業界動向
DeNAとガンホーの2013年第3四半期決算に見るスマートフォンアプリ市場の明暗
ディー・エヌ・エーの売り上げ低下の原因として挙げられているのは,自社および協業他社のタイトルの不振とヒット作不足だ。新作開発は,国内・海外ともに力を入れているため,先行投資も多くなり,利益を押し下げている。なお,海外での売り上げは着実に上がっている模様。
四半期ごとのグラフを見ると,ソーシャルゲームで先行していた時期,収益性のよいカードゲームの展開でグリーに遅れを取っていた時期,そしてネイティブアプリ展開の不調などが分かりやすい。商品寿命が短めなためか,ヒット作を連続していなければ勢いを維持できないのだろう。
一方のガンホー・オンライン・エンターテイメントは,2月3日に四半期決算を発表していた。2013年1月1日から12月31日までの12か月間で1630億6000万円の売上高を記録している。第3四半期間では467億9900万円を売り上げている。
四半期ごとのグラフを見ても,「パズル&ドラゴンズ」(iPhone / Android)が大化けしてからほぼ1年が経過し,もの凄い勢いの伸びは止まったものの,非常に高い水準で推移していることが分かる。なお,ガンホーの決算短信では「特定子会社の移動はない」とのことなので,Supercellの売り上げは連結されていない。
ガンホーの中長期戦略では,新たな収益の柱の創造が第一に挙げられており,9割以上をパズドラに依存する体質からの脱却を急務としている。また国際的ブランドの確立も合わせて挙げられており,グローバル市場での成長に次の焦点を合わせているようだ。
なお,ガンホーでは今期初めて配当を実施するとも発表しており,1株あたり250円を株主に還元する決定をしている。
※初出時,株式の分割日時を誤っておりました。250円は分割前の株数に対して適用される金額です
四半期売上高を比較すると,パズドラのガンホーがモバゲーを擁するディー・エヌ・エーを追い抜いたかたちになっている。1アプリでプラットフォームを超える売り上げを叩き出すという,スマートフォンアプリ市場の破壊力が垣間見える決算結果といえるかもしれない。
ディー・エヌ・エー決算短信(PDF)
ガンホー・オンライン・エンターテイメント決算短信(PDF)
(C) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
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