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NETGEAR,国内初と謳う11ad対応のゲーマー向け無線LANルーター「Nighthawk X10 R9000」を発表。11ac Wave2対応のエクステンダも
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印刷2017/05/09 11:40

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NETGEAR,国内初と謳う11ad対応のゲーマー向け無線LANルーター「Nighthawk X10 R9000」を発表。11ac Wave2対応のエクステンダも

 2017年5月9日,NETGEARの日本法人であるネットギアジャパンは都内で報道関係者向けイベントを開催し,その場で,IEEE 802.11ad(以下,11ad)対応の無線LANルーター「Nighthawk X10 R9000」と,11ac Wave2対応の無線LANエクステンダ「Nighthawk X4 EX7300」を発表した。いずれも6月9日発売予定で,価格は順に5万7800円(税込)1万4980円(税込)となっている。

Nighthawk X10 R9000
画像集 No.002のサムネイル画像 / NETGEAR,国内初と謳う11ad対応のゲーマー向け無線LANルーター「Nighthawk X10 R9000」を発表。11ac Wave2対応のエクステンダも

Patrick Lo氏(Chairman and CEO, NETGEAR)
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 発表会で登壇した,NETGEARの会長兼CEOであるPatrick Lo(パトリック・ロー)氏は,「4年前に登場した最初の製品から,Nighthawkは,マルチストリーム,マルチバンドのパイオニアとして,世代を重ねて進化してきた」と述べ,60GHzと5GHz,2.4GHzのトライバンドに対応した第5世代Nighthawkとなる新製品が,ゲームの遅延面でより有利となり,その帯域幅は4Kビデオをカク付きなしに送信できるほどになったとした。11adの採用によって遅延の低減をどの程度実現したのかまでは明らかになっていないものの,遅延に関連し,11ad時代におけるワイヤレスVRゲームの可能性についてLo氏が言及していた点は,興味深いところである。

Lo氏が示したNighthawkルーターの歴史(左)と,北米市場における200ドル以上の家庭用ルーター製品におけるシェア一覧(右)。2017年第1四半期の時点でNETGEARが半分弱の市場を押さえているという
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 現在のところ(少なくとも日本では)11ad対応のクライアント製品はなく,またNETGEARとしてもUSB接続型子機のようなものを投入する計画もないが,「2017年の後半には,(ノートPCやスマートフォン,タブレット端末といった)11ad対応クライアントが出てくると考えている」(Lo氏)とのことだ。

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 ちなみに,2013年に規格化されたIEEE 802.11adは,従来のいわゆる「Wi-Fi」とはやや異質な通信規格となる。
 IEEE 802.11ac(以下,11ac)は,2.4GHz帯を使うIEEE 802.11b/gや5GHz帯を使うIEEE 802.11aなど,いわゆるWi-Fiと総称される規格と互換性を保ちながら,理論値最大6.9Gbpsの通信速度を実現した。
 それに対して11adは,もともとが,「ミリ波」と呼ばれる60GHz帯を使ってホストとデバイスを接続することを目的とした「WiGig」という仕様を基にしている。WiGigは,「高解像度ディスプレイやストレージといった,広い帯域幅が必要なデバイスを,PCと無線でつなごう」という目的で開発が進められていたもの。それがさまざまな経緯を経てIEEEの標準となった結果が11adという理解でいい。

 11acをはじめとする従来のWi-Fiでは,複数のアンテナを束ねる「MIMO」(Multi-Input Multi-Output)を使って通信速度を向上させてきた。11acにはWave1とWave2,2つの世代があり,Wave1では1チャネルあたり80MHzの帯域を使ってMIMOにより1.3Gbpsの通信速度を,Wave2では160MHzの帯域を使って1.7Gbpsの通信速度をそれぞれ実現している(※11acの規格上は最大6.9Gbpsに対応可能だが,そこまで対応した製品はまだ登場していない)。

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 それに対して11adでは,60GHz帯という非常に高い周波数を使うことにより,1チャネルあたり2.16GHzという広い帯域を確保し,MIMOを使用することなく最大6.8Gbpsの通信速度を実現する。従来の5GHzや2.4GHz帯と比べるとその性質は光に近づくため,極めて直進性が高く障害物にも弱い。そのため,見渡せる範囲――現実的には11ad対応ルーターやアクセスポイントが置いてある室内――での利用が基本になる。ものすごく単純化して説明するなら,11acに代表する既存の無線技術と比べると到達範囲がかなり狭い一方,速度はかなり高い技術ということになるだろう。

プロセッサがかなりの熱を持つようで,天板部にあるハニカムメッシュ構造からファンの存在を確認できる。動作音に関する情報は現時点では未公開
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 Nighthawk X10 R9000でも,11adの到達範囲は「置いてある部屋の中」(NETGEAR)で,それより先は5GHz帯もしくは2.4GHz帯を使うことになる。製品レベルの通信速度は60GHz帯が4.6Gbps,5GHz帯が1.7Gbps,そして2.4GHz帯が800Mbpsなので,単純計算で60GHz帯は5GHz帯より約2.7倍速いことになるわけだ。
 搭載するプロセッサは4コアモデルで,1.7GHz駆動。有線LANポートは10Gbit×1,1Gbit×6で,10GbitポートはSFP+,1Gbitポートは1000BASE-T仕様となる。後者のうち2ポートはリンクアグリゲーションに対応するという。

Nighthawk X10 R9000のインタフェース一覧
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 ゲーマー向けエクステンダとして訴求されるもう1つの新製品,Nighthawk X4 EX7300は,5GHz帯で1.7Gbps,2.4GHz帯で450Mbpsの通信速度を確保。Nighthawk X10 R9000をはじめとする11ac Wave2対応のNETGEAR製ルーターだけでなく,他社の11ac Wave2対応ルーターでも利用できるという。

Nighthawk X4 EX7300
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 11acの特徴である「MU-MIMO」技術により,同時に最大4台のクライアント端末とアクセスできる機能はもちろん利用可能。また,中継用の電波と子機接続用の電波を分離して,子機の増加による中継速度の低下を低減できるという機能「Fast Lane」も利用可能だ。

いわゆる壁コンセントに直差しするタイプのエクステンダだが,サイズはかなり大きく,また,排気孔と思われるスリットの量も多い
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「時速80マイルでの移動中でも1Gbps接続可能」なモバイルルーターも8月に投入


製品情報ページより。天板部はバッテリー残量やリンク速度,データ利用量などのインジケータとして機能する
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 NETGEARはイベントで,LTEカテゴリ16に対応するSIMロックフリーのモバイル無線LANルーター「Nighthawk M1」を,2017年8月に国内発売する予定も公表している。
 Lo氏が説明するところによると,Nighthawkブランド初となるモバイル無線LANルーターは,「時速80マイルでの移動中でも1Gbpsで通信できる,唯一の製品」「持ち運べる1Gbps」とのことだ。

展示されていたNighthawk M1
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1000BASE-TとUSB Type-CおよびType-Aを搭載
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端子群とは反対の側面に電源ボタンがあった。底面は滑り止めのラバー付き
 搭載するのはQualcomm製モデム「Snapdragon X16 LTE MDM9x50」で,変調方式として256QAMを用いる20MHz幅のLTE電波を最大4つ束ねて利用するキャリアアグリゲーションにより,下り最大1Gbpsを実現する仕様となっている(※上りは最大150Mbps)。仕様を見ると,4つ束ねたキャリアアグリゲーションでは2x2 MIMO,3つ束ねたキャリアアグリゲーションでは4x4 MIMOを利用できるようだ。
 クライアントとは11ac(2x2 MIMO)で接続できるほか,1000BASE-T LANポートも持っているため,ノートPCなどとはワイヤード接続も可能。内蔵バッテリーは5040mAhというスペックである。

 ネットギアジャパンによると,現在のところ国内モデルにおける対応LTEバンドは未定。8月の発売に向けて調整を行っていくとのことである。

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ネットギアジャパン公式Webサイト


(記事本文&写真:佐々山薫郁,11ad解説:米田 聡)
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