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「GMIC TOKYO 2014」Global Game Summitの基調講演「日本・グローバルアプリストアトレンド」をレポート。国別の売上ランキングでは日本がトップに
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印刷2014/07/12 00:00

イベント

「GMIC TOKYO 2014」Global Game Summitの基調講演「日本・グローバルアプリストアトレンド」をレポート。国別の売上ランキングでは日本がトップに

App Annie Japanの桑水悠治氏
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 2014年7月11日,イベント「Global Mobile Internet Conference Tokyo 2014」(GMIC TOKYO 2014)が,東京都内のヒカリエホールで開催された。
 このイベントは,スマートフォンをメインプラットフォームとしたモバイルコンテンツ関連企業から講演者を招き,業界の最新動向や世界各国における市場の特徴などを紹介するプレゼンテーションを聴講できるというもの。
 本稿では,イベント内「Global Game Summit」ステージで行われた基調講演の中から,App Annie Japanの桑水悠治氏による講演「日本・グローバルアプリストアトレンド」をレポートしよう。

「GMIC TOKYO 2014」公式サイト

App Annie公式サイト



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 桑水氏による講演は,同社の有料データベース「App Annie Intelligence」のデータを元に,ゲームアプリのダウンロード数や売上をさまざまな角度から分析する,という内容だ。

 最初のトピックは,ゲームのダウンロード&売上のトレンドについて。
 App Store(iOS)とGoogle Play(Android)では,ストア全体のダウンロード数のうち,ゲームが約40%を占めている。売上ではゲームの占める割合はさらに高くなっており,とくにGoogle Playでは売上の80%以上がゲームとなっている。

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 ゲームの中でのダウンロード数と売上については,2013年5月におけるApp Storeのダウンロード数/売上を100%としたグラフで紹介された。
 ダウンロード数では,Google Playがこの1年で大きく数字を伸ばし,App Storeのほうは若干減少している。売上はApp Store,Google Playともに成長しており,前年比でApp Storeは1.6倍程度,Google Playは2倍以上と,急激な伸びを見せているのがうかがえる。
 なお桑水氏によれば,ゲームのマネタイズという面で見ると,App StoreのほうがGoogle Playより65%ほど大きいそうである。

掲載したスライドのグラフは,それぞれ一つのデータを基準とし,その数値との相対値をパーセンテージで表記したもの。実数ではない点には注意してほしい
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 次に紹介されたのは,アプリにおけるビジネスモデルの割合について。なおグラフは,App Storeの2013年の売上を基準に,パーセンテージで差を示したものだ。上部がアプリ内課金(サブスクリプションを含む)の売上で,グラフ下部の斜線部分は有料アプリの売上を示している。
 App Store,Google Playともに,アプリ内課金のビジネスモデルはこの1年で大きく成長している。右の「ゲーム以外のアプリ」を見れば,アプリ内課金がゲームに限らず全体的に進んでいるのが分かるだろう。
 なおGoogle Playでは,アプリ自体の売上よりもアプリ内課金の占める割合が大きいという傾向が,App Storeより顕著に現れている。

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 桑水氏はここでいったん話をまとめ,App Store,Google Playともにゲームがストアを牽引しており,この1年でアプリ内課金のビジネスモデルが成長していると述べた。Google Playは,前年比で125%の成長を見せているとのことだ。

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世界各国におけるゲームダウンロードと売上の比率


 次に桑水氏は,ゲームのダウンロードや売上などの傾向を国別にまとめたスライドを紹介した。ここでは,2014年5月のデータが用いられている。
 国別のダウンロードでは,アメリカにおけるApp Storeの数字を基準にし,それと対比する形のグラフで紹介。なお,2位の中国はサードパーティのAndroidストアだけで,公式のGoogle Playストアがないため,このグラフではカウントしていないとのこと。App Storeのダウンロード数だけでも2位に入っていることから,巨大な市場であることは分かるはずだ。

 グラフで特徴的なのは,App Storeでは1位のアメリカと2位の中国で全体の40%を占めているという点。
 そのほか,国別に見ると,App Storeのダウンロード数が大きいのは日本,イギリス,ロシア程度で,それ以外の国ではGoogle Playの占める割合が圧倒的に高くなっている。なお桑水氏によれば,国別順位で4位にランクインしているブラジルが,ここ1年で大きくダウンロードの数字を伸ばしたとのこと。

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 売上では,App StoreとGoogle Playの合計でトップは日本となる。桑水氏は,Google Playの売上では,日本,アメリカ,韓国の3国が売上全体の70%を占めるとコメント。日本,韓国,ドイツ,台湾以外の国では,依然としてApp Storeがマネタイズの主流になっていると説明した。

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 続いて桑水氏が紹介したのは,ダウンロード数と売上の国別ランキングだ。
 App Storeでは,ダウンロード数は1位:アメリカ,2位:中国,3位:日本,4位:イギリス,売上は1位:アメリカ,2位:日本,3位:中国,4位:イギリスと,上位はほぼ同じ並びとなっている。注目は,売上の10位にランクインしている台湾とのこと。

 Google Playでは,ダウンロード数のランキングで,ブラジル,メキシコ,トルコ,インドネシアといった新興国のダウンロード数が急増している。とくにトルコは11ランク,インドネシアは8ランク上昇するなど,成長が著しい。
 一方の売上では,アメリカ,ロシア,韓国,ドイツを除く国はすべてランク外となり,ダウンロード数では圏外だった日本がトップになるという状態だ。
 桑水氏によれば,Google Playでの注目は,2013年よりランクが上がった香港,台湾とのこと。なお台湾では,App StoreよりもGoogle Playの成長のほうが大きいそうである。

 桑水氏は,国別トレンドとして,各国でのローンチ戦略と急成長中の国を以下のようにまとめた。

各国でのローンチ戦略
日本・アメリカ:iOSとGoogle Playどちらも必要
中国:iOSでのローンチに加え,Androidではローカルのディストリビューション,マネタイズを利用する必要がある
韓国:iOSよりGoogle Playに集中する
その他の国:一般的にiOSのほうがGoogle Playよりもマネタイズしやすい

急成長の国は?
ブラジルがiOSとGoogle Playの合計ダウンロード2014年5月時点で4位と大きく成長している
台湾・中国のiOSの売上が成長している
トルコ・メキシコ・インドネシアがGoogle Playのダウンロードで,香港・台湾のGoogle Playの売上が急成長している。

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 本講演ではさらに,iPadとiPhoneのゲームにおける,ダウンロード数のデータも紹介された。なおスライドで示されたグラフの値は,アメリカにおけるiPhoneのダウンロード数を100%として算出したものだ。
 桑水氏によれば,ダウンロード数では,App Store全体の30%がiPadからのものだという。iPadからのダウンロード比率の高さで目立つのは,アメリカ以外ではロシアとなり,ダウンロード全体の約40%がiPad経由とのこと。
 また,反対の意味で目立つのが日本で,iPadからのダウンロード数は非常に少なく,グラフに掲載された国の中でも,iPadよりもiPhoneに極端に偏った市場であることが見て取れる。なお,これはゲームに限った話であり,他のジャンルではiPadのダウンロード数の割合がもう少し大きいものあるとのこと。

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 一方,売上のグラフだが,こちらもアメリカのiPhoneの数字を100%としている。桑水氏は,App Store全体の売上のうち約3分の1がiPadであり,さらにアメリカが世界全体のiPad売上の40%を占める,(今のところ)最大の市場であると説明した。
 売上でも日本は注目で,先述したようにダウンロード数は圧倒的に低いものの,iPadだけの売上で見ると,アメリカ,中国に続く3位にランクインしている。

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海外展開で成功している日本のパブリッシャは?


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 次は,売り上げランキング上位に入るアプリを制作しているパブリッシャがテーマとなった。時間の都合でWebで確認できるワールドワイドの話は省略となり,ここでは日本国内のトップアプリ・パブリッシャのみ取り上げられた。

 スライドで表示されたのは,App StoreとGoogle Playを合計したランキングで,ダウンロード数では「LINE:ディズニー ツムツム」Android/iOS),売上では「パズル&ドラゴンズ」Android/iOS)がトップとなる。桑水氏が注目タイトルとして挙げていたのは「モンスターストライク」Android/iOS)だ。
 パブリッシャでは,ダウンロード数ではLINE,売上ではガンホー・オンライン・エンターテイメントがトップという結果に。
 なお,ダウンロードで6位に入ったKing,売上で10位に入ったSupercellを除き,すべて日本のパブリッシャでランキングは占められている。桑水氏は,海外パブリッシャが日本で成功するのは難しいが,実例があるので不可能ではないとコメントして締めくくった。

 最後に桑水氏は,海外展開している日本のパブリッシャのランキングを紹介。これは,グローバルの数値から日本の数値を引いた,海外のみのデータをまとめたものだ。
 App StoreとGoogle Playの合計ダウンロード数ではLINEが,合計売上ではGREEがトップとなっていた。LINEゲームはタイや台湾で人気を博しており,この春から大きく伸びているという。
 なお桑水氏は,ダウンロード数で3位,売上で5位にランクインしたgumiを注目株として挙げていた。同社(の子会社であるエイリム)がサービスしている「ブレイブ フロンティア」Android/iOS)がアジアや北米でヒットしたのが要因となっているという。

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 講演のレポートは以上となる。今回の桑水氏の講演は,ここ1年間のゲームアプリのトレンドがどのように変化してきたのかがまとめられた,非常に分かりやすいものだった。
 海外進出を考えているデベロッパにとっては,iOSとAndroidの国別シェア,そしてマネタイズまで踏み込んだ分析は,参考になったのではないだろうか。
 なお,講演内で桑水氏が話していたが,App Annieではアプリの市場分析などを一部無料で公開している。興味のある人はアクセスしてみてほしい。

App Annie公式サイト

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