制作期間に約1年を費やした人も！好きなキャラへの愛が詰まった「FFXIV」ファンフェスティバルのコスプレコンテストをレポート

　2016年12月24日，25日に東京ビッグサイトで開催された「ファイナルファンタジーXIV」（PC / PS4 / Mac。以下，FFXIV）のファンフェスティバル（以下，ファンフェス）で，1日目のステージイベントとして「コスプレコンテスト」が行われた。今回も見事にチケットが外れた筆者が，その模様をお届けする。
　コンテストには，書類審査を通過した55名のコスプレイヤーが参加。司会進行を室内俊夫氏が務め，コアメンバーの皆川裕史氏，前廣和豊氏，さらにゲームクリエイターの松野泰己氏が審査員としてコンテストを審査していく。

左から室内俊夫氏，皆川裕史氏，前廣和豊氏

松野泰己氏

　さらに，FFXIVのコスプレコンテストではお馴染みになっている「特別審査員」も用意され，過去のコンテストで最優秀賞を受賞した葵きつねさんと，VEGAさんも登壇。葵きつねさんは「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のトレーラーに登場する女性キャラの衣装を，VEGAさんはムーンブリダのコスプレをして登場した。

（左）葵きつねさん，（右）VEGAさん

　この5人による審査で，今回は最優秀賞1名，優秀賞3名，特別賞1名，松野氏も審査員に言うということで“魔術師ニバス賞”の1名も加えた，6名を選んでいくこととなった。

　まずは，書類審査を通過した参加者全員が壇上にあがり，自信のコスプレを披露していく。プレイヤーキャラクターはもちろん，今回は特にNPCキャラになりきったコスプレをしている人が多い印象だった。
　書類審査はステージ開場前に行われているのだが，その選考で開始時刻が約10分ほど遅れた，というのも頷けるほどハイレベルで，どのコスプレも甲乙つけがたい素晴らしい出来栄えだ。


　書類審査55名から，第1次審査の通過者は17名まで絞られる。通過者は審査員にアピールをするべく，1人1人壇上にあがり，コスプレのアピールポイントを紹介していく。制作期間が約1年がかりだったり，子育てや仕事，ゲームの固定活動をしながらで大変だったり，道具が光ったり，難しい造形の武器を作るために何度もゲームの資料を見たりと，並々ならぬ努力と苦労がうかがえる話ばかりだった。


　特に驚いたのは，ハウリングスピリットのコスプレをしていたAsamiさんだろう。前も見えない状態でよろよろ歩く様は「過去に登場したデモンズブロックとか，ハイデリンと同じネタ枠かな？」と筆者は勝手に思っていたのだが（すみません），壇上でもぞもぞと何かをしていると思ったら，中から可愛らしいクロ・アリアポーが飛び出してきたではないか。これには会場も大きなどよめきと歓声が起こっていた。1次審査を通過していなかったら，ハウリングスピリットの「おばけの人」で終わっていたことを考えると，すごい大博打だ。


　この甲乙つけがたいコスプレの数々に，審査員の5人は真剣な面持ちで議論をしていた。その間，ステージ上では室内氏によるインタビューが行われ，「奇しくも同キャラでの対決となりますが」というまさかの煽りにも，参加者は冷静に「あちらもすごいですよねー」とお互いのコスプレを褒め合う優しい対応にほっこりしたり，「この武器重そうですね？」と室内氏が武器を持たせてもらうと柄が外れてしまうなどのハプニングもあり，笑ったり驚いたりと，あっという間に時間が流れ，いよいよ審査結果の発表となった。

審査員5人はかなり真剣ムード。結果を出すのにかなり時間がかかっていた。

　まずは，特別賞。「世界観に合った」ということを重視して審査したということで，アルフィノのコスプレをした零咲さんが選ばれた。「薪拾いなら任せてくれよ！」の掛け声でアピール，そして過去にアルフィノのコスプレをした時にアドバイスを受けて色々と改良を行ったという。自身がアルフィノ大好きとのことで，とてもキャラ愛を感じるコスプレだった。


　次に，魔術師ニバス賞は松野氏から発表され「人生はひたすら努力の積み重ねですが，時にはギャンブルも必要でしょう」と，コンテストで大博打をしたハウリングスピリットと，クロ・アリアポーのコスプレをしたAsamiさんが選ばれた。何といっても審査で評価されたのは，あの壇上で着替えるという演出だろう。「ギャンブルは得意な方なので」と終始会場を笑いで沸かせていた。


　最後に優秀賞以上の4名が発表されたが，ここではまず優秀賞から紹介しておこう。まず，詩人の古典装備「ウェザード・アエドシリーズ」のコスプレをしたしまえびさん。こだわった点は手に持っている弓「グリダニアン・エリートボウ」の造形だという。見るからに難しそうな形をしているが，ゲーム内の弓と比べても瓜二つな再現度。筆者から見ると，衣装も素晴らしい再現度だと思うのだが，本人はあくまで弓推しのようだ。


　優秀賞2人目は，アイメリクのコスプレをしたbanzokuさん。パッと見ただけでもアイメリクとわかる素晴らしいコスプレだが，こだわった点はコートの裏。よく見ると鱗の模様が1つ1つのパーツから出来ているのが見える。その他にも，材質や剣の色味などはもちろん，少しでもキャラに近づけようと，髭は前日に抜いたという熱意溢れるコスプレだった。

せっかくなので，ご本人から製作時の写真をいただいてきた。コートの裏はこうやって出来上がっている。すごい……

　優秀賞3人目は，漆黒のエッダのコスプレをしたネガさん。製作期間があまりなく、思いついてから勢いで作ったとのことだが，その武器の形は審査員を「あの武器どうなってんだ！？近くで見たい！」と唸らせるほど。何度もゲーム内のスクリーンショットや，イベントムービーを見て研究に研究を重ねた末に出来上がった，渾身の武器と衣装だったとのことだ。


　最優秀賞に輝いたのは，蒼天騎士団ゼフィランのコスプレをしたカズサさん。鎧を作るのは初めてで，制作は去年の1月から開始したということで，約1年がかりで作られた衣装だ。前日まで作業をして貫徹でコスプレコンテストに挑んだという。


　ちなみに，カズサさんは前回のファンフェスで行われたコスプレコンテストにも，ハイアラガンキャスター装備で出場していたという。こういった細々した造形なら作ったことはあったが，鎧全身は初めての製作で，ここまで形にできてほっとしているとのことだった。

前回のファンフェスティバルでハイアラガンキャスター装備を着ているカズサさん。前回もすごいハイクオリティだった。

　また，今回の特別審査員を務めた葵きつねさんと，VEGAさんにいくつか質問をしてみた。


4Gamer：
　今回，特別審査員をしてみてどうでしたか？

葵きつねさん：
　二回目なのでとても恐縮でした。私要らなくないですか？って聞いたんですが，結局参加させてもらいました。とにかくレベルが高くて1次通過しなかった方の中にもすごい人が多かったです。

VEGAさん：
　めちゃくちゃ緊張しました……！ですが，それ以上に参加したコスプレイヤーの皆様が素晴らしいクオリティでしたので，とても楽しんで審査させていただきました。

4Gamer：
　お二人も今回コスプレをされていますよね。ほとんど壇上では触れられていませんでしたので，制作期間とこだわった点など教えていただけますか？

葵きつねさん：
　約2か月です。そのうちのほとんどは胸を盛ることに費やされました。

VEGAさん：
　ムーンブリダと2日目（コスプレファッションショー）の衣装を同時進行し，あわせて2か月の制作期間です。光るギミックの白聖石にこだわりました！

4Gamer：
　今回の結果は，審査員全員の意見をまとめて出したものだったかと思いますが，ご自身のイチオシはどなたでしたか？

葵きつねさん：
　賞をとらなかった方だと，菊正宗さん（ドラヴァニアンスレイヤーシリーズ）と影身のえりさん（クレイモアを持っていた方のフレイ）。細かいディテールが素晴らしかったです。

VEGAさん：
　私はもう最優秀賞を受賞されたカズサさんですね。鎧を制作するのは初めてとおっしゃっていましたが，全くそれを感じさせないバランスの良さ，質感，細かな表現。鎧の重苦しさよりも華やかな印象を受けました。長期の制作お疲れ様でした！おめでとうございます。

4Gamer：
　葵さんは最優秀賞のカズサさんのコスプレを見ていかがでしたか？

葵きつねさん：
　バランス，話題性，衣装のこだわりや技術等，とにかくクオリティが高く鎧であることや，剣がカッコいいなど目を引くポイントが多かったです。最優秀賞おめでとうございました。

4Gamer：
　お二人ともありがとうございました。

　ファンフェス2日目には，気軽に参加できるコスプレファッションショーも実施された。その模様や，ファンフェス会場にいたコスプレイヤーさんの写真も合わせてドンと掲載しておこう。ちなみに，筆者の目が釘付けになったのは，詩人さんが手に本物のピーマンを持っていたことです。

※画像はクリックすると拡大表示されます

鈴木健夫氏と皆川裕史氏もファッションショーに登場。ちなみに，この衣装は脱出ゲームで使用していたものです。

この人どこかで見たことあるような

事件屋ヒルディブランドによる，華麗な真剣白刃取り