読者が主人公の中に入り込むのに対し,マンガはその姿を客観視するんです。だから,いろいろな部分に違いが出てくる。例えば,基本的に小説ではアラタの有能さが表に出過ぎないように,ジブリールやホリーの発言を介して「ここが凄い」と伝えていく形になっているんです。でも,コミカライズ版ではそのネタバレが最初からあるじゃないですか。

4Gamer:
 PMSCsの社員がアラタを見て「こいつは成績優秀だ」というような話をしていますね。

クロード・ランソン
画像集#018のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
芝村氏:
 「最初からこんなネタバレしていいのか!」と思う部分もあります。マンガって凄いなぁと。視点が変わると,まったく違う話になるんですよね。
 個人的に一番面白かったのがランソンの登場シーンで,「亀仙人登場!」みたいな雰囲気だったんですよ。あれを見て「すげぇ! 少年漫画の文法で『マジオペ』描いてる!」と驚きました(笑)。

4Gamer:
 コミカライズを読んで,あらためて「異質な作品だな」と思いましたよ。ジブリールという確固たるメインヒロインが存在するのに,いまだ本格登場する気配がない(笑)。

平林氏:
 なにしろ,一番最初に出てくるヒロイン的な女性が娼婦じゃないですか。普通に考えたらあり得ないですよね(笑)。

4Gamer:
 しかも,それで人気が出ちゃうんだから凄まじい……。

芝村氏:
 それはもう,キムラ大明神の御力によるものですよ。

しずま氏:
 キムラさんは以前から「季刊GELATIN」などでカラー漫画を描いていて,そこで面白い描写をしていたので,彼がコミカライズを担当すると分かった時には安心しました。

芝村氏:
 最初に「キムラさんはいい」と言ってくれて,我々の空気を固めたのがしずまさんでした。それに我々が「ですよねー」と付いていったんですよ。

コミック版「マージナル・オペレーション」
画像集#022のサムネイル/「マジオペ」完結&「はるカナ」始動記念!! 芝村裕吏氏,しずまよしのり氏に超ロングインタビュー
4Gamer:
 コミカライズもされたわけですし,もし「マジオペ」がアニメ化されるとしたら,芝村さん的にはいかがでしょう?

芝村氏:
 ものすごく正直な意見を言うと「え,これアニメ化するの!?」ってなるでしょうね。だって,マンガ化するだけでも「え,こんな地味な話を!?」って思ったのに。
 小説って,だいたい1巻を買ったら最後まで読んでしまうじゃないですか。でもマンガだと1話か2話で読むのをやめてしまう可能性も十分にあるし,アニメだったらそれこそ30分で切られちゃう。つまり,30分で面白くしなきゃいけないんですよ。これってどんなに原作が面白くても,かなりカロリーを使う仕事だと思います。

4Gamer:
 昨今,アニメはとくに売り方が難しくなっていますしね……。

芝村氏:
 だからもしアニメ化するとしたら,よほど「マジオペ」が大好きな人でないと無理だと思うんですよ。ルーチンワークに沿ってアニメ化しようとすると,非常に難しい作品ですから。頭から「マジオペ」の毛が生えているような人じゃないと。

4Gamer:
 しかし,これはゲームの話ですが,芝村さんの作品はアニメ化率が非常に高いですよね。「マジオペ」も冗談抜きで十分にありえると思うんですが……。

芝村氏:
 これはもう笑い話で済むと思うのですが,私は小説を書く前にマンガ原作もやっていたじゃないですか。それで,小説を書く際には「マンガやゲームやアニメにできないものを書こう」と考えていまして。それをぶつけたのが「マジオペ」なんです。
 それなのにまさかのコミカライズときて……これでアニメ化された日にゃ,私の面目は丸潰れですよ! 最初に全3巻で終わらせると言ったこともそうですが,「昔の俺はなんでこんなことをインタビューで言ってやがるんだ」と(笑)。

4Gamer:
 我々としては,またそうなってくれるとオイシイのですが(笑)。

平林氏:
 実現すれば,声優さんのオーディションでは,ジニ役を誰にするかで僕としずまさんがモメるでしょうね!

一同:
 (笑)。

芝村氏:
 まったくもって,取らぬ狸のなんとやら状態(笑)。

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